トピックスTopics
- 2012/12/26
大企業の8割に「メンタル不調」従業員
- 2012/12/25
外国人研修医を初の労災認定(過労死)ー弘前市立病院
- 2012/12/22
キヤノン偽装請負問題、正社員雇用などで和解
- 2012/12/19
労組加入率、最低の17.9%=パート増加で−厚労省
- 2012/12/14
4人に1人がパワハラ被害、半数は相談せず
- 2012/12/13
雇用保険の料率、13年度も1.0%で据え置き=厚労省
- 2012/12/11
過酷労働でうつ病自殺=両親が東北大提訴−仙台地裁
- 2012/12/06
「陸援隊」社長を書類送検=違法な時間外労働−成田労基署
- 2012/11/30
過労自殺で労災認定、横浜の男性に=東京地裁
- 2012/11/30
労災認定公表、開示命じた一審を取り消し=大阪高裁
- 2012/11/30
社会保障給付100兆円突破、年金・医療費増で
- 2012/11/30
継続雇用制度で初判決=男性の再雇用認める−最高裁
- 2012/11/26
柿安本店、超過労働させた疑い=四日市労基署、書類送検
- 2012/11/20
助成金1億円を不正受給、大阪の鋳物製造会社
- 2012/11/19
外国人実習生過労死で和解=賠償訴訟−水戸地裁
- 2012/11/15
残業代不払いの疑い、派遣業「新日本」捜索=大阪労働局
- 2012/11/14
障害者雇用率、最高の1.69%=民間企業−厚労省調査
- 2012/11/14
年金減額、来年10月から…特例解消で3党合意
- 2012/11/10
労基法違反容疑で運送会社など書類送検
- 2012/11/09
自殺:「過労が原因」と西濃運輸を提訴…横浜地裁に遺族
- 2012/11/03
保険料率、最大11.5%に=17年度収支見通し−協会けんぽ
- 2012/11/02
有休取得率49.3%=政府目標ほど遠く−厚労省調査
- 2012/11/01
兵庫労働局が残業代不払い指導、50社が3億支払い
- 2012/11/01
大阪「過労死」高止まり、昨年度労災認定31件
- 2012/10/29
請負業務のけが、健保を適用=労災との「谷間」救済で−厚労省
- 2012/10/28
厚生年金基金制度、10年後に廃止…厚労省方針
- 2012/10/26
能力給の割合増やす、58%…経団連の企業調査
- 2012/10/25
宮崎の過労自殺、8千万円で和解=自治体職員訴訟では初
- 2012/10/24
国民年金基金、積み立て不足1兆4千億超ー11年度末
- 2012/10/23
中小の傷病手当金支給、精神疾患が最多〜11年26%〜
- 2012/10/19
65歳まで雇用、最高の48.8%=中小企業で活用進む−12年
- 2012/10/17
残業不払い額、18%増=労基署が1312社指導−11年度
- 2012/10/12
福岡の女性SE過労死、6800万円賠償命じる判決
- 2012/10/09
社会保険加入、徹底促す=国交・厚労省
- 2012/10/06
元記者を「ノルマ果たせず」解雇は違法=東京地裁判決
- 2012/10/04
労働安全衛生法違反:倉庫の危険放置で書類送検=新潟
- 2012/10/04
大和ハウスと元社員和解=解決金支払い−東京高裁
- 2012/10/03
社員過労死で書類送検、茨城の和菓子メーカー
- 2012/10/03
健康状態が理由の例外認める、65歳雇用で厚労省
- 2012/10/03
うつ病自殺は過労原因=日赤に7千万円賠償命令−甲府地裁
- 2012/09/30
退職強要でうつ再発、日本IBM社員を労災認定
- 2012/09/29
専修大元職員の解雇認めず、 労災認定受け療養中=東京地裁
- 2012/09/29
厚年基金、廃止方針を決定=10年先にも−厚労省
- 2012/09/27
シルバー人材作業中けが、健康保険適用求め提訴
- 2012/09/26
石綿肺で自殺、「労災」と認定=岡山地裁判決
- 2012/09/26
人員整理で分社・解散疑い、JUKIに団交命令
- 2012/09/22
ヤマト運輸社員の過労死を認定、長時間労働で労基署
- 2012/09/22
富士通課長の過労死認定、震災対応が原因と労基署
- 2012/09/22
健康保険証、希望の性別表記一転認めず=性同一障害で厚労省
- 2012/09/18
心の相談が労災病院で最多、3万件に迫る=独法まとめ
- 2012/09/16
「パワハラで自殺」さいたまの遺族、東京日野自動車を提訴
- 2012/09/14
男女7人逮捕=架空従業員に雇用助成金−大阪府警
- 2012/09/14
パワハラ:横浜美大元職員、うつ病患い告訴/神奈川
- 2012/09/14
健保組合8割が赤字…拠出金負担増、解散も増加
- 2012/09/12
11年の離職率14.4%、前年比0.1ポイント低下=厚労省調査
- 2012/09/12
労働局、雇用助成金不正受給で広告会社に744万円返還請求
- 2012/09/11
通勤手当の除外議論へ=年金などの保険料算定で厚労省
- 2012/09/11
うつ自殺で会社に6342万円支払い命令−地裁判決/群馬
- 2012/09/11
消費増税、さらに最大6.2%…新年金で再試算
- 2012/09/05
年金法改正案 今国会での成立断念
- 2012/09/04
配転無効確定のオリンパス社員が会社を提訴
- 2012/09/01
過労でうつ病、自殺を労災認定=大田労基署
- 2012/08/31
失業率横ばい、4.3%=求人倍率は14カ月連続上昇−7月
- 2012/08/30
改正高齢者雇用安定法成立:「65歳まで雇用」義務化
- 2012/08/28
国保保険料の地域差1.7倍=徳島が最高、東京は最低
- 2012/08/26
「やむ得ぬ理由」厚生年金基金脱退、認める判決
- 2012/08/24
「胆管がん」労災判断で専門組織新設へ…厚労省
- 2012/08/24
女性教授、部下の講師に「資質ない」と退職迫る
- 2012/08/23
仕事「パートで続けたい」が7割=厚労省調査
- 2012/08/15
助成金2千万円を不正受給=福島の機械卸売会社
- 2012/08/12
「長時間労働でうつ病」愛媛大と准教授を提訴
- 2012/08/10
「治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会」報告書―厚労省
- 2012/08/05
労働安全衛生法違反容疑で天理の運送会社を書類送検=奈良
- 2012/08/03
契約社員ら、5年超で無期雇用に転換=改正労働契約法が成立
- 2012/08/02
三田学園を提訴へ、自殺した教諭の両親
- 2012/08/02
労災不支給:観光バス運転手の遺族、取り消し求め提訴=長野
- 2012/07/31
新卒採用、企業の47%で増加…経団連調査
- 2012/07/28
福井男性自殺:上司パワハラが原因ー労災認定
- 2012/07/25
最低賃金、全国加重平均で7円引き上げ
- 2012/07/25
厚労省、「消えた年金記録」2240万件なお未解明
- 2012/07/24
メンタル復職支援に重点=成功例を募集、公開へ−厚労省
- 2012/07/19
二審も公務災害認定=静岡の新任教諭自殺−東京高裁
- 2012/07/18
性同一性障害、保険証に戸籍と異なる性別容認へ
- 2012/07/17
国保の医療費突出、うつ病での退職者加入が一因
- 2012/07/13
胆管がん、時効でも労災申請受理=厚労省指示
- 2012/07/12
人工透析:技士を違法派遣、医療会社処分=大阪労働局
- 2012/07/10
胆管がん、新たに3人ー印刷業との因果関係を本格調査へ
- 2012/07/09
パワハラ原因のうつ病で休業、労災と認める判決
- 2012/07/07
女性の非正規雇用54.7%過去最高=2011年女性労働白書
- 2012/07/06
「バカ」とパワハラ、元短大課長うつ病労災認定
- 2012/07/06
雇調金の助成率引き下げ=厚労省、成長分野に転職促す
- 2012/07/05
年収500万円以上世帯は例外=日雇い派遣禁止で−厚労省
- 2012/07/05
11年度の国民年金納付率最低に、58.6%ー6年連続低下
- 2012/06/30
オリンパス社員勝訴=内部通報後の配転無効−最高裁
- 2012/06/29
日本通運に1億3700万円賠償命令=アスベスト−神戸地裁支部
- 2012/06/26
宮城の印刷会社でも胆管がん発症(労災申請)…洗浄剤原因か
- 2012/06/22
パートの「正社員待遇」拡大ー労政審意見書
- 2012/06/20
セクハラ訴訟の原告女性「雇い止めは不当」ーJR西を提訴
- 2012/06/19
派遣時給、19カ月連続上昇、5月三大都市圏=リクルート調べ
- 2012/06/15
平成23年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」まとめ
- 2012/06/15
心の病で労災、最多の325人=「震災」原因が20人−厚労省
- 2012/06/14
競合他社への転職禁止、二審も「条項は無効」=東京高裁
- 2012/06/14
精神障害者の雇用義務化へ=厚労省方針、社会進出促す
- 2012/06/13
胆管がん発症問題、厚労省が全国一斉立ち入り調査
- 2012/06/12
ソフト会社などが雇用助成金を不正受給ー大阪
- 2012/06/11
年金支給開始、67歳以上に=OECD加盟国の4割
- 2012/06/10
バイト中に震災死、安全配慮怠ったと親が提訴
- 2012/06/05
建設業者に社会保険書類義務付け=国交省、加入率向上図る
- 2012/06/03
個人の職歴漏らした疑い、ハローワーク職員逮捕
- 2012/06/02
日野自動車子会社の男性自殺、再審査で労災認定
- 2012/06/01
「堂島ロール」の会社、残業代未払い是正勧告
- 2012/06/01
「談合で心労」財団元幹部が労災給付訴訟
- 2012/05/31
社会保障協定、日印締結で合意
- 2012/05/30
労働相談が最多25万6000件=厚労省「いじめ相談増加が要因」
- 2012/05/30
雇用調整助成金の条件引き上げ・支給絞り込みへ
- 2012/05/29
パート労働条件の見直し、「正社員待遇」10万人増
- 2012/05/29
「がんこ」残業代未払い5億円、書類送検へ
- 2012/05/26
労災死、震災原因56%=11年は全体で2338人−厚労省
- 2012/05/23
「退職拒んだら子会社出向」無効=リコー社員の労働審判
- 2012/05/21
協会けんぽ、保険料負担軽減を要請
- 2012/05/19
障害者の雇用率=2%に引き上げへ
- 2012/05/18
ワタミの一部店舗、時間外労働で不適切労使協定
- 2012/05/15
障害者の就職、2年連続で最高=6万人に迫る−厚労省
- 2012/05/14
<労災認定>会社の実態調査、労基署に要請=自殺男性の遺族
- 2012/05/12
三菱電機子会社が二重派遣、29人を別会社に
- 2012/05/09
健康診断受けさせず=陸援隊、法令違反多数−国交省
- 2012/05/05
労災死者:昨年、過去最少37人、前年比23人減ー兵庫労働局
- 2012/05/04
67%の人が自分の年金記録確認…厚労省調査
- 2012/05/02
賃金不払い増え総額11億4851万円ー大阪労働局
- 2012/04/28
最高裁、解雇無効の判断…精神的不調で欠勤
- 2012/04/27
男性の育休取得率、過去最高=2.63%に上昇−厚労省
- 2012/04/26
社員うつ病発症「労災」/労基署決定を覆す
- 2012/04/26
精神疾患の発症、長時間労働が原因=野村総研社員の労災認定
- 2012/04/26
雇用安定助成金、400万不正受給…社長ら逮捕
- 2012/04/25
残業代求め法テラス提訴=常勤弁護士「管理職でない」−青森
- 2012/04/24
義務化見送りへ=受動喫煙防止、民主が修正
- 2012/04/22
医療介護など有望産業で雇用1000万人増=国試算
- 2012/04/20
子会社異動迫られ鬱病に=NTT西日本社員が提訴
- 2012/04/17
いすゞの雇い止め有効=東京地裁、元派遣社員らの請求棄却
- 2012/04/13
心の健康対策を一貫管理=アドバンテッジ、中小企業向けに
- 2012/04/12
ソニー、人員削減1万人を発表…2012年度に
- 2012/04/06
改正国保法成立=平成27年度から全医療費を都道府県単位で負担
- 2012/04/04
USEN、職場に癒やし系音楽=メンタルヘルス対策に
- 2012/04/03
外務省担当の警備員過労死認定…残業月81時間
- 2012/03/30
後期高齢者保険料、5.9%増=43都道府県でアップ−厚労省
- 2012/03/30
「児童手当」改正法成立…6月分から所得制限へ
- 2012/03/28
労働基準法違反:就業規則の変更でソニーに2度勧告
- 2012/03/28
改正労働者派遣法が成立=30日以内の日雇い派遣は原則禁止
- 2012/03/28
公的年金、3521億円の黒字=保険料収入2年ぶり増−10年度
- 2012/03/23
過労で精神疾患、飲酒で死亡=二審は賠償額減らす
- 2012/03/23
年金支給額4月から0.3%引き下げ=政府が閣議決定
- 2012/03/22
滞納の年金保険料、強制徴収へ…国税庁が請け負い
- 2012/03/22
厚生年金で事業所調査へ=加入逃れ、半減目指す
- 2012/03/22
偽装請負:大阪医療センター、救急車運転で労働局が指導
- 2012/03/21
「児童手当」に改名した修正案、衆院委で可決
- 2012/03/21
赤字申告企業が72.8%=10年度、引き続き最悪水準−国税庁
- 2012/03/20
名古屋東労基署:パワハラで自殺、認定ー遺族年金の係争中
- 2012/03/19
パートの年金・健保適用拡大で健保組合の負担増
- 2012/03/19
診断書作成の医師に懲役8年=障害年金不正受給−札幌地裁
- 2012/03/16
厚労省、パワハラの相談員配置 全国の主要労働局に
- 2012/03/15
共済年金、2015年10月厚生年金に統合へ
- 2012/03/13
上尾の業者が雇用安定助成金を不正受給
- 2012/03/11
企業、人件費負担重く=労働分配率69.4%に上昇
- 2012/03/08
「みなし労働制」適用認めず=残業代訴訟で添乗員勝訴−東京高裁
- 2012/03/07
死亡労災事故容疑で東芝エレベータ書類送検
- 2012/03/02
京都新聞:社員募集に出身地制限…労働局指摘で削除
- 2012/03/02
労災隠し、すき家関連会社など書類送検=西脇労基署
- 2012/02/25
社会保険未加入、営業停止も=建設業向け国交省対策
- 2012/02/24
心療内科カウンセラー、うつ病で労災認定
- 2012/02/23
石綿で肺がん、元新日鉄従業員の労災認める=東京地裁
- 2012/02/22
公務災害認定が確定=パワハラでうつ病、自殺−最高裁
- 2012/02/22
退職勧奨拒否で出向は不当…労働審判申し立て
- 2012/02/22
自殺のワタミ社員、一転して労災認定
- 2012/02/20
非正社員最高の35%(2011年)、失業1年以上109万人
- 2012/02/18
ホンダ相手取った雇い止め訴訟、原告敗訴=東京地裁
- 2012/02/17
労災隠しの荷役会社を書類送検=木更津労基署
- 2012/02/16
石綿原因の肺がん、5年以上作業で労災認定=厚労省
- 2012/02/16
時間外労働、月135時間=慰謝料440万円支払い命令=大阪地裁
- 2012/02/15
外国人不当労働、社長の責任認定=福島地裁支部判決
- 2012/02/14
JR東社員自殺「パワハラ原因」=妻が提訴−新潟地裁
- 2012/02/12
所在不明の年金受給者、家族の届け出義務化=厚労省が不正対策
- 2012/02/10
雇用助成金を不正受給=製造会社元社長ら2人逮捕−静岡
- 2012/02/06
長時間労働でうつ病リスクが2倍以上に、英研究
- 2012/02/03
国保収納率、88.6%に改善=実質赤字3900億円−厚労省
- 2012/02/03
製パン大手「神戸屋」社員の過労死を認定=東京高裁
- 2012/01/31
職業紹介で不適切業務=厚労省に改善勧告−総務省
- 2012/01/30
職場の「パワハラ」初定義=厚労省が報告書
- 2012/01/28
協会けんぽ保険料率アップ、初の全国平均2けた
- 2012/01/27
外国人労働者、68万人=中国が最多−厚労省
- 2012/01/27
年金支給額、0.3%下げ=物価下落で4月から−厚労省
- 2012/01/26
平成24年度の雇用保険料率を告示=0.2%引下げ
- 2012/01/25
二審も過労死認めず=糖尿病合併症の時事通信記者−東京高裁
- 2012/01/24
賃金不払いの容疑で東成区の会社書類送検=大阪
- 2012/01/24
労災2件を報告せず 容疑の2人書類送検
- 2012/01/22
政府、海上労働条約批准へ 国内法も整備
- 2012/01/20
未払い保険料、10月から追納期間延長=政府
- 2012/01/19
「65歳定年」春闘で要求=25年度までの実現目指す−ゼンセン同盟
- 2012/01/18
足場から転落死の労災事故、10年度39件
- 2012/01/17
「パワハラあった」労災逆転裁決…JR職員自殺
- 2012/01/17
札幌の大手スーパーに立ち入り=納入業者に従業員派遣強要−公取委
- 2012/01/17
建設業男性の自殺、労災認定=京都南労基署「過労による」
- 2012/01/13
下請法違反でチヨダに勧告=1億7000万円を不当減額−公取委
- 2012/01/12
時給630円、最低賃金不払い容疑で書類送検
- 2012/01/11
後期高齢者医療、保険料の年間上限引き上げへ
- 2012/01/10
自殺者14年連続3万人超=昨年は3万513人−警察庁
大企業の8割に「メンタル不調」従業員2012/12/26
従業員300人以上の大企業の約8割に、鬱病や気分障害などのメンタルヘルス不調に悩む従業員がいることが25日、厚生労働省の調査で分かった。特に、従業員1000人以上の企業では9割以上と高く、厚労省は「企業は、従業員の心の健康づくりに積極的に取り組んでほしい」としている。
厚労省が平成23年10月に全国の1万3276社(有効回答は9664社)を対象に行った調査では、「過去1年間にメンタルヘルス不調を抱えた労働者がいる」と答えた企業は13.9%。ただ、従業員300人以上の企業では約8割、1000人以上の企業では9割を超えた。従業員5000人以上では、不調を抱える従業員が30人以上いる企業も68.2%に上り、大企業ほどメンタル不調の従業員が多い現状が浮き彫りになった。
メンタルの不調で連続1カ月以上休業したり、退職した労働者が多い業種は、「電気・ガスなど」28%▽「情報通信業」25.4%▽「運輸・郵便業」15.5%▽「医療・福祉」14.6%▽「金融・保険業」14.1%−の順。企業側に、従業員が不調をきたした理由は何だったかを尋ねたところ、「本人の性格」との回答が過半数。「上司・部下のコミュニケーション不足」「仕事量・負荷が増加」など仕事や職場環境が原因と考えている割合は3割程度にとどまった。厚労省は「業務負荷による精神障害や自殺も増えている。『いつもと違う』部下がいたら、早く気づき、対応してほしい」としている。
平成24年12月25日(火曜日)MSN産経ニュース
外国人研修医を初の労災認定(過労死)ー弘前市立病院2012/12/25
平成22年11月に急性循環不全で死亡した弘前市立病院(青森県)の研修医、呂(ろ)永富(えいふ)さん=当時(28)=を、弘前労働基準監督署が労災認定したことが25日、分かった。認定は20日付。担当弁護士によると、外国人研修医の労災認定は初めてという。
呂さんは中国出身で16年に弘前大医学部に入学。22年4月から弘前市立病院で研修医として勤務していたが、約半年後に急死した。亡くなる直前の1カ月の残業時間は93時間32分。死亡前2カ月〜6カ月の平均は80時間を超えており、弘前労基署は「長期間にわたる過重労働が認められる」と判断した。
平成24年12月25日(火曜日)MSN産経ニュース
キヤノン偽装請負問題、正社員雇用などで和解2012/12/22
キヤノン宇都宮光学機器事業所(宇都宮市)で、偽装請負状態で働かさせられたとして、元請負労働者5人でつくる「キヤノン非正規労働者組合」が、同社に正社員としての雇用を求めた問題を巡り、東京都労働委員会で、2人を同社の関連会社で正社員として雇用するなどの内容で和解が成立していたことがわかった。
和解は20日付。
5人の代理人弁護士が21日、明らかにした。弁護士によると、正社員として雇用されない3人には、同社が解決金を支払うことで合意した。同社は「係争を長期化させても互いに利益はないと考え和解した」としている。
平成24年12月21日(金曜日)読売新聞電子版
労組加入率、最低の17.9%=パート増加で−厚労省2012/12/19
厚生労働省が18日発表した2012年の労働組合基礎調査(6月末時点)によると、雇用者に占める組合員の割合を示す組織率は前年比0.2ポイント低下の17.9%と過去最低となった。これまでは07、08、11年の18.1%だった。厚労省は「正社員が減り、組織率の低いパートタイム労働者が増えたため」(統計情報部)とみている。
組合員数は0.7%減の989万2000人と3年連続のマイナス。組織率の比較的高い製造業や公務員の組合員が採用抑制の影響などで減少した。
一方、パートの組合員は7.9%増の83万7000人、全体の組合員に占める割合は0.7ポイント上昇の8.5%といずれも過去最高を更新した。卸売・小売業などで加入が進んだ。
平成24年12月18日(火曜日)時事通信社
4人に1人がパワハラ被害、半数は相談せず2012/12/14
企業で働く人の4人に1人が、過去3年間に職場での優越的な地位を背景にした嫌がらせ「パワーハラスメント(パワハラ)」に遭ったという反面、その半数近くが特に何もしなかったことが、厚生労働省による初めての調査でわかった。
企業が設けた窓口などに相談した人はわずかで、同省は「人事査定への影響や他人に知られることを心配し、ためらっているようだ」と分析している。
調査は7〜9月に実施。20〜64歳の男女9000人に対し、インターネットを通じて回答を求めた従業員調査と、正社員30人以上の会社4580社が回答した企業調査の二つを行った。
従業員調査では、過去3年間に「パワハラを受けた」と回答したのは25.3%。「見た・相談を受けた」との回答も28.2%に上った。企業調査では、過去3年間にパワハラに関する相談があり、実際にパワハラがあったとしたのは32.0%。
平成24年12月13日(木曜日)読売新聞電子版
雇用保険の料率、13年度も1.0%で据え置き=厚労省2012/12/13
厚生労働省は12日、失業手当などに充てる雇用保険の料率を来年度も1.0%に据え置くと発表した。保険料率は労使それぞれが半分ずつ支払う。雇用情勢は厳しさを増しているものの、雇用保険財政の収支に余裕があるため、保険料引き上げは必要ないと判断した。
雇用保険の財源は労使で折半する保険料と国庫負担から成り立つ。財政状況に応じて、収入の1.0%から1.8%の間で設定できる。事業主だけが負担する労働者の能力開発などの雇用保険2事業の保険料率も0.35%に据え置く。
平成24年12月12日(水曜日)日本経済新聞電子版
過酷労働でうつ病自殺=両親が東北大提訴−仙台地裁2012/12/11
東北大薬学部の助手だった男性=当時(24)=がうつ病で自殺したのは、長時間勤務と上司のパワハラなどが原因として、男性の両親が11日、大学に約1億円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
遺族は2009年に労災申請し、宮城労働局は「業務上の心理的負荷が強い」として過労自殺と認定している。
訴状によると、男性は07年6月、指導教授の勧めで薬学部の博士課程を退学し、助手に就任。半年後、大学病院9階から飛び降り自殺した。直前2カ月の時間外労働は104時間、97時間だった。また、指導教授らからの嫌がらせでストレスが深刻化しうつ病になったとして、大学側に安全配慮義務違反があったと主張している。
男性の父親(57)は「息子の後輩や同僚が二度と同じ苦労をしないよう、大学には未然防止に努めてほしい」と話している。
東北大の話:訴状が届いていないのでコメントは差し控える。
平成24年12月11日(火曜日)時事通信社
「陸援隊」社長を書類送検=違法な時間外労働−成田労基署2012/12/06
群馬県藤岡市の関越自動車道で乗客7人が死亡したバス事故で、違法な時間外労働をさせたとして、成田労働基準監督署は6日、労働基準法違反容疑で、法人としてのバス会社「陸援隊」(千葉県印西市)と同社社長針生裕美秀被告(55)=道路運送法違反などの罪で公判中=を千葉地検に書類送検した。容疑を認めているという。
送検容疑は4月15日と27日、労使協定の届け出をせず、同社の男性運転手(47)と河野化山被告(44)=自動車運転過失致死傷などの罪で起訴=に、8時間を超えて時間外労働をさせた疑い。
同署はバス事故を受け、4月29日〜5月2日の計3回、労働条件の確認のため同社を調査していた。
平成24年12月6日(木曜日)時事通信社
過労自殺で労災認定、横浜の男性に=東京地裁2012/11/30
横浜市の電気通信設備会社で働いていた男性(当時27)が2005年に自殺したのは過労が原因だとして、両親が遺族補償を不支給とした横浜西労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日までに、労災と判断し、請求を認めた。
白石哲裁判長は、男性は自殺の前に適応障害を発病し、それまでの1カ月間の時間外労働は177時間近い「極度の長時間労働」だったと指摘。ケーブル関連工事のトラブルや帰宅途中の交通事故などもあり心理的負荷は強かったとして、自殺は業務に起因すると認定した。
判決によると、男性は03年に入社。05年7月に事故に遭い、自宅で仕事をしていたが、同年8月に自殺した。両親は08年3月に労災を申請したが翌年1月に退けられた。〔共同〕
平成24年11月29日(木曜日)日本経済新聞電子版
労災認定公表、開示命じた一審を取り消し=大阪高裁2012/11/30
過労死などで従業員が労災認定を受けた企業名を開示しないのは違法として、市民団体代表が大阪労働局の不開示決定の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が29日、大阪高裁であった。山田知司裁判長は「企業に過失がなくても『ブラック企業』と評価される恐れがある」として開示を命じた一審・大阪地裁判決を取り消し、請求を退けた。
山田裁判長は判決理由で「情報公開法は法人などの正当な利益を害する恐れがあるものを不開示情報と規定する」と指摘。脳・心疾患による死亡で労災認定されただけでは過失や法令違反があることを意味しないのに「社会的には『過労死』『ブラック企業』という否定的評価をされ、信用が低下し、利益が害される蓋然性が認められる」として労働局の不開示決定は適法と判断した。
原告の「全国過労死を考える家族の会」代表、寺西笑子さん(63)=京都市=は「働く人の命が使い捨てにされる現状を改善してほしい。納得がいかない」として上告の方針を明らかにした。
平成24年11月29日(木曜日)日本経済新聞電子版
社会保障給付100兆円突破、年金・医療費増で2012/11/30
国立社会保障・人口問題研究所は29日、2010年度の年金、医療、介護などの社会保障給付費が103兆4879億円だったと発表した。
統計を取り始めた1950年度以降、給付費は増え続けており、初めて100兆円を突破した。対前年度の増加額は3兆6272億円、伸び率は3.6%だった。
給付費の増加は、高齢化に伴う年金受給者の増加や医療費増大のためだ。民主党政権が10年度、中学生以下に月1万3000円を支給する「子ども手当」を創設したことや医療機関に支払われる診療報酬を引き上げたことも影響した。
分野別では、年金は52兆4184億円(前年度比1.3%増)で、全体の50.7%。医療は32兆3312億円(同4.8%増)、介護は7兆5051億円(同5.5%増)だった。
