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ファミマ、過労死訴訟で和解、店員遺族側に4300万円2016/12/30

 コンビニエンスストア大手「ファミリーマート」(本部・東京)の加盟店で働いていた男性従業員(当時62)が死亡したのは、長時間労働による過労が原因として、遺族が同社と店主に損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁で和解した。連帯して解決金計4300万円を支払う内容で、フランチャイズ本部が雇用関係が直接ない加盟店の従業員の労災に関し、解決金の支払いに応じるのは極めて異例。
 22日付の和解条項では、ファミマが、著しい長時間労働の中で死亡したことに遺憾の意を表明する▽労働法規の遵守(じゅんしゅ)を加盟店に指導して欲しいとの遺族の要望を受け、加盟店や従業員と適切な関係を築き、信頼される企業となるよう不断の努力をする――ことが盛り込まれた。
 訴状によると、男性は2011年から大阪府大東市の加盟店で勤務。12年からは店主に指示され、店主が経営する同府門真市の別の店でも働くようになった。掛け持ち勤務をしていた同年12月21日夜、男性は大東市の店で脚立から転落して頭の骨を折り、急性硬膜下血腫で翌月に亡くなった。
 妻子3人は、男性の不注意ではなく過労による転落だとして、15年4月に損害賠償計5837万円を求めて提訴。同僚への聞き取りなどから、平日は15時間、土日は9〜12時間勤務し、12年4月16日以降の休日はわずか4日で、死亡前の半年間の残業時間は国が定めた「過労死ライン(2カ月以上にわたり月平均80時間)」を大幅に上回る月218〜254時間に上ったと主張した。さらに「ファミマは店舗の担当者を通じて過重労働を把握できたのに、漫然と放置した。使用者責任があるのは明らか」と訴えていた。
 ファミマは訴訟で責任を否定していたが、今年8月、和解申し入れをした。
 男性の妻は「家族思いで真面目だった主人はもう帰ってきませんが、せめて犠牲者を二度と出さないようにしたいと裁判を起こしました。和解をきっかけに本部企業が加盟店の従業員の労働環境を改善するために指導、監督するようになっていただければと願っています」とのコメントを出した。

平成28年12月30日(金曜日)朝日新聞デジタル

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電通書類送検、東京労働局、他の幹部の捜査継続2016/12/28

 電通の女性新入社員の過労自殺問題で28日、厚生労働省が同社と幹部1人を書類送検した。まずは立件対象を過労自殺した社員の上司に絞ることで、11月の強制捜査から1カ月半での「スピード捜査」となった。同社では長時間労働が常態化していたとされ、今後は他の幹部らの刑事責任追及が焦点となる。
 今回の捜査は、ベテランの労働基準監督官で構成する「過重労働撲滅特別対策班(通称かとく)」を中心に行われた。ただ過去のケースをみても、違法残業での書類送検は一般的に強制捜査から半年以上かかる事例が多い。残業時間を特定するため、大量の労務関連の資料を分析するのに時間がかかるためだ。
 遺族側の代理人弁護士によると、過労自殺した高橋まつりさん(当時24)は上司からの指示で残業時間を過少申告していたとされる。厚生労働省関係者によると、電通では高橋さん以外にも複数の社員が過少申告をさせられていた疑いがある。
 労基法違反の容疑で書類送検するためには、実際の残業時間などを特定する必要がある。高橋さんに関しては今年9月に労災認定を受けた際、残業時間の解明も行われている。違法残業の実態がある程度明らかになっており、当時の上司については先行して書類送検することが可能だった。
 厚労省は本社の別の幹部のほか、支社でも違法な残業を社員にさせていた疑いがあるとみており、年明け以降も捜査を継続する方針だ。

平成28年12月28日(水曜日)日本経済新聞電子版

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違法残業、社名公表を拡大、厚労省が緊急対策2016/12/27

 厚生労働省は26日、長時間労働による過労死防止に向けた緊急対策をまとめた。違法な長時間労働を放置する企業の社名公表基準を厳しくし、これまでの「月100時間超」から「月80時間超」に広げる。複数の事業所で過労死や過労自殺が確認できた企業も社名公表の対象に加える。是正指導や立ち入り調査も強化するが、実効性が問われることになる。
 厚労省は電通社員の過労自殺への社会的な関心を受け、同日の長時間労働削減推進本部で対策をまとめた。早ければ来年1月から始める。
 違法な長時間労働が発覚した企業の社名公表ルールを厳しくするのが柱。公表の条件を月80時間超に引き下げる。またこれまで長時間労働の実態が3カ所で確認できた企業を公表の対象としたが、今後は2カ所でも公表するとした。
 厚労省は問題企業に対し、まず幹部を呼び出し、労働基準監督署長が長時間労働の是正を指導する。その後、抜き打ちの立ち入り調査で違反が是正されていなければ社名を公表する。過労死や過労自殺で労災の保険給付が決まった従業員が2カ所で確認された企業も社名公表の対象とする。
 このほか、実際に働いた時間と労働者の申告した時間に差がある場合、サービス残業がないか企業に実態調査を求める。労働者の相談窓口も毎日開設する。
 これまでの社名公表基準は、月100時間超の長時間労働をしている労働者がいるかどうかに置いていた。だが、従業員に占める比率や事業所数でも一定以上の条件を設けていたため、ほとんど該当する企業がなかった。昨年5月の制度導入後、社名の公表は1件にとどまり、効力が乏しいとの声が出ていた。

平成28年12月26日(月曜日)日本経済新聞電子版

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KBS京都が「偽装請負」…労働局から是正指導2016/12/21

 京都放送(KBS京都、京都市上京区)が、テレビ番組編集の一部を委託しているデザイン会社から派遣されていた女性に業務を直接指示し、「偽装請負」の状態で働かせていたとして、11月に京都労働局から労働者派遣法に基づく是正指導を受けていたことがわかった。
 KBS京都によると、女性はニュース番組で流すテロップの作成を担当。10月に京都労働局の立ち入り検査を受け、KBS京都社員が女性にテロップの修正を直接指示していた点が労働者派遣法に抵触するとして11月に是正指導を受けたという。指導を受けて同社は女性の派遣契約を解除した。
 KBS京都は2007年にも、委託先の社員に直接指揮・命令をしていたとして、京都労働局から是正指導を受けている。同社は「指導を真摯に受け止め、今後の対応を考えたい」としている。

平成28年12月20日(火曜日)読売新聞電子版

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年金給付抑制へ、支給額賃金連動、デフレ下では制約2016/12/18

 年金の給付をいまより抑える新しいルールを盛り込んだ改正国民年金法が14日、成立した。現役世代の賃金が下がったときに、高齢者が受け取る年金の額も減るのが特徴だ。将来世代の年金を確保するための改革だが、課題はなお多い。
 改正法の柱は2つある。1つは賃金や物価の変動に合わせて年金の支給額を増やしたり減らしたりする「賃金・物価スライド」の見直しだ。
 日本の年金は高齢者がもらう分を、その時代の現役で働く世代が賃金から支払う保険料や積立金などで賄う「仕送り方式」を採っている。賃金が下がればその分、現役世代の負担は重くなる。
 しかし、いまは賃金が下がっても物価が上がったときには、年金の額を据え置いている。賃金の下がり方が物価より大きい場合も、物価に合わせて年金額を変えている。
 これを2021年4月から、賃金の下落に合わせて支給額を減らす新しい仕組みに切り替える。現役世代が賃金の下落で保険料を負担する能力が落ちた場合、それに応じて高齢者の年金も減らして痛みを分かち合うようにする考え方だ。
 改正法のもう一つの柱は、年金支給額の伸びを賃金や物価の上昇分より抑える「マクロ経済スライド」の見直しだ。
 04年に導入したマクロ経済スライドは少子高齢化で保険料を納める現役世代が減るのに合わせ、物価や賃金が伸びている間は毎年およそ1%ずつ年金額を抑えて制度の持続性を高める仕組みだ。
 物価が下落しているデフレ下では適用しないため、過去に発動した例は15年度の1回しかない。
 政府は年金制度を長持ちさせるためには、年金額が現役世代の給料に占める割合である所得代替率を50%程度まで落とす必要があるとみている。だが、年金の抑制が進まなかったため、足元の所得代替率は6割を超す。
 今回の改正では、物価が下落している局面では年金支給額の抑制を凍結する代わりに、物価が上昇に転じたときには18年度から複数年分まとめて抑制できるようにする。
 もっとも、物価が下がり続けている局面では発動できないことに変わりはない。物価の下落に歯止めがかからなければ、発動できなかった抑制分がたまる一方となる事態も考えられる。大和総研の鈴木準主席研究員は「経済情勢に関係なく、毎年給付額を少しずつ抑えられる仕組みが望ましい」と指摘する。
 改正法には、来年4月から中小企業のパートタイム労働者などが労使で合意すれば厚生年金に加入できるようになる項目も盛り込まれた。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のガバナンスも強化する。理事長と外部有識者で構成し、重要事項を決定する経営委員会を設ける。

平成28年12月15日(木曜日)日本経済新聞電子版

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非正規にも賞与、政府指針案、同一賃金へ支給求める2016/12/16

 政府が働き方改革の目玉としている同一労働同一賃金の実現に向け、正社員と非正規労働者の賃金のあり方や不合理な待遇差を示したガイドライン案が分かった。賞与では「業績などへの貢献に応じた部分は同一の支給をしなければならない」と明示。原則として非正規労働者にも賞与の支給を求める内容で、処遇の改善につながる見通しだ。
 政府は20日に第5回の働き方改革実現会議を開き、ガイドライン案を示す。賃金や福利厚生など労働者の処遇全般について、待遇差の基本的な考え方を明記。具体的な事例を盛り込みながら説明している。
 特に企業や非正規労働者への影響が大きいのは賞与だ。業績などへの貢献度合いが同じ場合は同一の支給を求めるとともに「貢献に違いがある場合にはその差異に応じた支給をしなければならない」とも明記した。
 企業では非正規労働者に賞与を支給していない場合も多い。厚生労働省の調査では、賞与を正社員に支給する会社は8割を超すのに対して、パート労働者には4割弱にとどまる。金額も従業員1000人以上の企業ではフルタイム労働者が130万円超なのに対して、パート労働者は4万円に満たない。
 基本給を決める要素を「職業経験や能力」「業績・成果」「勤続年数」の3つに分類した。それぞれの要素が正社員と非正規労働者で同一であれば同じ水準の支給を原則としつつ、違いがある場合には待遇差を認める。
 時間外勤務や深夜・休日手当は同じ割増率で支払わなければならないとした。通勤手当や出張費、慶弔手当なども同一の支給を促す。社員食堂や更衣室の利用といった福利厚生や、職業訓練の受講機会なども同一とするように求めた。待遇差の理由を従業員に説明する義務は記載を見送った。
 政府は年明けから関連する法律の改正作業を本格化させる。ガイドライン自体に法的拘束力はないが、待遇差の是正が裁判で争われたときに司法判断の参考となる可能性がある。企業はガイドラインを参考に、賃金制度や職務規定の一定の変更を迫られる見通しだ。

平成28年12月16日(金曜日)日本経済新聞電子版

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障害者雇用率、過去最高の1.92%=6月1日時点2016/12/15

 民間企業で働く障害者の割合(障害者雇用率)は今年6月1日時点で1.92%で、前年同期より0.04ポイント上昇し過去最高となったことが14日までに、厚生労働省のまとめでわかった。雇用者数も同4.7%増の約47万4千人となり、13年連続で過去最高を更新した。
 障害者を雇わなければならない民間企業の法定雇用率は2013年4月に1.8%から2.0%に引き上げられ、対象企業も従業員56人以上から50人以上となった。
 法定雇用率を達成した企業は4万3569社。達成率は48.8%と前年同期比1.6ポイント上昇した。企業規模別にみると従業員1千人以上の企業3232社の雇用率は平均2.12%となり、大企業ほど障害者の雇用が進んでいる。
 雇用された人の障害別にみると、精神障害の雇用者数は約4万2千人となり、前年同期比21.3%上昇した。精神障害者を雇用率の算定対象とした改正障害者雇用促進法の施行(06年4月)から11年連続で増加している。

平成28年12月14日(水曜日)日本経済新聞電子版

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エイベックス、長時間労働で労基署が是正勧告 2016/12/13

 エイベックス・グループ・ホールディングス(7860)が社員に違法な長時間労働をさせていたとして三田労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受けていたことが13日までに分かった。残業代を適正に払っていない、実労働時間を管理していないなどの指摘を9日に受けた。エイベックスは是正勧告を受けたことを認めており「真摯に受け止め、社内調査を含め是正に着手している」と説明している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

平成28年12月13日(火曜日)日本経済新聞電子版

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雇用保険を大幅拡充、30〜44歳、失業給付延長盛る 2016/12/03

 厚生労働省は2日、来年度の雇用保険制度改正の素案を公表した。倒産や解雇によって離職した30〜44歳の失業給付を30〜60日間延長することや、最低賃金の引き上げを受けた給付額の増額などを盛り込んだ。時限的な雇用保険料率の引き下げ幅や、国庫負担割合の圧縮幅も示した。過去最大の積立金額は大幅に減少する見通しだ。
 年内に結論をまとめて来年の通常国会に雇用保険法改正案を提出する。
 失業給付の延長は被保険者期間が1年以上5年未満の人が対象になる。30〜34歳は30日間延長して120日間に、35〜44歳は60日間延長し150日間とする案を示した。
 給付額を増やす案も提示した。最低賃金が大幅に引き上げられたことを受けた措置で、給付額の算定の基準となる賃金日額の下限額を170円上げて2460円にする。上限額は年齢に応じて630円から790円引き上げて1万3370円から1万6340円とする。具体的な給付額は賃金日額に45〜80%を掛け合わせた金額になる。
 他にも震災による倒産や解雇で離職した人向けに60日間の給付延長措置を設ける。東日本大震災のような大規模な災害の場合は120日間延長できるようにする。他にも雇い止めで離職した非正規労働者への給付延長措置を5年間延ばすことや、教育訓練給付の拡充も提案した。
 雇用保険料率は0.2ポイントの引き下げ、国庫負担割合は2.5%に引き下げる案を提示した。来年度から3年間の時限的な措置になる。

平成28年12月3日(土曜日)日本経済新聞電子版

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労働相談、最多は「長時間労働」47%=厚労省2016/11/30

 厚生労働省は29日、過重労働の解消を目的に今月6日に行った無料電話相談に、昨年より224件多い計712件の相談が寄せられたと発表した。長時間労働に関する相談が340件と47.7%を占め最も多かった。
 厚労省は「電通の過労自殺問題などで社会の関心が高まっているのではないか」とみている。相談内容から労働基準法違反などが疑われる事業所に対しては、労働基準監督署が立ち入り調査をして是正指導する。
 厚労省によると、長時間労働に次いで多かったのは賃金不払い残業で305件(42.8%)。休日出勤が多いにもかかわらず、代休が取れないといった休日・休暇に関する相談が53件(7.4%)あった。
 具体的な内容では、不動産会社の40代の営業担当者は月の残業時間が200時間を超え、自費でホテルに泊まることもあると相談。労使協定を超える残業は「上司が労働時間を書き直している」と話したという。

平成28年11月30日(水曜日)日本経済新聞電子版

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遺族の労災請求を認めず、死亡の宮大工=大阪地裁2016/11/28

 日当をもらって建設現場で働いていたのに、労働者ではなく個人事業主(一人親方)と見なされ、労災補償の対象外とされたとして、作業中に死亡した宮大工の男性=当時(44)、京都府長岡京市=の妻が、国に労災認定を求めた訴訟の判決が21日、大阪地裁であり、内藤裕之裁判長は「法律上の労働者には該当しない」として原告の請求を棄却した。
 男性が労働基準法で定める労働者に当たるかどうかが争点だった。内藤裁判長は、仕事を依頼してきた知人と原告とのやり取りから、断ろうと思えば断れる状況だったと判断。相手方に従属して労務を提供するような関係にはなかったと結論づけた。
 判決によると、男性は平成26年4月、知人の依頼で埼玉県の現場で屋根の修理中に転落し、その後死亡した。川越労働基準監督署は労災認定せず、遺族補償給付金などの不支給を決定した。

平成28年11月21日(月曜日)産経ニュース

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三菱電機元社員に労災認定、「月100時間超の残業」2016/11/28

 大手電機メーカー、三菱電機に勤務していた研究職の男性(31)が精神疾患を発症したのは長時間の過重労働が原因だったとして、藤沢労働基準監督署(神奈川県藤沢市)が労災認定した。男性と代理人弁護士らが25日、記者会見して明らかにした。認定は24日付。
 男性は2013年4月に三菱電機に入社。情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)に配属され、家電などに使うレーザーの研究開発の担当になった。
 代理人弁護士などによると、14年1月から論文作成業務などが加わって業務量が増加。同労基署は「それまでの倍以上、月100時間を超える時間外労働があった」と認定。長時間労働による心理的負荷が強まり、入社2年目の同年4月上旬ごろに「適応障害」を発症したと結論づけた。
 男性によると、労働時間の管理は自己申告制で、労基署に届け出た時間外労働の上限の月40時間以内に抑えて虚偽の申告をするように上司から指示されていたという。発症前の時間外労働は最長で月160時間ほどにのぼったと説明した。
 上限ぎりぎりの「39時間」と毎月申告すると虚偽申告が発覚する恐れがあるため、「36時間」「35時間」などと月ごとに違う時間を申告するよう指示されたこともあるという。この上司からは「言われたことしかできないのか。俺が死ねと言ったら死ぬのか」などと注意を受けたこともあったという。
 男性は14年6月から休業。就業規則で定める休業期間を超えたため、今年6月に解雇された。男性は労災休業中の解雇は無効だとして、同社に復職を求める方針だ。
 三菱電機広報部は「労基署の判断を確認の上、対応を検討する」としている。労働時間を虚偽申告するよう指示されたとする男性の主張については、「指摘を受けて調査したが、そうした事実はなかったと認識している」と回答した。

平成28年11月25日(金曜日)朝日新聞デジタル

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雇用保険料、賃金の0.6%に下げ=17年度から3年間2016/11/27

 財務・厚生労働両省は労使が折半する雇用保険料を2017年度から19年度までの3年間は賃金の0.8%から0.6%に引き下げる。0.2%分の下げ幅で、会社員と企業の負担を合計で年3400億円程度軽くする。3年間の軽減額は合計1兆円規模。2019年10月の消費増税に向け、個人消費や設備投資の活発化を促す。
 12月に開く厚労省の労働政策審議会で決定し、2017年度予算案に盛り込む。雇用保険の積立金は景気回復による雇用情勢の改善で過去最高の6.4兆円規模に達している。雇用保険料は昨年引き下げたばかりだが、政府は8月にまとめた経済対策で保険料を2年連続で引き下げ来年度から0.6%とする方針を示していた。
 厚労省は今回、引き下げ幅を3年間継続することも決め、長期にわたって家計を支援する姿勢を明確にする。年収400万円の会社員なら年4000円程度の負担減となる効果が見込まれている。企業側も年間1700億円程度の負担減となるため、設備投資や賃上げの加速が期待される。
 国の負担も軽減する。失業手当への国庫負担割合も19年度までの3年間は現行の13.75%から2.5%に引き下げる。1200億円規模の軽減となり、安倍政権が「一億総活躍」として重視する保育士や介護士の待遇改善などの財源に充てる。保育士は賃金を2%上げ、職務経験によって月額4万円を上乗せする。介護士の月給も平均月1万円増やす。
 雇用保険の積立金は失業した場合の給付に加え、育児休業や教育訓練などへの給付にも活用されており、4兆円程度の積み立てが適正水準とされてきた。景気悪化の際に活用が増える傾向にあるが、雇用環境が安定した現状では「6.4兆円の水準は過剰だ」との指摘があった。

平成28年11月26日(土曜日)日本経済新聞電子版

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社会保険や税務手続き、中小の半数「負担感じる」2016/11/24

 中小企業の多くが加盟する日本商工会議所の調査によると、社会保険・労務や補助金などの行政手続きについて、半数近くが負担に感じると回答した。政府の規制改革推進会議が設置した行政手続部会で報告した。部会ではこうした論点を軸に、年内に具体的な重点分野と目標などを検討する方針だ。
 調査では1091の会員企業から回答を得た。負担と感じる分野としては「社会保険・労務」(48.6%)、「補助金・助成金」(48.2%)、「税務申告」(45.0%)が上位を占めた。具体的に「申告に関わる書類が多い」「提出する場所が多く時間を取られる」といった問題点を挙げた。
 商工会議所は人手不足が深刻な中小企業にとって、こうした手続きの煩雑さが長時間労働や生産性低下の要因になっていると指摘。「書類の標準化や電子化、削減目標を設定すべきだ」と訴えた。行政手続部会では他にも経団連などからヒアリングしており、事業者のニーズを整理している。

平成28年11月23日(水曜日)日本経済新聞電子版

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兼業・副業導入、中小にも、モデル就業規則改正へ=厚労省2016/11/23

 厚生労働省は働き方改革の一環で兼業・副業を後押しするため、企業の参考となるような標準的な就業規則を改正する方針だ。現在のモデル就業規則は兼業・副業を禁止しているが、容認する様式に改める。早ければ年度内にも公表する。
 就業規則は従業員10人以上の企業で作成が義務付けられており、所轄の労働基準監督署長に届け出ている。中小企業ではモデル就業規則をそのまま自社に転用する場合も多い。改正版を作ることで、中小企業が就業規則を変更する手間を減らし、兼業・副業の普及を後押しする。
 現在のモデル就業規則では「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と記されている。「自社の業務に影響がない」「利益相反の関係にない」といった条件を設け、兼業・副業を認める内容の条文を新たに付け加えることを検討する。
 中小企業庁の2014年度調査によると、兼業・副業を容認している企業はわずか3.8%。モデル就業規則の改正は政府の働き方改革実現会議の一部委員も提言しており、厚労省としても普及に向けた検討を加速させる。

平成28年11月23日(水曜日)日本経済新聞電子版

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年金受給資格、納付10年に短縮=改正法成立2016/11/16

 年金の受給資格を得るために必要な保険料の納付期間を25年から10年に短縮する改正年金機能強化法が16日午前の参院本会議で、全会一致で可決、成立した。改正法は来年8月に施行され、10月から約64万人が新たに年金を受けられるようになる見通し。受給には本人か代理人が年金事務所に請求書を提出する必要がある。
 新たに受給できるようになるのは、保険料を払った期間が10年以上25年未満の人。受給期間は保険料を納めた期間や免除された期間を合計する。無年金の人の救済につながるが、過去にさかのぼって受け取ることはできない。
 年金額は保険料の納付期間に応じて増える。国民年金の場合、加入期間が10年で月約1万6千円、20年で約3万2千円。40年で満額の約6万5千円と比べて支給額は低い。
 今回の対策は、2015年10月に予定していた消費税率10%への引き上げと同時に実施する予定だったが、安倍政権による増税延期に伴い先延ばしされていた。ただ、受給資格期間を10年に短くしても約26万人が無年金のままだという。
 政府・与党は当初、年金給付の抑制策を盛り込んだ国民年金法改正案との一括審議をめざしていた。ただ、民進党など野党が同法案を「年金カット法案」と位置づけて強く反発。このため両法案を別々に審議していた。年金法改正案は16日の衆院厚生労働委員会で約2週間ぶりに審議を再開した。

平成28年11月16日(水曜日)日本経済新聞電子版

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スーパー各社、外国人技能実習生受け入れ拡大、対象職種拡大2016/11/12

 食品スーパーが日本で働きながら技能を学ぶ外国人技能実習生の受け入れを本格化させる。首都圏地盤のヤオコーは2018年度までに16年度比で約3倍の200人規模に増やす。北海道・東北に展開するアークスも現在の5倍となる100人規模とする。技能実習生の対象職種が広がったことが背景。人手不足が慢性化するなか、労働力として取り込む動きが広がる。
 ヤオコーでは現在、ベトナム、スリランカ、中国の3カ国から技能実習生を受け入れており、16年度末時点で69人が就労する計画。17〜18年度にかけて順次、増やし18年度末までに約200人にする。鮮魚売り場や焼きたてのパンを提供する「インストアベーカリー」といった店舗内だけでなく、総菜・生鮮品の加工センターへの配属を増やす。
 技能実習生の受け入れ体制を整えるため、約4億5千万円を投じて既存の寮を拡張したり新たに社員寮を購入したりした。同じ国籍の従業員専用の寮を設け、働きやすい環境を作る。
 技能実習生はいったん本社で採用し、各店舗や加工センターに派遣する形となる。賃金はパート時給と同水準。ヤオコーは受け入れ団体へ管理料を支払うため、人件費としては「パートよりは高いが正社員よりは安い水準」(同社)となる。
 首都圏に展開するサミットは17年度の受け入れ人数を16年度の4倍超の30人に増やす。18年度以降も順次、増やす計画だ。同社は16年度に初めて技能実習生を受け入れ、現在ベトナム人7人が店舗の鮮魚売り場や総菜部門で働いている。
 アークスも技能実習生の受け入れ枠を広げる。グループで現在の20人規模から100人規模に増やす。4月に主力子会社のラルズがミャンマーから22人の実習生を受け入れた。今後、グループのほかのスーパーに広げる。
 各社が受け入れを進める背景には、15年4月に技能実習制度の対象職種に「総菜製造」が追加されたことがある。それまでスーパーでは鮮魚売り場など店舗内の一部業務に限られていた。総菜が加わったことで、人手不足に悩む食品スーパーが受け入れを進めやすくなった。
 給食会社も外国人技能実習生に注目する。病院や介護施設向け給食最大手の日清医療食品(東京・千代田)は8月、初めて12人を受け入れた。17年度は2.5倍の30人に増やす方針。病院などに提供する料理を作るセントラルキッチンに配属する。
 小売業の現場では人手の確保が難しい状況が続く。各社は従業員の定年を延長したり、時給を引き上げたりして人材をつなぎ留めてきた。同時に総菜などの加工センターを増強し店内の人員を減らせる体制作りを進めるなど、人手不足への対策を急いでいる。

平成28年11月12日(土曜日)日本経済新聞電子版

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政府、年金機構のマイナンバー利用了承2016/11/09

 政府は8日の閣議で、日本年金機構のマイナンバー利用を了承する政令を閣議決定した。昨年の年金情報流出を受けて利用が延期されていた。早ければ来年1月から取り扱いを始める。他の行政機関との情報連携の解禁は引き続き延期となる。
 年金加入者が年金事務所に相談に出向いたときに、これまでは年金手帳を持参する必要があったが、マイナンバーカードで手続きができるようになる。他の行政機関との情報連携が解禁されれば、手続きの際に住民票などの添付書類が省略できるメリットがある。

平成28年11月8日(火曜日)日本経済新聞電子版

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長時間労働、異例の立件へ、電通を強制捜査2016/11/08

 厚生労働省は7日、違法な長時間労働が常態化し、労働基準法違反の疑いがあるとして、電通を強制捜査した。本支社計4カ所への家宅捜索には、労働基準監督官ら計88人と異例の規模で臨んだ。同社では昨年12月、女性新入社員が過労で自殺。臨時の立ち入り調査で違法な残業が広範に及んでいる疑いが浮上し、強い姿勢で実態解明を進めることにした。
 家宅捜索では勤務記録や入退館記録などを押収。証拠を保全し、法人としての同社や労務担当者らを同法違反容疑で書類送検する方針だ。同法違反では法人なら30万円以下の罰金に問われる。東京労働局の幹部は「労働時間の特定は困難な作業だが、徹底的に調べる」と強調する。
 捜索したのは東京本社(東京・港)と関西(大阪市)、中部(名古屋市)、京都(京都市)の3支社。本社には午前9時半ごろに東京労働局の過重労働撲滅特別対策班(通称かとく)の監督官ら約30人が入り、午後4時すぎまで捜索を続けた。
 強制捜査に踏み切ったのは、全社的に違法な長時間労働が広がっている疑いが強まったためだ。
 労基法は1日の労働時間を8時間まで、1週間で40時間までと定める。電通は労使で同法36条に基づく協定(36協定)を結び、「特別条項」として最大で月70時間までの残業を認めていた。
 だが9月に自殺が労災認定された新入社員、高橋まつりさん(当時24)は残業が約105時間に達した月もあった。遺族側代理人は残業時間を過少申告するよう指導されていたと主張する。
 この問題を受けた厚労省の10月の立ち入り調査では、電通が管理する労働時間と実際の出退勤の記録が合わない社員が他にいることが判明。2014年に関西支社、15年に東京本社が違法残業で是正勧告を受けたにもかかわらず改善が進んでおらず、同省は任意調査ではなく証拠を押収して分析すべきだと判断した。
 厚労省は昨年、違法な長時間労働で中小企業を含め約70件の強制捜査を実施。取り締まり強化のため昨年4月に東京と大阪に新設した「かとく」は、これまでに靴販売店大手など5社を書類送検している。

平成28年11月7日(月曜日)日本経済新聞電子版

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JCBに略式で罰金50万円、違法な長時間労働2016/11/07

 従業員に違法な長時間労働をさせたとして、東京区検が、労働基準法違反罪でクレジットカード大手「JCB」(東京都港区)を略式起訴していたことが1日、分かった。3月27日付。東京簡裁は同月30日に罰金50万円の略式命令を出し、JCBは4月に納付した。
 東京地検によると、JCBは2014年2〜3月、二つの部署の従業員計7人に対し、労使協定で定めた時間外労働の限度(月80時間)を超えて働かせていた。三田労働基準監督署(東京)によると、限度の超過は月約39〜67時間だった。

平成28年11月1日(火曜日)西日本新聞電子版

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ドン・キホーテ、違法な長時間残業で罰金命令=東京簡裁2016/11/07

 従業員に違法な長時間残業をさせたとして、ディスカウント店を運営する「ドン・キホーテ」(東京都目黒区)が労働基準法違反(長時間労働)の罪で東京簡裁から罰金50万円の略式命令を受けた。10月26日付。同社は今後、納付するという。
 同社をめぐっては、都内の「ドン・キホーテ町屋店」など5店舗で、従業員数人に労使で定めた残業の限度(3カ月120時間)を超える最長415時間の残業をさせたとして、東京労働局が今年1月に同社と執行役員ら8人を書類送検していた。
 親会社のドンキホーテホールディングスは「司法の判断を重く受け止め、真摯(しんし)に反省し、全社を挙げて関係法令の順守を徹底する」とコメントした。

平成28年11月4日(金曜日)朝日新聞デジタル

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マタハラ防止策ない企業の求人不受理=厚労省制度改正 2016/11/06