今回の統計では、就学前教育や住宅対策費なども含めた「社会支出」が、10年度で110兆4541億円だったことも発表された。経済協力開発機構(OECD)の基準によるもので、国際比較の上で重要な指標になっている。
平成24年11月29日(木曜日)読売新聞電子版
継続雇用制度で初判決=男性の再雇用認める−最高裁2012/11/30
高齢者の継続雇用制度をめぐり、再雇用基準を具体的に定めた労使協定を恣意的に運用し、再雇用を認めなかったのは不当として、兵庫県の男性が地位確認と賃金支払いを会社に求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は29日、会社側の上告を棄却した。男性の再雇用を認め、賃金支払いを命じた二審大阪高裁判決が確定した。
厚生労働省によると、継続雇用制度は約8割の企業が導入。制度に基づく再雇用が争われた訴訟で、最高裁判決が出たのは初めて。
平成24年11月29日(木曜日)時事通信社
柿安本店、超過労働させた疑い=四日市労基署、書類送検2012/11/26
時間外労働の限度時間を大幅に超える勤務をさせたとして、四日市労働基準監督署は21日、全国で精肉事業などを展開する老舗「柿安本店」(三重県桑名市)と、同社の店舗「柿安精肉本店」の男性店長(40)を労働基準法違反の疑いで津地検四日市支部に書類送検したと発表した。
四日市労基署などによると、柿安本店と男性店長は5月の1カ月間、40代の男性社員に対し、労使協定で定められた時間外労働(1日7時間)の限度時間を超える時間外労働をさせた疑いがある。最大で1日10時間15分の時間外労働をさせた日があり、1カ月間の時間外労働の合計は147時間だったという。
柿安本店によると、社員は6月に心臓疾患で死亡し、労災が認められた。
柿安本店は1871(明治4)年創業。パートを含めて約3200人の従業員がいる。担当者は「店舗がリニューアルオープンして忙しい月だった。会社として重く受け止め、再発防止に努めたい」としている。
平成24年11月21日(水曜日)朝日新聞デジタル
助成金1億円を不正受給、大阪の鋳物製造会社2012/11/20
大阪労働局は20日までに、大阪府枚方市の鋳物製造会社「浪速工業」が国の中小企業緊急雇用安定助成金1億692万円を不正受給していたと発表した。労働局によると、同社は不正を認め、返還する意向を示している。
同社は2009年6月から12年6月まで、休業や教育訓練をしたように装い、虚偽の書類を作成して支給申請した。労働局の調査で判明した。
同じ助成金に関し、労働局は、同府東大阪市の運転代行会社「楽々運転代行」が1559万円、大阪市淀川区の日用雑貨卸売会社「サンユニオン」が222万円を不正受給していたことも発表した。
平成24年11月20日(火曜日)日本経済新聞電子版
外国人実習生過労死で和解=賠償訴訟−水戸地裁2012/11/19
外国人研修・技能実習制度で来日し、茨城県の金属加工会社で働いていた中国人の蒋暁東さん=当時(31)=が過労死した問題で、遺族が会社と第1次受け入れ機関の協同組合を相手に計5754万円の損害賠償を求めた訴訟は19日、水戸地裁(新谷晋司裁判長)で和解が成立した。
原告側弁護団によると、蒋さんは2010年11月に労働基準監督署から労災認定を受けており、外国人実習生の過労死が認定された初のケース。遺族は11年3月に提訴していた。
和解では、被告の「フジ電化工業」(茨城県潮来市)と「白帆協同組合」(同県行方市)が再発防止に努めるとともに、和解金を支払うなどとしている。金額は明らかにされていない。
訴状などによると、蒋さんは来日1年目の05年から、研修生だったにもかかわらず同社でメッキ処理などに従事し、長時間労働により08年6月に心不全で死亡したとされる。
平成24年11月19日(月曜日)時事通信社
残業代不払いの疑い、派遣業「新日本」捜索=大阪労働局2012/11/15
従業員に労働時間に見合う時間外賃金を支払わなかった疑いがあるとして、大阪労働局は15日、人材派遣大手「新日本」(大阪市北区)の本社と関係先3カ所について、労働基準法違反の疑いで家宅捜索を始めた。
労働局によると、新日本は2010年〜11年の約1年間、一部の従業員に法定の労働時間を超えて残業や時間外労働をさせていたのに割増賃金を支払っていなかった疑いがある。実際の労働時間に関わりなく、固定給と一律の定額手当しか支払っていなかったとみられる。
新日本は全国7カ所に営業拠点があり、労働局は時間外賃金の不払いが常態化していた可能性もあるとみて、調べている。
平成24年11月15日(木曜日)朝日新聞デジタル
障害者雇用率、最高の1.69%=民間企業−厚労省調査2012/11/14
厚生労働省が14日発表した2012年(6月1日時点)の障害者雇用状況によると、全国の民間企業(従業員56人以上)で働く障害者は前年比4.4%増の38万2363人で、全従業員に占める割合を示す障害者雇用率は0.04ポイント上昇の1.69%と、いずれも過去最高だった。
厚労省は「企業が社会的責任やイメージ向上のため、積極的に障害者を雇用した」(障害者雇用対策課)とみている。
平成24年11月14日(水曜日)時事通信社
年金減額、来年10月から…特例解消で3党合意2012/11/14
民主、自民、公明3党が13日、過去の特例措置に伴い本来より高くなっている年金支給額を減額する国民年金法改正案の修正案で合意したことで、来年10月から年金の減額が始まることになった。
引き下げは、来年10月、2014年4月、15年4月の3段階で行われ、2.5%高くなっている年金支給額は本来の水準にまで引き下げられる。14日の衆院厚生労働委員会、15日の衆院本会議で可決され、今国会で成立する予定だ。
公的年金は物価変動に合わせて支給額を決める仕組み。00年度以降の物価下落時に、当時の森政権などが高齢者の反発を恐れて、支給額を据え置いてきた結果、年金額は本来より2.5%高い特例水準の状態が続いている。厚生労働省によると、特例水準で余分に支払われる年金は年約1兆円で、年金財政を圧迫する要因の一つになっていた。
3党の修正案は、支給額を来年10月分から1%、14年4月分から1%、15年4月分から0.5%をそれぞれ段階的に引き下げる内容だ。
平成24年11月14日(水曜日)読売新聞電子版
労基法違反容疑で運送会社など書類送検2012/11/10
勤務中に交通事故を起こし死亡したトラック運転手の男性(当時46)に、限度を超える時間外労働をさせていたとして、鹿児島労働基準監督署は9日、鹿児島市の運送会社「鹿児島急送」と元運行管理者の男性(42)を、労働基準法違反の疑いで書類送検した。労働基準監督署によると、会社側は男性運転手に対し、時間外労働が1日4時間までと協定で定められていたにも関わらず、最大で1日15時間にも及ぶ時間外労働をさせるなどした疑い。労働基準監督署では、男性運転手がおととし3月、業務中に停車していた車に追突する事故を起こし死亡したことから、疲労が事故原因となった可能性もあると見て捜査していた。男性運転手は、1回の勤務が3日間にまたがる運行も繰り返しており、労働基準監督署では、会社の体制に問題があったと見て、今回の立件に踏み切ったという。
平成24年11月9日(金曜日)KYT鹿児島読売テレビ
自殺:「過労が原因」と西濃運輸を提訴…横浜地裁に遺族2012/11/09
西濃運輸(本社・岐阜県大垣市)の神奈川県内の支店に事務職で勤めていた男性(当時23歳)が自殺したのはサービス残業を強いられての過労が原因として、両親は8日、同社に約8123万円の賠償を求め横浜地裁に提訴した。男性は今年4月、労働基準監督署から過労自殺として労災認定を受けている。
訴状によると、男性は07年3月に入社し荷物管理やクレーム対応などを担当。うつ病を患い、会社への不満をつづった遺書を残して10年12月31日に自殺した。両親は、男性がタイムカードを実際の帰宅より早い時間に押させられて日常的にサービス残業を強制されたと主張。退職願を3回提出したが受理を拒まれたとしている。労基署は自殺した月の時間外労働を約98時間と認定していた。
男性の母親は「労災認定後も会社は一貫してサービス残業はないとの対応。改善して墓前で謝ってほしい」と話した。
平成24年11月9日(金曜日)毎日新聞電子版
保険料率、最大11.5%に=17年度収支見通し−協会けんぽ2012/11/03
全国健康保険協会は2日、中小企業の会社員が加入する同協会管掌健康保険(協会けんぽ)の今後5年間の収支見通しを発表した。国の補助率などを現行通りとした場合、単年度収支を均衡させるには、全国平均の保険料率(労使折半)を2013年度は前年度比0.1ポイント増の10.1%、17年度には最大11.5%に引き上げる必要があると試算している。
医療給付費と高齢者医療制度への支援金が増えるのが要因で、同協会は保険料率に関し、「現行の10%が限界。これ以上の引き上げは到底できない」と主張。13年度以降の対策として、国の補助率引き上げや高齢者医療制度の公費負担拡充などを政府に求める方針だ。
平成24年11月2日(金曜日)時事通信社
有休取得率49.3%=政府目標ほど遠く−厚労省調査2012/11/02
厚生労働省が1日発表した就労条件総合調査によると、2011年の正社員らの有給休暇取得率は49.3%だった。前年比で1.2ポイント上昇し、2年連続で伸びた。ただ、政府が掲げる「20年までに70%」の目標からはほど遠い。同省は「取得率向上を、企業に引き続き指導したい」としている。
有給休暇取得率は、与えられた有休をどれだけ取得したかを示す。厚労省によると、11年の企業の有休は平均18.3日(前年17.9日)、実際の取得日数は9.0日(同8.6日)だった。
平成24年11月1日(木曜日)時事通信社
兵庫労働局が残業代不払い指導、50社が3億支払い 2012/11/01
兵庫労働局は29日、2011年度に同局の監督指導で、100万円以上の不払い残業代を支払った企業は50社あり、支払総額は3億8788万円に上った、と発表した。企業数は2年連続で増え、支払総額は2年ぶりに減少に転じた。
企業数は前年度比で4社増え、金額は23%減少した。支払いを受けた労働者数は前年度とほぼ同じ3570人。業種別では製造業が16社と最も多く、商業10社、病院など保健衛生業6社‐と続いた。1社当たりの平均支払額は776万円、労働者1人当たり11万円だった。
支払額が1千万円以上の企業は7社あり、2137人に計2億7272万円が支払われた。業種別では、製造業、金融・広告業、教育・研究業がそれぞれ2社ずつ、商業が1社だった。
平成24年10月29日(月曜日)神戸新聞電子版
大阪「過労死」高止まり、昨年度労災認定31件2012/11/01
働きすぎが原因で脳・心臓疾患で死亡する「過労死」をめぐり、大阪労働局が昨年度、労災認定した件数は31件に上り、2年連続で前年度を上回っていたことが30日、同労働局のまとめで分かった。全国の認定件数の1割に達し、依然高止まりで推移している実態が浮かび上がった。
労災認定された31人を年齢別でみると、50代が12人と最も多く、40代9人、30代5人で働き盛りの世代が目立った。業種別では、貨物取扱業8人、卸売・小売業5人、サービス業4人などとなっている。
過労死の認定基準として、厚生労働省は発症前1カ月間に約100時間、または発症前2〜6カ月間に1カ月あたり約80時間を超える時間外労働があった場合は「業務と発症との関連性が強い」としている。
一方、「過労死ライン」の目安とされる1カ月80時間以上の時間外労働が可能となる、特別条項付き時間外労働協定(36協定)の届け出件数は、昨年度5420件に上り、2年連続で5千件を突破した。
同労働局は「景気悪化の影響で企業間競争が激化し、労働者の職場環境は依然厳しい」と分析。「過労死は高止まりの状態が続いており、企業などへの指導を徹底したい」としている。
11月の国の労働時間適正化キャンペーンに合わせ、大阪労働局は30日、辻知之労働基準部長が大阪市北区の関西経済連合会を訪れ、時間外労働の削減などに労使双方が取り組むよう要請した。
要請書は、時間外・休日労働の削減▽長時間労働者への健康管理の徹底▽適正な労働時間の把握▽年次有給休暇を取得しやすい環境整備−の4点について、企業や労働組合に周知するよう求めている。
平成24年10月31日(水曜日)MSN産経ニュース
請負業務のけが、健保を適用=労災との「谷間」救済で−厚労省2012/10/29
シルバー人材センターから請け負った業務でけがをした高齢者が、健康保険と労災保険のいずれも適用されない事態が生じた問題で、厚生労働省のプロジェクトチーム(PT)は29日、こうしたケースに健保を適用して救済する方針を決めた。今後、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で、法改正が必要かどうかなどを議論し、年内に結論を得る。
この問題では、家族が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の被扶養者だった奈良県の高齢者が、同センターから請け負った木の剪定(せんてい)作業中に右足の指を骨折。しかし、センターや発注先とは雇用関係にないことから労災の対象にならなかった。健保も業務上のけがは適用外としているため、高齢者は治療費の全額自己負担を求められた。
平成24年10月29日(月曜日)時事通信社
厚生年金基金制度、10年後に廃止…厚労省方針2012/10/28
厚生労働省は28日、企業年金の一種である厚生年金基金制度を10年後に廃止する方針を固めた。
厚生年金の一部を国に代わって運用する「代行部分」の積み立て不足分は、基金の加入企業に返還を求めるが、返還しきれない分は厚生年金の保険料で穴埋めする。
同省は11月2日に開く社会保障審議会年金部会の専門委員会にこうした改革案を示す。年内にも成案をまとめ、来年通常国会に必要な法案を提出したい考えだ。
改革案には、基金を解散しやすいよう、加入企業が共同責任を負う連帯保証制度の廃止や返還額の減額なども盛り込む。ただ、積み立て不足分の負担を基金と無関係な厚生年金加入者に求めることには反発も予想される。
厚生年金基金制度を巡っては、運用難で保有資産が国から借りている分を下回る「代行割れ」が相次いでいる。AIJ投資顧問の年金資産消失問題では、同社に資産を預けていた基金が大きな被害を受けた。
平成24年10月28日(日曜日)読売新聞電子版
能力給の割合増やす、58%…経団連の企業調査2012/10/26
経団連が25日発表した企業の人事・労務に関するアンケート調査で、給料に占める能力給の割合を現状より増やす企業が過半数を占めた。
経団連は「経営環境が厳しい中、企業は社員の貢献度を一層重視している」と分析している。
調査では、定期昇給制度を持つ企業に今後の必要策を聞いたところ、「年功的な昇給割合を減らし、能力査定の昇給割合を増やす」という回答が58・0%に達した。「一部の社員を除いて年功的な昇給を廃止し、査定昇給とする」との回答も28・5%あった。
中核社員の人材として重視している点では、「新たな課題に挑戦できる」(61・3%)や「海外拠点で適切に運営管理できる」(32・0%)などが多かった。一方、国内の組織をうまく調和させたり、幅広い部署を経験していたりする人材への評価は低かった。調査は、経団連の会員企業など1889社を対象に実施し、578社から回答を得た。
平成24年10月26日(金曜日)読売新聞電子版
宮崎の過労自殺、8千万円で和解=自治体職員訴訟では初2012/10/25
宮崎県新富町の職員松本美香さん=当時(28)=が自殺したのは、長時間労働を強いられたのが原因として、両親が町に約9300万円の損害賠償を求めた訴訟は24日、町が8千万円を支払うことなどを条件に宮崎地裁で和解した。
過労死弁護団全国連絡会議(東京)によると、自治体一般職員の過労自殺をめぐり、自治体に賠償を求めた訴訟が和解したのは全国初という。
原告側弁護団によると、町が和解金を支払うほか、再発防止策を取ることも和解の条件に含まれている。
松本さんの両親は「町が娘の献身的勤務を認め、再発防止策を約束し、娘の無念もいくらか晴らせた」とコメントした。
平成24年10月24日(水曜日)長崎新聞電子版
国民年金基金、積み立て不足1兆4千億超ー11年度末2012/10/24
国民年金の上乗せ給付として自営業者らが任意加入している国民年金基金の積み立て不足が2011年度末に約1兆4271億円に達した。10年度末時点の1兆2989億円から増加した。過去に想定していた運用利回りを下回ったほか、高齢化による年金受給者の増加で、国民年金基金の財政問題が一段と深刻になっている。
国民年金基金連合会の調べで分かった。11年度末に必要な積立金は4兆1015億円だったが、残高は2兆6743億円にとどまった。国民年金基金制度は将来の年金を現役時代から掛け金として積み立てて、受給者に給付する積み立て方式で運営している。将来の給付のために必要な原資として保有しておかなければならない責任準備金に占める積み立て不足の割合は11年度末時点で35%程度だった。
国民年金基金は1991年の設立。加入者は約52万人で、受給者は約34万人いる。受給者が増える一方で加入者は減収傾向にある。
企業年金の厚生年金基金も積み立て不足が深刻で厚生労働省が制度廃止の基本方針を打ち出した。
平成24年10月23日(火曜日)日本経済新聞電子版
中小の傷病手当金支給、精神疾患が最多〜11年26%〜2012/10/23
中小企業が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)は、病気やケガで会社を休んだときに支給する傷病手当金の給付状況をまとめた。2011年は精神疾患で給付を受けた会社員が一番多く、全体の26%を占めた。2番目はがんの19%で、循環器の疾患が11%で続いた。鬱病やストレスで会社を休む人が増えており、中小企業のメンタルヘルス対策が急がれる。
協会けんぽが11年10月に傷病手当金を受け取った約7万8千人を対象に調査した。精神疾患は1995年は全体の4%だったが、07年に約20%となり、11年には全体の3割弱を占めるまでになった。がんも95年の14%から増えている。
一方、循環器系や消化器系の疾患は減少傾向にある。がん検診などの浸透で早期に病気を発見し、予防する意識が高まっていることが背景にあるとみられる。
傷病手当金は最大で1年6カ月支給するが、平均支給期間は174日だった。病気別に支給期間をみると、精神疾患が229日、循環器の疾患が209日、神経系の疾患が200日だった。
平成24年10月23日(火曜日)日本経済新聞電子版
65歳まで雇用、最高の48.8%=中小企業で活用進む−12年2012/10/19
厚生労働省は18日、2012年の高年齢者雇用状況の集計結果を発表した。希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は前年比0.9ポイント上昇の48.8%で、06年の統計開始以来、過去最高となった。同省は「人手不足感の強い中小企業を中心に高年齢者の活用が進んだため」とみている。
集計は6月1日時点の状況に関し、従業員31人以上の企業約14万社を対象に実施した。
厚労省は公的年金の支給開始年齢の引き上げに合わせ、65歳までの雇用を確保するため、企業に(1)定年の廃止(2)定年の引き上げ(3)継続雇用制度の導入−のいずれかを義務付けている。しかし、継続雇用制度では、労使協定で定めた基準で雇用者を選別することを認めている。
このため、従業員301人以上の大企業に限ると、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は0.5ポイント上昇の24.3%にとどまった。今年成立した改正高年齢者雇用安定法は希望者全員の65歳までの雇用を義務付けており、今後は大企業の早急な対応が求められそうだ。
平成24年10月18日(木曜日)時事通信社
残業不払い額、18%増=労基署が1312社指導−11年度2012/10/17
厚生労働省は16日、賃金不払いのサービス残業に関する2011年度是正結果をまとめた。労働基準監督署から労働基準法違反として是正を指導され、不払い残業代を社員に合計100万円以上支払った企業は、前年度比5%減の1312社だったが、支払総額は146億円と18%増となった。
是正企業数は2年ぶりに減少する一方、支払総額は2年連続で増加した。厚労省は「全国展開している企業に対する指導を11年度から強化したため、支払総額が膨らんだ」(労働基準局監督課)と分析している。
平成24年10月16日(火曜日)時事通信社
<以下ご参照ください>
厚生労働省報道発表資料
福岡の女性SE過労死、6800万円賠償命じる判決2012/10/12
情報処理システム会社の福岡事業所に勤務していた福岡市のシステムエンジニアの女性(当時31歳)が急死したのは過酷な労働が原因として、両親が同社合併後にできた「アドバンストラフィックシステムズ」(本社・東京)に対し、慰謝料など計約8200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、福岡地裁であった。
府内覚裁判官は「死亡と会社の業務との間には因果関係がある」として、同社に計約6800万円の支払いを命じた。
判決によると、女性はシステム移行などを担当。2007年2月の時間外労働が約127時間に上った。3月に仕事上のミスなどが原因で自殺未遂をした。約1か月間休養を取った後に復職したが、深夜残業など過酷な勤務が続き、5日後、東京出張中に致死性不整脈で死亡した。福岡中央労基署は09年に労災認定した。
平成24年10月12日(金曜日)読売新聞電子版
社会保険加入、徹底促す=国交・厚労省2012/10/09
国土交通、厚生労働の両省は建設業者に対し、従業員の社会保険への加入徹底を促す。11月に建設業の許可・更新時や抜き打ち検査で保険加入状況を確認する制度を導入する。改善しない場合、営業停止など処分の対象とする。
国交省の調査によると、建設労働者の2割が雇用保険、4割が健康保険や厚生年金に加入していない。ピークの1992年には84兆円あった建設投資が半減し、受注競争が激しくなっている。発注主からの価格引き下げ圧力に応じるために、下請け業者の間では社会保険料を削る傾向が強まっているという。
11月1日からは、国交省や都道府県に対する建設業の許可・更新の申請時に、保険加入状況を記した書面が必要になる。未加入業者は指導し、改善しない場合は厚労省の地方労働局や年金事務所に通報する。労働局などの立ち入り検査を拒否し続けると、数日間の営業停止や強制加入措置の対象となる。
元請けのゼネコンに対する指導も強化する。下請けや孫請け企業の加入状況を確認し、発注額の見積もり段階から、社会保険料を必要経費として盛り込むよう求める。2017年度以降は未加入企業を下請け企業に選ばず、加入が確認できない作業員は現場に入れない状況を目指す。この目標に向けて加入がうまく進まない場合は、法改正なども検討する。
建設業では労働環境の悪さなどから労働者が減り、55歳以上が33%と高齢化が進んでいる。社会保険の未加入問題を改善し、若年就業の減少を防ぐ狙いもある。
平成24年10月8日(月曜日)日本経済新聞電子版
元記者を「ノルマ果たせず」解雇は違法=東京地裁判決2012/10/06
ブルームバーグ東京支局の元記者の男性(50)が「週1本の独自記事」などの過大なノルマを達成できず、能力不足を理由に解雇されたのは不当として、同社に地位確認を求めた訴訟の判決が5日、東京地裁であった。光岡弘志裁判官は「解雇に理由はない」として解雇無効を認め、解雇後の賃金支払いを命じた。
判決によると、男性は2005年に中途入社し、主に経済分野を担当。同社は男性に09年12月、(1)「独自記事」を週1本(2)編集局長賞級の記事を月1本出すようノルマとして課し、10年8月、「職責を果たす能力がない」などとして解雇した。
判決理由で光岡裁判官は「雇用を継続できないほど男性が能力不足だとはいえない」と指摘。そのうえで「会社側から具体的な指示や改善策の提示はなく、解雇に合理性はない」と結論づけた。
ブルームバーグ東京支局の話 個人情報に関わるため、一切コメントできない。
平成24年10月5日(金曜日)日本経済新聞電子版
労働安全衛生法違反:倉庫の危険放置で書類送検=新潟2012/10/04
倉庫内の安全管理を怠ったまま働かせたとして、新潟労働基準監督署は1日、貨物自動車運送、倉庫業「全農物流」(東京都千代田区神田錦町)と、同社新潟支店(新潟市西区山田)の課長の男性(55)を労働安全衛生法違反などの疑いで新潟地検に書類送検した。
同署によると、同社は今年7月11日、同市北区の肥料工場倉庫内で、高さ約4メートルまで積んであった肥料袋(重さ計約3・6トン)の一部が破れ、崩れる危険があったにもかかわらず、積み直すなどの荷崩れ防止をしないまま期間雇用の男性社員(当時47歳)に肥料袋の補修や、こぼれた肥料の清掃作業をさせたとしている。社員は崩れた肥料の下敷きとなり外傷性血気胸のため死亡した。
平成24年10月2日(火曜日)毎日新聞電子版
大和ハウスと元社員和解=解決金支払い−東京高裁2012/10/04
差別的な賞与や突然の解雇はパワハラに当たるとして、大和ハウス工業(大阪市)元社員の吉田民愛さん(44)が、同社などを相手に解雇の無効確認と約1300万円の損害賠償を求めた訴訟は3日、同社が解決金を支払うなどの条件で、東京高裁(福田剛久裁判長)で和解が成立した。
原告側代理人によると、会社側は吉田さんが解雇で精神的苦痛を受けたことに遺憾の意を表明。解雇を撤回して同日付で任意退職した形を取り、慰謝料相当分約650万円や退職までの未払い給与などを支払う。
平成24年10月3日(水曜日)時事通信社
社員過労死で書類送検、茨城の和菓子メーカー2012/10/03
水戸労働基準監督署は1日、男性社員に13カ月間で3日しか休日を与えなかったとして、労働基準法違反の疑いで、茨城県笠間市の和菓子製造会社「萩原製菓」と男性会長(69)、女性社長(54)を書類送検した。
労基署によると、社員は昨年8月30日、仕事を終えて帰宅後に倒れ、心室細動により、同9月1日に30歳で死亡。今年2月、過労死が認定された。
送検容疑は、労基署に労働協定の届け出をせずに、平成22年8月から死亡直前の昨年8月までに休日を3日しか与えず、計53日の休日労働をさせたとしている。会長と社長は容疑を否認している。
タイムカードには毎月100時間以上の時間外労働が記載されていたが、会社側は「休憩を取っていた」と否定し、確認できなかったという。
平成24年10月1日(月曜日)MSN産経ニュース
健康状態が理由の例外認める、65歳雇用で厚労省2012/10/03
厚生労働省は2日、65歳までの希望者の継続雇用を企業に義務づける改正高年齢者雇用安定法の成立を受け、心身の健康状態や勤務状況が著しく悪い人を継続雇用の対象外とできることを明確にした指針を公表した。一部の例外を認めることで企業の過度な負担増を避け、若年層の雇用に大きな影響が出ないように配慮した。
2日に開いた労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の専門部会で説明した。改正法では、65歳までの希望するすべての人の継続雇用を義務づける。厚生年金の支給開始年齢が2013年度から25年度にかけて段階的に65歳まで上がるのに伴い、無年金・無収入の時期ができないようにするねらいだ。
指針では「心身の故障で業務にたえられない」「勤務状況が著しく悪く職責を果たせない」など、就業規則に定めた解雇・退職事由にあたる場合には継続雇用しなくてもよいと明記した。
部会では法改正に伴う省令の見直し案も示した。法改正で継続雇用先として認められたグループ企業の範囲として、議決権が50%超ある子会社や、20%以上の関連会社を定めた。
平成24年10月2日(火曜日)日本経済新聞電子版
うつ病自殺は過労原因=日赤に7千万円賠償命令−甲府地裁2012/10/03
山梨赤十字病院(山梨県富士河口湖町)の男性職員=当時(43)=が自殺したのは過労などでうつ病を発症したためだとして、遺族が日本赤十字社(東京都)に約8900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、甲府地裁の林正宏裁判長は2日、「過重な時間外労働など業務と自殺との因果関係が認められる」として、約7000万円の支払いを命じた。
判決は、自殺の直前1カ月の時間外労働が166時間を上回っていたと認定。また、男性が介護に関する資格を持っていないのにリハビリテーション施設の責任者として介護業務に従事させられ、強い精神的負荷を受けていたと推察できると指摘。「病院側は十分な支援態勢を整える注意義務を怠った」と判断した。