 厚生労働省はマタニティーハラスメント(妊婦への嫌がらせ)に対する法律で義務付けた防止措置を講じなかった企業の求人をハローワークで受理しないように制度を改める。関係する政令を改正し、来年1月から施行する。学生や転職を考えている人がそうした企業に就職することを未然に防ぐ。
 ハローワークでは今年3月から労働関係法令の違反を放置している企業の新卒求人を受理しない取り組みを始めている。今回は不受理の対象にマタハラに関する規定を加える。
 男女雇用機会均等法は、女性従業員の妊娠や出産を理由に職場で不利益な扱いをされることがないように、相談窓口を設置するなど防止体制を整備するように求めている。育児と仕事を両立させる環境整備を企業に促し、女性の社会進出を後押しする狙いだ。
 厚労省の調査で法違反が見つかれば、是正を求める勧告をする。それにも従わずに企業名が公表された場合に、求人を受理しないこととする。不受理となる期間は、違反が是正されてから6カ月が経過するまでの期間となる。
 政府が掲げる働き方改革では、女性や若者が活躍しやすい環境の整備もテーマの一つとなっている。厚労省は残業時間や育休の取得率など企業の職場環境に関する様々な情報を集めたデータベースを整備する計画だ。いわゆる「ブラック企業」へ就職してしまうことを防ぐために、職場情報についての開示を強化するように企業側に働きかける。

平成28年11月6日(日曜日)日本経済新聞電子版

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「同じ仕事で賃金差」容認、定年後の雇用=東京高裁2016/11/03

 定年退職後に再雇用され、同じ内容の仕事を続けた場合に賃金を引き下げることの是非が争われた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は2日、引き下げを容認する判断を示した。減額を不当として会社に賃金の差額の支払いを命じた一審・東京地裁判決を取り消し、原告の請求を棄却した。
 訴えていたのは、運送会社に再雇用された嘱託社員のトラック運転手3人。原告側は判決を不服として上告する方針。
 判決理由で杉原則彦裁判長は「企業は賃金コストが無制限に増大することを避け、若年層を含めた安定的な雇用を実現する必要がある」と指摘。定年前と同じ仕事内容で賃金が一定程度減額されることについて「一般的で、社会的にも容認されている」との判断を示し、不合理ではないと結論づけた。
 5月の一審判決は「仕事や責任が同じなのに、会社がコスト圧縮のために定年後の賃金を下げるのは不当だ」と判断。正社員と非正社員の不合理な待遇の違いを禁じた労働契約法に違反しているとし、正社員との賃金の差額計約400万円を支払うよう会社に命じた。
 一審判決などによると、3人は2014年に60歳の定年を迎えた後、1年契約の嘱託社員として再雇用された。セメントを運ぶ仕事が定年前と変わらない一方、年収は2〜3割下がった。
 原告側代理人によると、運送業などでは定年退職者を再雇用した場合に同じ仕事のまま賃金を下げる例が多いという。
 判決後に記者会見した原告男性(62)は「納得できない。最高裁でたたかう」と話した。

平成28年11月2日(火曜日)日本経済新聞電子版

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佐川急便社員の自殺は「労災」=仙台地裁が認定2016/10/31

 佐川急便の仙台市の事業所に勤務していた男性社員(当時22)が自殺したのは上司のパワハラでうつ病になったのが原因だとして、遺族が、労災と認めなかった仙台労働基準監督署長の決定を取り消すよう国に求めた訴訟の判決で、仙台地裁は自殺は労災だと認定し、遺族補償一時金などを不支給とした決定を取り消した。27日付。
 大嶋洋志裁判長は判決理由で、上司から足元に向けてエアガンを撃たれたりつばを吐きかけられたりされ「業務上許容される指導を逸脱した暴行または嫌がらせを受け、うつ病になった」と指摘。その上で「退職を申し出たのに、上司から病状に理解のない指示を受けて引き続き仕事を要求されたことで、強度の心理的負荷を受けた」として、自殺との因果関係を認めた。
 佐川急便の担当者は取材に「判決の内容を確認しておらず、コメントできない」と述べた。
 判決によると、男性は佐川急便に勤務していた2011年12月22日、うつ病と診断され、同26日、自宅で会社の制服姿で首をつって自殺した。仙台労基署長が労災と認めない決定をしたため、岩手県宮古市の遺族が14年9月に提訴した。〔共同〕

平成28年10月28日(金曜日)日本経済新聞電子版

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「希望者は65歳まで雇用」企業の74.1%=厚労省調査 2016/10/30

 厚生労働省が28日に発表した高年齢者の雇用状況(6月1日時点)によると、希望する人全員が65歳以上まで働ける企業の割合は74.1%で、前年から1.6ポイント増えた。企業の規模別では中小企業が76.5%なのに対して大企業では53.8%にとどまっている。
 従業員31人以上の15万3千社の状況をまとめた。74.1%の内訳は、定年制を廃止した企業が2.7%、65歳以上定年の企業は16.0%で、いずれも前年の調査と比べてわずかに上昇した。希望者全員が65歳以上まで働ける継続雇用制度を設けている企業は55.5%だった。
 2013年に施行された改正高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用を確保するために企業に対して「定年制廃止」「定年引き上げ」「継続雇用制度の導入」のいずれかを講じるように義務付けている。

平成28年10月28日(金曜日)日本経済新聞電子版

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電通、長時間労働常態化か=労働局立ち入り調査2016/10/24

 電通の新入女性社員が昨年12月に過労で自殺した問題を受け、東京労働局などは14日、労働基準法に基づき東京都港区の電通本社などを立ち入り調査した。長時間労働が常態化している疑いがあるとみて、出退勤記録などから実態解明を進める。法令違反があれば是正勧告する方針。悪質な場合は刑事事件としての立件も視野に入れる。
 調査に入ったのは東京労働局の過重労働撲滅特別対策班など。電通の中部(名古屋市)、京都(京都市)、関西(大阪市)の3支社も同日までに立ち入り調査した。労基法に基づく「臨検」と呼ぶ措置で、支社まで対象に含めるのは異例だ。
 亡くなったのは高橋まつりさん(当時24)で、遺族側の代理人弁護士によると、東大文学部を卒業後、昨年4月に電通に入社。10月以降に業務が増え、11月上旬にはうつ病を発症したとみられる。12月25日に都内の社宅から投身自殺した。
 三田労働基準監督署は今年9月に労災と認定。高橋さんの残業時間は昨年10月9日〜11月7日で約105時間に及んだ。
 代理人弁護士によると、高橋さんは残業時間を労使協定で定めた月70時間以内に抑えるため、「労働時間集計表」に過少申告するよう指導されていたという。高橋さんは指導に従い昨年10月は「69.9時間」、同11月は「69.5時間」と実際より減らして記載していた。
 厚労省は全社的に残業時間が超過していなかったかどうかや、過少申告の有無などを調べる。
 電通では1991年、入社2年目の男性社員が過労で自殺。遺族が提訴し、最高裁が会社側の責任を認めた。塩崎恭久厚生労働相は今月12日の衆院予算委員会で「再び自殺事案が発生したことは本当に遺憾の至りだ」と述べていた。
 厚労省は従業員に過酷な労働を強いるブラック企業対策として、過重労働撲滅特別対策班を東京と大阪に昨年発足。これまでに大手の靴販売店や量販店などの4社を違法な長時間労働があったとして書類送検した。
 高橋さんの母親の幸美さん(53)は代理人弁護士を通じて「電通は謝罪の言葉だけでなく、しっかりとした改善策をとってもらいたい。国は大切な労働者の命を守るために、しっかりと電通を指導してもらいたい」とのコメントを出した。

平成28年10月14日(金曜日)日本経済新聞電子版

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長時間労働の疑い スーパーと役員2人書類送検ー大阪2016/10/21

 関西などでスーパーを展開する会社が社員に違法な長時間労働をさせていたとして、大阪労働局は会社と役員2人を労働基準法違反の疑いで書類送検しました。
 書類送検されたのは、関西や東海地方で80店舗以上のスーパーを展開する、大阪・鶴見区に本社がある運営会社の「コノミヤ」と、執行役員と専務取締役の2人です。
 大阪労働局によりますと、「コノミヤ」はおととしから去年にかけて、本社の経理部門などの社員4人に対し、労使間の協定で決められた1か月30時間の限度を超える残業をさせていたほか、残業代およそ300万円を支払っていなかったとして、労働基準法違反の疑いが持たれています。中には、残業時間が過労死の認定の目安とされる1か月100時間を超えていたり、勤務記録を改ざんして残業していないように見せかけたりしたケースもあったということです。
 調べに対し執行役員は「漫然と時間外労働をさせていた」と容疑を認めているということです。労働局によりますと、この会社ではことし3月までの2年間に、およそ700人の社員の残業代、合わせておよそ1億8000万円が支払われていなかったことも分かり、労働局の指摘を受けて支払われたということです。
 書類送検されたことについて「コノミヤ」は、「労働局の指摘を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めていきたい」とコメントしています。

平成28年10月20日(木曜日)NHK NEWS WEB

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自殺の関西電力社員、19日間の残業が150時間に2016/10/21

 福井県にある高浜原子力発電所の運転延長に向けた審査の対応に当たっていた関西電力の男性社員が自殺し、長時間労働による過労が原因だったとして労災と認定されましたが、男性はことし3月からは東京に長期出張していて、亡くなる前日までの4月の残業も150時間程に上っていたことが分かりました。
 労災と認められたのは関西電力の40代の男性社員です。
 男性は、高浜原子力発電所の1号機と2号機について、原子力規制委員会が行う審査の対応に当たっていましたが、ことし4月20日に出張先の東京のホテルの部屋で自殺しているのが見つかりました。
 関係者によりますと男性は管理職ですが、ことしに入ってから1か月の残業が100時間を大幅に超えるようになり、2月には200時間程に上っていました。
 また、男性は3月からは東京に長期出張しホテル暮らしをしていて、4月1日から自殺前日までの19日間の残業も150時間程になっていたほか、たびたび原子力規制庁に足を運んで規制委員会の審査会合に出席したり、担当者と折衝したりしていたということです。
 このため、労働基準監督署は、自殺は、長時間労働による過労が原因だったとして、今月、労災と認定しました。
 高浜原発1号機と2号機は運転開始から40年を超えていて、運転期間を延長するためには、ことし7月7日の期限までに原子力規制委員会の審査の手続きを終えなければならない状況で、男性の業務の負担が増していたということです。

平成28年10月20日(木曜日)NHK NEWS WEB

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関西流通サービス業、社会保険適用拡大で「負担増」73% 2016/10/21

 10月の社会保険の適用拡大で、関西の主要な流通小売業やサービス業、食品企業の7割が保険料の負担増を見込んでいることが日本経済新聞社のアンケート調査で分かった。加入対象となる年収が130万円から106万円以上に下がり、保険料を支払うべきパート従業員の数が増えるためだ。人手不足に拍車がかからないよう各社は従業員の募集拡大や人事制度の改定などを急いでいる。
 調査は9月28日〜10月7日に、関西に本社や拠点を置く従業員501人以上の主要59社を対象に実施。37社から回答を得た。回答率は63%。
 厚生年金保険料や健康保険料といった社会保険料は労使折半が原則。外食や小売りなどパートの割合が高い企業ほど支払う保険料が増える。アンケートでは会社が1年間に支払う保険料が「増える」との回答は73%だった。グルメ杵屋は年1億円程度の負担増になると試算している。
 一方「ほぼ増えない」は24%。もともと年収130万円以上のパート従業員が大半で「制度変更による影響はほとんどない」(食品メーカー)。
 従業員の労働時間では「短縮を希望する従業員が多い」との回答が35%で「延長を希望する従業員が多い」(11%)に比べて多い。130万円近く稼いでいた人の中には「保険料の支払いで手取りが減るなら勤務時間を減らして収入を抑える方が合理的」と考える人が多いとみられる。
 各社は勤務時間を短縮したパートの穴埋め確保を急いでいる。調査では46%が人材の追加募集を「既に実施」または「予定している」と回答した。人材確保へ時給を引き上げた企業もあり、「長期的にみれば社会保険以外の部分でも負担は増える」(小売り大手)。
 グルメ杵屋はパートの希望に応じた労働時間の設定を進める。長時間勤務を希望する人は月160〜170時間と正社員並みに働いてもらい、そうでない人は20時間未満に短縮する。
 新たな人事制度の整備を急ぐ企業もある。ダスキンはパートなどを対象に勤務地を限定した正社員制度を10月から導入。キリン堂ホールディングスも同制度開始へ専従チームを発足した。
 長時間働けるパートを優遇して店の技術力向上を目指すのは回転ずし大手、あきんどスシロー(大阪府吹田市)だ。店開業時から働いているベテランも多く、社会保険への加入を積極的に働きかけている。社会保険加入者は優先的にシフトに配置して働きやすくするなど加入を後押しする。
 ベテランのパートは時給も上昇するが「経験豊富な人が増えることによる生産性や質の向上は時給アップ以上の効果が期待できる」(水留浩一社長)。正社員がいない時間帯の店舗運営をパートに任せることも想定して人材育成を急ぐ。

平成28年10月21日(金曜日)日本経済新聞電子版

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産後うつ予防へ健診費助成、不調を早めにケア=厚労省2016/10/11

 出産後の母親が育児への不安や重圧によって精神的に不安定になる「産後うつ」を予防するため、厚生労働省は2017年度から、健診を受ける際の費用を助成する。深刻化すれば虐待や育児放棄につながったり、自殺を招いたりする恐れがあり、不調の兆しを早めに見つけ、行政の相談窓口など適切なケアにつなげるのが狙い。
 産後うつは約10人に1人が経験するとされる。費用助成は産後2週間と1カ月の2回、それぞれ5千円が上限で、国と市区町村が半分ずつ負担する。一般的な健診費は約5千円のため、事業を導入する自治体では補助券などによって多くの人が無料で受けられ、出産した医療機関以外での健診も対象となる。厚労省は17年度予算の概算要求に7億円を盛り込んだ。
 厚労省研究班が12〜14年度に実施した調査では、初産の場合、うつ状態など精神的な不調に陥る人は産後2カ月ごろまでに多く、特に産後2週間の時期に発症のリスクが高かった。1カ月健診は広く行われているが、子供の発育の確認が中心。研究班はより早い段階から、精神的に不安定になりやすい母親へのケアを充実させる必要があると指摘していた。
 健診では母親の身体的な回復状況に加え、授乳がうまくできているかなど、子育ての悩みを幅広く聞き、心身の状態を把握する。支援が必要と判断されれば、市区町村による育児相談や指導のほか、宿泊・日帰りによる産後ケア事業の利用などを促す。〔共同〕

平成28年10月9日(日曜日)日本経済新聞電子版

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「和食さと」運営会社を書類送検、過重労働疑い 2016/10/03

 労使協定で決められた上限の月40時間を超えた時間外労働をさせ、割増賃金を支払わなかったとして、大阪労働局は30日までに、労働基準法違反の疑いでファミリーレストラン「和食さと」や「すし半」の店長ら45〜55歳の男性5人と、運営会社「サトレストランシステムズ」(大阪市中央区)を書類送検した。
 労働局によると、同社は立件された分も含め、調査の結果判明した未払い分の総額4億円余りを約650人に支払った。容疑を認めている。
 5人の送検容疑は、昨年1〜11月、同市や大阪府池田市にある計4店舗と本社で、従業員の男女7人に対し最長約111時間の時間外労働をさせ、一部には割増賃金を支払わなかった疑い。同社は過重労働への防止対策を取らなかった疑い。
 同社は和食さとの他、回転ずしの「にぎり長次郎」、定食屋「めしや宮本むなし」など、国内外に計427店舗を展開。書類送検を受け「このような事態が二度と起きないよう再発防止策を徹底する」とコメントした。〔共同〕

平成28年9月30日(金曜日)日本経済新聞電子版

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厚生年金と健保、パートら25万人が新たに対象2016/10/01

 厚生年金と健康保険の加入基準が1日から変わり、大企業で働くパート労働者ら約25万人が新たに対象となった。
 非正規雇用の短時間労働者の年金給付を手厚くするのが狙いだ。
 これまで、厚生年金に加入する非正規雇用の労働者は、旧厚生省が定めた「労働時間が正社員の4分の3(週30時間)以上」という条件に合う人とされてきた。
 1日からは、従業員501人以上の大企業で週20時間以上働き、残業代を除いて月収8万8000円以上(年収106万円以上)であることなどの条件を満たす人が新たに対象となる。
 厚生労働省の試算では、月収8万8000円のパートが厚生年金に20年間加入した場合、保険料を労使で月額8000円ずつ払う必要はあるものの、老後は基礎年金(満額で月額約6万5000円)に上乗せして、月額約9700円の厚生年金も受け取ることができる。

平成28年10月1日(土曜日)読売新聞電子版

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再雇用で別業務は違法、トヨタに賠償命令=名古屋高裁2016/09/29

 トヨタ自動車で事務職だった元従業員の男性(63)が、定年退職後の再雇用の職種として清掃業務を提示されたのは不当として、事務職としての地位確認と賃金支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁(藤山雅行裁判長)は28日、訴えを棄却した一審判決を一部変更し、約120万円の賠償を命じた。地位確認は認めなかった。
 藤山裁判長は判決理由で、全く別の業務の提示は「継続雇用の実質を欠き、通常解雇と新規採用に当たる」と判断した。高齢者の継続雇用を巡る裁判で企業の賠償責任が認められるのは異例。
 男性は最長5年の雇用が認められる社内制度で事務職としての再雇用を求めたが、1年契約のパート労働で清掃業務を提示され、拒否していた。
 男性は取材に「会社の違法性を認めた画期的な判決だ」と話した。
 トヨタ自動車は「主張が認められず残念。今後の対応は判決を精査して判断する」としている。
 藤山裁判長は、定年後にどんな労働条件を提示するかは企業に一定の裁量があるとした上で「適格性を欠くなどの事情がない限り、別の業務の提示は高年齢者雇用安定法に反する」と指摘した。
 今年1月の一審名古屋地裁岡崎支部判決は「男性は事務職で再雇用されるための基準を満たしていなかった」とする会社側の主張を認め、男性の請求を退けていた。
 判決によると、男性は大学卒業後、トヨタ自動車に入社し、2013年7月に定年退職した。
 高年齢者雇用安定法は希望者を65歳まで雇用するよう企業に義務付けている。〔共同〕

平成28年9月28日(水曜日)日本経済新聞電子版

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民間平均給与、5万円増420万円…格差広がる2016/09/29

 民間企業の会社員やパート従業員らが昨年1年間に得た平均給与は420万円で、前年を5万円(1・3%)上回ったことが国税庁の調査でわかった。
 増加は3年連続。企業の好業績などを背景にした賃上げが反映されたとみられる。
 年間を通じて企業に勤務した給与所得者は前年比38万人増の4794万人(男性2831万人、女性1963万人)で、1949年の調査開始以来、最多となった。正規社員(3142万人)の平均給与は前年比7万円増の485万円、パートや派遣などの非正規(1123万人)は1万円増の171万円で、両者の格差は広がった。

平成28年9月28日(水曜日)読売新聞電子版

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年金、強制徴収を所得300万円以上に拡大、納付率上げ2016/09/20

 厚生労働省と日本年金機構は、国民年金保険料の強制徴収の対象を広げる。現在は年間所得350万円以上の滞納者に実施しているが、2017年度から300万円以上にする。国民年金保険料の納付率は60%程度で低迷している。保険料の滞納に厳しく対処し、納付率の向上を狙う。
 保険料の徴収を担当する年金機構は、滞納が続いた人にまず文書や電話、戸別訪問などで納付を求めている。このような要請にも応じない場合、一定以上の所得がある人に強制徴収を実施している。
 年金機構では、この基準を課税所得350万円(かつ未納月数7カ月以上)から300万円(かつ未納月数13カ月以上)に引き下げる。新基準に当てはまる人は強制徴収される可能性がある。対象者は現在27万人程度だが、約9万人が加わる見通しだ。
 まず「最終催告状」という書面を送り、それでも応じない場合に督促状を送る。その後に年金機構の職員が銀行口座や有価証券、自動車などの財産を調査し、売却できないよう差し押さえる仕組みだ。
 強制徴収の所得基準は15年度まで所得400万円以上だった。保険料の徴収強化策として16年度には基準を350万円に引き下げた。17年度の実施で、基準の引き下げは2年連続となる。
 保険料の納付率は低迷が続く。被保険者が納めるべき保険料のうち、実際に払われた割合を示す納付率は15年度に63.4%だった。依然として4割近い人が納めていない。
 厚労省が発表する納付率は低所得者や学生ら保険料の納付を免除・猶予されている人を対象者から除いて計算している。このため加入者全体の納付状況を示しているわけではない。免除・猶予になっている人を対象に含めた実質的な納付率は40%程度にとどまっており、制度の持続性に懸念が生じている。
 厚労省は保険料を払う余裕がない低所得者向けに納付を猶予する制度の拡大を実施した。7月から対象者を30歳未満から50歳未満に拡大。納付の猶予期間は年金受給額に反映されないが、受給に必要な加入期間には算入できる。納付猶予を受けるには所得による基準があり、全額免除であれば単身者で57万円、扶養親族1人で92万円となっている。

平成28年9月20日(火曜日)日本経済新聞電子版

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労災受給者の解雇可能、元専大職員の訴え退け2016/09/13

 労災保険の休業補償を受けて療養中、一定の賃金をまとめて補償すれば解雇ができるかどうかが争われた訴訟の差し戻し控訴審判決が12日、東京高裁であった。河野清孝裁判長は、解雇の無効確認を求めた元専修大職員の男性の請求を棄却し、解雇は有効と認めた。
 労働基準法は業務上の病気やけがで療養中の解雇を原則禁止。一方雇い主の費用負担による療養期間が3年を過ぎても治らなければ、賃金1200日分の「打ち切り補償」を支払って解雇できると定めている。
 雇い主が直接費用を負担せず、国の労災保険が適用される場合については明確な規定がない。昨年6月の上告審で最高裁が「解雇できる」との初判断を示し、審理を差し戻していた。
 河野裁判長は判決理由で「労災保険は国が雇い主に代わって、保険給付の形式で実質的に災害の補償をしている」と指摘。雇い主が保険料を負担している労災保険が適用された場合も打ち切り補償で解雇ができると述べた。
 差し戻し控訴審の判決によると、男性は入試事務を担当し、2003年、肩などに痛みが生じる頸肩腕(けいけんわん)症候群と診断された。07年に労災認定を受け、休職。専修大は11年に打ち切り補償約1600万円を支払って男性を解雇した。
 一、二審は「労災保険で補償を受けている労働者を打ち切り補償によって解雇することはできない」とし、解雇が無効と認めていた。

平成28年9月12日(月曜日)日本経済新聞電子版

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東芝に賠償命令、過労でうつ病の社員解雇=東京高裁2016/09/07

 過重労働でうつ病になり、不当に解雇されたとして、東芝元社員の重光由美さん(50)が東芝に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審で、東京高裁(奥田正昭裁判長)は1日までに、約6千万円の支払いを命じた。差し戻し前から賠償額を増額した。
 訴訟では重光さんが精神科への通院歴を申告しなかったことの過失が争われた。最高裁は2014年、「申告がなくても会社には安全管理に注意すべき義務がある」と判断。重光さんの過失を認めて賠償額を2割減額した控訴審判決を破棄し、審理を差し戻した。
 判決によると、重光さんは埼玉県深谷市の工場で液晶生産ライン開発のプロジェクトリーダーを務め、01年にうつ病を発症。休職後に職場復帰しなかったとして04年に解雇された。解雇の無効については、差し戻し前の控訴審ですでに確定している。

平成28年9月1日(木曜日)日本経済新聞電子版

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山陽道多重事故で管理者を逮捕、過労運転させた疑い2016/08/17

 広島県警は16日、同県東広島市の山陽自動車道のトンネルで3月、渋滞の列にトラックが突っ込み2人が死亡した事故で、運転手に過労運転をさせたとして、道交法違反(過労運転下命)の疑いで、勤務先の当時の運行管理者で会社役員の後藤隆司容疑者(41)=埼玉県川口市北園町=を逮捕した。
 逮捕容疑は、事故前日の3月16日、運転手の皆見成導被告(33)=公判中=が疲労の蓄積で正常に運転できない恐れがあると認識しながら、トラックを福岡市まで運転するよう指示した疑い。
 県警によると、後藤容疑者は「疲れているとは思わなかった」と容疑を一部否認している。勤務先の運送会社ゴーイチマルエキスライン(川口市)は7月、「ツカサ運輸」へ社名変更した。
 事故は3月17日に発生。皆見被告は居眠りをして渋滞の列に追突、2人を死亡させ、8人にけがを負わせたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と道交法違反(過労運転の禁止)の罪に問われている。〔共同〕

平成28年8月16日(火曜日)日本経済新聞電子版

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技能実習巡る違反最多=受け入れ事業所、不当待遇2016/08/17

 厚生労働省は16日、2015年に外国人技能実習生が働く事業所に対して立ち入り調査した結果を発表した。調査した5173事業所のうち、7割に当たる3695事業所で労働基準法などの法令違反があった。前年より24.1%増え、2年連続で過去最多を更新した。増加する外国人実習生に対し、不当な扱いをする事業者が後を絶たない実態が浮き彫りになった。
 厚労省は、実習生からの訴えなどがあった場合、受け入れ先の事業所を立ち入り調査する。15年に調査したのは5173事業所で、前年より32.0%増えた。労働基準局監督課は「本人や会社の同僚らからの情報提供が増えている」と話す。
 違反が確認された3695事業所の違反内容の内訳は、時間外労働が1169事業所(31.6%)と最も多い。業務の安全配慮が不十分といった労働安全衛生法違反が1076事業所(29.1%)、時間外労働などへの割増賃金の不払いが774事業所(20.9%)だった。
 複数の法令に違反した事業所もあった。ある事業所は、最長で月169時間の違法な時間外労働を行わせたうえ、深夜労働に対する割増賃金の支払いも不適切だった。さらにこの事業所は有害物質を扱うにもかかわらず、法令で定められた測定などをしていなかった。
 同省によると、労働基準監督署が悪質と判断し、事業所や事業主を書類送検したケースも46件あった。前年比で76.9%増え、過去最多だった。
 法務省によると、外国人技能実習生は年々増え、08年に10万人を突破。15年末時点では19万2655人で、前年末から14.9%増えた。人手不足などを背景に、安価な労働力として実習生へのニーズは高いとされる。
 ただ劣悪な職場環境などで、受け入れ先の事業所から逃げ出すなどのトラブルも相次いでいる。
 厚労省は違法な扱いを受けたり目撃したりした場合には、労基署に相談するよう求め、事業主に対しては法令を順守するよう啓発活動に力を入れる。悪質な事業所に対する摘発も強化する方針だ。

平成28年8月17日(水曜日)日本経済新聞電子版

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鵜舟の船頭長良川で溺死、労基署が鵜匠書類送検2016/08/17

 岐阜市の長良川で今年5月、「長良川鵜飼」の鵜舟の船頭(当時73歳)が溺死した事故があり、岐阜労働基準監督署は16日、船頭の雇用主にあたる市内の鵜匠(75)を、労働安全衛生法違反の疑いで岐阜地検に書類送検した。
 長良川鵜飼の鵜匠は、宮内庁式部職。
 発表によると、鵜匠は5月23日の鵜飼い漁を終えた午後8時半頃、逃げた鵜を捕まえる作業を船頭にさせる際、鵜舟に救命具を備えるなどの必要な措置をしなかった疑い。船頭は鵜舟から川に転落し、溺死した。
 船舶職員及び小型船舶操縦者法では、鵜舟の乗船者の救命胴衣着用は努力義務にとどまる。しかし、労基署は、鵜匠には雇用主として船頭の労働安全を守る義務があると判断し、労働安全衛生法を適用した。

平成28年8月16日(火曜日)読売新聞電子版

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労基署、管理職の長時間労働による過労死を労災認定2016/08/08

 東京都内の建設コンサルティング会社に勤務し、くも膜下出血で亡くなった川崎市の男性(当時42)について、渋谷労働基準監督署が、長時間労働が原因の過労死だとして労災認定していたことが3日、分かった。
 遺族代理人の川人博弁護士が明らかにした。認定は7月26日付。
 川人弁護士によると、男性は課長代理で、社内では残業代の支払い対象外の「管理監督者」として扱われていた。しかし労基署は、管理監督者に当たらないとの見解を示したという。
 川人弁護士は「実際には管理職と言えない人たちも管理職とされ、残業代の不払いが常態化している。長時間労働の温床だ」と訴えた。
 男性は、主に自治体発注の下水道工事の設計業務に従事。昨年7月、仕事中に倒れ搬送先の病院で死亡した。直前6カ月の残業時間は過労死ラインとされる月平均80時間を超え、多い月には171時間に達した。宮城県や長野県などへ頻繁に出張、負荷が大きかった。
 遺族は今後、会社に未払い残業代と損害賠償を請求する方針。(共同)

平成28年8月3日(水曜日)日刊スポーツ電子版

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同一賃金、雇用慣行に留意…経団連が提言2016/07/17

 経団連は政府が検討を進めている「同一労働同一賃金制度」について、日本の雇用慣行や賃金体系に留意した制度が望ましいとする提言をまとめた。
 国内経済の好循環を実現するため、正社員化の一層の推進など、非正規労働者に対する幅広い処遇改善を進める重要性も指摘した。13日に公表する。
 同一労働同一賃金は原則として、同じ労働であれば同じ賃金を支払うという考え方だ。制度の導入が進む欧州各国では、仕事の内容に応じて賃金が決まる「職務給」が設定され、広く定着している。一方、日本では経験や仕事をこなす能力に着目した「職能給」や、勤務の年数に応じた「年齢・勤続給」などで基本給を決めている企業が多い。
 経団連は提言で「職務内容だけでなく、(勤務地や職種の変更の可能性といった)人材活用の仕方など様々な要素を総合的に勘案して、同一の労働に当たるかどうか評価することを基本とする」と主張。日本型制度の実現を求めている。

平成28年7月13日(水曜日)読売新聞電子版

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歓送迎会から残業に戻る途中、事故死は「労災」2016/07/11

 会社の歓送迎会に参加した後、職場へ戻る途中に交通事故で死亡した場合、労災と認められるかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は8日、「会社の行事の一環だった歓送迎会に上司の意向で参加し、仕事を再開するための運転中に事故に遭ったのだから、労災に当たる」との判断を示した。
 その上で、1、2審判決を破棄し、死亡した男性(当時34歳)の妻の請求を認めて、労災認定しなかった国の処分を取り消す判決を言い渡した。妻側の勝訴が確定した。職場の飲み会に絡んで事故が起きても通常は労災とは認められないが、飲み会への会社の関わり次第では、労災と認められる余地があることが示された。