平成24年10月2日(火曜日)時事通信社
退職強要でうつ再発、日本IBM社員を労災認定2012/09/30
日本IBMの50代の男性社員がうつ病を再発したのは、会社が退職を繰り返し強要したのが原因だったとして、労災に認定された。労働基準監督署は労災と認めなかったが、東京労働者災害補償保険審査官が不認定処分を取り消した。27日、代理人の弁護士が明らかにした。取り消しは8月31日付。
弁護士によると、男性は営業部門に所属していた2001年、長時間労働などでうつ病を発症した。
いったんは回復したが、08年秋、上司との面談で退職するよう言われた。退職するつもりがないと主張したのに、その後も退職を求められたため、うつ病を再発。診断書を会社に出した後も退職勧奨は続いたという。
日本IBM広報は「内容を確認中なのでコメントできない」としている。
平成24年9月27日(木曜日)朝日新聞デジタル
専修大元職員の解雇認めず、 労災認定受け療養中=東京地裁2012/09/29
労災認定されて療養中に解雇したのは不当だとして、専修大元職員の男性(37)が地位確認などを求めた訴訟で、東京地裁は28日、解雇を無効とする判決を言い渡した。
労働基準法は業務上のけがや病気などで療養中に解雇することを原則禁じる一方、療養開始後、3年たっても治らない場合、賃金1200日分の「打ち切り補償」を支払えば解雇できると規定。専修大は昨年10月に打ち切り補償約1630万円を支払って解雇したが、伊良原恵吾裁判官は、打ち切り補償の適用は使用者による療養補償を受けている場合に限られ、労災保険の受給者は含まれないと指摘。解雇を違法と判断した。
判決などによると、男性は2002年ごろから首や腕に痛みが生じ、「頸肩腕(けいけんわん)症候群」と診断され、07年11月に労災認定を受けた。
平成24年9月28日(金曜日)日本経済新聞電子版
厚年基金、廃止方針を決定=10年先にも−厚労省2012/09/29
厚生労働省は28日、AIJ投資顧問による年金消失問題を受けて設置した特別対策本部(本部長・辻泰弘副大臣)の会合を開いた。会合では厚生年金の一部を国に代わって運用する企業年金「厚生年金基金」制度について「一定の経過期間をおいて廃止する方針」(辻副大臣)を決めた。
運用に苦しむ基金のさらなる財政悪化を防ぐとともに、再建のめどが立たない基金の解散を促すのが狙い。10月中に改革原案を策定し、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の専門委員会での議論を経て、年内に最終案をまとめる。来年の通常国会に関連法案の提出を目指す。廃止時期は、代行部分の積立金不足(代行割れ)問題の解決や他の企業年金制度への移行準備などが必要なため、10年程度先になる見通し。
辻副大臣は会合後の記者会見で、厚年基金制度について「時代的な使命が終わった制度だ」と指摘。代行割れ基金は「解散の方向で取り組んでいく」との考えを示した。代行割れ基金が解散した場合、厚生年金は支給されるものの、企業年金は給付されなくなる。
会合では、代行割れ基金が解散する際の対策として、国へ返還しなければならない積立金を減額する方針も決まった。また、複数の企業が加入する基金について、解散時の国への積立金返還に関し連帯責任を負う制度も廃止する。
厚年基金制度の存廃をめぐっては、自民党が存続容認の姿勢を示しているほか、多くの基金が存続を求めているため、廃止を決めれば反発は必至とみられる。
平成24年9月28日(金曜日)時事通信社
シルバー人材作業中けが、健康保険適用求め提訴2012/09/27
シルバー人材センターから委託された作業中にけがをし、健康保険の給付が認められなかったのは制度の不備だとして、けがをした奈良県の男性(70)の長女が、国と、給付の審査を行う全国健康保険協会(東京)を相手取り、慰謝料など約80万円と療養費の不給付処分の取り消しを求める訴訟を大阪地裁に起こした。提訴は25日付。
健康保険法は、業務外のけがを給付対象としており、業務中のけがは労災保険法が優先される。しかし、人材センターと作業をする会員との間に雇用関係がないため労災にはならず、どちらの保険も適用されないという。
訴状によると、男性は会社員の長女の健康保険に被扶養者として加入。2009年11月、人材センターから委託された庭木の剪定(せんてい)中に足の指を骨折するなどし、療養費約85万円の全額自己負担を求められた。
原告側は、どちらの法も高齢者の就労実態にそぐわず、立法の不備だと主張。男性の作業は社会参加などが目的で、業務ではないと訴えている。
厚生労働省保険局は「書面を見て判断したい」、全国健康保険協会は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
この問題について、小宮山厚生労働相が25日、「就労形態は多様化しているのに、現行制度に隙間がある」として救済制度を新設する方針を表明した。過去の不給付決定が取り消されるかどうかは不明だという。
平成24年9月27日(木曜日)読売新聞電子版
石綿肺で自殺、「労災」と認定=岡山地裁判決2012/09/26
石綿肺と診断された夫がうつ病になって自殺したのは労災だとして、中国地方の60代女性が起こした訴訟の判決で、岡山地裁は26日、請求通り、国の遺族補償給付の不支給処分を取り消した。判決理由で古田孝夫裁判長は「夫は石綿肺悪化のたびに一生続くだろう苦しみや死への恐怖を強く感じていた。心理的負荷は精神障害を発病させるほど重かった」と指摘。うつ病発症と業務との因果関係があったと認定した。
女性側弁護士によると、石綿肺を苦にした自殺で、労災と認めた判決は初という。
判決によると、夫は1959〜78年ごろまで全国の工事現場で石綿(アスベスト)吹き付け作業に従事し、87年に石綿肺と診断された。闘病中だった2002年にうつ病と診断され、07年5月に60代で自殺した。女性は07年、遺族補償給付を倉敷労働基準監督署に申請したが、認められなかった。
厚生労働省岡山労働局は「判決内容を検討した上で、関係機関とも協議して今後の対応を決めたい」としている。
平成24年9月26日(水曜日)日本経済新聞電子版
人員整理で分社・解散疑い、JUKIに団交命令2012/09/26
東京都労働委員会は25日、ミシン製造大手「JUKI(ジューキ)」(多摩市)に対し、解散した子会社の元社員が所属する組合との団体交渉に応じるよう救済命令を出した。
命令は、子会社社員についてもジューキの使用者責任を認定したうえで、子会社設立の経緯にまでさかのぼり、「会社分割はジューキが使用者責任を負うことなく、雇用関係を解消しようとして行った疑いがある」と異例の言及をした。
都労委や経済産業省によると、ジューキは2007年4月、家庭用ミシンの販売部門を切り離し、100%子会社の「JUKI家庭製品」を設立。10か月後の08年2月、同社は業績不振を理由に、660人の社員から希望退職者を募り、最終的に657人が応じた。
ジューキでは子会社化前から、家庭用ミシンの訪問販売を巡るトラブルが全国で相次ぎ、経産省は同年3月、特定商取引法に基づきJUKI家庭製品に6か月間の業務停止命令を出し、同社は4月に解散した。希望退職に応じず解雇された3人のうち1人が、親会社のジューキに雇用保障を求めていた。
命令は、ジューキの社長が希望退職を直接、勧告していたことなどから、「子会社社員の労働条件はジューキの強い関与で決定されていた」と認定。子会社に出向していた役員や管理職は会社解散後にジューキに復帰したことから、人員整理を目的とした子会社化だった可能性を指摘した。
ジューキ総務部は「事実が確認できていないのでコメントできない」としている。
平成24年9月25日(火曜日)読売新聞電子版
ヤマト運輸社員の過労死を認定、長時間労働で労基署 2012/09/22
昨年8月に死亡したヤマト運輸の営業担当の男性(当時47)について、船橋労働基準監督署(千葉県船橋市)が、長時間労働による過労が原因として労災認定したことが21日、分かった。遺族側の弁護士が明らかにした。認定は13日付。
弁護士や労基署の認定によると、男性は昨年4月、同社の船橋主管支店(同市)に配属され、管轄する営業所全体の営業責任者となった。くも膜下出血で死亡する直前の3カ月間は、時間外労働が1カ月で86〜110時間に及んでいたという。
ヤマト運輸は「事実関係を確認中でコメントできない」としている。
平成24年9月21日(金曜日)日本経済新聞電子版
富士通課長の過労死認定、震災対応が原因と労基署2012/09/22
富士通の課長だった男性(当時42)が昨年4月、急性心不全で死亡したのは東日本大震災の対応に追われた長時間労働が原因だったとして、三田労働基準監督署(東京)が労災認定していたことが21日、分かった。遺族側の弁護士が明らかにした。認定は今年8月30日付。
被災地以外で、震災後のシステム復旧などの業務が原因で労災認定されたケースは、厚生労働省によると「他にも数件ある」という。震災後の過重な業務が広範に及んでいたことが改めて明らかになった形だ。
記者会見した弁護士によると、男性は、富士通本社(東京・港)で海外部門の課長を務めていた飛田野達也さん。昨年3月11日の震災後、海外拠点の管理やマーケティング分析など通常業務に加え、社員の安否確認や節電対策など震災への対応も任された。震災後に外国人の上司2人が出国し、さらに負担が重くなったという。
昨年4月29日朝に自宅で死亡しているのを妻(43)が発見。震災後に休んだのは3月は4日だけで、4月はゼロだった。労基署は、直前2カ月の時間外労働が月平均82時間以上だった上、会社から貸与されたパソコンによる自宅での作業も加えると、実質的に業務に従事した時間は月300時間を超えたと認定した。
富士通広報IR室は「労災認定の詳しい内容が分からず、コメントできない」としている。
震災関連の過労死について、過労死弁護団全国連絡会議には昨年だけで数十件の相談が寄せられたという。記者会見で弁護士は「同じことを繰り返さないよう企業や自治体に警鐘を鳴らす重要なケース。震災対応で現場にしわ寄せがいっており、健康で働くことが復興を軌道に乗せる条件になる」と話している。
平成24年9月21日(金曜日)日本経済新聞電子版
健康保険証、希望の性別表記一転認めず=性同一障害で厚労省2012/09/22
心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断された松江市の男性が、保険証表面の性別欄に戸籍とは異なる「女」と記載するよう求めていた問題で、厚生労働省は21日、記載変更を認めないことを決めた。同省は、いったんは容認する姿勢を示していたが「医療機関が男性、女性それぞれに特有の病気を見逃す恐れがあるため」と説明している。同日付で全国の自治体などに通知した。
そのうえで同省は、保険証の表面に戸籍上の性別が記載されることに抵抗感を覚えるなど、やむを得ない理由がある場合は、表面の性別欄の記載を「裏面参照」とすることは認めた。その場合、保険証の裏面には「性別は男」などと戸籍上の性を記載する。
松江市の男性は、「医療機関で保険証を提示するのが苦痛だ」として2007年から同省に表記変更を求めていた。
平成24年9月21日(金曜日)日本経済新聞電子版
心の相談が労災病院で最多、3万件に迫る=独法まとめ2012/09/18
全国19カ所の労災病院で受け付けている「勤労者 心の電話相談」への相談件数が、2011年度は2万9209件で過去最多を更新したことが17日、独立行政法人「労働者健康福祉機構」のまとめで分かった。前年度から1391件(5.0%)増加。同機構は「雇用環境の悪化に加え、東日本大震災の影響で職を失うなど、将来に不安を覚える人が増えたことが要因」とみている。
相談内容を「心理的悩み」「職場」「体調」に分類すると、心理的な悩みでは「将来に対する不安」が1万97件(ほかの相談内容と重複含む)でトップ。「落ち着けない」(7718件)、「イライラ・不安定」(6596件)などが続いた。
職場に関する相談では「上司との人間関係」(2904件)。次いで「同僚との人間関係」2325件、「その他の人間関係」1851件と続いた。体調の相談では「不眠」(2171件)が最も多かった。
相談者の性別は男性が46.3%で、女性が49.4%(残りは不明)。年齢別では40代(22.7%)に続き、30代(18.8%)、50代(10.2%)の相談が多かった。
心の電話相談は、産業カウンセラーなどが無料で行っている。
平成24年9月17日(月曜日)日本経済新聞電子版
<以下ご参照ください>
独立行政法人労働者健康福祉機構発表資料
「パワハラで自殺」さいたまの遺族、東京日野自動車を提訴2012/09/16
東京日野自動車岩槻支店(さいたま市岩槻区)に勤務していた島村昌良さん=当時(47)=が2009年6月に自殺したのは、上司によるパワーハラスメントや会社の安全配慮義務違反などがあったためだとして、さいたま市に住む島村さんの妻英子さん(50)ら遺族が、同社と当時の岩槻支店長の男性に計約8200万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。提訴は13日付。
訴状によると、04年にうつ病を発症し、治療を続けながら勤務していた島村さんは、06年ごろ赴任してきた支店長に、休日に開催される会社行事への参加を強制されるなどしていたと指摘。自殺する2、3カ月ぐらい前からは、島村さんへの叱責(しっせき)が激しくなったと主張した。その上で、うつ病の島村さんに対する支店長のパワーハラスメントが自殺につながったとして、支店長と職場環境に関する安全配慮義務などを怠った会社側に損害を賠償する責任があるとしている。
島村さんに対しては、埼玉労働局が今年5月、長時間労働が強度の心理的負担になってうつ病を発症し、完治しないで経過した後、自殺に至ったと判定。春日部労働基準監督署が昨年2月に行った労災保険の不支給決定を取り消し、労災として認定した。
原告で島村さんの妻英子さんは、埼玉新聞の取材に「夫のほかにも、パワハラに遭った社員がいると聞いている。会社側から謝罪してもらい、環境改善などを通じて体質を変えてほしいので、提訴に踏み切った」と説明。東京日野自動車管理部は「社内で調査を行ったものの、パワハラは確認できていない。提訴されたことは残念だが、訴状の内容を見てから対応を検討したい」とコメントした。
平成24年9月15日(土曜日)埼玉新聞
男女7人逮捕=架空従業員に雇用助成金−大阪府警2012/09/14
架空の従業員をでっち上げ、国の中小企業緊急雇用安定助成金約1820万円をだまし取ったとして、大阪府警捜査2課は14日、詐欺容疑で同府寝屋川市昭栄町、自称自営業の衛藤真司容疑者(48)ら36〜66歳の男女7人を逮捕した。認否は明らかにしていない。同課は他にも関与した人物がいるとみて調べている。
逮捕容疑は、2010年4月〜11年1月、自転車販売会社「南海貿易」(大阪市北区)の従業員十数人に休業手当を支払ったように装って大阪労働局に助成金を申請し、計約1820万円を詐取した疑い。
平成24年9月14日(金曜日)時事通信社
パワハラ:横浜美大元職員、うつ病患い告訴/神奈川2012/09/14
退職強要などのパワーハラスメントでうつ病を患ったとして、横浜美術大学(旧・横浜美術短大=横浜市青葉区)などを運営するトキワ松学園(東京都目黒区)の男性職員(43)が、当時の上司3人を傷害と業務上過失傷害の容疑で刑事告訴していたことが分かった。横浜地検が3月26日付で告訴状を受理し、捜査を進めている。
告訴状によると、上司3人は男性が短大職員だった09年10月ごろから、学内外で男性に対し、怒鳴ったり退職を迫ったりするなど精神的な嫌がらせを繰り返し、重度のうつ病にさせたとしている。
また、3人は上司として部下の健康に配慮する注意義務を怠ったとして、業務上過失傷害罪にも当たると主張している。男性は「病気になってしまうかもしれないとの認識があって(パワハラを)行ったなら、犯罪の一種ではないか」と話す。
男性は昨年9月、上司によるパワハラでうつ病を患ったとして、横浜北労働基準監督署から労災認定された。告訴対象の3人と学園を相手取り、横浜地裁に損害賠償請求訴訟も起こしている。
平成24年9月14日(金曜日)毎日新聞電子版
健保組合8割が赤字…拠出金負担増、解散も増加2012/09/14
健康保険組合連合会(健保連)は13日、大企業の会社員や家族が加入する健康保険組合の2011年度決算見込みが3489億円の赤字になったと発表した。
赤字総額は4年連続で3000億円を超え、赤字組合は全体の8割の1101組合に達した。
保険料収入は前年度比約6%増となったが、高齢者医療を支える拠出金負担は同2302億円増の2兆8721億円と過去最高となり、保険料収入の44%に膨らんだことなどが影響した。
厳しい財政状況に対応するため約4割にあたる571組合が保険料率を引き上げた。財政難から解散に追い込まれる組合も増加傾向にあり、12年3月の組合数は1443組合と、前年同期(1458組合)から15組合減少した。
平成24年9月13日(木曜日)読売新聞電子版
11年の離職率14.4%、前年比0.1ポイント低下=厚労省調査2012/09/12
厚生労働省が12日発表した2011年の雇用動向調査によると、働く人全体に対する離職者の割合を示す離職率は14.4%となり、前年に比べて0.1ポイント低下した。東日本大震災などの影響で、よりよい職を求めて転職する人が減ったためだ。
新しい仕事に就いた入職者の割合を示す入職率も0.1ポイント低下して14.2%だった。入職率と離職率の合計で、労働市場の柔軟性を示す延べ労働移動率は28.6%となり、比較可能な04年以降で最低となった。
12年1月時点の常用労働者は4433万人で、前年に比べて11万人減った。パートで働く人は10万人増えて1078万人、正社員など一般労働者は22万人減り3354万人だった。離職した人は11年全体で641万人、新しい仕事に就いた人は630万人だった。
離職の理由を聞くと、結婚や出産など個人的理由が67.9%で最多。勤め先の経営上の都合で仕事を離れた人は5.1%だった。転職した後の賃金が前職に比べて増えた人は28.5%で前年から0.9ポイント低下。賃金が減った人も0.3ポイント低下し32.0%だった。
平成24年9月12日(水曜日)日本経済新聞電子版
労働局、雇用助成金不正受給で広告会社に744万円返還請求2012/09/12
青森労働局は10日、国の中小企業緊急雇用安定助成金約744万円を不正に受給したとして、青森市の広告会社「デルタ総合企画」(鈴木将王社長)に全額返還を求めたと発表した。
労働局によると、同社は、事業活動の縮小で臨時に生じた休業日の賃金の一部を国が負担する助成金制度を活用。昨年8〜12月、休業日を設けたと申請し助成金を受け取っていたが、労働局の定期調査で実際は勤務していたことが判明した。
制度上、不正が1件でも確認されれば助成が全て取り消されるため、労働局は7月4日付で助成金全額の返還を求めた。同社は事実を認めて分割払いに応じる意向を示し、既に79万円を返済。不正を認め、完済する見込みもあることから、刑事告訴は見送るという。
助成金制度は、不況で中小企業が事業縮小を余儀なくされる場合でも、人員整理せずに雇用維持できるよう支援するのが目的。リーマンショック後、それまでの雇用調整助成金制度を拡充し2008年12月に創設した。
平成24年9月11日(火曜日)河北新報
通勤手当の除外議論へ=年金などの保険料算定で厚労省2012/09/11
厚生労働省は11日、年金や健康保険などの保険料を算定する報酬の範囲を見直すための検討会を設置した。現在は報酬に含んでいる通勤手当を除くかどうかを議論する。厚労省は年金や健康保険の財政に与える影響を調べたうえで、年内にも結論を出す考えだ。
毎月の保険料を計算する標準報酬月額には、基本給や手当など従業員が企業から受け取るすべてが含まれる。ただ、同じ基本給でも通勤距離が長い方が納める保険料が高くなるなど合理性を欠くとの見方が出ていた。
通勤手当を報酬から除くと保険料が下がる人が出る可能性がある半面、保険料収入の減少を補うため保険料率の引き上げを招く恐れもある。
平成24年9月11日(火曜日)日本経済新聞電子版
うつ自殺で会社に6342万円支払い命令−地裁判決/群馬2012/09/11
沼田市の建設会社で工事現場の責任者として働いていたみなかみ町の男性(当時50歳)が、長時間労働を強いられうつ病を発症して自殺したとして、遺族が同社に対し計9672万円の損害賠償を請求した訴訟で、前橋地裁(西口元裁判長)は7日、同社に計約6342万円を支払うよう命じる判決を言い渡した。
判決によると、男性は同社が国から受注したダム管理用道路の整備工事で現場の責任者を任されていたが、07年1月に自殺した。
西口裁判長は判決で、男性の06年9月〜07年1月の時間外労働時間は少なくとも計586時間にのぼると指摘。工事の設計変更や工期延長などで業務量が増加し、心理的負担でうつ病を発症、自殺に至ったと認定し、同社は男性の自殺を予見できたとして安全管理義務違反を認めた。
平成24年9月8日(土曜日)毎日新聞電子版
消費増税、さらに最大6.2%…新年金で再試算2012/09/11
民主党社会保障・税一体改革調査会(会長・細川律夫前厚生労働相)は6日午前の会合で、同党が目指す月7万円の最低保障年金創設を柱とする新年金制度について、新制度の移行に必要な財源の再試算結果を公表した。
同党の新年金制度は2016年度から40年かけて移行する計画。4案で制度設計し、高齢化がピークを迎える75年度時点での財源を再試算した。必要な財源は最大58.7兆円と見込み、消費税率に換算すると、消費税率10%への引き上げとは別に、最大6.2%分の追加増税が必要になるとした。
2月の前回試算では、追加増税の幅を最大7.1%と想定していた。その後、政府の人口推計で出生率予測が改善するデータが得られたため、年金受給世代への支え手が予想より増えると見て、追加増税幅を約1%圧縮できると判断した。
平成24年9月6日(木曜日)読売新聞電子版
年金法改正案 今国会での成立断念2012/09/05
政府・民主党は、過去の特例措置で本来より高くなっている年金の支給額を引き下げることなどを盛り込んだ国民年金法の改正案について、今の国会での成立を断念し、ことし10月分から引き下げられる予定だった年金は、当面、今の支給額が維持されることになります。
政府は、過去の特例措置によって、本来より2.5%高くなっている年金の支給額を、ことし10月から3年間かけて本来の水準に戻すための国民年金法の改正案を国会に提出しています。
しかし、野田総理大臣に対する問責決議が参議院で可決され、野党側が審議に応じない姿勢を示していることから、政府・民主党は、国民年金法の改正案を今の国会で成立させることを断念しました。これにより、当面、今の年金の支給額が維持されることになります。
厚生労働省の推計によりますと、年金は、過去の特例措置により、平成12年の4月から今年3月末までに、合わせておよそ7兆円、本来より多く支払われており、このまま法案が成立しなければ、今年度は、さらに1兆円程度、本来より多く年金が支払われる見込みです。
平成24年9月3日(月曜日)NHK NEWSweb
配転無効確定のオリンパス社員が会社を提訴2012/09/04
社内のコンプライアンス(法令順守)窓口に上司の行為を通報した後の配置転換が裁判で無効と認められたのに、会社側が処遇を改善しないなどとして、オリンパス社員、浜田正晴さん(51)が3日、同社に1500万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、6月に最高裁で配転無効の判決が確定したが、オリンパスは配転先から異動させず、子会社への転籍や出向を打診するなどした。現在も仕事を与えられず、昇給や昇進の機会を奪われ、精神的損害を被ったなどとしている。
確定判決によると、浜田さんは2007年、上司が取引先から営業秘密を知る技術者を引き抜こうとしていると社内窓口に通報。通報内容が上司に伝わり、3回にわたり別の部署に配転された。
一審判決は浜田さんの請求を退けたが、二審判決は「必要のない配転」と認定し、オリンパスに220万円の損害賠償を命令。最高裁は同社側の上告を棄却した。
浜田さんは提訴後の記者会見で「最高裁の判断をほごにする会社の対応は許されない」と話した。
オリンパスは「本人と調整の場を十数回持ってきたが、合意に至らず時間がかかっている。提訴は非常に残念」とのコメントを出した。
平成24年9月3日(月曜日)日本経済新聞電子版
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過労でうつ病、自殺を労災認定=大田労基署2012/09/01
コンピューターのシステム開発などを手がけるピーエスシー(東京都港区)のシステムエンジニアの男性社員(当時29歳)が2011年に自殺したのは「長時間労働によるうつ病が原因」として、大田労働基準監督署が労災認定したことが31日分かった。遺族側の弁護士が明らかにした。認定は7月12日付。
ピーエスシーは「内容について把握しておらず、コメントは差し控えたい」としている。
男性は06年に入社し、システムエンジニアとして大田区内で勤務。プロジェクトリーダーに就いた10年11月ごろから労働時間が急増し、11年6月に自殺した。同12月に遺族が労災申請した。
弁護士によると、労基署は、男性が11年5月下旬にうつ病を発症したと判断。発症4カ月前の1カ月の残業時間が、前月の倍以上の136時間に急増し、2週間以上連続して勤務していたことなどから労災と認定した。
弁護士は「ここ数年、若いシステムエンジニアの過労自殺が後を絶たない。過酷な労務環境の改善が求められる」と述べた。
平成24年9月1日(土曜日)日本経済新聞電子版
失業率横ばい、4.3%=求人倍率は14カ月連続上昇−7月2012/08/31
総務省が31日発表した労働力調査によると、全国の7月の完全失業率(季節調整値)は4.3%と前月比横ばいだった。一方、厚生労働省が発表した7月の有効求人倍率(同)は、前月比0.01ポイント上昇の0.83倍となり、14カ月連続で改善した。
労働力調査の就業者(同)は3万人減の6269万人、完全失業者(同)は1万人増の282万人だった。総務省は雇用情勢について「足踏み状態になっている。景気は少し後退しており、雇用への影響を注視する必要がある」(幹部)と分析している。
有効求人倍率は、リーマン・ショックが起きた2008年9月(0.83倍)に並び、ほぼ4年ぶりの水準まで回復した。宿泊・飲食業や医療・福祉の求人が引き続き旺盛で、改善に寄与した。
平成24年8月31日(金曜日)時事通信社
改正高齢者雇用安定法成立:「65歳まで雇用」義務化2012/08/30
希望者全員を65歳まで再雇用するよう企業に義務付ける改正高年齢者雇用安定法が29日の参院本会議で民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、成立した。来年4月、男性の厚生年金の受給開始年齢が61歳に引き上げられるのに伴い、賃金も年金もない「空白」期間を回避する狙いがある。企業側が事実上、再雇用する対象者を選別できる今の仕組みを廃止することが柱だが、厚生労働省は今後、勤務態度や健康状態が著しく悪い人を対象外にできる指針を作る方針で、新たな「抜け穴」となる可能性もある。
男性の厚生年金受給開始年齢(60歳、報酬比例部分)は来年4月から3年ごとに1歳ずつ引き上げられ、25年4月以降65歳(女性は5年遅れ)となる。今の60歳定年のままでは年金をもらえる年齢まで無収入となる人が出るため、政府は06年の法改正で65歳までの継続雇用制度を導入した。
平成24年8月29日(水曜日)毎日新聞電子版
国保保険料の地域差1.7倍=徳島が最高、東京は最低2012/08/28
厚生労働省が2010年度の国民健康保険(国保)の保険料の地域差を分析したところ、負担が最も重いのは徳島県だった。一方、負担が最も軽いのは東京都で、徳島と東京では1.7倍の差があった。
自営業者らが加入する国保は、市町村によって保険料の設定方法が異なり、所得や世帯の人数によって保険料が違う。実額ベースで比較するのが難しいので、厚労省は全国平均を1とする算出式をつくり、地域間の差を比べた。
保険料負担が重いのは徳島、大分、北海道で、全国でも医療費が高い地域だ。一方、保険料負担が軽いのは、東京、神奈川、埼玉で、首都圏や周辺の自治体が目立つ。財政に余裕がある地方自治体で税金投入により加入者の保険料負担を軽くしているところもあるが、医療費抑制の取り組みの差が保険料に表れている面もある。例えば、医療費が少ない長野県は保険料負担が軽かった。