平成28年7月8日(金曜日)読売新聞電子版

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厚労省、中小の派遣参入で資産要件上げ=9月末から2016/07/04

 厚生労働省は労働者派遣事業に新規参入する中小企業の資産要件を引き上げる。事業所が1カ所で常に雇っている派遣労働者が10人以下の場合、現預金1500万円(現在は800万円)を持つよう義務付ける。実施は9月末から。
 2015年の労働者派遣法改正で、参入時の届け出制をなくし許可制に統一したが、資産要件は緩めていた。同省は法改正から1年ほどたち、新規参入者に対する資産要件の軽減は不要と判断した。
 改正派遣法は派遣事業者の監督を強めるため、参入時の許可制を導入した。その激変緩和措置として、届け出業者や新規参入する中小向けの資産要件を軽減してきた。既存の中小事業者向けには資産要件を緩和しているが、段階的に引き上げる方針だ。

平成28年7月2日(土曜日)日本経済新聞電子版

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自殺、審査会は「労災」、労基署判断から一転=大阪2016/06/27

 7年前、金券ショップの店長だった大阪市の男性(当時34)が自殺した。労働基準監督署は労災と認めなかったが、国の労働保険審査会は一転して認定。店の定休日にも社長の出張に同行しており、1カ月以上にわたって休まず働いたと判断した。遺族は会社の労務管理のあり方を問い、損害賠償を求めて近く大阪地裁へ提訴する。
 働き過ぎを背景とした「心の病」の労災認定件数は増加傾向にある。厚生労働省の調査では、過労などが原因で心を病み、自殺を図った人の労災認定は2014年度に過去最多の99件に上った。14年には過労死等防止対策推進法が成立し、国の積極的な過労死対策が求められている。
 遺族代理人で過労死問題に詳しい立野嘉英(たちのよしひで)弁護士(大阪弁護士会)によると、国の労働保険審査会が労基署の判断を覆すのは極めて異例。「店長職にありながら店員はおらず、全ての業務を実質1人で担っていた。休みたくても休めない名ばかりの店長の労働実態を認めた意義は大きい」と話す。
 労働保険審査会の裁決書(1月27日付)によると、男性は06年入社。大阪市港区の金券ショップ店長として、金券や各種チケットの仕入れ、販売を担当した。08年ごろから店舗を1人で切り盛りするようになり、09年4月、店の中で首をつって亡くなった。
 遺族側は、1日12時間近く、週6日働いていた▽亡くなる約5カ月前からは会社の新規事業の立ち上げにもかかわり、休日をとれない約1カ月間の連続勤務があった――などと主張。定休日の日曜にもたびたび車を運転して兵庫・淡路島へ社長の出張に同行していたとした。自殺はこうした長時間労働に加え、社長からも厳しく売り上げの拡大を求められ、うつ病を患ったのが原因として12年に労災申請した。
 会社側は労基署の調査に対し、「長時間労働を強制したり、達成困難なノルマや新規事業の担当を命じたりした事実はない」と反論。男性に不正な経理があったと指摘し、淡路島への同行は「気晴らしになればと誘った。仕事はさせていない」と説明した。
 大阪西労基署は13年、「達成困難なノルマや新規事業の担当になったことは認められず、仕事目的の同行だったとする客観的事実もない」などとして労災でないと判断。不服申し立てを受けた大阪労働局の労災保険審査官も14年に追認したが、再審査を求められた国の審査会は男性が淡路島で仕事の打ち合わせに立ち会っていたことなどから、業務命令による同行と判断し、自殺と仕事の因果関係を認めた。

平成28年6月21日(火曜日)朝日新聞デジタル

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「心の病」労災請求が1500人超、3年連続で最多更新2016/06/27

 過労などが原因で精神障害となり、労災請求をした人が2015年度に1500人を超え、3年連続で過去最多となった。精神障害で労災認定された人の数は減ったが、高止まりが続いている。
 厚生労働省が24日、15年度の「過労死等の労災補償状況」を公表した。精神障害で労災請求した人は1515人で、前年度比59人増。比較できる1983年度以降で最も多かった。
 労災認定された人は472人で25人減ったが、過去3番目に多かった。6割が30〜40代で、うち自殺や自殺未遂者は93人だった。
 業種別で多かったのは道路貨物運送業や介護など医療・福祉、小売業など。原因別では、「仕事内容・仕事量の変化」「月80時間以上の残業」「2週間以上の連続勤務」など仕事量に関するものが目立ち、長時間労働が原因になっていることがうかがえる。
 「脳・心臓疾患」で労災認定された人は、前年度比26人減の251人(うち死者96人)だった。減少は3年連続。業種別では道路貨物運送業が3割。労災認定された人の9割が月80時間以上の残業をしており、長時間労働の影響が出ている。

平成28年6月25日(土曜日)朝日新聞デジタル

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労働相談4年ぶり増加=15年度、パワハラが最多2016/06/09

 厚生労働省は8日、労働者と企業のトラブルを裁判に持ち込まずに迅速に解決する「個別労働紛争解決制度」に基づく2015年度の労働相談が4年ぶりに増加し、24万5125件(前年度比2.6%増)だったと発表した。
 このうち、パワーハラスメントにあたる「いじめ・嫌がらせ」に関する相談が6万6566件(同7.0%増)と最も多かった。最多は4年連続で、全体を押し上げた。厚労省は「パワハラという言葉が企業や労働者の間で浸透し、相談しやすくなったのではないか。引き続き企業に啓発していく」としている。
 「いじめ・嫌がらせ」の具体例としては、先輩社員から毎日「のろい」「気が利かない」「やめたら」などの侮辱的な発言を受け、上司に訴えたが対応してくれなかったケースなどがあった。
 次いで多かったのは「解雇」(3万7787件、3.0%減)。「自己都合退職」(3万7648件、8.7%増)が続いた。労働相談の利用者の内訳は正社員が9万2624人と最多で、パート・アルバイトは3万9841人、期間契約社員は2万5732人だった。

平成28年6月8日(水曜日)日本経済新聞電子版

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保険証番号流出、1万8470人分現存ー該当者に通知2016/06/06

 健康保険証の番号など約10万人分の個人情報のリストが流出した問題で、このうち36都府県の1万8470人分の番号が現在も使用されていることが、1日までの厚生労働省の調査で判明した。成り済ましや詐欺に悪用される恐れがあるため、厚労省は、該当者に通知した上で要望があれば番号変更を認める。これほど大規模な番号変更は異例。
 流出元は医療機関の可能性が高いとしているが、特定できないまま調査を終えた。番号が現在も使われている人が最多の都府県は大阪の7915人で、奈良4122人、滋賀3482人が続き、近畿地方に集中した。
 厚労省は5月31日付で都道府県などに対し、医療機関に個人情報の適切な取り扱いを徹底し、指導、監督するよう求める通知を出した。
 問題は昨年末、報道によって表面化。同省が流出リスト約10万3千人分を入手し調査していた。
 厚労省はリストにあった「保険者番号」から、加入先の自治体や健康保険組合など「保険者」を特定。約千の保険者に調査を依頼した。約8万5千人分の保険証番号は、転職や退職などを機に保険者が変わるなどし、現存していなかった。
 一方、流出経路については、リストに載った人たちの2007〜09年のレセプト計約17万件を分析。該当する医療機関数は約1万に上ったが、特定の病院や薬局だけを利用していた状況はなく、流出元は分からなかったと結論付けた。〔共同〕

平成28年6月1日(水曜日)日本経済新聞電子版

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国民年金の納付猶予、50歳未満に拡大=7月から2016/06/01

 厚生労働省は低所得者向けに国民年金保険料の納付を猶予する制度で、7月から対象者を30歳未満から50歳未満に拡大する。国民年金の納付率向上が狙い。納付の猶予期間は年金受給額に反映されないが、受給に必要な加入期間には算入できる。納付猶予を受けるには所得による基準があり、全額免除であれば単身者で57万円、扶養親族1人で92万円となる。31日に関連する政令の改正案が閣議決定された。

平成28年5月31日(火曜日)日本経済新聞電子版

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十六銀社員の自殺は「パワハラ原因」労災認定求め提訴2016/05/30

 十六銀行(岐阜市)の新入社員の男性(当時25)が自殺したのは過労とパワーハラスメントが原因だとして、男性の父親が労災保険の不支給処分の取り消しを国に求めて名古屋地裁に提訴した。第1回口頭弁論が25日あり、国側は請求棄却を求めた。
 訴状によると、2011年4月に入行した男性は、岐阜県内の支店へ配属後、内規などに反して窓口や融資業務を任せられ、同年8月には上司から「幼稚園児か」などと罵倒された。男性は同年12月に自殺した。
 原告側は「昼食時間も確保できないほどの長時間労働、上司のハラスメントで心身ともに疲労困憊していた」と主張。自殺する1、2カ月前の時間外労働が70時間超で、自宅学習の時間を含むと100時間を超え、「うつ病」も発症していたと訴えている。
 岐阜労働基準監督署は14年3月、業務が原因の自殺と認められないとして労災保険の不支給を決定。再審査請求も退けられていた。

平成28年5月25日(水曜日)朝日新聞デジタル

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障害者の就職、最高に=15年度は9万人2016/05/30

 2015年度に全国のハローワークを通じて就職した障害者は9万191人(前年度比6.6%増)で、1970年度の調査開始以来最多となったことが28日までに、厚生労働省のまとめで分かった。18年度から精神障害者も雇用義務の対象となることから企業の採用が広がっており、6年連続で過去最多を更新した。
 就職者の内訳は精神障害者が3万8396人(同11.2%増)、身体障害者が2万8003人(同0.6%減)、知的障害者が1万9958人(同6.6%増)、発達障害者などは3834人(同21.1%増)だった。
 産業別では「医療・福祉」への就職者が最も多く3万3805人(37.5%)。2番目は「製造業」の1万1933人(13.2%)。3番目は「卸売・小売業」の1万1577人(12.8%)だった。
 障害者の新規求職申込者は18万7198人(同4.5%増)。就職者数を求職者で割った就職率は48.2%(同1.0ポイント増)となった。

平成28年5月28日(土曜日)日本経済新聞電子版

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厚労省、長時間労働の社名公表、行政指導段階で初2016/05/25

 厚生労働省千葉労働局は19日、最長で月約197時間の違法な時間外労働をさせていたとして、千葉市の棚卸し業務代行会社「エイジス」(ジャスダック上場)を是正指導したと発表した。同省は昨年5月、複数の事業所で違法な長時間労働をさせる企業について、是正指導をした上で社名を公表する方針を決定。今回が初のケースとなる。
 同社はスーパーなどから棚卸し業務を受託する営業拠点を全国に50カ所持つ。昨年5月以降、営業拠点4カ所で働く従業員63人に、労使協定で定めた上限時間を上回る月100時間を超える時間外労働や休日労働をさせていた。残業代は支払っていたとしている。
 エイジス単体の売上高は2016年3月期で179億円。従業員は3月末時点で252人。同社は「是正指導の内容を真摯に受け止めている。労働時間管理の徹底や業務の効率化などに取り組んでいく」としている。

平成28年5月19日(木曜日)日本経済新聞電子版

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定年後の再雇用「同じ仕事で賃金減」違法判決2016/05/25

 定年後の再雇用で正社員時代と同じ仕事をしているのに、賃金が減ったのは違法だとして、横浜市の運送会社で働くトラック運転手の男性3人が、正社員との賃金の差額分計約415万円の支払いなどを求めた訴訟で、東京地裁は13日、全額の支払いを命じる判決を言い渡した。佐々木宗啓裁判長は「正社員と同じ業務をさせながら賃金水準だけを下げるのは不合理で、労働契約法違反だ」と述べた。
 同法は2013年4月の改正で、雇用期間に期限がある社員と正社員との間で不合理な労働条件の格差を設けることが禁止された。原告側弁護団によると、運送業界では同様の雇用形態が少なくないが、定年後の再雇用を巡って同法違反を認めた判決は初めてという。弁護団は「不合理な賃金格差の是正に大きな影響力を持つ画期的な判決だ」と評価している。
 判決によると、61〜62歳の男性3人は、横浜市の運送会社「長沢運輸」で20〜34年間、正社員として勤務。14年に60歳の定年を迎え、1年契約の嘱託社員として再雇用された。仕事内容は正社員時代と同じだったが、賃金は3割前後減らされた。
 訴訟で同社側は「退職金も支給されており、再雇用で賃金が下がるのはやむを得ない」などと主張した。しかし、判決は「同社の再雇用制度には、新規に正社員を雇うよりも賃金コストが抑えられるという側面がある」と指摘。「同社の経営上、コスト圧縮の必要性があったとは認められず、不当だ」として、同社側の主張を退けた。
 長沢運輸は「コメントしない」としている。

平成28年5月13日(金曜日)読売新聞電子版

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確定拠出年金、改正法成立ー主婦や公務員も対象2016/05/25

 運用成績によってもらえる年金額が変わる「確定拠出年金」の加入対象者を、実質的にすべての現役世代に広げる改正確定拠出年金法が24日成立した。来年1月から加入対象となる公務員や主婦らの取り込みに向け、金融機関も動き出した。
 確定拠出年金には会社単位で入る「企業型」と個人で入る「個人型」がある。対象が広がるのは個人型。これまでは自営業者や企業年金がない会社の社員らだったが、主婦や公務員が加わる。すでに企業年金に入っている会社員も併用して使えるようになる。
 野村総合研究所は主婦と公務員だけで最大400万人が個人型に入るとみる。その場合、資金流入額は年4800億円に達するという。厚生労働省は今回の法改正で「少額投資非課税制度(NISA)並みの加入をめざしたい」(幹部)と期待する。NISAの加入者は約千万人。確定拠出年金の加入者は現在約500万人。現在の2倍に膨らむとみる背景にあるのが大きな節税効果だ。
 NISAは120万円までなら運用益に税金がかからないのが売り。だが確定拠出年金で非課税なのは運用益だけではない。掛け金の全額が課税対象の所得から差し引かれるのでその分、所得税や住民税が安くなる。
 たとえばパートの収入などで年100万円の課税所得を稼ぐ主婦が月1万円ずつ積み立てると単純計算で年1万8千円分の所得税と住民税を節約できる。10年続ければ18万円だ。年金の受取時にも退職所得控除か公的年金等控除の対象になる。
 掛け金は多いほど有利になる。ファイナンシャルプランナーの宮崎勝己氏は「最もメリットが大きいのはすでに企業型を利用している人」と指摘。「企業型に個人型を上乗せして掛け金を増やせば一段の節税効果を期待できる」と解説する。

平成28年5月25日(水曜日)日本経済新聞電子版

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宿直仮眠中の賃金未払い1.5億円ー大阪市が支払いへ2016/04/30

 大阪市は25日、非常勤の宿直職員の仮眠時間を労働時間に算入していなかったとして、過去2年間分の賃金約1億5千万円を市内24区役所の担当職員に支払うと発表した。3月に労働基準監督署から是正勧告があり、市が調査していた。
 市によると支払い漏れで勧告を受けたのは、夜間と休日に区役所の建物をパトロールし、戸籍の届け出などを受ける非常勤の「宿日直(しゅくにっちょく)専門員」の賃金。24区役所に計約100人おり、2人一組の勤務で午前0時〜6時の間に約3時間ずつ仮眠をとるが、電話や来庁者に対応していたという。
 未払い賃金の請求権の有効期限が2年のため、市は今年3月までの2年分を支給。社会保険料約2400万円も追加で支出する。
 仮眠を労働時間に入れると、専門員の賃金が大阪府の最低賃金(1時間858円)に届かない計算になるため、福島区役所を調査していた西野田労基署が最低賃金法違反などになるとして是正勧告していた。