市町村別にみると、保険料負担の最高は徳島市で、東京都青ケ島村が最低だった。4.2倍の格差があった。
平成24年8月27日(月曜日)日本経済新聞電子版
「やむ得ぬ理由」厚生年金基金脱退、認める判決2012/08/26
長野県内の建設会社が求めていた厚生年金基金からの脱退を認めた24日の長野地裁判決で、山本剛史裁判長は「『やむを得ない理由』がある場合には、任意脱退を制限することは許されない」などと判決の理由を示した。
建設会社が加盟する「長野県建設業厚生年金基金」(長野市)では、2010年に23億円余の使途不明金が発覚、財務状況も悪化していたことから、建設会社が昨年1月に脱退を申請した。これに対し、基金の代議員会は不承認と議決し、建設会社が訴訟を起こした。
訴訟では、基金側が加盟企業の脱退が相次ぐと存続できなくなるなどとして、脱退には代議員会の議決が必要だと主張したが、判決は、基金との信頼関係を損なうような「やむを得ない理由」がある場合、議決は不要との判断を示した。
平成24年8月25日(土曜日)読売新聞電子版
「胆管がん」労災判断で専門組織新設へ…厚労省2012/08/24
大阪市や宮城県などの印刷会社従業員らが胆管がんを発症していた問題で、厚生労働省は、すでに労災認定を申請している発症者らの早期救済のため、認定の可否を判断する専門の検討会を省内に新設する方針を決めた。
発症者が集中している大阪市の印刷会社従業員らを優先的に取り扱う見通しで、年度内にも労災認定が可能かどうかを判断する。
労災認定は通常、申請を受けて全国の労働基準監督署が検討する。しかし、発症原因がはっきりしないケースなどは、労基署レベルでは、認定の可否を判断することが困難で、同省の検討会が結論を出す方法が採られる。同省に記録の残る1998年以降、胆管がん患者が労災認定された事例はないという。
平成24年8月23日(木曜日)読売新聞電子版
女性教授、部下の講師に「資質ない」と退職迫る2012/08/24
奈良県立医大(橿原市)は23日、医学部看護学科の女性教授(41)が直属の部下にパワーハラスメント(職権による人権侵害)をしたとして、停職1か月の懲戒処分にしたと発表した。処分は16日付。
大学によると、教授は昨年2〜3月、40歳代の女性講師に「資質がない」とメールで退職を迫り、講師の連絡箱に他大学の教員募集の案内を入れるなどのパワハラを計5回繰り返した。
講師は抑うつ状態となり、昨年2月、大学に相談。大学は翌月、教授と講師の職場を別にしたが、教授はその後も退職を迫るメールを5回送り、文書も1回、講師あてに郵送した。講師は今年3月末に退職した。
教授は大学の調査に事実関係を認めたが、「パワハラをした認識はない」と話しているという。大学の大西峰夫理事は「誠に遺憾。再発防止に努めたい」と話している。
平成24年8月23日(木曜日)読売新聞電子版
仕事「パートで続けたい」が7割=厚労省調査2012/08/23
厚生労働省が23日発表したパートタイム労働者調査で、「パートで仕事を続けたい」という人が71.6%に達した。正社員希望は20〜24歳で57.3%、25〜29歳では41.8%だったが、年齢が高くなるにつれて割合は下がり、全体では22%にとどまった。働き方の多様化に合わせてパートタイムで働く人の待遇改善が今後の課題となる。
パートを選んだ理由は「自分の都合の良い時間に働きたい」が55.8%で最多。「正社員として採用されなかった」は7.4%にとどまり、自ら希望してパート労働を選ぶ人も多いことがわかった。「同じ内容の業務を行う正社員がいる」割合は48.9%。このうち「責任の重さが同じ正社員がいる」は36%いた。賃金は「正社員より低いが納得している」が42.5%で最多だった。
正社員として働いた経験がある男性は66%、女性は79.3%だった。女性は結婚や出産で1度正社員を離れるとその後はパートで働く人が多い。働く理由については、女性は「家計の足しにするため」が70.9%だった。男性は「主に自分の収入で暮らしている」が61.4%、40代後半の男性では94.6%に上った。
同調査は厚労省がほぼ5年おきに実施しており、今回は2011年6月時点の状況をパートタイム労働者1万235人から回答を得た。
平成24年8月23日(木曜日)日本経済新聞電子版
助成金2千万円を不正受給=福島の機械卸売会社2012/08/15
福島労働局は13日、福島市の産業機械器具卸売業「エイティック」が、国の中小企業緊急雇用安定助成金約2千万円を不正受給していたと発表した。同社は7月に延滞金を含む全額を返還した。
福島労働局によると、同社は平成21年3月〜今年1月、実際は働いていた従業員について、休業させたり、教育訓練を受けたりしたように書類を偽造。休業補償などのため国から支給される助成金を不正受給した。3月に労働局が事業所に立ち入り検査し発覚した。
平成24年8月13日(月曜日)MSN産経ニュース
「長時間労働でうつ病」愛媛大と准教授を提訴 2012/08/12
指導担当の男性准教授から長時間労働を強制されたり、研究費名目で現金を支払わされたりし、うつ病を患って休学を余儀なくされたとして、愛媛大大学院医学系研究科の男性(31)が同大と准教授を相手取り、慰謝料など1800万円の損害賠償を求めて、地裁に提訴したことがわかった。
訴状によると、男性は同大学付属病院で医療実務に携わり、月額10万円を給付されていたが、准教授に午前7時から深夜までの長時間労働を強制されたほか、腹を蹴られるなどの暴行を受けた。
2009年6〜7月には、准教授に実験器材や試薬の代金約25万円を自己負担させられたり、研究費名目で財布から10万円を無理やり取られたりし、肉体的、精神的負担からうつ病を患って登校できなくなった、としている。
男性は同年8月から休学。大学側に被害を申告し、調査と処置を求めていた。同大学人事課は「申告に基づいて調査委員会を設置し、調査は終了している。現在は結果の審議中で、訴訟に関するコメントはできない」としている。
平成24年8月11日(土曜日)読売新聞
「治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会」報告書―厚労省2012/08/10
脳疾患や精神疾患が増えるなか、治療を受けながら就労できるように関係者がどのように連携を進めるべきかなど検討会がまとめた報告を、厚生労働省が公表しました。
●企業に対しては
(1)労働安全衛生法上の措置を徹底し、疾病の早期発見・早期治療、重症化防止に努める
(2)治療と職業生活の両立に理解のある職場風土形成のため、労働者・管理監督者の教育に努める
(3)時間単位の有給休暇制度や短時間勤務制度の導入など、柔軟な雇用管理の取組を進める
ことを提言しています。
●医療機関に対しては
患者の就業状況を把握した上で、治療方針決定に際し、仕事を休まずに治療を受けられるような配慮などを求めています。
●労働者に対しては
疾病の予防、早期発見、重症化防止への努力とともに、積極的な情報収集や両立促進のための企業と医療機関の情報共有・連携に協力することを求めています。
●行政に対しては
(1)治療と就労の両立支援へ社会的な認識を高めること
(2)支援を必要とする労働者の規模やニーズ、関係者の取組状況などの実態を把握すること
(3)関係者が取り組むべき方法を示したガイドラインやマニュアルの作成
などを提言しています
平成24年8月8日(水曜日)厚生労働省報道発表資料より
<以下ご参照ください>
厚生労働省報道発表資料
労働安全衛生法違反容疑で天理の運送会社を書類送検=奈良2012/08/05
奈良労働基準監督署は3日、作業員に無資格でフォークリフトを運転させたなどとして、労働安全衛生法違反の疑いで、天理市遠田町の運送会社「エスライン奈良」と男性代表取締役(64)をそれぞれ奈良地検に書類送検した。
送検容疑は7月6日、同社の敷地内で、男性作業員=当時(52)=にフォークリフトを無資格で運転させるなどしたとしている。
男性作業員はトラックの荷台との段差を解消するプラットホーム上でフォークリフトを運転し、トラックから荷物を積みおろす作業中、フォークリフトごと1・3メートル下の地面に転落し、死亡したという。
平成24年8月4日(土曜日)MSN産経ニュース
契約社員ら、5年超で無期雇用に転換=改正労働契約法が成立2012/08/03
同じ職場で5年を超えて働く契約社員らを対象に、本人の希望に応じて契約期間を定めない無期限の雇用に変えることを企業に義務付ける改正労働契約法が3日午前の参院本会議で、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、成立した。契約社員などの雇用安定や待遇改善が目的だが、企業にとっては雇用管理の見直しが迫られる。来年4月に施行する予定だ。
有期労働者はパートや契約社員など約1200万人。全雇用者の2割強を占めており、5年を超えて働く人が3割いる。労働基準法は1回の契約期間を原則3年以内と規定。しかし、契約更新を繰り返して長期間、同じ会社で働く人も多く、こうした人への雇用ルールは整備されていなかった。
平成24年8月3日(金曜日)日本経済新聞電子版
三田学園を提訴へ、自殺した教諭の両親2012/08/02
2010年6月、三田学園高校(三田市)の男性教諭=当時(37)=が自殺したのは、過重労働が原因だったとして、教諭の両親=篠山市=が三田学園などを相手取り、2400万円の損害賠償請求訴訟を1日にも神戸地裁に起こす。教諭の遺書に、上司によるパワーハラスメントを示唆する記述があり、同学園の使用者責任も指摘している。
訴状によると、1995年から同校英語教諭として勤務。07年に設置された同学園の関西学院大学進学コースを担当していたが、10年はじめごろから、疲労と精神的ストレスから体調不良を家族に訴えるようになり、同年5月ごろ、顎(がく)関節症を患い、うつ病を発症したという。
同年6月24日、篠山市内で自殺。残されたノートに「現場無視のやり方に、しんどくてたまりません」「3年間は正直オーバーワークでした」などと記述し、パワハラを示す文言も残っていた。
教諭は関学コースのカリキュラム作成、企画、運営をほぼ中心となって行っていたほか、クラブ活動の顧問や多数の委員会活動にも取り組んでいたという。両親は「自宅でも夜遅くまで仕事をしていた。業務の量を適切に調整していたら、うつ病にならず自殺もしなかった」と同学園の注意義務違反を指摘している。
これに対し、同学園の西門義博理事長は「パワハラとか過重労働など一切なかった。休みも取ってもらっており、具体的な資料も残っている。弁護士とも相談し、対応したい」と話していた。
平成24年8月1日(水曜日)神戸新聞電子版
労災不支給:観光バス運転手の遺族、取り消し求め提訴=長野2012/08/02
長野市の運送会社に勤務する観光バスの男性運転手(当時42歳)が08年、脳出血で死亡したのは労災だとして、男性の妻(42)が国に、遺族補償年金などの不支給決定を取り消すよう求め、長野地裁に提訴したことが31日分かった。原告側は過酷な長時間労働や不規則な勤務、異常な走行距離の長さなどが死亡の原因と主張している。提訴は6月25日付。
訴状によると、男性は群馬、栃木両県を巡る3日間のバスツアーの最終日の08年8月19日、栃木県日光市内で運転中、ろれつが回らなくなり、危険を感じた同乗のバスガイドがサイドブレーキを引き、停車させた。男性は同市内の病院で右脳出血と診断され、脳死状態になり、同年11月30日に死亡した。
原告側は、男性が搬送前の7月にあった3日間の四国ツアーで1979キロを1人で運転。1日目は734キロ、3日目は844キロに及び、国土交通省が定める1日の最大距離670キロを超えたことなどを指摘している。
男性の妻は08年9月以降、長野労働基準監督署に休業補償や遺族補償年金などの支給を求めたが、労災と認められず、いずれも不支給だった。
平成24年8月1日(水曜日)毎日新聞
新卒採用、企業の47%で増加…経団連調査2012/07/31
経団連は30日、新卒採用について会員企業に聞いたアンケート調査の結果を発表した。
2012年春入社の採用人数が11年入社より「増加した」と答えた企業は前年比8・5ポイント増の46・6%となり、「減少した」は6・8ポイント減の29・5%にとどまった。採用を増やした企業のうち49・4%が増加の理由として「業績の回復、事業拡大」と答えた。
13年春の採用計画があると答えた企業のうち、採用人数を12年春より「増やす」としたのは3ポイント増の34・5%で、「減らす」(24・5%)を上回った。
経団連は「社内の人材構成のバランスを取るため、安定的な雇用を続けようという方針の表れ」と分析している。調査は5〜6月に行い、経団連会員企業582社から回答があった。
平成24年7月30日(月曜日)読売新聞電子版
福井男性自殺:上司パワハラが原因ー労災認定2012/07/28
福井市の消防設備関連会社の男性社員(当時19歳)が自殺したのは上司のパワーハラスメントが原因として、福井労働基準監督署が労災認定していたことが27日、分かった。男性の遺族の弁護士が明らかにした。弁護士によると、未成年者のパワハラによる自殺が労災認定されるのは全国でも珍しい。
男性は高校卒業後の10年4月、同市大手3の「暁産業」に入社し、防災設備のメンテナンスを担当した。日常的に上司2人から人格を否定され続け、同年12月、首をつって自殺した。
上司から、指導内容を全て手帳にメモするよう指示され、手帳2冊に上司の言葉として「死んでしまえばいい」「この世から消えてしまえ」などと書かれていた。遺書で上司の名前を挙げ、「大嫌い」と記されていたという。
同労基署は精神障害に関する判断指針「ひどい嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」に該当するとして労災認定した。同社は「社長が不在のためコメントできない」としている。
平成24年7月27日(金曜日)毎日新聞
最低賃金、全国加重平均で7円引き上げ2012/07/25
労使の代表と有識者で構成する厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は25日、2012年度の都道府県別の最低賃金(時給)を、全国加重平均で7円引き上げる目安を示した。
現在、最低賃金が生活保護費を下回る「逆転現象」が11都道府県で起きているが、示された目安の最高額が適用されても、北海道、宮城県では逆転現象は解消されない見込み。全国の加重平均額は、目安通りに引き上げられれば現行の737円から744円となる。
生活保護の受給者が過去最高を更新し続け、210万人を突破したこともあって、どこまで逆転現象が解消できるかに注目が集まった。労働側は早期の解消を主張。使用者側は中小企業を中心に経営への打撃が大きいと反論し、2年以内に解消を目指すことで事実上合意した。
平成24年7月25日(水曜日)読売新聞電子版
厚労省、「消えた年金記録」2240万件なお未解明2012/07/25
厚生労働省と日本年金機構は24日、約5000万件の消えた年金記録問題で、2240万件の記録が解明できていないことを明らかにした。コンピューターで管理している年金記録と原簿の紙台帳の内容が一致せず、誰のものか分からない記録が4割強も残っている。年金機構は「死亡などで手掛かりがつかめないものが多い」と説明しており、解明作業は難航しそうだ。
消えた年金記録問題は、旧社会保険庁が名前や生年月日を間違えて記載するといったずさんな情報管理で生じた。厚労省は問題を受け、2007年から年金記録の解明を進めてきた。2855万件は解明された。1296万件の記録は正しくなった。厚労省は記録を回復できた人が生涯受け取る年金額は、1.6兆円増えたとしている。
これまでは年金受給者の記録を優先して確認してきたが、公的年金加入者の記録を全件照合する。30代から50代までの3030万人を対象に、コンピューター上の記録と紙台帳の記録を突き合わせ、加入者を確認する。作業は13年度中に終了する。
平成24年7月24日(火曜日)日本経済新聞電子版
メンタル復職支援に重点=成功例を募集、公開へ−厚労省2012/07/24
厚生労働省は23日、来年度からの労働災害防止計画で、精神面の不調で休職した社員を復帰させる「復職支援」に力を入れる方針を初めて示した。復職対策に成功した例を集め、9月ごろから同省のホームページ「こころの耳」で6社程度を公表、他の事業者の参考にしてもらう。同日開かれた労働政策審議会安全衛生分科会で明らかにした。
厚労省は事業者のメンタルヘルス(心の健康)対策について、セクハラやパワハラなど職場環境の改善や、不調に早期に気付くため医師による従業員のメンタルヘルスチェック義務付けなどに取り組んできた。
平成24年7月23日(月曜日)時事通信社
二審も公務災害認定=静岡の新任教諭自殺−東京高裁2012/07/19
静岡県磐田市立小学校の新任教諭だった木村百合子さん=当時(24)=が2004年に自殺したのは、過重な勤務によりうつ病になったのが原因として、父親が地方公務員災害補償基金を相手に公務災害と認めなかった処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(三輪和雄裁判長)は19日、公務と自殺の因果関係を認めて処分を取り消した一審静岡地裁判決を支持し、同基金の控訴を棄却した。
平成24年7月19日(木曜日)時事通信社
性同一性障害、保険証に戸籍と異なる性別容認へ2012/07/18
厚生労働省は、心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断された人の国民健康保険証について、表面の性別欄に戸籍とは異なる性別を記載した場合や空欄の場合でも、裏面に戸籍上の性別が書いてあれば認める方針を固めた。
この問題では、松江市が、性同一性障害の市民団体代表上田地優さん(54)に対し、目に付きやすい表面には男女の別を記載せず、裏面の備考欄に「戸籍上の性別、男性(性同一性障がいのため)」と記載した保険証を交付している。厚労省がこれを容認した格好だ。
上田さんの心の性別は女性だが、性別適合手術をしておらず、戸籍上の性別は男性。「粘り強く活動してきてよかった。手術をしなくても、心の性が尊重される社会になってほしい」と話した。
平成24年7月17日(火曜日)読売新聞電子版
国保の医療費突出、うつ病での退職者加入が一因2012/07/17
自営業者や退職者が加入し、市町村が運営する国民健康保険(国保)の1人あたりの医療費が、会社員や公務員健保の2倍に膨らんでいることが厚生労働省の調査で分かった。国保の医療費は20〜69歳で会社員や公務員を上回った。精神疾患で長期間入院する患者が会社を辞めて国保に入り、医療費が押し上げられたとみられる。
厚労省が2010年度の診療報酬明細書(レセプト)を分析した。健康保険別にみると、市町村国保の1人あたり医療費が29万7260円と突出。これに対して大企業の健保組合は13万4006円、中小企業の協会けんぽは15万5388円、公務員の共済組合は15万140円だった。75歳以上が加入する後期高齢者医療制度は89万7084円だった。
国保は働き盛りの年齢で、医療費が会社員や公務員よりも多い傾向がみられる。「精神・行動障害」「神経疾患」にかかる医療費が特に高い。厚労省保険局は「うつ病を発症して会社を辞めると、国保に入るしかないので、医療費が膨らみやすい」とみている。
厚労省は調査結果を受け、医療費の削減に取り組む。精神疾患は1年以上長期入院する患者が全体の65%を占める。精神疾患は入院初期の患者に対応する医師の数を従来の3倍に増やし、早期の退院を促す。入院期間を1年以内に抑える対策を実施する。
年齢別の医療費でみると15〜19歳が最も低く、年齢とともに高くなる傾向にある。未成年では5〜9歳の歯科の医療費が高いことが目立つ。
平成24年7月17日(火曜日)日本経済新聞
胆管がん、時効でも労災申請受理=厚労省指示2012/07/13
印刷会社の元従業員らが相次いで胆管がんを発症した問題で、厚生労働省は13日までに、時効を理由に胆管がんによる労災申請を門前払いしないよう全国の労働局に指示した。労働局は現在、労災申請が時効であっても受け付けない対応はしていないが、この徹底を図るよう求めた。
労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付の時効は通常、死亡の翌日から起算して5年となっている。元従業員が胆管がんで死亡してから5年を超えているケースも多い。厚労省は印刷会社で使われた化学物質と発症の関連を調べており、因果関係が判明すれば起算点についても検討する。
小宮山洋子厚労相は13日の閣議後の記者会見で「従来より時効を理由に労災請求を受け付けないという対応はしていないが、胆管がんでも徹底するよう指示した」と述べた。
この問題は産業医科大(北九州市)の准教授らが大阪市の印刷会社を調査して発覚。印刷機に付着したインクを落とす洗浄剤に含まれる化学物質が原因の可能性があると指摘されている。厚労省によると、5都府県の印刷会社で計17人が発症し8人が死亡している。
平成24年7月13日(金曜日)日本経済新聞電子版
人工透析:技士を違法派遣、医療会社処分=大阪労働局2012/07/12
人工透析に従事する臨床工学技士を4年半にわたり違法に派遣したとして、大阪労働局は11日、大阪市中央区の医療コンサルタント会社「ヒューマンドリーム」(川戸康嗣社長)を2カ月の派遣業務停止処分にした。
労働局によると、同社は07年9月〜今年4月、大阪府内の病院に技士3人を派遣。病院の医師の指揮下で、透析機器を操作したり、患者に針を刺したりしていた。労働者派遣法は、医療業務に関する派遣を禁じている。
同社は病院との間で、「透析機器のオペレーション(操作)」と称して、病院側の指揮・監督を受けない請負契約を結んでいたが、労働局は「偽装請負」と認定した。
毎日新聞の取材では、同社が09〜10年、同じ手口で、堺市南区の医療法人「恒進会」に技士を派遣し、請負を装っていたことが判明している。川戸社長は取材に、「問題があるとは分かっていた。今後は、法律を順守したい」と話した。
平成24年7月11日(水曜日)毎日新聞
<トラース社会保険労務士事務所より>
労働者派遣法で労働者派遣が禁止されている業務は以下の通りです。
●港湾運送業務
●建設業務
●警備業務
●その他政令で定める業務(現在は、医業等)
胆管がん、新たに3人ー印刷業との因果関係を本格調査へ2012/07/10
印刷業で働く人に胆管がんが多発している問題で、厚生労働省が全国の561事業所を調べた結果、新たに3人が胆管がんになっていたことがわかった。小宮山洋子厚生労働相が10日、発表した。業務との因果関係を調べる疫学的調査を実施する方針も示した。
3人が働いていたのは、東京都、静岡県、石川県の事業所。1人は40代で入院し、治療した。2人は60代と70代で死亡した。
この結果、すでに判明していた大阪、宮城も含めて印刷会社における胆管がんの発症例は計5事業所、17人となった。このうち8人が死亡している。朝日新聞の調べでは、大阪でさらに1人が死亡している。
厚労省によると、これまで労災申請が出ている大阪と宮城の事業所については、地下室や通風が不十分な屋内の作業場で、インクの洗浄剤として「1、2ジクロロプロパン」を大量に使っていた可能性があることが共通しているという。
厚労省は、二つの事業所で使っていた洗浄剤や作業環境に何らかの問題があったとみて、専門家による研究班をつくる。疫学的調査では、印刷業以外の胆管がんの発症例も詳しく調べ、印刷業で発症する割合がどの程度高いかを調べる。発症との関係を調べるため、1、2ジクロロプロパンなどで動物実験を行う。
今回の調査は、洗浄剤を多く使っている事業所や大規模な事業所が対象。特定の化学物質を取り扱う場合のルールを守っているかを調べ、同時に、在職者や退職者に胆管がんになった人がいないかを聞いた。
規制対象の化学物質(54種類)を使う場合、局所排気装置の設置や、6カ月以内ごとの空気中の有機溶剤の濃度測定、特別な健康診断の実施などが義務づけられている。だが、調査したなかで、規制対象の物質を使っていた494事業所のうち、383事業所で何らかの法令違反があった。
平成24年7月10日(火曜日)朝日新聞デジタル
パワハラ原因のうつ病で休業、労災と認める判決2012/07/09
生命保険会社に勤務していた鳥取県米子市の女性(57)が、うつ病で休業に追い込まれたのは上司のパワハラが原因にも関わらず、鳥取労働基準監督署が労災を認めなかったとして、国を相手取り、休業補償給付などの不支給処分の取り消しを求めた訴訟があり、松江地裁(和久田斉裁判長)は6日、処分取り消しを命じ、労災と認める判決を言い渡した。
女性は鳥取支社米子営業所に勤務していた2003〜05年、支社長や営業所長らに嫌がらせを受けて休業し、退職後に同監督署に休業補償給付を請求。同監督署は「業務上のストレスは強度とは認められない」として不支給処分にしていた。一方、女性は同社と上司に対し、損害賠償を求める訴えを起こし、09年に地裁米子支部でパワハラの一部が認定され、11年に広島高裁松江支部で和解した。
判決では、基準に照らして業務上の要因とは認められなかったとする国の主張を、上司の叱責により強いストレスを蓄積していったなどと否定。また、基準は心理的負荷の強度を適正に評価するには十分とはいえず、参考資料にとどめるべきだと指摘した。
平成24年7月7日(土曜日)読売新聞電子版
女性の非正規雇用54.7%過去最高=2011年女性労働白書2012/07/07
厚生労働省は6日、「2011年版働く女性の実情(女性労働白書)」を発表した。働く女性の内訳は、正規雇用が985万人で前年比12万人減った。一方で非正規は1188万人で18万人増え、割合が54.7%(前年比0.7ポイント上昇)で過去最高となった。家計を助けるために働き始める主婦が非正規雇用に就いているとみられる。
年齢別に見ると25〜29歳では正規雇用が63%で、非正規は少数派にとどまる。これが35〜39歳では非正規が半数を超える51.5%となった。年齢が上がるほど非正規の割合が増えており、白書では「妊娠・出産で退職した女性の再就職が非正規雇用になっている」と分析した。
働く意欲のある人の割合を示す「労働力率」では、女性は20代と40代に比べて出産後の30代が落ち込む「M字カーブ」になっている。このカーブの底の35〜39歳の労働力率は前年比0.9ポイント上昇し、過去最高の67%となった。
10年前との比較では、30〜34歳の労働力率が大きく伸び、8.8ポイント上昇した。未婚者は0.4ポイント上昇にとどまったが有配偶者は9.3ポイント上昇した。25〜29歳でも有配偶者は9.6ポイント上昇した。厚労省は「働きたくても働けなかった女性たちの働く環境が整いつつあることもM字カーブ改善の一因」と分析している。
平成24年7月6日(金曜日)日本経済新聞電子版
「バカ」とパワハラ、元短大課長うつ病労災認定2012/07/06
横浜美術短大(現横浜美術大学)の総務課長だった武藤健一さん(43)が、上司らからパワハラを受けてうつ病になったとして、昨年9月に横浜北労働基準監督署から労災認定されていたことがわかった。
武藤さんは2011年3月、同大を運営する学校法人トキワ松学園(東京都目黒区)や当時の上司らを相手取って計約400万円の損害賠償を求め横浜地裁に提訴し、係争中。現在も同学園の系列校に在職しており、代理人の弁護士によると、在職中のパワハラでの労災認定は珍しいという。
訴状によると、武藤さんは09年9月頃から、同学園の女性参事(退職)に「あんたはバカだ」などと繰り返し嫌みを言われるようになった。10年1〜3月には同学園の男性事務局長から退職を強要され、女性参事からも「辞めるか降格かどちらかだ」と言われ、課長代理に降格された。同学園の理事で同短大の学長は暴言を止めず、同調して叱責した、と主張している。
武藤さんは10年3月、うつ病と診断され、3か月間休職。同年10月、同学園のパワハラ調査委員会が「パワハラと言えるほどの事実は認められない」としたことを受け、提訴した。
同学園は「係争中のためコメントできない」としている。
平成24年7月6日(金曜日)読売新聞電子版
雇調金の助成率引き下げ=厚労省、成長分野に転職促す2012/07/06
厚生労働省は5日、雇用調整助成金の見直し案を発表した。2008年のリーマン・ショック後に緩和した支給要件を10月から厳しくし、来年の4月には助成率も引き下げる。中小企業の資金繰りが改善しつつあるとみて危機対応を転換する。実質的に仕事がないまま企業にとどまっている人に成長分野への転職を促し、経済活性化にもつなげる。
支給要件は過去3カ月の生産量が前年同期と比べて5%以上減った企業に限られている。見直し案はこれを10月から10%以上に改めるとした。来年4月には休業手当への助成率を大企業で2分の1、中小企業で3分の2と、リーマン・ショック前の水準に戻す。現在は大企業で3分の2、中小企業が5分の4。
雇用調整助成金は、経営が悪化しても従業員を解雇せずに休業させた企業に、国が休業手当の一部を助成する仕組み。リーマン・ショック後のような経済の混乱時には雇用が大きく減って失業者が急増することを防ぐ効果がある。ただ、不採算事業に労働力が固定される側面もあるため、景気回復局面では成長分野への人材移動を妨げるとも指摘される。助成対象は09年7月の252万人をピークに12年5月には41万人まで減少している。
平成24年7月5日(木曜日)日本経済新聞電子版
年収500万円以上世帯は例外=日雇い派遣禁止で−厚労省2012/07/05
厚生労働省は5日、改正労働者派遣法で原則禁止を定めた日雇い派遣について、学生や年収500万円以上の世帯の人は、禁止の例外とすることを決めた。
厚労省は、生計の中心になっていることが少ない学生(定時制は除く)は日雇い派遣を認めても大きな問題はないと判断。また年収500万円以上の世帯の人も、労働条件が悪ければ、他の仕事を探す余裕があるとみて容認した。就職口が乏しい60歳以上の人も認める。5日開催の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)職業安定分科会で了承された。
平成24年7月5日(木曜日)時事通信社
11年度の国民年金納付率最低に、58.6%ー6年連続低下2012/07/05
2011年度の国民年金保険料の納付率が58.6%で過去最低を更新したことが厚生労働省のまとめで明らかになった。10年度の59.3%を0.7ポイント下回り、6年連続の低下となる。収入が低く年金制度への不信感が強い若者の未納に歯止めがかかっていない。
国民年金は公務員や会社員以外の人が加入する公的年金制度の一つ。加入者はこれまで自営業者が中心だったが、最近はパートなど非正規労働者も増えている。正社員になれない若者の間では月額約1万5千円の保険料を払えない人が目立ち、1990年代半ばに80%台だった納付率は低下傾向が続いている。
主婦でも夫が公務員や会社員でなくなった後に未納者になる例がある。厚労省が昨年末から、こうした例を未納扱いし始めたことも未納率が上がった要因とみられる。厚労省などは納付督促を委託している民間業者との連携を強化して、納付率を引き上げる考えだ。
平成24年7月5日(木曜日)日本経済新聞電子版
オリンパス社員勝訴=内部通報後の配転無効−最高裁2012/06/30
オリンパス(東京都新宿区)社員の浜田正晴さん(51)が、内部通報によって不当に配置転換されたとして、同社などを相手に配転命令の無効確認などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は28日付で、同社側の上告を棄却する決定をした。配転を無効とし、オリンパスと上司1人に計220万円の支払いを命じた二審東京高裁判決が確定した。
浜田さんは2007年6月、上司らが重要な取引先の社員を引き抜こうとしていることを知り、社内のコンプライアンス室に通報。その後、別の部署に配置転換されたのは、内部通報に対する報復だと訴えていた。
一審東京地裁は、配転命令による不利益はわずかで、内部通報による不利益な取り扱いを禁じた公益通報者保護法の対象にも当たらないとして訴えを退けた。これに対し二審東京高裁は、命令は通報に対する制裁が目的で、人事権の乱用に当たると認定。配転後に達成困難な目標を課して低い人事評価をしたことなども違法だとして、浜田さんの逆転勝訴を言い渡していた。
平成24年6月29日(金曜日)時事通信社
日本通運に1億3700万円賠償命令=アスベスト−神戸地裁支部2012/06/29
クボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)などでアスベスト(石綿)運搬作業に従事し、肺がんなどで死亡した「日本通運」(東京都)元従業員5人の遺族が、安全対策を怠ったとして同社に約2億2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁尼崎支部の富川照雄裁判長は28日、「危険性を予見できたのに対策を取らなかった」として約1億3700万円の賠償を命じた。
判決によると、5人は1950〜80年代、神戸港で積んだ石綿をトラックで工場に運び込む作業などに従事。2000年以降、肺がんや中皮腫で死亡した。原告代理人によると、トラックでの運搬作業で賠償責任を認めた判決は初という。
富川裁判長は、旧じん肺法制定までの経緯や国内外の被害報告などから、同社は遅くとも59年までに危険性を予見できたのに、防じんマスクを装着させるなどの対策を怠ったと認定した。
原告のうち4遺族はクボタも相手取って提訴し、今年3月に1遺族当たり1000万円の和解金支払いを条件に和解した。
05年に夫=当時(68)=を亡くした同県明石市の古嶋右春さん(78)は「日本通運は謝罪もせず知らん顔をしてきた。勝ったけど手放しでは喜べない」と批判した。
日本通運の話 判決内容をよく検討した上で今後の対応を決める。
平成24年6月28日(木曜日)時事通信社
宮城の印刷会社でも胆管がん発症(労災申請)…洗浄剤原因か2012/06/26
厚生労働省は25日、宮城県内の印刷会社の男性従業員2人から、胆管がんを発症したとして労災申請があったと発表した。
大阪市内の校正印刷会社では、従業員ら10人(うち死亡6人)が胆管がんになり、このうち6人が労災申請している。2か所の印刷会社から複数の労災申請者が出たことから、同省は印刷機の洗浄で使われる化学物質が作用するなど同じ原因で発症した可能性が高まったとして、実態把握を急ぐ。
発表によると、25日に宮城労働局に労災申請した2人は30歳代と40歳代で、防毒マスクや手袋を着用せずに、印刷機の洗浄作業に当たっていたという。この会社は東日本大震災で被害を受け、現在は宮城県内の別の場所で操業している。同省は近く、使っていた洗浄剤の種類や当時の換気状況などを経営者から聞き取る。
平成24年6月25日(月曜日)読売新聞電子版
パートの「正社員待遇」拡大ー労政審意見書2012/06/22
厚生労働省の労働政策審議会は21日、今後のパートタイム労働対策に関する意見書を小宮山洋子厚労相に提出した。働き方が多様化するなかで働き手を確保するには、雇用の4分の1を占めるパートタイム労働の環境整備が必要だと指摘した。
仕事の内容や人事異動の仕組みが正社員と同じ有期雇用は、給与や教育の待遇を正社員と同様に扱うことを報告書は求めた。意見書の内容が実現すれば約10万人のパートの労働条件が正社員並みに向上する見込み。企業には負担増につながる。厚労省はパート労働法の改正案を来年の通常国会をめどに提出する方針だ。
平成24年6月21日(木曜日)日本経済新聞電子版
セクハラ訴訟の原告女性「雇い止めは不当」ーJR西を提訴2012/06/20
JR西日本が雇用契約を打ち切ったのは、セクハラ被害を訴えて訴訟を起こしたことへの見せしめで不当だとして、元契約社員の女性(38)が19日、同社に地位確認を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
訴状によると、女性は2006年に障害者雇用枠で契約社員として入社したが、10年6月〜今年3月、うつ病で休職。JR西は同2月、「出勤日数等を勘案し、3月末をもって契約を更新しない」と通知し、雇い止めにした。女性は、出勤できなくなったのは職場でのセクハラ被害が原因で、合理的理由を欠くと主張している。
セクハラ被害を巡っては、当時の上司に賠償を命じた昨年11月の大阪高裁判決が確定している。
JR西日本の話 訴状の内容を詳しく検討した上で適切に対応する。
平成24年6月20日(水曜日)日本経済新聞電子版
派遣時給、19カ月連続上昇、5月三大都市圏=リクルート調べ2012/06/19
派遣社員の時給の上昇が続いている。リクルートがまとめた5月の三大都市圏(関東、東海、関西)の募集時平均時給は前年同月比0.5%高い1472円と19カ月連続で前年を上回った。求職者の正社員志向が強く、派遣社員が集まりにくい状況が続いているためだ。
職種別では「IT・技術系」が2.7%高い1837円。システムエンジニアやスマートフォン(高機能携帯電話)関連技術者の需要が旺盛だ。ウェブ・ゲームのデザイナーなど「クリエイティブ系」も1592円と0.4%上がった。
エン・ジャパンがまとめた全国平均時給も1562円と前年同月比0.2%上がった。IT系、クリエイティブ系のほか「事務系」も前年を上回った。同社が広告媒体などで扱った5月の求人件数は前年同月比25%増。人集めに苦戦する中、早めに求人広告を出したり求人広告を出す期間を延ばしたりする企業が増えている。ITプログラマー職では「新規にシステム開発予算を計上する企業も増え、求人意欲が高まっている」(エン・ジャパン)。
平成24年6月19日(火曜日)日本経済新聞電子版
平成23年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」まとめ2012/06/15
〜精神障害の労災請求件数が3年連続で過去最高を更新〜
厚生労働省は15日、平成23年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を取りまとめ、公表ました。
くも膜下出血などの「脳血管疾患」や、心筋梗塞などの「心臓疾患」は、過重な仕事が原因で発症する場合があり、「過労死」とも呼ばれています。厚生労働省では、こうした過労死や、仕事のストレスによる精神障害の状況について、平成14年から、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した「支給決定件数」などを年1回、取りまとめています。
平成24年6月15日(金曜日)厚生労働省報道発表資料
<以下ご参照ください>
厚生労働省報道発表資料
心の病で労災、最多の325人=「震災」原因が20人−厚労省2012/06/15
厚生労働省は15日、仕事上のストレスやショックでうつ病などの精神疾患を発症し、労災認定された人が2011年度は325人と前年度より17人増え、2年連続で過去最多を更新したと発表した。このうち東日本大震災が原因となったのは20人に上った。
精神疾患での労災申請は、91人増の1272人と3年連続で最多だった。認定された325人のうち、自殺・自殺未遂者は1人増の66人だった。
認定者の業種は、製造業59人、卸・小売業41人、医療・福祉39人の順。年齢別でみると、30代の112人が最も多く、40代71人、20代69人と続いた。
原因は「仕事内容・量の大きな変化」52人、「悲惨な事故や災害の体験・目撃」48人、「嫌がらせ、いじめ、暴行」40人の順だった。
これらのうち、「仕事中に津波にのみ込まれた」「高所で作業中に地震が起きショックを受けた」など東日本大震災が直接の原因となったのは18人に上り、「仕事で被災地に応援に行き、体調を崩した」など間接的な原因も2人いた。
平成24年6月15日(金曜日)時事通信社
競合他社への転職禁止、二審も「条項は無効」=東京高裁2012/06/14
「退職後2年以内に競合他社に就業するのを禁止し、違反した場合は退職金を支給しない」とする契約条項は無効だとして、外資系生命保険会社の元執行役員の男性が会社に退職金約3千万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(梅津和宏裁判長)は13日、契約条項を無効と認めた一審・東京地裁判決を支持し、会社側の控訴を棄却した。
男性は「アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー」日本支店(現メットライフアリコ生命保険)の元執行役員。
判決理由で梅津裁判長は「保険業界では営業成績に人脈などが大きく影響するが、男性の努力で獲得したノウハウの流出を禁止することは、正当な目的とは言えない」と判断。一審同様、退職金約3千万円の支払いを命じた。
平成24年6月13日(水曜日)日本経済新聞電子版
精神障害者の雇用義務化へ=厚労省方針、社会進出促す2012/06/14
厚生労働省は、新たに精神障害者の採用を企業に義務づける方針を固めた。身体障害者に加え、知的障害者の雇用を義務化した1997年以来の対象拡大になる。障害者の社会進出をさらに促す狙いだ。企業に達成が義務づけられている障害者雇用率は、上がることになりそうだ。
専門家による研究会で、近く報告書をまとめる。今秋から労働政策審議会で議論し、来年にも障害者雇用促進法の改正案を通常国会に提出する。企業だけでなく、国や地方公共団体などにも義務づける。
障害者雇用促進法は企業などに、全従業員にしめる障害者の割合を国が定める障害者雇用率以上にするよう義務づけている。障害者の範囲は身体、知的に限られていたが、そううつ病や統合失調症などの精神障害者を加える。
障害者雇用率は、働いたり、働く意思があったりする障害者の全労働者にしめる割合と同程度になるよう計算して定められている。現在、1.8%で、来年4月から2.0%になることがすでに決まっている。対象拡大で、この計算にも新たに精神障害者が加わるため、率は上がりそうだ。
働いたり、働く意思があったりする精神障害者の人数の正確な統計は今のところない。ただ、統計がある「ハローワークを通じて仕事を探す精神障害者」推移をみると年々増えており、2011年度は約4万8千人。この数字で単純計算すると、雇用率は少なくとも2.2%になる。
精神障害者の定義は、精神障害者保健福祉手帳を持つ人とする案が有力だ。手帳は10年度は59万人に交付されている。 精神障害者の雇用義務づけは、働く障害者の増加にともない、障害者団体からの要望も強まっていた。
平成24年6月14日(木曜日)朝日新聞デジタル
胆管がん発症問題、厚労省が全国一斉立ち入り調査2012/06/13
大阪市の校正印刷会社の元従業員らが胆管がんを発症し、少なくとも5人が死亡した問題で、厚生労働省は13日、各地の労働基準監督署を通じて全国の校正印刷事業所など約500社の立ち入り調査を始めた。
この問題では、東京都と宮城県の印刷会社でも同じ事例が報告されており、同省はアスベスト被害と同様に全国に広がる可能性があるとみて、業務と疾患の因果関係などを調べる。
調査対象は、大量印刷の前に仮刷りして発色や誤植などを確認する校正印刷を専門とする事業所。一連の問題は、洗浄剤に含まれる有機溶剤が原因で発症した可能性が指摘されており、同省は事業所内での作業状況が法令に違反していないか点検し、6月中に調査を終えるとしている。
一方、大阪市の同じ校正印刷会社で現在働いている従業員3人が、大阪の労働基準監督署に労災申請していたことも明らかになった。
平成24年6月13日(水曜日)産経新聞
ソフト会社などが雇用助成金を不正受給ー大阪2012/06/12
大阪労働局は11日、大阪市中央区のソフトウエア会社「日本ソフトウェアデザイン」と同市浪速区の電子計測器販売会社「アルバテック」が、それぞれ国の中小企業緊急雇用安定助成金を不正受給していたと発表した。
労働局によると、日本ソフトウェアデザインは平成21年1月〜24年1月に約5700万円、アルバテックは21年4月〜23年4月に約1440万円を受給していた。
2社は、助成金の対象となる従業員の休業や教育訓練の一部がなかったにもかかわらず、虚偽の書類を作成して支給申請していた。2社はいずれも不正を認め、返済する意向を示しているという。
平成24年6月11日(月曜日)MSN産経ニュース
年金支給開始、67歳以上に=OECD加盟国の4割2012/06/11
経済協力開発機構(OECD)は11日発表した年金に関する報告で、先進国を中心とする加盟34カ国のうち、約4割に当たる13カ国が長期的方針として、年金支給開始年齢を67歳以上に引き上げるか、既にその水準まで引き上げていることを明らかにした。平均寿命が伸びているほか、2008年の世界的な金融危機以降、経済・財政状況が深刻な影響を受けていることが背景にあるとしている。
日本の厚生年金の支給開始年齢は段階的に65歳まで引き上げられる予定で、13カ国の中に日本は含まれていない。ただ、政府内では68〜70歳に引き上げる案が検討されている。
OECDの報告は年金支給開始年齢引き上げの動きについて、年金財政の改善や世代間の年金負担の公正化、退職年齢の引き上げなどに役立つとして「歓迎すべき傾向」と評価している。
平成24年6月11日(月曜日)時事通信社
バイト中に震災死、安全配慮怠ったと親が提訴2012/06/10
震災時に宮城県多賀城市内のファミリーマートでアルバイト勤務中に死亡した高校3年の女子生徒(当時18歳)の両親が、店舗の運営会社を相手取り約6900万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こした。提訴は1日付。
原告側は「運営会社が災害時の避難について指導や教育をせず、労働契約上の安全配慮義務を怠った」と主張している。亡くなった女子高校生は当時、一緒にアルバイトをしていた妹(17)と2人だけで勤務しており、「未成年の2人は、勝手に避難するとお金を盗まれるかもしれないと思い、店を離れることができなかった」としている。
運営会社側は「昨秋に見舞金を支払っているのに、なぜ訴訟になったのか、分からない。訴状も届いていない」と話した。ファミリーマート(東京都豊島区)は「訴状が確認できていない。確認次第、対応を検討したい」とコメントした。原告側代理人弁護士によると、女子高校生は10日後に遺体で見つかり、妹は救助されたという。
平成24年6月10日(日曜日)読売新聞電子版
建設業者に社会保険書類義務付け=国交省、加入率向上図る2012/06/05
国土交通省は3日までに、建設労働者の社会保険加入率を上げるため、建設業者が都道府県に営業許可を申請する際、雇用保険と健康保険、厚生年金の3種類の加入状況を記した書類の提出を義務付けることを決めた。既に関係省令を改正済みで、11月から適用する。
2011年の政府調査によると、3保険すべてに加入していた建設業者は全体の84%で、労働者では57%にとどまった。保険未加入の業者を放置すると、技能を持つ人材が建設業界に集まりにくくなり、保険料を支払っている業者が競争で不利益を受けるため、対策が求められていた。
平成24年6月3日(日曜日)共同通信
個人の職歴漏らした疑い、ハローワーク職員逮捕2012/06/03
職務上知り得た個人の職歴情報を外部に漏らすなどしたとして、愛知県警捜査2課は1日、神奈川労働局「ハローワーク横浜」非常勤職員、西沢えみ容疑者(47)を国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで、神奈川県藤沢市菖蒲沢、情報関連業者「鐵(くろがね)」役員藤田利恵子容疑者(51)を同法違反(唆し)の疑いでそれぞれ逮捕した。
発表によると、西沢容疑者は2011年11月、雇用保険の被保険者3人分の職歴情報を端末から引き出し、藤田容疑者に漏らした疑い。
県警は2日、2人を名古屋地検に送検するとともに、横浜市のハローワーク横浜を捜索した。また、藤田容疑者が、探偵会社から職歴情報の調査を請け負った際、約2万円の手数料を得ていたことが同日、県警の調べでわかった。
平成24年6月2日(土曜日)読売新聞電子版
日野自動車子会社の男性自殺、再審査で労災認定2012/06/02
長時間労働などが原因でうつ病となり自殺に至ったとして、日野自動車の子会社に勤務していた男性(当時47歳)の遺族が行った労災申請について、埼玉労働局が春日部労働基準監督署の不支給決定を取り消し、労災を認める決定をしていたことが1日、わかった。決定は5月10日付。
遺族の弁護士らによると、男性は1984年に旧埼玉日野自動車(現・東京日野自動車)に入社。自動車販売などを担当したが、2003年のディーゼル規制に伴い業務量が増加。04年にうつ病を発症し、仕事のミスも重なって09年6月に自殺した。
春日部労基署は11年、自殺は業務が原因ではないとして、労災申請を退けたが、遺族の不服申し立てを受けて、埼玉労働局は業務が原因と認めた。
日野自動車は「東京日野自動車には再発防止も含め、適切に対応するよう指導する」としている。
平成24年6月1日(金曜日)読売新聞電子版
「堂島ロール」の会社、残業代未払い是正勧告2012/06/01
人気洋菓子「堂島ロール」を製造販売する「モンシュシュ」(大阪市北区、従業員約600人)が、約150人の正社員の一部に残業代の未払いがあったとして、労働基準法違反(割増賃金不払い)の疑いで天満労働基準監督署から5月に是正勧告を受け、不足分を支払うよう指導されていたことがわかった。
同社によると、正社員に対しては、定額に固定した残業手当を月給に含めて支給していたが、実際の残業時間に見合っていないとされたという。同社は「労基署の指摘を受け、全容を調査をしている」としている。
同社は2003年創業。国内と中国・上海に24店舗を展開し、民間調査会社によると、11年9月期の売上高は約66億円。
平成24年6月1日(金曜日)読売新聞電子版
「談合で心労」財団元幹部が労災給付訴訟2012/06/01
一般財団法人「県生活科学検査センター」(静岡市葵区)の幹部だった男性(50)の家族が、男性は業務で談合させられたうえ、上司から「談合をばらす」と脅されるなどの過重な業務が原因で心肺停止後に低酸素脳症になったとして、国に、労災による療養補償給付を求める訴訟を静岡地裁で起こしていたことが30日、わかった。
同センターは1972年に県や県薬剤師会によって設立され、主に、自治体の飲料水の水質検査などを受注している。取材に対して同センターは「上司の『談合をばらす』という発言もあって調べたが、センターが談合をしていた事実は確認できていない」としている。
訴状によると、男性は総務部課長などとしてセンターの入札業務を担当していたが、競合他社と何度も談合をさせられ、ストレスを負っていたとされる。途中で、上司から談合をやめるよう指示を受け、今度は競合他社から「ルール違反じゃないか」と怒りをぶつけられた。さらに2008年3月下旬、この上司とのトラブルがあった際、上司から「談合をばらす」と脅され、刑事責任を追及されるかもしれない恐怖や不安を感じていたという。
男性は同月31日、心肺停止に陥り、蘇生したが低酸素脳症になった。男性の家族は業務に起因した疾患であることは明らかだと主張している。上司も同時期に退職したという。
男性側の給付申請に対して、島田労働基準監督署は09年10月、不支給を決定。男性側は10、11年に審査請求したが、いずれも棄却され、今年3月、処分の取り消しを求めて提訴していた。
平成24年5月31日(木曜日)朝日新聞デジタル
社会保障協定、日印締結で合意2012/05/31
日本とインドは30日、都内で政府間協議を開き、社会保障協定を締結することで合意した。協定案文の確定を進め、年内の署名を目指す。年金など二重に社会保険料を払っている企業の負担を減らし、双方の企業進出を後押しする。
外務省によると2011年11月時点で民間企業のインド駐在員は約2千人。社会保障協定締結後は、保険料の二重払いや加入期間が短く保険料が掛け捨てになる事態を防げる。日本で働くインド人にも同じ恩恵がある。
玄葉光一郎外相は同日の記者会見で「2国間の経済交流、人的交流の促進が期待される」と意義を強調した。協議には日本から外務省と厚生労働省、インド側は在外インド人省の課長級担当者がそれぞれ出席した。
平成24年5月30日(水曜日)日本経済新聞電子版
労働相談が最多25万6000件=厚労省「いじめ相談増加が要因」2012/05/30
労働者と企業間のトラブルを裁判に持ち込まずに迅速に解決することを目指す「個別労働紛争解決制度」に基づく2011年度の労働相談が、過去最多の約25万6千件に上ったことが29日、厚生労働省のまとめで分かった。同省は「企業の競争環境が厳しくなったことで、職場のいじめ・嫌がらせの相談が増えたことが要因」とみている。
全体では110万9454件の相談が寄せられたが、このうち制度の対象となる民事上の紛争は、25万6343件(前年度比3.8%増)。ほかは労働基準法違反などの相談で、各労働基準監督署などが対応した。
相談を紛争内容ごとに集計し直すと30万5124件。「解雇」が18.9%で最も多く、「いじめ・嫌がらせ」(15.1%)が続いた。解雇に関する相談は5万7785件で前年度比3.9%減ったのに対し、いじめ・嫌がらせは4万5939件で同16.6%増えた。
労働者の内訳は、正社員が約10万6千人で前年度比2.1%減。派遣労働者が同12.3%増の約1万1千人となるなど、非正規社員は増加した。
相談を受け、実際に労働局が企業側に助言・指導をしたのは9590件(同24.7%増)、有識者でつくる紛争調整委員会があっせんに乗り出したケースは6510件(同1.9%増)だった。
厚労省労働紛争処理業務室は「競争環境の激化で同僚をライバル視するようになり、いじめが増えたことや、制度自体の周知が進んだことが相談件数増加の要因」と話している。
平成24年5月29日(火曜日)日本経済新聞電子版
雇用調整助成金の条件引き上げ・支給絞り込みへ2012/05/30
厚生労働省は29日、従業員を解雇せず休業などにとどめた企業を支援する「雇用調整助成金」がもらえる条件を引き上げ、支給を絞り込む方針を明らかにした。
景気の持ち直しを受け、中小企業などの利用が減少傾向にあるためだ。具体的な条件の変更や時期は、景気動向などをみて今後検討する。
助成金の支給条件は、米リーマン・ショックや東日本大震災を受けて、「最近6か月の生産量が前年同期と比べて10%以上減少」から「最近1か月の生産量が原則5%以上減少」へと段階的に緩和させてきた。対象は生産量が減少する見込みとなった事業主まで広がっているが、元に戻す案が有力だ。
厚労省によると、支給対象者はリーマン・ショック後の2009年度に延べ2130万人まで膨らんだが11年度は775万人まで減少している。
平成24年5月29日(火曜日)読売新聞電子版
パート労働条件の見直し、「正社員待遇」10万人増2012/05/29
厚生労働省は正社員と同じ働き方をする有期契約のパート労働者の待遇を正社員並みにするように制度を見直す方針だ。約10万人のパートの労働条件が改善される一方、企業にとっては負担増になる。制度の見直しに必要なパート労働法の改正案を来年の通常国会をめどに提出することを目指す。
厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会の分科会に29日に見直し案を提示する。パート労働者は(1)仕事の内容が同じ(2)転勤などの働く仕組みが同じ(3)実質的に無期契約――のすべての条件を満たした場合のみ、正社員と同じ待遇にすることが企業に義務付けられている。このうち「実質的に無期契約」という条件を削除する方針を決めた。
現状で正社員待遇を受けているパート労働者は全体の1.3%の約18万人。条件の緩和によって対象は約29万人にまで広がる見込み。具体的には、給与や福利厚生施設の利用、教育・訓練などを正社員と同じにする。
ただ、保護の対象が広がることに一部の企業が反発する可能性もある。通勤手当をパート労働者にも支給するかなど、労使の意見対立が残る点もある。厚労省は今後、細部を詰めたうえで、来年の法案提出につなげる方針だ。
平成24年5月29日(火曜日)日本経済新聞電子版
「がんこ」残業代未払い5億円、書類送検へ2012/05/29
和食チェーン「がんこフードサービス」(本社・大阪市淀川区)が店の従業員に残業手当や深夜労働の割増賃金を支払っていなかった問題で、未払い分の総額が過去2年間で計約5億円に上ることがわかった。大阪労働局は29日にも、労働基準法違反(割増賃金不払い)容疑で同社と志賀茂社長ら幹部を書類送検する。
関係者によると、労基法では残業手当や午後10時以降の賃金は通常賃金から25%割り増しして支払わなければならないとされているが、約3500人の全従業員のうち正社員だけで約600人について未払いがあり、現在、支払いを進めているという。
同労働局は内部通報に基づいて昨年12月、大阪府岸和田市の「岸和田五風荘店」や本社などを捜索し、未払いの全容を調べていた。
同社は近畿を中心に92店舗を展開しており、昨年7月期の売上高は約215億円。小嶋淳司会長は大阪商工会議所の副会頭を務めている。