平成28年4月26日(木曜日)朝日新聞デジタル

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上海で過労死、労災適用認める判決ー遺族が逆転勝訴2016/04/30

 運送会社の社員として、中国・上海の現地法人に赴任中に過労死した男性(当時45)に対し、日本の労災保険が適用されるかが争われた訴訟で、東京高裁は27日、適用を認める判決を言い渡した。杉原則彦裁判長は「日本からの指揮命令関係などの勤務実態を踏まえて判断すべきだ」と指摘。「適用できない」とした一審・東京地裁判決を覆し、労災適用を国に求めた遺族の逆転勝訴とした。
 判決によると男性は2006年に、東京都に本社がある運送会社から上海の事業所に赴任。10年に設立された現地法人の責任者になったが、同年7月、急性心筋梗塞(こうそく)で死亡した。死亡前の1カ月の時間外労働は約104時間だった。
 労災保険法によると、海外勤務者は独立した現地の会社で働く場合は、「特別加入」をしないと日本の労災は適用されない。男性の会社は特別加入をしておらず、昨年8月の一審判決は労災適用を認めなかった。だが、27日の判決は「男性は本社の指揮命令下で勤務していた」として、労災を適用すべきだと判断した。
 遺族の代理人弁護士は「海外赴任者の労災が認められず、多くは泣き寝入りしてきたのではないか。労災制度の原則に立ち返った画期的な判決だ」と話した。

平成28年4月27日(金曜日)朝日新聞デジタル

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労働法令違反85%=厚労省調査、全国のツアーバス2016/04/26

 今年1月に起きた長野県軽井沢町のスキーバス事故で、厚生労働省は25日、ツアーバスを運行する貸し切りバス会社に対する「集中監督」で労働関係法令違反の有無を調べた結果、85%に当たる166事業所で違反が認められたと発表した。同省は書面で是正勧告した。
 違反の内訳は、労働基準法36条に基づく「36協定」を結ばずに時間外労働をさせていたなど、労働時間関連が95事業所で最多。39事業所が労働安全衛生法が定める年1回の健康診断を受けさせておらず、15事業所が36協定を結ばずに休日も働かせていた。
 集中監督は1〜3月、労働基準監督署などが全国の196事業所を選んで抜き打ちで実施。違反があった事業所には改善報告書を提出させる。
 休憩も含めた拘束時間や運転時間の上限を定めた告示への違反状況も調査し、61%に当たる119事業所で違反があった。告示で定める最大拘束時間の超過が最も多く、特定の運転手の時間外労働が1カ月で約130時間に上るケースもあった。
 同省は2012年に関越自動車道で7人が死亡したバス事故の際にも、約300事業所を調査。9割以上で違反が見つかっていた。同省の担当者は「違反率がなかなか低下しない。今後も抜き打ち調査などで地道に指導する」と話す。

平成28年4月25日(月曜日)日本経済新聞電子版

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女性が働きやすい企業のはずが…マタハラ認定、賠償命令2016/04/25

 妊娠後に業務軽減を求めたのに怠ったのはマタニティー・ハラスメントにあたるとして、北九州市小倉北区の介護職員、西原ゆかりさん(35)が、勤務する介護事業会社「ツクイ」(本社・横浜市)と元営業所長の女性に慰謝料など約500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、福岡地裁小倉支部であった。足立正佳裁判長は訴えの一部を認め、同社と元所長に35万円の支払いを命じた。
 判決によると、西原さんは2009年から同区内の営業所に勤務し、13年に妊娠が判明。同社の対応で切迫早産になるなど精神的苦痛を受けたと主張した。足立裁判長は、西原さんが業務軽減を求めた13年9月の面談で、元所長が「妊婦として扱うつもりはない」などと発言したことについて「妊産婦労働者の人格権を害するもの」と労働基準法などへの違法性を認めた。
 同社によると、女性が働きやすい職場作りを進める企業を東証などが選ぶ「なでしこ銘柄」に13年度に選定された。昨年9月現在で全従業員に占める女性の割合は75・9%。同社は「判決文を確認できていないのでコメントできない」としている。

平成28年4月20日(水曜日)朝日新聞デジタル

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山形大、法令手続き経ず教員2人に解雇通告2016/04/25

 山形大大学院の教員2人が、法令で定められた正当な手続きを経ずに3月31日付で解雇を通告されていたことが、関係者への取材で分かった。
 2人は研究に必要な有害化学物質と微生物の管理を担当していたことから、大学側は解雇通告後、処理のため5月まで雇用を延長する方針を伝えたが、2人はこの対応を不服として回答を保留している。
 関係者によると、解雇を通告されたのは、同大学院理工学研究科の男性教授と助教の2人。
 教授側によると、大学側から2016年度以降の雇用継続について口頭で確認を受けていたが、3月9日に解雇を予告する趣旨の電話連絡を受け、3月31日に口頭で同日付での解雇を言い渡された。解雇理由について大学側は、教授が都内の企業と提携して行っていた寄付講座が、原資となる企業の寄付金が受けられなくなり、中止されたためと説明した。後日、大学側から解雇した旨を告げる文書が交付された。教授らは14年度に採用され、寄付講座のみを担当。講座は18年度までの5年間の予定だった。
 労働基準法は、解雇予告は解雇の30日以上前に行うか、30日前に予告できない場合は30日分以上の平均賃金を支払うよう定めている。
 教授側は今月に入ってから再雇用を申請。15日に大学側と協議した際、大学側は、有害化学物質「ポリ塩化ビフェニール(PCB)」と、防疫上厳重な管理が必要な微生物の処理をしてほしいとして、5月までの雇用延長を提示した。だが、教授側はこの内容を不服として回答を保留している。
 教授は「少なくとも1年は雇用を継続してほしい。労働基準監督署にも相談しており、今後の対応を検討したい」と話している。同大職員組合も事実関係を把握しており、「大学からの一方的な雇い止めで、対応を求めていかなければならない」としている。
 他の教職員からも、「PCBと微生物を取り扱えるのは学内で教授と助教しかおらず、極めて深刻な事態だ。雇い止めしておいて処理に当たらせようというのも身勝手だ」と大学側の対応を問題視する声が上がっている。同大総務部は読売新聞の取材に対し、「個人情報であり、コメントできない」としている。

平成28年4月22日(金曜日)読売新聞電子版

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復興工事で時間外労働96時間、男性過労死か2016/04/25

 東日本大震災の復興工事で男性社員=当時(41)=に違法な長時間労働をさせたとして、大船渡労基署(岩手県大船渡市)は15日、労働基準法違反の疑いで、鉄建建設(東京)と現場所長の男性(47)を書類送検した。厚生労働省によると、復興工事に絡む長時間労働の立件は被災3県で初めて。男性は急性循環不全で今年3月に死亡し、遺族は同署に過労死の労災申請をしている。
 送検容疑は今年2月1〜29日、JR大船渡線バス高速輸送システム(BRT)の仮復旧工事で、男性を労使協定で月60時間までと定めた時間外労働を超え、96時間働かせた疑い。
 同署によると、男性は昨年8月から施工管理を担い、労働時間は自己申告制だった。鉄建建設は「管理が曖昧だった」という趣旨の説明をしているという。
 男性の妻は「日頃から休日労働が当たり前で、振り替え休日や代休はほとんどなかった」とのコメントを出した。
 国は過労死の労災認定基準の一つに、死亡直前の1カ月におおむね100時間の時間外労働をした場合との値を示している。

平成28年4月16日(土曜日)河北新報電子版

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仁和寺で349日連続勤務…元料理長のうつ認定2016/04/17

 世界遺産・仁和寺(京都市右京区)の食堂で働いていた元料理長の男性(58)が、長時間労働で精神疾患を発症したとして、同寺に慰謝料や時間外手当など約4700万円を求めた訴訟の判決で、京都地裁は12日、寺に約4200万円の支払いを命じた。
 1か月の時間外労働は最長約240時間で、349日の連続勤務もあり、堀内照美裁判長は「尋常ではない過酷な業務だった」として発症との因果関係を認めた。
 判決によると、男性は2004年に仁和寺に雇用され、境内の宿泊施設「御室おむろ会館」で、レストランや宿泊客用の料理を担当。05年に料理長となったが、12年8月に「抑うつ神経症」と診断され、休職した。13年7月に労災認定され、現在も後遺症が残っている。発症まで約1年3か月間の時間外労働は、1か月を除き毎月140時間以上で、最長約240時間。11年は1年間で356日出勤し、うち349日は続けて勤務していた。

平成28年4月13日(水曜日)読売新聞電子版

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運転手死亡で運送会社に賠償命令ー大阪地裁2016/04/17

 トラック運転手だった夫(当時38)が2013年、勤務中に急死したのは長時間労働による過労が原因として、遺族が運送会社「那須商会」(大阪府池田市)と労務管理担当者に計約8600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は16日までに計約6030万円の支払いを命じた。
 増森珠美裁判長は判決理由で、死亡前3カ月間の時間外労働が月に約122〜約160時間で恒常的な長時間労働があったほか、繁忙期は午前3時前の出勤など生活も不規則だったと認定。「過重業務の継続による疲労の蓄積が原因で心疾患を発症し死亡した」と判断し、会社側の注意義務違反も認めた。
 訴状によると、夫は07年に入社し、大型トラックの運転手として主に自動車を輸送する業務を担当。13年4月、兵庫県三木市の舞鶴若狭自動車道を走行中に体調が急変して心肺停止状態となり、死亡した。死亡後、伊丹労働基準監督署は労災と認定していた。〔共同〕

平成28年4月16日(土曜日)日本経済新聞電子版

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ほっともっと店長「長時間労働で自殺」ー遺族が提訴2016/04/04

 弁当チェーン「ほっともっと」の店長だった男性(当時30)がうつ病を患って自殺したのは、長時間労働などが原因だとして、長野市の男性の父親(70)らが29日、弁当チェーンを展開する「プレナス」(福岡市)に対し、約9394万円の損害賠償を求める訴えを長野地裁に起こした。
 原告側代理人の一由貴史(いちよしたかし)弁護士によると、男性は2010年4月に同社に正社員として入社し、同12月に三重県内の店舗に異動。11年3月ごろから精神的に不安定になり、同7月に店舗内で首をつって亡くなった。
 会社のパソコンの履歴や勤務管理表、妻にあてたメールなどから、男性が亡くなる前の半年間の時間外労働は、月に110時間35分〜274時間29分にのぼっていた。また、上司から「(売り上げが伸びなかったら)死刑にします」「死んでください」などの内容のメールが、男性に送られていたという。
 プレナスの担当者は「訴状が届いていないので、コメントは差し控えたい」としている。

平成28年3月29日(火曜日)朝日新聞デジタル

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改正雇用保険法等成立=介護休業、分割可能に2016/04/03

 介護と仕事の両立を目指す対策を盛り込んだ改正雇用保険法や改正育児・介護休業法が29日、参院本会議で可決、成立した。介護休業(家族1人につき通算93日)を3回まで分割取得することが可能になり、施設探しなど必要に応じて取れるようになる。また、介護休業給付金を休業前賃金の40%から67%に引き上げる。
 安倍晋三首相が目指す「1億総活躍社会」実現に向け、年間約10万人の介護離職する人をゼロにする目標を掲げており、今回の法改正はその一環。ただ、介護する家族らからは、さらなる改善を求める声も上がっている。
 介護休業はこれまで一つの症状につき1回しか取れなかった。このため、介護施設探しやケアマネジャーとの打ち合わせなどの際には取得を控えるケースが多かった。3回まで分割できるようにして取得しやすくするのが狙い。
 ただ、介護者で作る「日本ケアラー連盟」の堀越栄子代表理事は15日の衆院厚生労働委員会に参考人として出席し、「15年ぐらい介護する人もいる。その人が3回で良いのかという疑問もある」と指摘し、分割回数の引き上げを求める。
 育児休業時の社会保険料の免除を介護休業でも認めるべきだとの指摘もある。「介護離職防止対策促進機構」の和気美枝代表理事は、母親の介護で不動産会社を離職した経験を踏まえ、「介護施設への入所に付き添ったり、帰省したり、お金がかかる。育児休業と同様の取り扱いにすべきではないか」と話す。【阿部亮介】

<改正雇用保険法や育児・介護休業法などで改正されるポイントと施行日>
・雇用保険料率(労使折半)を1%から0.8%に引き下げ(4月1日)
・介護休業(93日間)を3回まで分割取得可能に(17年1月1日)
・介護休業時の給付金を休業前賃金の40%から67%へ引き上げ(8月1日)
・雇用保険加入の年齢制限(現行64歳まで)を撤廃(17年1月1日、保険料徴収は20年4月1日から)
・同じ企業で1年以上働く非正規労働者の育児休業の取得要件を緩和し、「子どもが1歳6カ月になっても同じ企業で働く可能性がある場合」に(17年1月1日)
・研修など上司や同僚によるマタハラ防止策を事業主に義務付け(17年1月1日)

平成28年3月29日(火曜日)毎日新聞電子版

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残業80時間超、1人いれば監視対象ー厚労省に対策班2016/04/03

 塩崎恭久厚生労働相は1日、1カ月の残業が100時間に達した場合に行っている労働基準監督署の立ち入り調査について「80時間を超える残業のある事業所に対象を広げる」と表明した。各地の労働局と連携する対策班を厚労省にもうけ、長時間労働を減らすよう監視を強める。
 80時間を超える残業をしている従業員が、1人でもいると疑われると対象になる。厚労省によると年約2万の事業所が監視の対象になるという。昨年の2倍に達する。
 企業の本社への監督指導体制も強化する。厚労省は昨年、従業員に過酷な労働を強いるブラック企業対策として「過重労働撲滅特別対策班」を東京と大阪に置いた。塩崎厚労相は「今後、本省に司令塔を置く」として、省内に6人体制の対策班を新たにもうけた。全47の労働局には長時間労働を監視し、改善を指導する特別監督監理官を1人ずつ配置した。塩崎厚労相は「長時間労働の是正に向け、法律の執行強化もやれることはただちにやる」と強調した。
 労働基準法では1日の労働時間を原則8時間と定めている。残業については厚労省は月45時間までにとどめるよう企業に求めているが罰則はない。特別条項付きの協定を労使で結べば、45時間を超えた残業もできる。専門家などからは「労働時間を際限なくのばせるのはおかしい」と疑問視する指摘があがっていた。
 従業員の残業時間に上限で80時間の新たな規制を設ける方針について、経団連の榊原定征会長は「長時間労働は企業の生産性向上の阻害要因だ」として会員企業に一段の改革を進めるよう求めるという。ただ人手不足の問題を抱える現場の受け止めは微妙だ。衣料品専門店チェーンの幹部は「従業員を増やして残業時間全体の平均を抑えるのは難しい。80時間を超える分は申告しない『隠れ残業』が増えるのでは」と懸念する。

平成28年4月1日(金曜日)日本経済新聞電子版

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IBM解雇「無効」、5人の賃金支払い命令ー東京地裁2016/03/29