同社人事部は「捜査中のため現時点ではお答えできない」としている。
平成24年5月29日(火曜日)読売新聞電子版
労災死、震災原因56%=11年は全体で2338人−厚労省2012/05/26
厚生労働省が25日発表した2011年の労働災害(労災)調査によると、労災による死亡者数は前年比1143人増の2338人となった。このうち東日本大震災を直接の原因とする死亡は1314人で全体の56%を占めた。
震災による死者を都道府県別(所属事業所の所在地をベースに集計)にみると、宮城が821人で最も多く、岩手401人、福島72人と続いた。原因別では「津波による溺れ」が約900人に上り、最も多かった。
平成24年5月25日(金曜日)時事通信社
「退職拒んだら子会社出向」無効=リコー社員の労働審判2012/05/23
事務機器大手リコー(東京)が社員に命じた子会社への出向が22日、東京地裁の労働審判で無効とみなされた。問題になったのは、人選についての企業側の説明不足。製造業を中心にリストラを急ぐ企業は多い。異動や退職の正当性をめぐって社員と争いになる例は今後も続きそうだ。
リコーは昨年7月から人員削減の一環で希望退職を募っていた。審判申立書によると、社員2人は同月以降に上司から数回にわたって応募を迫られ、拒んだら9月に出向になった。2人は技術者だが、出向先では倉庫で製品のラベル貼りや箱詰めをしていた。労働審判は非公開。裁判所は、業務内容が大きく変わる2人を出向の対象に選んだ理由について、リコー側の立証が不十分で、権利の乱用と判断したという。
ただ2人の出向がすぐに取り消されるわけではない。労働審判は、当事者のどちらかが結論に異議を申し立てると裁判に移行することになっており、リコー側は22日に異議を申し立てた。リコーは「裁判で正当性を主張していく」(広報室)としている。
リコーのほかにも、製造業では電機を中心に大がかりな従業員削減が続く。超円高などを背景に、拠点の統廃合や事業の再編に乗り出す企業も増えている。 その際、トラブルになりがちなのが特定の分野で経験・技能を蓄積したベテラン社員の処遇だ。事業の縮小もあって社内で異動先を見つけづらく、企業側は割り増し退職金などで転職を促すことが多い。だが業界全体が低迷していると同業他社への再就職は難しい。
リコー社員を支援する東京管理職ユニオンの鈴木剛書記長は、「異動や退職に納得できない社員と会社側の労働審判や裁判での争いが、今後増えていくだろう」とみる。
平成24年5月22日(火曜日)朝日新聞デジタル
協会けんぽ、保険料負担軽減を要請2012/05/21
中小企業の会社員と家族が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)は21日、保険料負担の軽減を訴える活動を始めた。2012年度の協会けんぽの保険料率は、過去最高となる10%となった。記者会見した小林剛理事長は、「中小企業会社員の給料が下がり続けるなか負担は限界に達しており、国の補助金の拡充を要請したい」と話した。
協会けんぽは保険料の4割が高齢者医療のための拠出にあてられ、保険料率の上昇につながっていると主張している。国は医療費の16.4%を補助しているが、協会けんぽは補助率を法律上の上限である20%に引き上げて、保険料率を下げることを提案する。高齢者医療制度についても抜本的な見直しを求める。
協会けんぽは3500万人いる加入者を中心に署名を集める。11月をメドに政府に対し、保険料負担を下げる要請する。
平成24年5月21日(月曜日)日本経済新聞電子版
障害者の雇用率=2%に引き上げへ2012/05/19
就職を希望する障害者が増え続けていることから、厚生労働省は、企業に義務づけている障害者の雇用率を現在の1.8%から15年ぶりに引き上げて2%とする方針を固めました。企業に対し、障害者を雇用した際に支払われる助成金の制度の活用を呼びかけるなどして雇用を確保していく方針です。
障害者の雇用を巡っては、現在、従業員が56人以上いる企業に対し、全体の1.8%以上の障害者を雇用するよう法律で義務づけています。 障害者の社会参加が進むなか、自立を求め、仕事を探す障害者は年々増え、昨年度の求職者は18万2000人余りと、5年前よりおよそ20%増加しています。
このため、厚生労働省は企業に義務づけている雇用率を1.8%から2%に、また、国や自治体は2.1%から2.3%に、そして、都道府県の教育委員会は2%から2.2%に、来年度からそれぞれ引き上げる方針を固めました。障害者の雇用率が引き上げられるのは平成10年以来、15年ぶりです。
一方で、義務づけられた雇用率を達成している企業は去年6月の時点で45%と半数以下にとどまっていることから、厚生労働省は、企業に対し、障害者を雇用した際に支払われる助成金の制度の活用を呼びかけるなどして雇用を確保していく方針です。
平成24年5月17日(木曜日)NHK NEWSweb
ワタミの一部店舗、時間外労働で不適切労使協定2012/05/18
居酒屋「和民」などを展開するワタミフードサービス(東京都大田区)の一部の店舗で、労働基準法で定められた労使間の手続きを踏まずに従業員に時間外労働をさせていたことがわかった。同社は「全店舗で適切な労使協定を結ぶよう徹底したい」として、系列の全店舗で労使手続きの実態を調べるとしている。
労基法は、労働者の労働時間を1日8時間、週40時間以内と規定。使用者がこれを超えて働かせる場合は、労働組合か、労働者の半数以上の代表者と協定を交わして時間外労働の上限を定め、労働基準監督署に届け出る必要がある。
同社によると、同社には労働組合はなく、店舗ごとに毎年、従業員側と協定を締結。従業員内での挙手や店舗の会合などで労働者代表を選出し、協定を結ぶ決まりだったという。しかし、一部店舗では、店長が従業員の中から代表を指名。時間外労働の上限時間があらかじめ記載された協定届に署名させていたという。
平成24年5月18日(金曜日)読売新聞電子版
障害者の就職、2年連続で最高=6万人に迫る−厚労省2012/05/15
厚生労働省は15日、ハローワークを通じて就職した障害者が、2011年度は前年度比12.2%増の5万9367人と2年連続で過去最高を更新したと発表した。厚労省は「障害者の就労意欲が高まり、企業も社会的責任として積極的に雇用しているため」(職業安定局)と分析している。
内訳は、身体障害者が2.6%増の2万4864人、知的障害者が8.8%増の1万4327人、精神障害者が29.5%増の1万8845人だった。就職先を産業別にみると、医療・福祉が1万3751人で最も多く、製造業9282人、卸売・小売業9203人が続いた。
平成24年5月15日(火曜日)時事通信社
<労災認定>会社の実態調査、労基署に要請=自殺男性の遺族2012/05/14
飲料大手キリンビバレッジの子会社「東京キリンビバレッジサービス」(東京都千代田区)での過重労働が原因で自殺し、品川労働基準監督署に労災認定された男性(当時23歳)の両親が14日、同労基署に同社への実態調査を求める要請書を提出した。同社の給与は基本給と売り上げに応じた販売コミッションからなり、残業代はほとんど支払われていなかった。両親はこうした働かせ方が過労を招いているとして、指導・勧告を求めた。
男性は10年4月に自殺。品川労基署は、09年10月〜10年3月の男性の毎月の時間外労働が平均81時間、最長92時間であったと認定した。両親は、会社が▽労使協定で定めた残業の上限「1日あたり4時間」を超えて勤務させている▽残業代をほとんど払っていない−−などを指摘し、是正させるよう訴えた。
両親は3月、会社に対し、損害賠償と未払い残業代の総額1億1677万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こしている。母親は「同じ悲劇が繰り返されるようなことがあってはいけない」と話している。同社総務部は「裁判の結果を待って、改善すべきところがあれば改善する方向で、弁護士と相談しながら進めていきたい」としている。
平成24年5月14日(月曜日)毎日新聞
三菱電機子会社が二重派遣、29人を別会社に2012/05/12
東京労働局は11日、職業安定法で禁じられている労働者の「二重派遣」をしていたとして、三菱電機の子会社で水道や交通施設の保守などを行う「三菱電機プラントエンジニアリング」(東京)に対し、労働者派遣事業の1か月間の停止を命じた。
同労働局の発表によると、同社は2008年10月から11年9月にかけて、東京都内の電機設計会社など3社から派遣を受けた計29人の労働者を、別の下水道設備の維持管理などを行う会社に派遣した。3社の労働者が同社に出向したと偽って派遣した形を取っていたという。同労働局は二重派遣を助長したとして、3社にも労働者派遣事業の改善命令を出した。
三菱電機プラントエンジニアリングは「労働局の指導に従って、今後は適切に対応したい」としている。
平成24年5月11日(金曜日)読売新聞電子版
健康診断受けさせず=陸援隊、法令違反多数−国交省2012/05/09
関越自動車道の高速ツアーバス事故で、運行した「陸援隊」(千葉県印西市)が、運転手の過労防止に関する措置が不適切だったり、健康診断を受けさせていなかったりしたことが8日、国土交通省関東運輸局の特別監査で分かった。国交省は同日、法令違反が疑われる項目の一部を公表したが、運転手や運行に関する内容から車両整備に至るまで多岐にわたった。
同省の指針では、運転手は「1日の運転時間は9時間、距離670キロ」と上限を定めているが、同社は指針を順守するような過労防止に対する措置を十分にしていなかった。
平成24年5月8日(火曜日)時事通信社
<トラース社会保険労務士事務所より>
事業者による健康診断の実施は、労働安全衛生法上の義務となっています。ご注意ください。
労災死者:昨年、過去最少37人、前年比23人減ー兵庫労働局2012/05/05
兵庫労働局は11年の県内の労働災害発生状況をまとめた。労働災害による死者数は37人で、前年の60人から23人(38・3%)も減少。これまで最も少なかった09年の45人を下回り、過去最少となった。一方、死者と休業4日以上の負傷災害にあった労働者数は4749人で、前年の4680人より69人(1・5%)増加した。
同局では10年に死亡災害が急増したことを受け、「緊急死亡労働災害防止対策」を策定。同年9〜12月に死亡災害の多い業界の会合などへ同局の担当者が出向き、安全対策の必要性などを説いた。その効果もあって、11年の死亡災害は建設業で21人から11人に半減。製造業が18人から11人へ大幅に減り、陸上貨物運送業や農林業、商業などでも減少した。
一方、死亡事故を含む休業4日以上の負傷災害の死傷者数は09年から2年連続で増加している。そのため、死傷者数が増加傾向にある陸上貨物運送業などでは、事業所だけでなく、荷主などへも無理な仕事の発注を控える事などを要請。休業1カ月以上の労働災害を発生させた事業所に対しては個別指導を行うなど、労災防止の取り組みを徹底する。
同局は「長い期間でみると労働災害は減少傾向にあるが、安全意識のさらなる向上を図ってもらうよう、事業所などに働きかけていきたい」としている。
平成24年5月5日(土曜日)毎日新聞
67%の人が自分の年金記録確認…厚労省調査2012/05/04
厚生労働省は2日、「過去3年程度の間に自分の年金記録を確認したことがある」という20歳以上の人が67.4%に上ったとする、公的年金加入状況調査の結果を発表した。
調査は2010年時点。07年には旧社会保険庁が約5000万件の年金記録漏れ問題を公表しており、年金記録への国民の関心の高さが浮き彫りとなった。
記録確認の手段としては、約8割が公的年金の加入記録を知らせる「ねんきん定期便」などを使っていた。定期便は年1回、誕生月に記録が郵送される仕組みだ。
一方、これまでに一度も年金に加入していないなどの非加入者(20〜59歳)の推計値は89万9000人。全体に占める割合は、04年時点の前回調査より0.1ポイント増の1.4%となった。
平成24年5月4日(金曜日)読売新聞電子版
賃金不払い増え総額11億4851万円ー大阪労働局2012/05/02
大阪労働局は、昨年、府内で取り扱った賃金不払いが2040件で、総額は11億4851万円にのぼったと発表した。件数は前年より275件少ないが、総額は2302万円多く、1人あたり平均額も約12万円多い約38万2000円だった。
発表によると、業種別の件数では、小売りなどの商業(474件)、接客娯楽業(329件)、建設業(257件)などの順だった。金額では、製造業が2億9163万円と最多で、商業が2億6333万円、建設業が1億3855万円。1000万円を超えたものは16件あり、うち9件が倒産によるものだった。
前年からの継続案件を含めて同局が昨年、処理を終えた2017件のうち、半数超の1060件は労働基準監督署の行政指導で解決。会社が倒産して未払い分を用立てられず、国の「未払賃金立替払制度」で支払ったものは235件だった。不払いを繰り返したり、支払い能力があるのに払わなかったりするなど、悪質だとして書類送検したものは17件だった。
平成24年5月2日(水曜日)読売新聞電子版
最高裁、解雇無効の判断…精神的不調で欠勤2012/04/28
精神的な不調で欠勤を続けたITメーカー従業員の解雇が認められるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(須藤正彦裁判長)は27日、「まずは精神科医による健康診断などを行い、必要な場合は治療を勧めた上で経過を見る対応をとるべきだ」との判断を示した。
その上で、解雇を無効として給与の支払いを命じた2審・東京高裁判決を支持し、会社側の上告を棄却した。会社側の敗訴が確定した。
判決などによると、日本ヒューレット・パッカード(東京都江東区)に勤めていた原告の男性(41)は、2008年4月以降、職場で嫌がらせを受けているなどとして会社側に調査を依頼し、有給休暇を取得。会社側は嫌がらせの事実はないとする調査結果を知らせて出勤を求めたが、有給休暇の消化後も出勤しなかったため、無断欠勤にあたるとして同9月末で諭旨退職の懲戒処分とした。
平成24年4月27日(金曜日)読売新聞電子版
男性の育休取得率、過去最高=2.63%に上昇−厚労省2012/04/27
厚生労働省が26日まとめた2011年度雇用均等基本調査速報によると、男性の育児休業取得率が前年度比1.25ポイント上昇の2.63%と統計の比較が可能な1996年以来、過去最高となった。厚労省は「育休を促す法律の浸透や、育児に積極的な『イクメン』が認知されてきたことが大きい」と分析している。
女性は4.1%上昇の87.8%だった。
平成24年4月26日(木曜日)時事通信社
社員うつ病発症「労災」/労基署決定を覆す2012/04/26
磐田信用金庫(磐田市中泉)の子会社に勤務している男性社員(43)が発症したうつ病を巡り、静岡労働者災害補償保険審査官が、労災申請を退けた磐田労働基準監督署の決定を覆し、労災と認定していたことが24日、わかった。社長や上司が繰り返し男性を罵倒するなどしたため、うつ病を発症したと認めた。
男性の妻や代理人弁護士によると、男性は2005年に同信金から「いわしんビジネスサービス」(同)へ出向。09年10月から、社長と上司の2人から厳しい叱責(しっせき)を受けるなどして、10年4月にうつ病と診断されて休職した。
男性は同年6月、2人からパワハラを受けたとして、磐田労基署に労災を申請。「辞めてしまえ」「明日から来るな」などと繰り返し罵倒されたほか、業務日報の細かい書き直しを指示されて自宅で作業を命じられたり、コピー用紙が入った段ボール40箱を1人で倉庫に運ぶように指示されたりしたなどと訴えた。
労基署は11年5月、「業務要因による心理的負荷は『中』程度で、業務による発症とは認められない」と請求を退けた。男性は再審請求し、労災保険審査官は今年3月、社長らの言動について「業務指導を逸脱して人格や人間性を否定する内容が含まれ、うつ病を発症させて悪化させたと考えられる」などと労基署の決定を取り消した。
男性の妻は「希望が持てる決定で、同じような被害に遭う人が一人でもなくなってほしい。会社からは何の謝罪もなく、許せない。誠実な対応を求めたい」と話した。
社長は「労災認定されたかどうか確認できないので、コメントは控えたい」としている。
平成24年4月25日(水曜日)朝日新聞デジタル
精神疾患の発症、長時間労働が原因=野村総研社員の労災認定2012/04/26
野村総合研究所でシステム開発を担当していた東京都の男性(36)について、亀戸労働基準監督署(東京・江東)が、精神疾患になったのは長時間労働が原因として、労災認定していたことが25日、分かった。代理人弁護士が明らかにした。
弁護士によると、男性は1998年4月に入社。金融機関向けのシステム開発を担当していたが、長時間労働が続き、2004年2月、強迫性障害などの精神疾患を発症。休職と復職を繰り返した。
同労基署は発症直前の1カ月間の時間外労働を123時間と判断。精神疾患との因果関係を認め、今月19日付で労災認定した。
同社は昨年9月、休職期間が満了したとして、同10月での退職を通告。男性側は「労災療養中であり、無効」として撤回を求めていた。
野村総研は「正式に連絡を受けていないのでコメントできない」としている。
平成24年4月25日(水曜日)日本経済新聞電子版
雇用安定助成金、400万不正受給…社長ら逮捕2012/04/26
国の「中小企業緊急雇用安定助成金」を不正受給したとして、埼玉県警が同県川越市の40歳代の内装会社社長と知人で30歳代の社会保険労務士の男2人を詐欺容疑で逮捕していたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、男らは2010年、雇用実態がない内装会社なのに、従業員を休ませたことにして、虚偽の受給申請を川越市の公共職業安定所に提出し、同助成金約400万円をだまし取った疑いが持たれている。県警は、30歳代の男が書類作成などを指南していたとみている。埼玉労働局が3月に刑事告発し、県警が捜査していた。
この助成金は、景気悪化の影響を受けた事業者が、労働者を解雇せずに一時的に休業などの扱いにしたり、教育訓練させたりした場合、国がその手当や賃金の一部を最大で9割補助する制度。2008年秋のリーマン・ショック以降、景気悪化で中小企業が従業員を解雇することなどを防ぐため、08年12月に創設された。事業計画や理由などが各地の労働局で審査される。
平成24年4月26日(木曜日)読売新聞電子版
残業代求め法テラス提訴=常勤弁護士「管理職でない」−青森2012/04/25
国が設立した公的法人「日本司法支援センター」(法テラス)が常勤弁護士に超過勤務手当を支払わないのは違法として、法テラス八戸法律事務所(青森県八戸市)の安達史郎弁護士(36)が残業代など約109万円の支払いを求める訴訟を八戸簡裁に起こしたことが24日、分かった。
法テラスによると、所属弁護士が超過勤務手当を求める訴えを起こしたのは全国初。
訴えによると、安達弁護士は八戸事務所が開設された2010年1月から常勤弁護士として勤務。今年3月までは所長も務めた。超過勤務手当を求めたが、法テラス側は常勤弁護士が労働基準法上の管理職に当たり、拒否したとしている。
常勤弁護士の勤務時間は、就業規則で1日7時間30分と規定されているが、安達弁護士は月約17時間の超過勤務があったと主張。訴状では11年11月分までの超過勤務手当を請求した。同弁護士は「実際は名ばかり管理職で、残業代が出ないのは実態にそぐわない」と話した。
一方、法テラスの北岡克哉総務部長は「常勤弁護士は一定の職員を管理監督する立場と内規で明記している」としている。
平成24年4月24日(火曜日)時事通信社
義務化見送りへ=受動喫煙防止、民主が修正2012/04/24
民主党は23日、職場での受動喫煙を防止するため、事業者に全面禁煙か煙の出ない喫煙室の設置による「空間分煙」を義務付けることを柱とする労働安全衛生法の改正案について、義務化を見送る方向で検討を始めた。義務規定を外し、議員修正で努力規定にとどめる考え。党内で了承を得られれば、自民、公明の両党と協議に入る方針だ。
同法案をめぐっては、日本たばこ産業(JT)が「設備投資が困難な中小事業者への十分な配慮が必要だ」と批判し、受動喫煙の低減対策を求められる飲食店の一部からも反対の声が上がっていた。昨年12月に閣議決定され国会に提出されたが、継続審議となっていた。
平成24年4月23日(月曜日)時事通信社
医療介護など有望産業で雇用1000万人増=国試算2012/04/22
経済産業省は医療介護やヘルスケア、新エネルギーなど将来有望な産業が、2020年までに約1000万人の雇用を生み出すとの試算をまとめた。ヘルパーら介護現場の働き手のほかに、研究や技術開発で専門性の高い人材の需要が高まるためだ。経産省は人材教育や転職支援の関連企業を金融面から支援し、製造業などから成長産業への人材の移動を促す。
経産省が23日に開く産業構造審議会(経産相の諮問機関)の新産業構造部会で試算を公表する。退職者の補充も考慮した人数で試算した。内訳をみると医療介護は269万人、新エネなど「対事業所サービス」が321万人、ヘルスケアなど「対個人サービス」が303万人増えるとした。一方で、製造業は生産拠点の海外移転の影響でほぼ横ばいとした。
成長産業での新規雇用などで、失業率は20年に4.6%と、10年の5.0%から0.4ポイント下がると試算した。産業間の人材移動が円滑に進めば、20年の平均賃金は532万円と、10年の386万円から4割近く上昇するともみている。
同省は人材移動を進めるには、業種間の移動だけでなく生産現場から研究開発といった高度な職種への転換を促す必要があると判断。人材教育を手掛けたり、転職を支援したりする企業が金融機関から融資を受けやすくするために公的な信用保証を拡充することなどで、人材の流動化を促す。
平成24年4月22日(日曜日)日本経済新聞電子版
子会社異動迫られ鬱病に=NTT西日本社員が提訴2012/04/20
子会社への異動を迫られ鬱病になったとして、NTT西日本大分支店に勤める50代の男性社員が19日、労災給付請求を認めなかった大分労働基準監督署の決定取り消しを求めて、大分地裁に提訴した。
訴状によると、男性は2007年から同社のリストラ計画に基づいた子会社での再就職を受け入れるよう、上司に迫られた。
男性は家庭の事情などで拒否したが、上司から「(受け入れない場合は)九州には絶対に置かない」などと不本意な異動を示唆された。そのため、ストレスから鬱病を発症したとしている。
男性は約2カ月の自宅療養を余儀なくされ、労基署に療養補償給付などを請求。だが、労基署は09年9月に不支給処分とし、男性は労働保険審査会に再審査請求したが退けられた。
平成24年4月19日(木曜日)MSN産経ニュース
いすゞの雇い止め有効=東京地裁、元派遣社員らの請求棄却2012/04/17
減産を理由に雇用契約を更新されなかったり雇用期間の途中で解雇されたりしたとして、いすゞ自動車の工場で働いていた元期間従業員や元派遣社員計12人が、同社に雇用の継続や慰謝料など総額6200万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁(渡辺弘裁判長)は16日、「雇い止めや派遣の解約は有効」として雇用継続について原告側請求を棄却した。
原告4人については、雇い止め前に実施された賃金カットを違法と認め、同社に計約240万円の支払いを命じた。原告側は控訴する方針。
判決理由で渡辺裁判長は「雇い止めは経営状況の悪化によるもので合理性があり、手続きにも問題はなかった」と判断。「派遣会社に対しても約1カ月前に解約の申し入れをしており、契約違反はない」とした。
判決によると、原告らは同社の栃木工場(栃木県栃木市)と藤沢工場(神奈川県藤沢市)で働いていたが、リーマン・ショック後の2009年4月までに失職した。
平成24年4月16日(月曜日)日本経済新聞電子版
心の健康対策を一貫管理=アドバンテッジ、中小企業向けに2012/04/13
アドバンテッジリスクマネジメントは企業向けの心の健康サービスを拡充する。国会で審議中の労働安全衛生法改正をにらみ、新基準に対応した問診の実施から医師による面接指導の進捗管理まで一貫したサービスを提供する。法改正で従業員の心の健康対策が必要となる中小企業などの顧客開拓を狙う。
法案は、規模にかかわらず全ての事業者に従業員の精神的健康の状況を把握する年1回の検査を義務付けている。従業員のメンタルヘルス対策が進んでいない中小企業を対象にした「新基準対応パッケージ」を9月をめどに提供開始する。
ストレスチェックには厚生労働省が標準的な質問として示すとみられる「ひどく疲れた」「不安だ」など9項目を盛り込んだ。料金は従業員500人で105万円から。産業医がいない企業を対象に、医師の紹介サービスも別料金で提供する。
平成24年4月12日(木曜日)日本経済新聞電子版
ソニー、人員削減1万人を発表…2012年度に2012/04/12
ソニーは12日、経営方針説明会を開き、事業の再編成や本社・事業子会社・販売組織の再構築を進め、2012年度にグループ全体で国内外の約1万人の人員削減を見込むと発表した。
経営方針では、デジタルカメラやゲーム、携帯電話事業を中心に電機部門を強化し、14年度にグループ全体で売上高8兆5000億円を目指す目標を打ち出した。平井一夫社長は記者会見で「ソニーが変わるのは今しかない」と強調した。
平成24年4月12日(木曜日)読売新聞電子版
改正国保法成立=平成27年度から全医療費を都道府県単位で負担2012/04/06
市町村が運営する国民健康保険(国保)の財政基盤を強化する改正国保法が5日の参院本会議で民主、自民、公明各党などの賛成多数で可決、成立した。平成27年度に全ての医療費を都道府県単位で負担する仕組みを創設することが柱。
1件月30万円超の医療費について都道府県単位で共同負担する現在の仕組みを平成26年度まで継続した上で、27年度から対象を全医療費に拡大する。医療費の共同負担を進めることで最大2.8倍に達する同一都道府県内の保険料格差を縮小するのが狙いで、人口が少なく高齢者が多い地域の保険料の上昇が緩和される見通し。
自営業者や無職の人が入る国保の財政は加入者の保険料50%、公費(税金)50%で運営されているが、国による保険料部分への2千億円の財政支援も恒久化する。一方で、国の公費部分の負担を約1526億円引き下げ、その分を都道府県に負担させる。
具体的には医療給付費の7%を賄う都道府県調整交付金の比率を9%に引き上げ、定率国庫負担分を34%から32%に引き下げる。
平成24年4月5日(木曜日)MSN産経ニュース
USEN、職場に癒やし系音楽=メンタルヘルス対策に2012/04/04
USENが音楽配信を通じ、企業向けに職場のメンタルヘルス対策支援を拡大する。厚生労働省が企業に社員の心のケアの充実を求める法改正案を国会に提出しており、需要が増大すると判断した。癒やし系に加え、主力の飲食・小売店向け音楽配信も好調で、2012年8月期の連結営業利益は従来予想(前期比8%減の70億円)を上回る可能性が出てきた。
厚労省は労働安全衛生法の改正案を国会に提出済み。従業員のメンタルヘルスの状況について、医師などによるチェックを義務付けるなどの内容が盛り込まれている。法改正に備え、企業から問い合わせが増えている。
企業のオフィス向けの音楽配信はこれまでに約1万6千カ所で導入。付近に会話を聞かれにくくする「サウンドマスキング」など多様な需要に対応するが、昨年秋からはメンタルヘルス対策を前面に打ち出している。朝はクラシックなどリラックス系、疲れが出やすい夕方は明るく元気が出る曲を選択する企業が多いという。
癒やし系音楽の配信は、医療・介護関連でも引き合いが増加傾向だ。待合室だけでなく、手術室で麻酔を受ける患者の不安を和らげるほか、集中治療室でも使う。介護施設の利用も増えている。
主力の音楽配信事業の売上高のうち、足元では飲食店や小売店向けが大半を占める。オフィスなど新分野は5%に満たないが、足元では伸びが顕著だ。
平成24年4月4日(水曜日)日本経済新聞電子版
外務省担当の警備員過労死認定…残業月81時間2012/04/03
外務省の警備をしていた東京都内の警備会社員の男性(当時58歳)が死亡したのは長時間労働による過労が原因として、渋谷労働基準監督署が労災認定していたことがわかった。認定は今年3月21日付。
代理人弁護士らによると、男性は警備会社「ライジングサンセキュリティーサービス」の社員で、外務省の警備を担当していた2011年3月、胸部大動脈瘤破裂で死亡した。同労基署は死亡前の2か月間の残業が月平均81時間40分以上で、過重労働になっていたと認定したという。
平成24年4月2日(月曜日)読売新聞電子版
後期高齢者保険料、5.9%増=43都道府県でアップ−厚労省2012/03/30
厚生労働省は30日、75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度の2012年度から2年間の月額保険料の全国平均月額が、高齢化に伴う医療費の増加などで、10〜11年度に比べ5.9%(312円)増の5561円になるとの集計結果を発表した。年間では3744円の負担増となる。保険料は運営主体である各都道府県の広域連合が設定するが、43都道府県で保険料がアップする。
保険料は、都道府県単位の医療費に応じて2年に1回改定される。2年前の改定で高齢化や医療の高度化による急激な上昇を抑えるため、広域連合の剰余金などを積極的に活用して伸び率を圧縮した反動で、今回は大幅に引き上げたケースが多い。
平成24年3月30日(金曜日)時事通信社
「児童手当」改正法成立…6月分から所得制限へ2012/03/30
「子ども手当」に代わる新たな手当を創設する改正児童手当法が30日の参院本会議で、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、成立した。手当の名称は2012年度から自公連立政権当時の「児童手当」が復活。今年10月に支給される6月分の手当から所得制限を導入し、対象世帯の支給額は減額される。
所得制限の対象世帯は、夫婦と子ども1人の場合、年収917万8000円以上、子ども2人の場合は年収960万円以上とした。支給額は子ども1人あたり月5000円。
所得制限の対象とならない世帯への支給額は現行の子ども手当と同じで、3歳未満と小学生までの第3子以降は月1万5000円、3歳から小学生までの第1子と第2子、中学生は月1万円。
平成24年3月30日(金曜日)読売新聞電子版
労働基準法違反:就業規則の変更でソニーに2度勧告2012/03/28
電機大手のソニー(本社・東京都港区)が再雇用制度を巡る就業規則の変更の際に、必要な手続きを踏んでいなかったなどとして、昨年12月に東京労働局三田労働基準監督署から、労働基準法違反で2度にわたって是正勧告を受けていたことが関係者への取材で分かった。同社は「勧告を受け既に改善した」としている。
関係者によると、同社は、再雇用制度を導入した際、労働者側と協定を結んで就業規則を変更したが、この際に必要な改めて労働者側の代表を選出する手続きを怠っていたという。また、再雇用についての基準を、いつでも見られる形にしていなかったとして再度、勧告を受けた。いずれも形式的な違反だが、大手企業が2度も是正勧告されるのは異例。
同社広報センターは「十分な手続きをしたと認識していたが、法に照らし、修正すべき点があった」としている。
平成24年3月27日(火曜日)毎日新聞
改正労働者派遣法が成立=30日以内の日雇い派遣は原則禁止2012/03/28
派遣労働者の待遇改善を目指す改正労働者派遣法が28日午前の参院本会議で、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、成立した。雇用期間が30日以内の日雇い派遣に関しては原則禁止とすることが柱。派遣会社には手数料割合の公開を義務付ける。自公両党の要求を受け入れ、当初の政府案を修正し、仕事がある時だけ雇用契約を結ぶ登録型派遣と、製造業派遣の原則禁止などを削除した。
法改正は2008年秋のリーマン・ショック後に相次いだ「派遣切り」を受けた。政府は10年4月に、製造業派遣や登録型派遣を原則禁止する規定を盛り込んだ同法改正案を国会提出した。ただ自公両党が企業経営の圧迫要因になるとして反発。政府は昨年の臨時国会で、製造業派遣などを原則禁止する規定を削除し、両党と合意したが、会期末で時間切れとなり、継続審議となっていた。
製造業派遣の原則禁止など骨格部分が削除されたことで、労働者派遣の規制強化の色合いは薄まった形となる。
平成24年3月28日(水曜日)日本経済新聞電子版
公的年金、3521億円の黒字=保険料収入2年ぶり増−10年度2012/03/28
厚生労働省は27日、公的年金制度の2010年度財政収支をまとめ、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)数理部会に報告した。厚生、共済、国民の各年金を合わせた全体の収支(簿価ベース)は、3521億円の黒字。会社員ら加入者の多い厚生年金の保険料率引き上げで、制度全体の保険料収入が2年ぶりに増加したのが主な要因だ。
保険料収入は、所得減で国家公務員と地方公務員の各共済などでマイナスだったが、所得が横ばいながら保険料率を引き上げた厚生年金が前年度比2.2%増と落ち込みをカバーし、全体で1.5%増の28兆6854億円となった。
平成24年3月27日(火曜日)時事通信社
過労で精神疾患、飲酒で死亡=二審は賠償額減らす2012/03/23
過労で精神疾患を発症して酒を飲み過ぎ、急性アルコール中毒で死亡したシステムエンジニアの男性(当時25)の両親が勤務先に1億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が22日、東京高裁であった。斎藤隆裁判長は会社側に約5900万円の支払いを命じた一審・東京地裁判決を変更し、賠償額を約4400万円に減額した。
斎藤裁判長は、死亡前の2カ月間の月平均の時間外労働が100時間超だった点などを挙げ、一審に続き、過重な業務と死亡の因果関係を認定。一方で、夜中に個人ブログの執筆をしていたことなどから、「睡眠不足を増長させた」と指摘、男性の過失を一審より重く判断した。
平成24年3月22日(木曜日)日本経済新聞電子版
年金支給額4月から0.3%引き下げ=政府が閣議決定2012/03/23
政府は23日、2012年度の公的年金支給額を0.3%引き下げることを閣議決定した。国民年金は4月分から、満額支給の場合で11年度比200円減の月6万5541円、厚生年金は夫婦2人の標準的な世帯で、708円減の23万940円となる。物価下落に伴う措置で、4月分は6月に支給する。
国民年金保険料も物価下落を反映し、40円引き下げ、月1万4980円となる。年金の支給額や保険料は物価水準を反映する仕組みがあるため、政府はこれを適用する。
ただ、現在の年金の支給額は、過去の物価下落時に据え置いたことで本来よりも2.5%高くなっている。政府はこれを12年度から3年間かけて年金を減額しながら、解消する国民年金法の改正案を国会に提出している。法案が成立すれば、10月分の年金はさらに0.9%引き下げる。
平成24年3月23日(金曜日)日本経済新聞電子版
滞納の年金保険料、強制徴収へ…国税庁が請け負い2012/03/22
国税庁が22日、日本年金機構から年金保険料の滞納者に対する強制徴収の委任を受けたことがわかった。
実施されれば、2010年1月の制度導入以来、初のケースとなる。同庁によると、滞納者は東京国税局管内の企業で、滞納額は1億円以上に上るという。
政府は10年に社会保険庁を解体して同機構を発足させた際、悪質滞納者対策として強制徴収のノウハウを持つ国税庁の活用を決定。〈1〉保険料の滞納が2年以上〈2〉国民年金は滞納者の所得額が1000万円以上、厚生年金は滞納額1億円以上――などの要件に該当すれば同機構が厚生労働相を通じ、財産差し押さえなどの強制徴収を国税庁に委任できるよう法改正していた。
平成24年3月22日(木曜日)読売新聞電子版
厚生年金で事業所調査へ=加入逃れ、半減目指す2012/03/22
厚生労働省は21日、厚生年金への加入義務があるのに加入手続きをしない事業所について、3年以内に半減させる目標を定め、約175万カ所ある全ての対象事業所を4年に1度、調査する方針を決めた。
同日の民主党厚生労働部門会議で示した。厚労省はパートなど非正規労働者を2016年度から厚生年金、健康保険に加入しやすくする法案を今国会に提出するが、加入逃れ事業所の把握を徹底し、加入拡大に備える。
保険料負担を逃れるため、国の指導を受けても加入手続きを怠る事業所は依然として多く、10年度末で少なくとも約11万カ所に上る。
平成24年3月21日(水曜日)共同通信
偽装請負:大阪医療センター、救急車運転で労働局が指導2012/03/22
国立病院機構大阪医療センター(大阪市中央区)が救急車の運転業務を委託していた会社の社員である運転手に対し、直接業務指示をしていたのは労働者派遣法に違反するとして、大阪労働局の指導を受けていたことが分かった。同センターは今年1月末で同社との契約を解消し、現在は運転業務は職員が担当しているという。
同センターによると、10年12月から請負契約を結んでいた「日本道路興運」(東京都新宿区)の男性運転手(45)にPHS(移動電話)を持たせて、病院職員が直接運行業務などを指示していたという。
同法では社員に直接指示することを認めず、委託会社を通じるよう定めており、11年11月、大阪労働局が立ち入り調査した。
同センターの大前道和事務部長は「既に改善を図っており、今後は適正な病院運営に努めたい」としている。
平成24年3月21日(水曜日)毎日新聞
「児童手当」に改名した修正案、衆院委で可決2012/03/21
現行の「子ども手当」に代わり、2012年度から「児童手当」の名称で現金を給付する児童手当法改正案の修正案は21日、衆院厚生労働委員会で、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決された。法案は23日に衆院を通過し、月内に成立する見通しだ。
修正案は3党が提出した。手当の名称を自公政権時代の「児童手当」に戻したうえで、高所得世帯には、6月分(6〜9月分は10月支給)から新たに所得制限を導入した。所得制限を超える世帯(夫婦と子ども2人世帯で年収960万円以上)は、子ども1人あたり月5000円の支給にとどめる。
所得制限の対象とならない世帯の支給額は現行と変わらず、3歳未満は月1万5000円、3歳から小学生の第1子と第2子は月1万円、第3子以降は月1万5000円、中学生は一律月1万円とする。
平成24年3月21日(水曜日)読売新聞電子版
赤字申告企業が72.8%=10年度、引き続き最悪水準−国税庁2012/03/21
国税庁が21日公表した2010年度分の会社標本調査で、申告所得が赤字だった企業の割合が72.8%に上ったことが分かった。1951年分の調査開始以来最悪だった前年度をわずかに下回ったが、ほぼ横ばいの水準となった。
調査では全国の企業約259万社から約116万社を抽出。11年3月までの1年間に終了した事業年度について、全体を推計した。
平成24年3月21日(水曜日)時事通信社
名古屋東労基署:パワハラで自殺、認定ー遺族年金の係争中2012/03/20
09年に会社員の原田孝幸さん(当時52歳)が自殺したのは社長の日常的なパワーハラスメントが原因だとして、妻美和さん(44)が国に遺族補償年金などの不支給処分取り消しを求めていた訴訟で、名古屋東労働基準監督署が裁判の結審を待たずにパワハラを認定し、処分の取り消しを決めたことが14日わかった。原告の弁護団によると、決定は1月6日付。係争中の段階で労基署がいったん決めた処分を一転して取り消すのは異例だという。
名古屋東労基署は、原田さんの同僚だった元従業員から事情を聴くなどして不支給処分を決めた。美和さんは11年2月、この処分を不服として取り消しを求め、名古屋地裁に訴訟を起こした。
訴訟は続いていたが、愛知労働局は元従業員から改めて聴取。社長が、原田さんを日常的にいじめたり嫌がらせをしていたと認めた。名古屋東労基署も、社長の日常的なパワハラに暴行と退職強要が重なり、原田さんが追い詰められて自殺したと認定。労災扱いに転換した。
平成24年3月15日(木曜日)毎日新聞
パートの年金・健保適用拡大で健保組合の負担増2012/03/19
厚生労働省は19日、短時間労働者への厚生年金・企業健康保険の適用拡大に伴い、パートが多い流通・小売業、外食企業などに対する負担軽減策を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の特別部会に提示した。
後期高齢者医療への支援金や介護納付金が増える企業健保の負担を軽減するため、健保組合や公務員共済などすべての加入者が幅広く負担する仕組みとした。
厚労省は、ほかの大企業の健保組合や共済などの加入者(約7400万人)の1人当たり、年1000円程度の負担増が見込まれるとしている。
政府・民主党は社会保障・税一体改革で、パート労働者45万人を対象に、厚生年金や企業健保に加入させることを決めた。新たな加入要件は、労働時間が週20時間以上で、従業員500人超の企業に勤める年収94万円以上のパートとなる。2016年4月からの実施を予定し、政府は月内に関連法案を国会に提出する。
平成24年3月19日(月曜日)読売新聞電子版
診断書作成の医師に懲役8年=障害年金不正受給−札幌地裁2012/03/19
聴覚障害を装った障害年金不正受給事件で、うその診断書を作成したとして、詐欺などの罪に問われた札幌市の耳鼻咽喉科医前田幸◆(日の下に立)被告(77)に対し、札幌地裁(園原敏彦裁判長)は19日、懲役8年(求刑懲役15年)の判決を言い渡した。
被告側は「患者同士が連絡を取り合い、聞こえない演技をした。だまされた」と無罪を主張したが、園原裁判長は不正受給者42人と看護師らの証言などから「被告は診察時、筆談や耳元で大声で話すことなく、普通の声の大きさで話し掛けていた」と指摘。「診断書に明らかに真実でない聴力レベルを記載し、果たした役割は大きい。偽装患者の通院で診療報酬を得た」と利益目的だったと認定した。
平成24年3月19日(月曜日)時事通信社
厚労省、パワハラの相談員配置 全国の主要労働局に2012/03/16
厚生労働省は15日、ことし4月以降、職場のパワーハラスメント(パワハラ)問題を担当する専門相談員を全国の主要労働局に配置することを明らかにした。
職場のいじめや嫌がらせに関する同省の有識者会議は15日、経営トップが率先して予防に取り組むべきだとした職場のパワハラ対策の提言をまとめた。職場のいじめ、嫌がらせは急増しており、厚労省は相談員の配置などと合わせ、パワハラ対策を強化する。
パワハラ専門相談員はカウンセリングの経験者らが中心で、都市部の労働局を中心に計47人を配置。パワハラで心を病んだ人の相談に応じたり、職場復帰策などについて話し合ったりする。
平成24年3月15日(木曜日)西日本新聞
共済年金、2015年10月厚生年金に統合へ2012/03/15
政府は15日、公務員などが加入する共済年金を、会社員の厚生年金に統合する被用者年金一元化について、消費税率の10%への引き上げを予定する2015年10月に統合する方針を固めた。
政府は、被用者年金一元化法案を4月上旬に国会に提出したい考えだ。
一元化は、共済年金の給付内容などを15年10月に厚生年金と同一にする形で実施し、保険料率については段階的に格差をなくす。厚生年金(現在は16・412%、労使折半)は17年9月以降は上限の18・3%になることが決まっており、公務員の共済年金(15・862%、同)も1年遅れの18年9月に18・3%に統一する。
被用者年金一元化は、社会保障・税一体改革の柱の一つ。政府は当初、消費税率引き上げ法案と同時に、一元化法案を国会に提出する方針だったが、政府・与党内の調整が間に合わず、提出を先送りした。共済年金に上乗せして支給され、公務員優遇との指摘がある「職域加算」については結論を先送りし、近く有識者会議を設けて検討を進める。
平成24年3月15日(木曜日)読売新聞
上尾の業者が雇用安定助成金を不正受給2012/03/13
埼玉労働局は12日、埼玉県上尾市の遊技機械製造業「サンワ」(三和靖弘代表取締役)が中小企業緊急雇用安定助成金を不正に受給したと発表した。同労働局によると、サンワは平成21年11月から昨年10月のうち計17カ月分、実際には働いている従業員を休ませたことにして虚偽の申請書を提出。中小企業緊急雇用安定助成金計約1734万円を不正に受給したという。サンワは3年間、同助成金制度の利用停止となるという。
平成24年3月13日(火曜日)産経新聞
企業、人件費負担重く=労働分配率69.4%に上昇2012/03/11
企業の「もうけ」に比べた人件費の負担割合が高まっている。利益などからどれくらいを人件費に振り向けたかを示す労働分配率は2011年に69.4%と2年ぶりに上昇した。東日本大震災などを受けて営業利益が前年比で約1割減った半面、人件費は高齢化などを背景に2%増えた。
財務省の法人企業統計(金融保険を除く全産業)から計算した。11年は東日本大震災で企業活動が急激に停滞。欧州債務危機による世界経済の動揺やタイの洪水なども重なり、企業のもうけが減った。企業は大規模な人員カットには走らず、社内失業を抱える形で対応したため、結果的にもうけに占める人件費の割合が高まった。
人件費は2年連続の増加。人員数はほぼ横ばいだった半面、従業員給与が小幅に伸びた。
08年秋のリーマン・ショック後、労働分配率は利益の急減を背景に急上昇した。リーマン前には65%程度で推移していたが、09年に73.1%となった。10年は金融が比較的安定し世界経済の成長などで利益が拡大したため、分配率は67.7%まで低下していた。
景気が回復していけば、分配率は緩やかに低下する可能性が高い。ただ欧州危機や円高の再燃などで業績悪化が続くようなら負担割合が高まり、企業が本格的に人件費の削減を進める可能性もある。
平成24年3月11日(日曜日)日本経済新聞電子版
「みなし労働制」適用認めず=残業代訴訟で添乗員勝訴−東京高裁2012/03/08
労働時間の算定が困難な場合に、あらかじめ決められた時間を働いたこととする「みなし労働時間制」を適用するのは不当だとして、阪急交通社の子会社「阪急トラベルサポート」(大阪市)の派遣添乗員6人が、未払い残業代など計約4800万円の支払いを求めた2件の訴訟の控訴審判決が7日、東京高裁であった。大竹たかし裁判長は、同制度の適用を認めた一審東京地裁判決を変更し、適用は不当とした上で、同社に計約2700万円の支払いを命じた。
平成24年3月7日(水曜日)時事通信社
死亡労災事故容疑で東芝エレベータ書類送検2012/03/07
従業員の作業時の危険防止措置を怠ったとして、江戸川労働基準監督署は6日、労働安全衛生法違反の疑いで、東芝エレベータ(品川区)江戸川営業所長の男性(44)と法人としての同社を、東京地検に書類送検した。
送検容疑は平成22年7月26日、男性社員=当時(28)=が江戸川区内のビル屋上にある機械室でエレベーターの修理作業中に感電死した際、機械室が高さ約1メートルと狭く、鉄製部品も多いのに、電源を切らずに作業させ、感電防止用の装備をさせていなかったとされる。
平成24年3月6日(火曜日)MSN産経ニュース
京都新聞:社員募集に出身地制限…労働局指摘で削除2012/03/02
京都新聞社(京都市)が2月28日付の京都新聞朝刊に掲載した13年4月採用の「編集社員」募集告知で、出身地を制限する応募資格を記載し、京都労働局から「公平性が損なわれる恐れがある」と指摘されていたことが分かった。同社は2日までにホームページの募集要項から出身地制限を削除した。
「京都府、滋賀県の出身者もしくは近畿2府4県所在の4年制大学卒業・大学院修了または13年春までに卒業・修了見込みの方」と記載していた。応募資格の出身地制限を禁じる法律はないが、厚生労働省は「地域を制限せず、本人の適性や能力のみを基準にするように」と企業に要請している。
京都新聞グループ広報担当は「少しでも地元の人材を採用したいとの思いがありました。一部に疑問もありましたので改めました」とのコメントを発表した。
平成24年3月2日(金曜日)毎日新聞
労災隠し、すき家関連会社など書類送検=西脇労基署2012/03/02
従業員の労災事故を報告しなかったとして、西脇労働基準監督署は1日、労働安全衛生法違反(労災かくし)の疑いで、牛丼チェーン店「すき家」などを展開するゼンショーグループの食品製造会社、GFF(東京都港区)と、同社工場(加西市網引町)の当時の男性工場長(53)を神戸地検に書類送検した。
送検容疑は平成23年5月23日、工場で男性従業員(52)が床を清掃中に足を滑らせ、機械で胸を打って肋(ろっ)骨(こつ)を折り、10日間休業したにもかかわらず、同労基署に報告書を提出しなかったとしている。ゼンショーホールディングスは「事実を確認できていないので現段階ではコメントできない」としている。
平成24年3月2日(金曜日)MSN産経ニュース
社会保険未加入、営業停止も=建設業向け国交省対策2012/02/25
国土交通省は建設業者の社会保険未加入問題の対策に乗り出す。2012年度にも建設業の許可・更新時に、保険加入状況を確認する制度を導入。指導しても加入しない業者は営業停止など厳しい処分の対象とする方向だ。新たに設置する協議会などを通じて周知し、17年度までにすべての許可業者が社会保険に加入することを目指す。
建設業界では利益確保や保険制度への理解不足などから、未加入業者が増えている。同省によると、建設業に従事する労働者のうち、約4割が雇用保険や厚生年金に未加入という。
同省は建設業の許可・更新の申請時に、未加入業者を洗い出す。事業所への立ち入り検査も強化する。元請け業者にも、17年度以降は未加入の下請けとは契約せず、未加入の作業員は工事現場に入れないようにする。
平成24年2月25日(土曜日)日本経済新聞
心療内科カウンセラー、うつ病で労災認定2012/02/24
鎌倉市の心療内科にカウンセラーとして勤めていた女性(45)が、院長の男性からパワハラを受けてうつ病になったとして労災の適用を申請し、藤沢労働基準監督署が申請を認めたことがわかった。
代理人の田中誠弁護士によると、女性は2008年4月から同市大船2丁目の「信愛クリニック」に勤務。当初は男性院長との関係は良好だった。ところが09年12月末、診療方法について注意を受けた。翌年1月からは電話番を中心とした業務に変えられ、退職を求められた。
院長は同月、女性へのメールで「私によってあなたは組織から排除される」「あなたは変態人格障害者」などと罵倒。女性は同月末に重度ストレス反応・うつ病と診断され、4月から休職した。同年8月に労災を申請し、今月になって認められた。
田中弁護士によると、労基署は院長の言動について「業務指導の範囲を逸脱し、人格や人間性を否定する言動が執拗(しつよう)に行われた」として、うつ病との因果関係を認めたという。
信愛クリニックはホームページに「職場うつ」と題したコーナーを開設。働く人のうつ病の主因の一つを「職場の上司との関係」などと説明し、治療を呼びかけている。
院長は取材に対し、「人格を攻撃するようなメールを送ったのは事実で、不適切だった」と説明。その上で「女性はその後も4月までは通常通り勤務し、メールがうつ病の原因とは思えない。労基署の判断は残念だ」と話した。
平成24年2月23日(木曜日)朝日新聞
石綿で肺がん、元新日鉄従業員の労災認める=東京地裁2012/02/23
11年5カ月にわたりアスベスト(石綿)を扱い肺がんを発症したのに、労災認定をしなかったのは不当だとして、新日本製鉄君津製鉄所(千葉県君津市)の元従業員男性(60)が木更津労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は23日、「国の認定基準に合理性はない」と判断し、訴えを認め処分を取り消した。
石綿による肺がんの労災認定について、厚生労働省は石綿作業に10年以上従事し、かつ石綿にたんぱく質が付着した「石綿小体」が見つかれば認定していたが、2007年に石綿小体が一定数以下の場合は「総合判断する」として、事実上の数値基準を定めた。
古久保正人裁判長は厚労省の基準について「10年以上従事した人に重ねて数値基準を求めるもので、救済範囲を狭める。合理性があるとはいえない」と批判。男性は基準を満たさなかったが、「10年以上の石綿作業で発症したと認めるのが相当」と結論付けた。
平成24年2月23日(木曜日)日本経済新聞電子版
公務災害認定が確定=パワハラでうつ病、自殺−最高裁2012/02/22
愛知県豊川市の課長だった男性=当時(55)=がうつ病になり自殺したのは上司のパワハラが原因だとして、男性の妻が地方公務員災害補償基金に公務災害と認めるよう求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(竹内行夫裁判長)は22日付で、同基金側の上告を棄却する決定をした。請求を棄却した一審判決を取り消し、公務災害を認定した二審判決が確定した。
一審名古屋地裁は「公務とうつ病の発症に因果関係は認められない」として訴えを退けたが、二審名古屋高裁は、上司の部長が大声を出して高圧的に叱責していたことを「パワハラに当たる」と認定。この上司の下で働くことはうつ病を発症させる大きな要因だったとして、因果関係を認めていた。
平成24年2月22日(水曜日)時事通信社
退職勧奨拒否で出向は不当…労働審判申し立て2012/02/22
会社からの退職勧奨を拒んだところ、子会社に出向させられたのは不当だとして、リコーの男性社員2人が21日、同社を相手取り、出向命令の無効確認などを求め、東京地裁に労働審判を申し立てた。
申立書などによると、リコーは昨年5月、グループ全体で2013年度までに約1万人を削減する計画を発表。2人は昨年7月以降、退職勧奨を受け、拒否したが物流会社への出向を命じられた。2人はプリンターなどの技術開発を担当していたが、出向先での業務は商品の梱包作業などで「出向の必要性がなく精神的苦痛を受けた」と主張している。
リコー広報室は「申立書を見ていないのでコメントは控えたい」としている。
平成24年2月21日(火曜日)読売新聞
自殺のワタミ社員、一転して労災認定2012/02/22
居酒屋「和民」を展開するワタミフードサービス(本社・東京都大田区)の女性社員(当時26歳)が2008年に自殺したことについて、神奈川労働者災害補償保険審査官は「(自殺は)業務による心理的負荷が原因」として、遺族の労災申請を認めなかった09年7月の横須賀労働基準監督署の処分を取り消し、労災と認める決定をした。決定は14日付。
決定書によると、女性社員は08年4月に入社し、神奈川県横須賀市の店に配属されて調理を担当。最長で連続7日間の深夜勤務を含む長時間労働や、休日に行われるボランティア研修に参加するうちに精神障害となり、入社から約2か月後の同年6月、自宅近くのマンションで飛び降り自殺した、とした。4〜6月の2か月間の時間外労働時間は計約227時間だった。
平成24年2月21日(火曜日)読売新聞
非正社員最高の35%(2011年)、失業1年以上109万人2012/02/20
総務省が20日に発表した2011年の労働力調査(詳細集計、平均)によると、雇用者のうちアルバイトや派遣などの非正規が占める割合は35.2%となり、前年に比べ0.8ポイント上昇した。非正規の比率は2年連続で過去最高を更新した。失業期間が1年以上の完全失業者も109万人と依然として高水準で、厳しい雇用環境を反映している。
調査は東日本大震災の被災3県を除いた全国ベース。10年の数値も3県を除いて算出した。企業から雇われた雇用者(役員除く)は前年比23万人増の4918万人。非正規が1733万人で48万人増えた一方で、正規は3185万人と25万人減った。
非正規を雇用形態別でみると、パート・アルバイトが33万人増の1181万人、派遣社員も27万人増の340万人となった。企業が人件費を減らすために、正社員の採用を抑え、パートなどに切り替える傾向が続いている。
完全失業者の総数は284万人となり、33万人減った。ただ、失業期間別にみると、1年以上失業状態にある長期失業者は、1年未満の失業者に比べて改善は限られた。「長期失業者は08年のリーマン・ショック以降に急増し、その後も高水準で推移している」(総務省)といい、労働市場での失業者の長期滞留が深刻化している。
平成24年2月20日(月曜日)日本経済新聞電子版
ホンダ相手取った雇い止め訴訟、原告敗訴=東京地裁2012/02/18
契約社員として約11年間働いたのに、突然雇い止めになったのは解雇権の乱用で不当だとして、宇都宮市の男性(43)がホンダに地位確認などを求めた訴訟の判決が17日、東京地裁であった。渡辺和義裁判官は「会社側はリーマン・ショックで雇い止めが避けられない状況を説明しており、原告も不満や異議を述べずに退職手続きをした」として、請求を棄却した。
平成24年2月17日(金曜日)日本経済新聞電子版
労災隠しの荷役会社を書類送検=木更津労基署2012/02/17