 本人の業績が悪いことを理由に突然解雇したのは不当だとして、日本IBMで働いていた4都県の43〜59歳の男女5人が雇用継続などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、「解雇は権利の乱用で無効だ」として5人全員の雇用継続と解雇後の賃金支払いを命じた。
 吉田徹裁判長は、原告らの業績が解雇するほど悪くはなかったとし、適性に合った職種に変えたり職位を降格したりして改善の機会を与えるべきだったと指摘。「解雇には合理的理由がない」と述べた。
 判決によると、5人は正社員で2012年7月〜13年6月、1〜2週間後の解雇を通告され、出社を禁じられた。その際自主退職すれば退職金を増やすと提案されたが拒否し、解雇された。
 原告は、解雇予告とともに出社を禁じる「ロックアウト解雇」と呼ばれる手法が違法として損害賠償も求めたが、判決は「会社と対立し機密情報を漏らす恐れがあり、違法性はない」と退けた。
 判決後に記者会見した原告の男性(59)は「解雇手法はあまりに強引。他の会社に広がる前に止められて良かった」と話した。日本IBMは「主張が認められず遺憾だ。判決内容を精査して対応を検討する」とのコメントを出した。
 原告弁護団によると、同様に日本IBMを解雇された別の6人も、雇用継続を求めて東京地裁で係争中。〔共同〕

平成28年3月28日(月曜日)日本経済新聞電子版

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妊娠報告後の解雇「無効」ー東京地裁、かばん製造会社2016/03/24

 東京都台東区のかばん製造会社「ネギシ」で働いていた中国籍の何尭さん(32)が、妊娠を伝えた後に解雇されたのは無効だとして地位確認などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は22日、解雇を無効と判断し、請求を全面的に認めた。解雇以降の賃金の支払いも命じた。
 原告側は「男女雇用機会均等法が禁じる妊娠を理由とした解雇だ」と主張。会社側は、何さんがほかの従業員を大声で怒鳴ったなどとして「協調性、適格性がない。妊娠が理由ではない」と反論していた。
 五十嵐浩介裁判官は「会社側が指摘する事実は認められないか、あるいは有効な解雇理由にならない」と判断。妊娠が理由ではないとしても労働契約法に基づき無効な解雇と述べた。男女雇用機会均等法に抵触するかには踏み込まなかった。
 ネギシは取材に「残念だ。控訴するかは弁護士と話し合って決める」とコメントした。

平成28年3月23日(水曜日)産経ニュース

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残業80時間で立ち入り調査対象、300万人に拡大2016/03/24

 政府は長時間労働に歯止めをかけるため企業への指導を強める。1カ月の残業が100時間に達した場合に行う労働基準監督署の立ち入り調査について、基準を月80時間まで引き下げる方向だ。労働基準法違反があれば是正勧告などの措置をとる。労働の生産性を高めて長時間労働を減らすことで、子育て中の女性や高齢者が働きやすい環境を整える狙いだ。ただ目先は企業にとって負担となる可能性もある。
 政府が25日に開く一億総活躍国民会議で、長時間労働抑制の具体策として示す。5月にまとめる「ニッポン一億総活躍プラン」の働き方改革の柱の一つとして盛り込み、年内にも指導を強める。20万超の事業所が対象になる見通しだ。
 立ち入り調査の対象となるのは、80時間を超える残業をしている従業員が1人でもいると疑われる企業。実際は労基署の監督官の数が限られるため従業員による通報などを通じて悪質な企業を把握し、重点調査する。
 これまでは従業員の残業が月100時間を超えると心臓疾患などのリスクが高まるとの医学的な根拠に基づき企業を立ち入り調査してきた。今後は基準を厳しくし、80時間を超える残業があった企業を立ち入り調査の対象とする。これだけの時間の残業が何カ月も続くと、やはり心臓疾患などにつながるとの見方からだ。
 調査の結果、違法な時間外労働や残業代の未払いなどの労働基準法違反が見つかった場合は是正勧告し、企業に違反行為を改めるよう求める。違反がなくても勤務時間を極力短くするため労働時間の記録など対策を徹底するよう指導する。
 法律違反が見つかり、労基署が是正勧告しても改善しない企業は労基法違反で書類送検する。2015年には靴の販売店「ABCマート」を運営するエービーシー・マートが書類送検された例がある。
 15年の労働力調査によると全国の常勤労働者の数は約5000万人。このうち100時間超の残業をしている人は少なくとも約110万人いる。80時間以上の人は約300万人で、今回の指導強化で調査対象となる働き手は2.7倍になる。
 各労基署の陣容にもよるが、今後立ち入り調査の件数は増える見通し。厚労省によると、全国の労基署による14年の定期的な立ち入り調査は12万9881件。このうち7割で何らかの法違反がみつかった。最も多かったのが違法残業など労働時間に関する違反だ。
 労基法では労働時間を原則1日8時間と定めている。企業が従業員に残業を命じる場合、労働時間の超過理由を事前に明示した「36協定」を労使で結ばなければならない。厚生労働省は協定を結んだ場合でも、残業時間は月45時間までにするよう求めている。
 ただ「36協定」の特別条項付協定を結べば、月45時間以上の残業は可能だ。専門家からは「労働時間を際限なく延ばすことができてしまう」との声があがっており、指導を強めることにした。法改正による規制強化などは見送る。
 指導強化で企業によっては長時間労働を減らすため、新たに社員を雇用するなどの対応が必要になる。産業界では人件費の増加を懸念する声も強まりそうだ。
 政府は企業への指導を強める一方、法改正を伴う制度変更は当面見送る。国会に残業代を割り増しする労基法の改正案が提出されており、政府内で新たな法改正の議論が進めば審議に混乱をきたすとの判断からだ。

平成28年3月24日(木曜日)日本経済新聞電子版

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労基署が異例の逮捕=賃金未払いの社長ら−岐阜2016/03/23

 中国人技能実習生に賃金を適切に支払わず、労基署の調査も妨害したとして、岐阜労働基準監督署は22日、最低賃金法と労働基準法違反容疑で、縫製会社社長粟谷浩司(50)=岐阜県笠松町米野=、技能実習生受け入れ事務コンサルタント伊藤智文(50)=岐阜市中=両容疑者を逮捕した。同署によると、労基署が容疑者を逮捕するのは異例。
 逮捕容疑は、2014年12月〜15年8月、中国人技能実習生の女性4人に最低賃金計約165万円と時間外手当計約310万円を支払わなかった上、虚偽の賃金台帳を提出するなど労基署の調査を妨害した疑い。

平成28年3月22日(火曜日)時事通信社

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サービス残業20万人超、厚労省が是正指導、計142億円2016/03/22

 「サービス残業」で是正指導を受け、2014年度に企業が未払いの残業代を支給した従業員は20万人超となり、過去最多だったことが21日、厚生労働省の集計で分かった。100万円以上を支払った企業は全国の約1300社で、計約142億円に上った。厚労省は「未払いはあってはならず、指導を徹底したい」としている。
 同省によると、14年度に残業代や休日出勤の割増賃金を従業員に支払わず、サービス残業をさせたとして労働基準監督署の指導を受け、100万円以上の残業代を支払った企業は1329社で前年度に比べ88社減った。
 一方で対象となった従業員は同8万8627人増の20万3507人。02年度の調査開始以降、最多を更新した。従業員を多数抱える企業が労務管理システムの不備で残業代の一部を一律に支払っていなかったケースがあり、全体の人数を押し上げたという。
 具体的な事例では▽残業代が一定額に決められ超過分が支払われない▽入力された労働時間とパソコンを操作した時刻が食い違う▽出勤・退勤時刻の15分未満の時間を切り捨てる――などが確認されたという。
 支払われた未払い残業代は142億4576万円(同19億378万円増)。1社で約14億円を支払った電機メーカーもあった。
 業種別で是正指導が最も多かったのは製造業の327社。対象従業員数でみると、飲食店などの接客娯楽業が10万477人で最多だった。割増賃金を支払っていなかったとして、14年に労基署が労働基準法違反容疑で書類送検したケースは33件だった。
 厚労省の担当者は「賃金は労働者の生活の糧であり、未払いはあってはならない」と指摘。過去には是正指導を受け、時間外労働をする場合にその都度、上司の承認を得るよう変更した企業などがあるという。同省はこうした事例を示すなどし、未払い解消に努めたいとしている。

平成28年3月21日(月曜日)日本経済新聞電子版

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パナソニック、最長3年間の休暇、専門能力高い人材育成2016/03/19

 パナソニックは18日、海外の大学などで専門知識を身につけたい社員が最長3年間の休暇を取得できる制度を導入すると発表した。対象は勤続3年以上の国内のグループ社員で、4月から始める。学費などは自己負担で休暇中は無給となる。専門能力の高い人材を育成して組織の活性化につなげる。
 新たに始める「キャリア開発応援プログラム」では就学のため1カ月から最長3年まで休暇を取得できる。休暇中に他社での就業はできない。休暇を取らず、定時勤務を続けながら国内の大学などに通うこともできる。従来も働きながら学べる制度はあったが、定時より1〜2時間勤務時間が短い時短勤務を選ぶ必要があった。
 パナソニックは中途採用などで国内外から受け入れる人材が多様になっている。海外事業の拡大も進めており、語学や経営学修士(MBA)など、豊富な専門知識を持った人材を育てる必要があると判断した。
 同社は昨年から、年功序列による賃金制度を改めた。17年4月からは永年勤続休暇や表彰も廃止し、年齢別の付与に切り替える。介護や育児支援の幅も広げて、多様な働き方を支援する。

平成28年3月18日(金曜日)日本経済新聞電子版

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自殺は「過労」、会社側に6000万円賠償命令ー東京地裁 2016/03/18

 東京都内のIT関連会社社員の男性(当時31)が自殺したのは会社側の責任だとして、埼玉県の両親が会社や上司に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は17日までに、2カ月連続で時間外労働170時間を超す過労が原因と認め、計約6千万円の支払いを命じた。
 判決によると、男性は2001年入社。会社に籍を残したまま11年10月に経営者が同じ関連企業に出向した後、長時間労働が続いて精神障害となり、同12月に自殺した。
 伊藤由紀子裁判官は、精神障害によってミスが増え、職場で叱られて症状が悪化したと指摘。「会社や関連企業は極度の長時間労働が自殺につながると予測できたのに、業務軽減などの対応をしなかった」と述べた。
 会社側は「責任を痛感している。大切な仲間を失わないよう再発防止に努める」とし、控訴しない方針を明らかにした。〔共同〕

平成28年3月17日(木曜日)日本経済新聞電子版

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企業、女性登用へ職場改善急ぐ、活躍推進法4月施行2016/03/16

 女性の登用を促す女性活躍推進法が4月に施行するのを受け、女性が働きやすい職場づくりやキャリア意識向上に取り組む企業が増えている。日本企業の女性管理職比率は国際的にも低く、政府は2020年までに30%まで引き上げる目標を掲げる。労働人口が減るなか、これまで十分に活躍できなかった人材をいかに登用できるかは企業の成長戦略を左右する。
 ホンダは育児中の女性社員が働きやすい環境を整えるため、2016年度から在宅勤務制度を導入する。人事・給与の体系が同じグループ6社の女性管理職比率は0.6%(2014年度)と、全産業平均の約11%を大きく下回る。20年度には女性管理職の比率を14年度比3倍に増やす方針。家事や育児をしながらキャリアを積める職場環境をつくる。
 1カ月の勤務時間のうち4分の1を在宅で働けるようにする。育児や介護の必要がある社員を対象にする。すでに営業職などが多い本社(東京・港)で試験的に採り入れており、16年度中に開発現場や生産現場の間接部門でも運用を始める。事業所内に保育所を設置する検討も始めた。
 清水建設は4月から女性社員が育児しながらでも働きやすいフレックス勤務制度を導入する。出社時間を遅くできるため、フルタイムで働きながら、保育所の送り迎えなどがしやすくなる。14年度時点で女性管理職は0.5%相当の19人。5年以内に3倍の約60人に増やし、「会社全体で女性が働きやすい環境づくりに取り組む」(宮本洋一社長)。女性技術者数も19年度までに倍増する。
 女性活躍推進法は従業員301人以上の企業などを対象に女性管理職の比率といった数値目標を盛り込んだ行動計画の策定を義務付ける。厚生労働省によると対象企業は全国で約1万5千社になる。日本企業の管理職に占める比率は平均11%と20〜30%台の欧米に比べて見劣りしている。
 女性の登用が比較的進んでいる企業も動き始めた。女性管理職の比率が10%(15年末時点)のサントリーホールディングスは、20年に15%まで高める計画だ。16年度から生産など従来は女性社員の少なかった職場への配属を増やし、先輩と後輩が互いに助け合って活躍できる環境を整える。
 女性の意識を高めるための研修を充実させる動きも活発だ。トヨタ自動車は4月から管理職向け研修プログラムを広げ女性社員のキャリア意識を高める。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島洋子主席研究員は「女性が働きやすい環境整備には、男性社員の意識改革や育児支援も欠かせない」と話している。

平成28年3月16日(水曜日)日本経済新聞電子版

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郵便局パワハラ賠償命令、突然死との関係は否定2016/03/14

 整脈で突然死した福岡県の男性郵便局員(当時41歳)の遺族が「局長らのパワーハラスメントによるストレスが死因」として、日本郵便(東京)に1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、福岡地裁小倉支部であり、野々垣隆樹裁判長は同社に220万円の支払いを命じた。局長らの10件の言動のうち2件をパワハラと認めたが、死亡との因果関係は否定した。
 判決によると、男性は2011年5月、勤務していた飯塚郵便局(福岡県飯塚市)で、保険渉外支援から郵便窓口への業務替えを申し出た際、局長から「いつ辞めてもらってもいい」などと言われて拒否された。
 うつ病で休職していた同10月に復職の意向を伝えた際には、局長から「あんたが出てきたら皆が迷惑。病気でも容赦しない」などと言われた。男性は同12月、同郵便局の駐車場の自家用車内で、致死性不整脈で亡くなった。

平成28年3月11日(金曜日)読売新聞電子版

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社員自殺で1億円支払い=イビデン−岐阜地裁2016/03/12

 電子機器製造大手のイビデン(岐阜県大垣市)の30代男性社員が自殺したのは上司のパワハラや長時間労働が原因として、遺族らが同社と上司に計約1億500万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、岐阜地裁(唐木浩之裁判長)で開かれ、イビデンと上司は遺族側請求を全面的に受け入れ、訴訟は終結した。男性社員をめぐっては昨年1月、大垣労働基準監督署が労災と認定していた。
 訴状によると、男性社員は岐阜県内の事業所で設計などを担当していた2013年10月に自殺。自殺前の6カ月間は月67〜140時間の超過勤務を強いられ、上司からは「何でできんのや」「バカヤロー」などと叱責されていた。

平成28年3月10日(木曜日)時事通信社

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政府、年金運用情報を開示へ…懸念払拭の狙い2016/03/08

 政府は、年金積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)が保有する株式や債券の銘柄などの情報を、一定期間後に開示する方針を決めた。
 運用は信託銀行などに委託しているが、情報公開には恣意しい的な運用への懸念などを払拭する狙いがある。政府は今国会に関連法の改正案を提出し、2017年中にも開示する内容を詳細に定めた厚生労働省令の改正を行う考えだ。
 政府は、GPIF法改正案に「GPIFは厚生労働省令で定める事項を記載した書類を作成し、公表しなければならない」との規定を新設する方針だ。今国会には同法改正案を含めた関連法改正案を一括して提出する予定だ。
 関連法改正案が成立すれば、厚労省令に、GPIFに個別の株式・債券の売買や時価総額などの情報公開を義務づける記述を追加。GPIFの運用方針を決める経営委員会の議事録も公開の対象とする方向だ。公開する内容や時期、具体的な公開方法については、厚生労働相の諮問機関「社会保障審議会」の年金部会での議論を踏まえて最終決定する。