労災事故の報告義務を怠るなどしたとして、木更津労働基準監督署は16日、労働安全衛生法違反の疑いで、千葉県富津市の港湾荷役会社「基行」と同社社長の男(69)を書類送検した。「事故を知られると、信用問題になると思った」と容疑を認めている
送検容疑は平成21年6月から23年6月までの間、君津市の岸壁で積み荷の運搬作業中、男性作業員4人が約10日から3カ月の入院治療を要するけがをそれぞれ負ったのに、労基署への報告を怠ったり虚偽の報告をするなどしたとしている。
平成24年2月16日(木曜日)MSN産経ニュース
石綿原因の肺がん、5年以上作業で労災認定=厚労省2012/02/16
厚生労働省はアスベスト(石綿)が原因で肺がんになった場合の労災認定基準を拡大し、石綿が大量に舞う職場で5年以上働いていた場合は認定する方針を決めた。年度内にも通達を出し、基準を改める。
従来の認定基準では、石綿を吸い込むと発生する「胸膜プラーク」という肺の外側の膜が厚くなる異常に加え、石綿を扱う仕事を10年以上していたことなどが条件だった。ただ、仕事をした期間が10年に満たなくても、肺から石綿の繊維が多数見つかって労災と認められるケースがかなりあるため、基準を実態に合わせることにした。
新基準では、(1)石綿紡績(2)石綿セメント製造(3)石綿吹きつけ、といった石綿を大量に吸い込みやすい作業に5年以上従事していれば胸膜プラークがなくても労災と認める。
平成24年2月15日(水曜日)朝日新聞デジタル
時間外労働、月135時間=慰謝料440万円支払い命令=大阪地裁2012/02/16
東証1部上場の建設コンサルタント会社「建設技術研究所」(東京)の元男性社員(35)が長時間労働のため精神疾患になり、その後解雇されたとして、慰謝料660万円の支払いや解雇無効を求めた訴訟の判決が15日、大阪地裁であった。稲葉重子裁判長は業務と発症との因果関係を認める一方、解雇については相当と判断し、同社に440万円の支払いを命じた。
稲葉裁判長は判決理由で、平成14年の男性の時間外労働が、過重負荷の目安となる月100時間を上回る約135時間だったと認定。上司らには負担を軽減させる措置を取らなかった過失があると判断した。一方で、完治後も欠勤が続いたとして、解雇権の乱用はないとした。
判決によると、13年1月に入社した男性は大阪支社河川部に配属。国土交通省が行う河川整備計画策定に必要なデータ収集などの業務に従事していたが、14年に精神疾患を発症し、17年12月に解雇された。
建設技術研究所の話「判決文が届いていないためコメントできない」
平成24年2月15日(水曜日)MSN産経ニュース
外国人不当労働、社長の責任認定=福島地裁支部判決2012/02/15
外国人研修・技能実習制度で来日したベトナム人女性8人が、低賃金で不当な労働を強いられたなどとして、受け入れ先の福島県中島村の縫製会社「東栄衣料」や社長=いずれも破産手続き中=らに慰謝料などを求めた訴訟の判決で、福島地裁白河支部は14日、社長個人の責任を認定し、会社などと合わせ慰謝料計約840万円の支払いを命じた。
実習生側の弁護団によると、同制度をめぐる違法労働訴訟で社長個人の責任を認めたのは全国初という。訴訟で実習生側は慰謝料など計約5300万円を求め、判決は慰謝料のほか、8人の未払い賃金計約2500万円の支払いも同社に命じた。
佐々木健二裁判官は判決理由で「強制労働とはいえないが、恒常的に長時間、法律に違反する低賃金で労働を余儀なくされた」と指摘した。
判決によると、8人は28〜40歳。2006年から約3年間、最低賃金を下回る水準で長時間労働させられたほか、パスポートを取り上げられ、給与から毎月2万〜3万円が積立金名目で天引きされた。
平成24年2月15日(水曜日)日本経済新聞電子版
JR東社員自殺「パワハラ原因」=妻が提訴−新潟地裁2012/02/14
JR東日本新潟支社酒田運輸区の副区長だった男性=当時(51)=が自殺したのはパワーハラスメント(職権を背景とした嫌がらせ)が原因などとして、男性の妻が14日、酒田運輸区長だった社員を相手に、1000万円の損害賠償を求める訴訟を新潟地裁に起こした。
訴えによると、男性は2007年10月に酒田運輸区副区長になったが、区長に「役立たず」などと言われ、男性を責める内容のメールも届くようになった。男性は09年2月、新潟市の実家で自殺。前日夜、酒に酔いメールを送ってきた区長に対し、「うつ状態になり、会社を辞める方向です」と返信していた。
09年6月、男性の妻は調査を申し立てたが、同支社はパワハラはなかったと回答。男性の妻は同年10月、庄内労働基準監督署に労災申請したが認められなかった。しかし、厚生労働省労働保険審査会が昨年11月、労災と認める裁決をした。
JR東日本新潟支社は「(訴状の)内容をまだ見ておらず、コメントすることはない」としている。
平成24年2月14日(火曜日)時事通信社
所在不明の年金受給者、家族の届け出義務化=厚労省が不正対策2012/02/12
死亡した高齢者に年金が支給された例が相次いだため、厚生労働省は不正受給を防ぐ対策をまとめた。高齢の受給者の生存を確認しながら、所在がわからない高齢者と同居する家族には、日本年金機構への届け出を義務付ける。国民年金法などの改正案を今国会に提出する。
同居する家族が受給者の死亡している場合や、連絡がつかないにもかかわらず、年金の支給が続いていた例が続出して問題になった。厚労省は所在不明の届け出を家族に義務付ければ、不正受給をある程度防げると考えている。
現在、日本年金機構は2010年7月時点で76歳以上で、1年間医者にかかっていない約33万人を対象に、生存を確認する調査をしている。75歳以上の後期高齢者医療に入っていない受給者についても、一定期間ごとに確認する計画だ。
そのうえで、所在がわからない年金受給者については、同居家族に対し、所在を確認する届け出を出すように求める。さらに年金受給者本人にも生存確認のための書類を送って、返信がなければ年金の支給を止める。
平成24年2月12日(日曜日)日本経済新聞電子版
雇用助成金を不正受給=製造会社元社長ら2人逮捕−静岡2012/02/10
厚生労働省の「中小企業緊急雇用安定助成金」約445万円を不正に受給したとして、静岡県警静岡中央署は9日、詐欺容疑で金属製品製造会社(磐田市)の元社長伊藤敏均(63)=同市掛塚=と元秘書室長竹原澄美子(61)=同市西平松=両容疑者を逮捕した。2人は容疑を認めている。
逮捕容疑は2009年11月21日〜12月20日、同社従業員29人に休業手当を支給したように装い、静岡労働局から助成金約445万円をだまし取った疑い。
平成24年2月9日(木曜日)時事通信社
長時間労働でうつ病リスクが2倍以上に、英研究2012/02/06
1日11時間以上働く英国の公務員のうつ病リスクは、1日7〜8時間働く同僚の2倍以上だとする論文が、1月25日の米科学誌「プロスワン(PLoS ONE)」(電子版)に発表された。
フィンランド労働衛生研究所のマリアンナ・ヴィルタネ氏とロンドン大学ユニバーシティー・カレッジが主導したこの研究は、うつ病の病歴や心理的なリスク要因がない英国の公務員2100人以上を、平均で6年近くにわたって追跡調査した。
すると、1日の労働時間が11時間だった人が重いうつ病を発症する確率は、7〜8時間の人の2.3〜2.5倍だった。飲酒やドラッグの使用、社会的支援の有無、仕事の負担といった諸要素を考慮に入れても、長時間労働とうつ病の関係は変わらなかった。
論文はその理由について、仕事と家族の板挟み、ストレスホルモン濃度が高い状態が続くこと、仕事の後にひと息つく時間がないことなどの可能性を挙げた。ヴィルタネン氏は、「たまにする残業は本人と社会にとって有益かもしれないが、残業が重いうつ病リスクの上昇と関係していることも知っておく必要がある」と指摘した。
残業とうつ病の関係が肉体労働者や民間企業の従業員にも存在するのかを見るため、さらに大きなサンプル集団で調査を行う必要があると論文は述べている。
ちなみに一般人口におけるうつ病の発症率は5%だが、今回の調査でうつ病を発症した人は66人、全体の3.1%に過ぎなかった。
平成24年1月27日(金曜日)AFPBB News
国保収納率、88.6%に改善=実質赤字3900億円−厚労省2012/02/03
厚生労働省は3日、市町村が運営する国民健康保険(国保)の2010年度財政状況(速報値)を発表した。自営業者らが加入する国保の保険料収納率は、全国平均で88.60%と、過去最低だった前年度より0.59ポイント改善した。ただ、赤字補填(ほてん)を目的とする市町村の一般会計からの繰り入れなどを除いた国保全体の実質収支は3900億円の赤字で、厳しい財政運営が続いている。
収納率の改善は3年ぶりで、10年度から保険料減免措置の対象者をリストラされた非自発的失業者にも拡充したことなどが要因。
平成24年2月3日(金曜日)時事通信社
製パン大手「神戸屋」社員の過労死を認定=東京高裁2012/02/03
パン製造大手「神戸屋」(本社・大阪市)に勤めていた男性(当時41)が死亡したのは、過重な労働で持病のぜんそくが悪化したためだとして、男性の遺族が国に労災認定を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は31日、一審判決に続いて遺族の主張を認めた。
斎藤隆裁判長は「業務とぜんそく死には因果関係がある」と述べ、労災認定しなかった労働基準監督署の処分を取り消した一審・東京地裁判決を支持し、国側の控訴を棄却した。
判決によると、男性は同社東京事業所に勤務していた2002年7月、ぜんそくの発作で心臓が止まり、死亡した。死亡前の6カ月間の月平均の時間外労働は88時間だったことや、業務課物流係長としての業務が精神的なストレスを伴っていたことを挙げて、「質、量ともに過重な業務が、ぜんそくを重症化させた」と認定した。
平成24年1月31日(火曜日)朝日新聞デジタル
職業紹介で不適切業務=厚労省に改善勧告−総務省2012/01/31
総務省は31日、ハローワークでの職業紹介や求人業務が適切に行われていないとして、厚生労働省に改善を勧告した。求職者の希望職種などを記録していなかったほか、相談記録の7割超で具体的な相談内容が入力されていないなど基本的業務が徹底されていなかった。総務省は厚労省に、職員の指導徹底やシステム改修などの措置を講じるよう求めた。
ハローワークの職業紹介をめぐっては、求職者と求人の結びつく割合が毎年3割前後と低水準で推移。雇用のミスマッチが問題となっている。
総務省は2010年12月〜11年3月の間、31カ所のハローワークを対象に求職者930人、求人1395件を抽出調査した。求職者が書く申込書がハローワークのシステムに「求職票」として入力・整理される際、29カ所67人で希望職種、29カ所117人で希望勤務地が記録されていなかった。
平成24年1月31日(火曜日)時事通信社
職場の「パワハラ」初定義=厚労省が報告書2012/01/30
厚生労働省の専門家会議は30日、職場でのいじめや嫌がらせなどのパワーハラスメント(パワハラ)について「業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与えること」などと初めて定義し、予防や解決に向けた報告書をまとめた。今後企業に具体的な対策を求める方針だ。
報告書はパワハラに関し、同じ職場で働く者に対して職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景に、業務の適正範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与え、職場環境を悪化させる行為と規定した。具体的な行為として「暴行・傷害など身体的攻撃」「脅迫や侮辱、暴言など精神的攻撃」「職場で隔離や無視」「不可能なことを強制」など六つの類型に分類した。パワハラは、上司から部下に行われるだけでなく、先輩・後輩間や同僚間や部下から上司に対する行為も入るという。
平成24年1月30日(月曜日)時事通信社
協会けんぽ保険料率アップ、初の全国平均2けた2012/01/28
中小企業の従業員や家族ら約3500万人が加入している「協会けんぽ」(全国健康保険協会)は27日の運営委員会で、2012年度の都道府県別の保険料率を決めた。
保険料率は保険財政の悪化を受けて全都道府県で11年度より引き上げられ、全国平均で10・0%(11年度比0・5ポイント増)となり、初の2けたとなる。
都道府県別保険料率の最高は、佐賀県の10・16%、最低は長野県の9・85%。保険料率の格差は0・31ポイントとなり、11年度より0・1ポイント拡大した。
保険料は、従業員ら被保険者と事業主が半分ずつ負担する。今回の引き上げにより、一般的な被保険者(月収28万円、賞与1・37か月分)では、平均で月780円保険料の負担が増える。新保険料率は、小宮山厚生労働相が来月認可して正式決定する。
平成24年1月27日(金曜日)読売新聞電子版
外国人労働者、68万人=中国が最多−厚労省2012/01/27
厚生労働省が27日まとめた外国人雇用状況(2011年10月末現在)によると、外国人労働者(在日韓国・朝鮮・中国人は除く)は68万6246人と前年同時期から5.6%増加した。国別では、中国が最多で、ブラジルが2番目だった。また、全体の3割近くは雇用の不安定な派遣・請負労働者として働いていた。
東日本大震災による影響も懸念されたが、厚労省は「製造業が震災で落ち込んだ分を取り戻すため、夏場以降に増産に転じ、外国人の雇用を増やした」とみている。
平成24年1月27日(金曜日)時事通信社
年金支給額、0.3%下げ=物価下落で4月から−厚労省2012/01/27
厚生労働省は27日、2012年度の年金支給額を4月分(6月支払い分)から0.3%引き下げると発表した。総務省が同日発表した、11年平均の全国消費者物価指数が前年比で0.3%下落したことに伴う措置。
公的年金は、支給額に毎年の物価変動を反映させる「物価スライド」が適用されている。毎月の支給額は、国民年金が1人につき前年度比200円減の6万5541円、厚生年金が標準的夫婦2人分で同708円減の23万940円となる。
平成24年1月27日(金曜日)時事通信社
<ご参照ください>
厚生労働省報道発表資料
平成24年度の雇用保険料率を告示=0.2%引下げ2012/01/26
厚生労働省は、本日、平成24年度の雇用保険料率を告示しました。平成24年度の料率は、平成23年度の雇用保険料率から0.2%引下げ、一般の事業で1.35%、農林水産清酒製造の事業で1.55%、建設の事業で1.65%となります。
雇用保険料率は、労使折半で負担する失業等給付の料率に、事業主が負担する雇用保険二事業の料率を加えたものとなります。このうち、失業等給付の料率については、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」に基づき、雇用保険受給者実人員の状況や積立金の状況を勘案し、厚生労働大臣が労働政策審議会の意見を聴いて、一定の範囲内で変更することが可能となっています。平成24年度の失業等給付の料率については、本年1月6日に了承された「労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告書」の中で、1.0%に引き下げるべきとされました。このため、雇用保険二事業の料率を加えた全体の料率は、一般の事業で、1.35%となります。
平成24年1月25日(水曜日)厚生労働省報道発表資料より
二審も過労死認めず=糖尿病合併症の時事通信記者−東京高裁2012/01/25
時事通信社の政治部記者だった森田一樹さん=当時(36)=が1997年に糖尿病の合併症で死亡したのは、過重な労働が原因だったとして、岡山市に住む父一久さん(81)が国に労災認定を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(大竹たかし裁判長)は25日、訴えを退けた一審東京地裁判決を支持し、控訴を棄却した。
大竹裁判長は、一樹さんの業務を「過重な負荷となるものだった」としたが、業務のストレスによって発症したとする原告側主張については「医学的知見が定まっていない」と退けた。
判決によると、一樹さんは97年4月ごろまでに糖尿病にかかり、5月に合併症の糖尿病性ケトアシドーシスを発症、6月3日に死亡した。死亡まで半年間の時間外労働は月平均で約134時間だった。
判決後に記者会見した一久さんは「いい結果を期待していたが、無念だ」と述べた。代理人の鴨田哲郎弁護士は「脳や心臓の疾患以外で死亡した人への補償が遅れている」と批判した。
時事通信社社長室の話 在職中の社員が死亡したことを厳粛に受け止め、今後とも社員の健康管理には十分配慮する。
平成24年1月25日(水曜日)時事通信社
賃金不払いの容疑で東成区の会社書類送検=大阪2012/01/24
大阪中央労働基準監督署は19日、就労支援作業所で働く身体障害者を含む労働者14人に賃金約130万円を支払わなかったとして、最低賃金法違反(賃金不払い)の疑いで、大阪市東成区の「ケアサービス大阪」と同社社長(33)を書類送検した。社長は「自治体の監査で給付費が入らなくなり、賃金を支払えなかった」などと容疑を認めているという。
同社は昨年2月、障害者の就労支援を対象にした自治体からの訓練等給付費など約1200万円を不正請求したなどとして、府から事業者指定を取り消され、事業を閉鎖した。
送検容疑は、同社が経営する就労支援作業所で働く障害者ら14人に対し、平成22年9月から昨年1月まで5カ月間の賃金計約126万円を支払わず、同期間に大阪労働局が定めた府最低賃金(時給779円、22年10月14日までは762円)以上の賃金を支払わなかったとしている。
平成24年1月20日(金曜日)MSN産経ニュース
労災2件を報告せず 容疑の2人書類送検2012/01/24
庄内労働基準監督署は19日、山形県鶴岡市の造園会社「金峰造園土木」と同社の男性社長(61)、女性役員(57)の2人を労働安全衛生法違反の疑いで山形地検鶴岡支部に書類送検した。
発表によると、男性社長らは、同社の男性社員が2011年8月、同市内の造園工事で三脚から転落し、右手首骨折の重傷を負ったほか、同年10月には同市内の林道工事現場で、同じ男性社員が作業中に頭を打ち、頸椎(けいつい)ねん挫の重傷を負ったにもかかわらず、同監督署に対し、2件とも事故を報告しなかった疑い。
平成24日1月20日(金曜日)読売新聞電子版
政府、海上労働条約批准へ 国内法も整備2012/01/22
政府は船員の労働時間などを定めた国際労働機関(ILO)の海上労働条約を批准する方針を固めた。次期通常国会に条約の承認案とともに船員法改正案を提出し、国内法も整備する。これまで規制外だった船長にも労働時間の制約を設ける。今月13日にはイタリアの豪華客船が座礁する事故が起きたばかり。労働環境の改善を通じて海運の安全性の向上を目指す。
条約は2006年2月に採択し、早ければ来春にも発効する。批准国は現在20カ国だが、日本を含む30カ国以上が批准を予定している。
批准国は適切な労働環境にある自国籍船に証書を交付する。自国に寄港した全ての外国籍船に対しても、寝室の広さや医師の同乗などを抜き打ち検査できるようになる。
証書があれば、抜き打ち検査は簡素化される。条約の発効までに国内法が施行されない場合、日本籍船は証書をとれない。寄港先での抜き打ち検査で、運航差し止めなど厳しい措置を受け、物流に影響が出る可能性もある。
平成24年1月22日(日曜日)日本経済新聞電子版
未払い保険料、10月から追納期間延長=政府2012/01/20
政府は20日の閣議で、国民年金保険料の未払い分をさかのぼって納められる追納期間を現行の「過去2年間」から「過去10年間」に延長する年金確保支援法の施行期日を10月1日とする政令を決めた。同法は保険料未納による無年金・低年金者を減らすのが狙い。追納期間延長は3年間の時限措置となっている。
平成24年1月20日(金曜日)時事通信社
「65歳定年」春闘で要求=25年度までの実現目指す−ゼンセン同盟2012/01/19
繊維や流通などの労働組合で構成するUIゼンセン同盟は19日、2012年春闘の要求方針案に65歳定年制の導入を盛り込むと発表した。厚生年金の支給開始年齢引き上げに合わせ、2025年度までに全加盟組合で実現するよう要求する。26日に大阪市で開く中央委員会で正式決定する。
多くの企業が60歳を定年とし、それ以降は再雇用などで対応しているが、賃金が下がるケースがほとんどのため、定年延長が不可欠と判断した。
平成24年1月19日(木曜日)時事通信社
足場から転落死の労災事故、10年度39件2012/01/18
2010年度に作業員が建設現場の足場から転落死した労災事故は39件で、前年度より10件増加したことが17日、厚生労働省の調査でわかった。
足場からの転落防止措置を守っていない現場の割合も前年度より増加していた。防止措置は09年に改正された労働安全衛生規則で義務付けられており、厚労省は事業者に徹底するよう促す方針だ。
厚労省は規則改正により、事業者に作業員の足がでないような囲いや手すりの追加設置などを義務付けた。しかし、10年度に全国6433の建設現場で行った調査では約25%で守られておらず、09年度調査より約17ポイント悪化していた。
平成24年1月17日(火曜日)読売新聞電子版
「パワハラあった」労災逆転裁決…JR職員自殺2012/01/17
山形県にあるJR東日本酒田運輸区の副区長だった新潟市の男性(当時51歳)が2009年2月に自殺したことについて、国の労働保険審査会が、庄内労働基準監督署の決定を取り消し、労災を認定する逆転裁決をしていたことが分かった。
「男性の自殺は上司のパワーハラスメントが原因」として、男性の妻が労災申請し、同労基署などの決定を不服として同審査会に再審査を請求していた。同審査会によると、労基署などでの決定が再審査請求で覆るケースは年に数%しかないという。
男性の妻の代理人などにによると、裁決は昨年11月25日付。裁決書では、就寝中にメールが送られたり、夜間の勤務が多かったりしたことが挙げられており、代理人は「上司からのパワハラがあったことがうかがえる内容だった」と指摘している。
男性は07年に酒田運輸区に副区長として配属。09年2月に「パワハラをやめてほしい。異動したい」といった趣旨の書き置きを残し、新潟市内の実家で首つり自殺をした。妻は、労災保険法に基づき、遺族補償給付の支給を庄内労基署に申請したが、同労基署は10年4月に不支給を決定。決定を不服として、山形労働局の労災保険審査官に審査請求をしたが、同年11月に請求を棄却したため、同審査会に再審査請求をしていた。また、再審査請求と並行して、国を相手取り、不支給決定取り消しを求める訴訟を11年6月に山形地裁に起こしていた。
酒田運輸区を管轄するJR新潟支社は「裁決の詳しい内容が分からないので、コメントは差し控える。改めて故人のご冥福をお祈りしたい」としている。
同審査会の裁決を受け、庄内労基署は2月から遺族補償年金の支給を開始するという。
厚生労働省労働保険審査会事務室によると、労災関係の再審査請求を受けて、10年度に同審査会が裁決したのは649件。うち、労基署などの決定が取り消される逆転裁決は3・4%の22件しかなかった。01年度からの10年間でみると、年約3〜6%で推移しており、大半の再審査請求は棄却されているのが現状だ。
平成24年1月17日(火曜日)読売新聞電子版
札幌の大手スーパーに立ち入り=納入業者に従業員派遣強要−公取委2012/01/17
北海道内の大手食品スーパー「ラルズ」(札幌市)が、取引上の優位な立場を利用し、納入業者に従業員を派遣させるなどしたとして、公正取引委員会は17日、独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いで、本社など数カ所を立ち入り検査した。
関係者によると、ラルズは納入業者に従業員を派遣させて商品の搬入や陳列をさせたり、店舗改装の際などに協賛金を要請して負担を求めたりしていたという。
ラルズは、札幌市など道央エリアを中心に62店舗を展開する道内大手スーパーで、資本金は42億円。2011年2月期の売上高は約1156億円となっている。
平成24年1月17日(火曜日)時事通信社
建設業男性の自殺、労災認定=京都南労基署「過労による」2012/01/17
建設会社で勤務中に自殺した京田辺市の男性=当時(36)=について、京都南労働基準監督署(京都市伏見区)が過重労働による自殺として労災認定していたことが分かった。認定は5日付。
男性の妻(37)が昨年6月に労災申請した。代理人弁護士によると、男性は建設会社「南山建設」(京都市伏見区)の久御山町事業所で勤務していたが、月約120〜150時間の残業が6カ月間続き、休日も不定期だったことなどから鬱病を発症。昨年5月26日、勤務中に自殺した。
妻は「もう少し休ませてもらえれば、もっとがんばれたのではないか。会社にも謝罪してもらいたい」と話した。会社側は「双方の認識に相違がある。今後の対応を弁護士と相談している」とコメントした。
平成24年1月17日(火曜日)MSN産経ニュース
下請法違反でチヨダに勧告=1億7000万円を不当減額−公取委2012/01/13
「東京靴流通センター」など全国に1100店舗以上を展開する靴小売業大手「チヨダ」(東京都杉並区、東証1部上場)が、下請け業者に支払う代金を不当に減額するなどしたとして、公正取引委員会は13日、下請法違反で再発防止などを勧告した。減額総額は下請け業者20社に対し計約1億7000万円に上り、チヨダは減額分などをすべて返還している。
公取委によると、チヨダは2009年12月から11年1月まで、業者に支払う下請け代金から1%を値引いて約6600万円を減額していた。また、自社店舗の改装時などに在庫商品を引き取らせたり、「広告協賛金」名目で一定額を負担するよう求めたりするなどしていた。
チヨダは「今回の勧告を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」とコメントした。
平成24年1月13日(金曜日)時事通信社
時給630円、最低賃金不払い容疑で書類送検2012/01/12
四万十労働基準監督署は11日、高知県三原村宮ノ川のNPO法人「いきいきみはら会」と男性理事長(73)を最低賃金法違反(賃金不払い)の疑いで中村区検に書類送検した。
発表では、理事長は2010年10月19日から11年4月25日まで、女性職員1人を最低賃金(時給642円)に満たない630円で雇用し、差額分など21万3030円を所定期日までに支払わなかった疑い。理事長は容疑を認めており、昨年9月、女性に全額を支払ったという。
平成24年1月12日(木曜日)読売新聞電子版
後期高齢者医療、保険料の年間上限引き上げへ2012/01/11
厚生労働省は10日、75歳以上の高齢者を対象にしている後期高齢者医療制度について、高齢者が負担する保険料の年間上限額(50万円)を、4月から55万円に引き上げる方針を固めた。
高所得者の保険料負担を増やし、中所得者の保険料の上昇を抑えるのが目的だ。保険料の上限は政令で定められており、厚労省は近く政令を改正する。
後期高齢者医療制度では、患者負担を除く医療費について、5割を公費、4割を現役世代の保険料、1割を高齢者の保険料で賄っている。高齢者の保険料は、本人の収入額に応じた部分と、1人当たり定額部分を合算して決まる。保険料は都道府県単位の市町村組織がそれぞれの高齢者医療費の総額に応じて決め、2年に1度改定している。12年4月は、その改定時期にあたる。
平成24年1月11日(水曜日)読売新聞電子版
自殺者14年連続3万人超=昨年は3万513人−警察庁2012/01/10
昨年1年間の自殺者数(速報値)は、前年比3.7%減の3万513人と、14年連続で3万人を超えたことが10日、警察庁のまとめで分かった。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県ではいずれも減少した。
同庁によると、男女別では男性が2万867人、女性が9646人。月別では、5月が3367人と最多で、次いで6月が3029人。それ以外の月は2000人台だった。
都道府県別では、東京と滋賀を除く、東北、関東・甲信越、関西、中国各地方の全府県で減少したが、愛知、愛媛、福岡、宮崎、沖縄など12都県で増加した。
減少幅が大きかったのは大阪(171人減の1899人)や北海道(95人減の1438人)など。増加した中では、愛知(59人増の1630人)、福岡(51人増の1310人)、愛媛(28人増の369人)が目立った。
平成24年1月10日(火曜日)時事通信社