平成28年3月8日(火曜日)読売新聞電子版

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ABCマート運営会社、違法残業させた罪で略式起訴2016/03/07

 従業員に違法な残業をさせたとして、東京区検は2日、靴の販売店「ABCマート」を運営するエービーシー・マート(東京都渋谷区)を労働基準法違反(長時間労働)の罪で略式起訴したと発表した。処分は1月14日付。東京簡裁が2月16日に罰金50万円の略式命令を出し、すでに納付されたという。
 発表によると、同社は2014年4〜5月の約1カ月間、「グランドステージ池袋店」と「原宿店」の従業員計4人に、それぞれ14〜112時間の違法な残業をさせたとされる。
 昨年4月に発足した東京労働局の「過重労働撲滅特別対策班」が同社と取締役ら計3人を初めて書類送検していた。区検は3人については「事実を認めて反省している」などとして起訴猶予とした。
 同社は「再発防止のため万全の措置を講じており、長時間残業は解消されている」とコメントを出した。

平成28年3月2日(水曜日)朝日新聞デジタル

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宮崎労働局、残業代の不払い判明=会見で局長が謝罪2016/03/07

 宮崎労働局は2日、2014年4月〜15年2月にハローワークの非常勤職員や正規職員の超過勤務手当の一部が支払われず、不払い分が延べ198人の計約442万円にのぼったことを明らかにした。すでに全員に支払ったという。非常勤職員に残業の申告制度などを十分に周知していなかったため、と説明している。
 労働局によると、14年12月末に職員から「非常勤が超過勤務しているが、手当が支給されていない」と指摘があり、15年2月に正規と非常勤の職員計約300人の14年4月〜15年2月の勤務状況を調査。非常勤の47人が残業を自己申告し、約618時間分の約118万8千円の不払いが判明した。多い人で延べ77時間分の約16万9千円が不払いだったという。
 また、五つのハローワークが朝礼で5〜10分早く職員を出勤させていたため、この分も改めて超過勤務とみなし、非常勤109人に計約211万5千円、正規職員42人に計約111万8千円を支払ったという。
 これらは労働局が指導監督の対象とするサービス残業にあたる。昨年4月に厚生労働省の大臣官房地方課から早急な是正を指示されていたといい、佐藤俊彦局長は記者会見で「働き方改革や、過重労働解消キャンペーンを行っている中、こうした事態が起きて申し訳ない」と謝罪した。

平成28年3月2日(水曜日)朝日新聞デジタル

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福井のJAでパワハラ、労災認定、男性が当時の理事長から2016/03/07

 JA福井市南部の幹部の男性(54)が2013年、当時の理事長から受けたパワハラが原因でうつ病となり、その後、福井労基署から労災認定されていたことが29日、関係者への取材で分かった。男性は債権回収をめぐるパワハラの重圧で、不起訴となったものの窃盗事件を起こすに至った。同労基署の調査結果では「理事長の日常的な圧力が窃盗事件につながったと考えられる」としている。
 パワハラをめぐり男性は同JAを相手に、600万円余りの損害賠償を求め福井地裁に提訴している。
 同労基署の調査結果などによると、男性は13年2月、同JAの二つの部門を統括する部長と理事に就任した。当時、同JAに膨大な負債を抱えていた組合員からの回収が問題となったが進まず、理事長から繰り返し厳しく叱られるなどした。この重圧から同年10月、男性はこの組合員の倉庫から無断でコメを搬出する行為に及んだ。窃盗事件に発展した対応にも苦しみ同年12月、うつ病を発症した。
 男性は14年7月、同JAに安全配慮義務違反などがあったとして同地裁に提訴した。昨年3月、同労基署へ労災認定を申請、同年9月に認定された。男性は現在、休職中。
 男性は「労災認定された問題なのだから、元理事長はしっかり責任をとってほしいし、JAは和解に応じてもらいたい」としている。
 同JAは「係争中のためコメントは控えたい」としている。

平成28年3月1日(火曜日)福井新聞電子版

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セクハラ被害、働く女性の3割経験ー厚労省調査2016/03/06

 働く女性の3割がセクシュアルハラスメントを経験したことがあると考えていることが4日、厚生労働省の初の実態調査で分かった。容姿や年齢を話題にされた事例が多く、被害者の半数以上は被害を訴えずに事実上泣き寝入りしていた。専門家は「依然被害が多いことが明らかになった」として、行政や企業への対策も促している。
 調査では、妊娠や出産を理由に不利益を被る「マタハラ」を経験した女性は2割を超えた。
 調査は昨年9〜10月、全国6500社で働く25〜44歳の女性約2万6000人を対象に実施し、約4600人から有効回答を得た。インターネット上でも5000人から回答を得た。
 その結果、セクハラ被害の経験があると回答した人は28.7%に上った。雇用形態別では正社員が34.7%と最も高かった。
 セクハラの内容(複数回答)は「容姿や年齢、身体的特徴を話題にされた」が53.9%で最多。「不必要に体を触られた」「性的な話や質問をされた」が続いた。「加害者」は「職場の直属の上司」が最多だった。
 セクハラ被害に遭った後の対応は「我慢した、特に何もしなかった」が63.4%と最多で、相手に抗議したのは10.2%にとどまった。上司に相談した人や会社の相談窓口に訴えた人も少なかった。
 一方、マタハラ被害に遭った人は21.4%。「休むなんて迷惑だ」「辞めたら?」など出産や育児休業などを問題視するような発言をされたケースが47%に上り、最も多かった。
 厚労省によると、2014年度に全国の労働局に寄せられた相談はマタハラが約4千件、セクハラは約1万件に上る。
 同省は4月以降、各労働局に職場の様々なハラスメント(嫌がらせ)の相談や紛争解決に一元的にあたる新部署を設置する。被害者が相談しやすい体制づくりが狙いだ。企業への指導や啓発も強化する。またマタハラ防止策を企業に義務付けるため、男女雇用機会均等法などの改正を検討している。

平成28年3月5日(土曜日)日本経済新聞電子版

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年金改革法案を提出へ、厚労省方針、年金額の抑制策強化2016/02/29

 厚生労働省は26日、年金の給付水準を毎年少しずつ下げていく「マクロ経済スライド」の強化策を柱とする年金制度改革法案を今の国会に提出する方針を決めた。十分に審議時間が確保できない可能性があり、今国会での成立は微妙だ。
 提出するのは、国民年金法や厚生年金保険法などの改正法をまとめた一括法案。この日午前、自民党の部会に示して了承された。
 マクロ経済スライドは、賃金や物価の上昇に応じた年金額の伸びを毎年度1%ほど抑える仕組み。少子高齢化で保険料の払い手が減っても将来世代の年金を維持する狙いで、2004年に導入された。だが、物価が下がるデフレ時は実施しないルールで、15年度の1度しか発動されていない。

平成28年2月26日(金曜日)朝日新聞デジタル

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厚生年金の加入逃れ阻止、厚労省、79万社特定し強制も2016/02/24

 従業員のための厚生年金や健康保険への加入手続きを企業が怠らないように厚生労働省が抜本的な対策を始める。4月から企業版マイナンバー(法人番号)を活用し、2017年度末までに全ての未加入企業を特定する。未加入の疑いのある企業は79万社にのぼる。悪質な企業には立ち入り検査を実施して強制加入させる方針だ。
 厚生年金や従業員向けの健康保険は、法人や従業員5人以上の個人事業主に加入する義務がある。保険料は労使で折半して負担している。ところが、保険料の負担を逃れるため、意図的に加入せずに義務を果たしていない悪質な企業があり、問題になっている。
 厚労省の推計では、本来は公的年金制度で2階建ての部分に当たる厚生年金に加入できるはずなのに、1階部分の国民年金(基礎年金)にしか加入していない会社員が約200万人にのぼる。国民年金は厚生年金よりも年金額が少ない。医療保険も国民健康保険のままだと全額自己負担なので保険料が高くなるケースが多い。
 企業向けマイナンバーを使った加入逃れの防止対策は保険料を徴収する日本年金機構が4月から始める。従業員に代わって所得税を納める義務が課されている企業の法人番号を国税庁からもらう。保険料を支払う企業の法人番号と照らし合わせ、未加入の企業をあぶり出す。
 法人番号を使えば、同じ名前の企業など紛らわしいケースで、職員が個別に審査する作業を大幅に省くことができる。未加入企業の特定が今より格段に早くなる。
 年金機構は未加入企業を特定したら、まず文書や電話で加入を要請する。それでも加入しない場合は企業を訪問するなどして加入を求める。何度要請しても拒否する企業は立ち入り検査に入り、強制的に加入手続きする。
 厚労省と年金機構は14年11月、国税庁から源泉徴収義務を課されている企業の社名と住所をもらい、加入漏れ企業の特定を進めてきた。
 79万社で加入漏れの疑いのあることは分かったものの、個社の特定作業を進めるなかで、社名の表記違いや転居している場合など紛らわしいケースも多く、手間と時間がかかっていた。
 15年4月から9月までの半年間で調査が済んだのは18万事業所にとどまる。今の調査では17年度末までに終わらない可能性が高まっていた。

平成28年2月24日(水曜日)日本経済新聞電子版

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退職金減額「事前説明が必要」、信組訴訟で最高裁初判断2016/02/20

 山梨県民信用組合(甲府市)と合併した信組出身の元職員12人が退職金を大幅に減らされたのは不当として、合併前の基準での支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は19日、「賃金や退職金を不利益変更する場合は、事前に内容を具体的に説明して同意を得る必要がある」との初判断を示した。
 その上で元職員側の請求を退けた二審・東京高裁判決を破棄し、信組側の説明が十分だったかどうかを審理させるため、同高裁に差し戻した。
 判決によると、元職員らは2003年に山梨県民信用組合と合併した旧峡南信用組合の出身。合併後に退職金がゼロにされたとして、従来の基準の総額8千万円の支払いを求めて提訴した。一審・甲府地裁と二審・東京高裁は、退職金を大幅に減らす内規変更の同意書に署名押印があるとして請求を棄却。元職員側が上告していた。
 同小法廷は判決理由で、賃金や退職金の不利益変更に関する同意について、「立場の弱い労働者側が同意していたとしても、それだけで判断せず、事前の情報提供や説明内容などを考慮して判断すべきだ」と指摘した。

平成28年2月20日(土曜日)日本経済新聞電子版

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違法な長時間労働…ドン・キホーテを書類送検2016/02/12

 ディスカウントストア大手のドン・キホーテ(東京都目黒区)が、東京都内の店舗で従業員に違法な長時間労働をさせたとして、東京労働局は28日、同社と店舗を担当する支社長や店長ら計8人を、労働基準法違反容疑で東京地検に書類送検した。
 発表によると、同社は2014年10月から昨年3月の間、町屋店(荒川区)など5店舗で、正社員と契約社員の男女6人に対し、労使で定めた時間外労働の上限である「3か月で120時間」を超えて、最長415時間45分の時間外労働をさせた疑いが持たれている。
 親会社のドンキホーテホールディングスは「深くおわび申し上げる。グループ全体で労務管理に関する指導が不足していた」とコメントを発表した。昨年7月以降に管理体制の見直しなどを行い、現在、違法状態は解消したとしている。

平成28年1月28日(木曜日)読売新聞電子版

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障害年金申請書、窓口の8割渡さず、機構が専門員配置へ2016/02/09

 日本年金機構は8日、各地にある年金事務所の77%が機構本部の指示に従わず、障害年金の支給申請書を希望者に渡していなかったとの調査結果を、社会保障審議会の部会に示した。障害年金は制度が複雑で、窓口で誤った説明をしてしまうこともあるため、機構は2016年度から専門職員を順次配置する方針。
 調査は昨年4〜6月、全国に312ある年金事務所のうち56カ所と「街角の年金相談センター」4カ所を対象に、機構の依頼を受けた社会保険労務士が身分を明かさずに訪問する「覆面調査」の形で実施した。
 機構は昨年2月、申請書の交付を徹底する指示を年金事務所に出している。今回の調査結果について、機構は「申請に必要な診断書の取得にはお金がかかる。受給条件に該当しない人に申請書を渡し、その人が診断書を取ってしまうとお金が無駄になるので、きちんと調べてから渡した方が良いという意識が強い」としている。
 申請書の交付を含め、障害年金に関する窓口対応計150項目を調べた結果、120項目以上が完全にできたのは20%の事務所にとどまった。
 機構は来月から職員向けに窓口対応の手引を導入し、申請者には書類一式をまとめた「障害年金請求キット」を渡すようにする方針だ。〔共同〕

平成28年2月8日(金曜日)日本経済新聞電子版

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民間労災保険、15年度1.5倍=精神疾患・高額賠償増で2016/02/06

 従業員の労働災害で企業に損害賠償責任が生じた場合に備える「使用者賠償責任保険」の契約が伸びている。大手損害保険3グループの2015年度の契約数は計15万件程度となる見通しで、14年度の約1.5倍に増えそうだ。うつ病など精神疾患による労災認定が増えたほか、賠償額の高額化で企業の負担が重くなっていることが背景だ。
 業務上や通勤時の災害で病気を発症したり、けがや死亡したりした場合、労災認定されると本人や遺族に政府の労災保険が支給される。損保各社が取り扱う保険は、企業側の過失が認められて賠償責任を負った際、労災保険金を上回る補償の提供や和解金のために保険金が支払われる。
 今年度の契約数は約15万件になりそうで、損保各社は16年度も一段と伸びるとみる。精神疾患や重労働による過労が原因の死傷者が増えているためだ。厚生労働省によると、14年度に精神疾患で労災認定されたのは497人と過去最多だった。
 最近では企業の安全配慮義務違反による損害賠償責任に加え、役員の責任が問われる事例も増えている。損害保険ジャパン日本興亜は補償の範囲に役員も加えた特約を2月から取り扱う。昨年12月にはワタミや創業者に損害賠償を求めた訴訟で和解が成立。役員にも賠償責任が認められた。

平成28年2月6日(土曜日)日本経済新聞電子版

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有効求人倍率1.20倍、24年ぶりの高水準2016/01/29

 厚生労働省が29日午前に発表した2015年平均の有効求人倍率は前年比0・11ポイント増の1・20倍で、1991年以来、24年ぶりの高水準となった。
 15年12月の有効求人倍率(季節調整値)は1・27倍で、前月より0・02ポイント上昇した。仕事を探している人より求人数が多い1倍を超えるのは、26か月連続。正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0・01ポイント増の0・80倍で、統計を取り始めた2004年11月以降で最高を更新した。
 一方、総務省が29日午前に発表した労働力調査によると、2015年平均の完全失業率(速報値)は3・4%で、前年より0・2ポイント低下した。5年連続で改善し、18年ぶりの低水準となった。15年12月の完全失業率(季節調整値)は、前月と同じ3・3%。

平成28年1月29日(金曜日)読売新聞電子版

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東京労働局、バス会社を捜索、軽井沢の事故で2016/01/22

 東京労働局は21日、労働基準法違反などの疑いで、長野県軽井沢町でバス事故を起こした会社「イーエスピー」(東京)を家宅捜索した。容疑が固まれば書類送検する。
 イーエスピーによると、同社は残業をさせる際に労基法上必要な労使協定を、運転手に関して結んでいなかった。残業させていれば違法となる。
 高橋美作社長はこれまでの取材に協定がなかったことを「私の知識不足だった」と説明。山本崇人営業部長は21日、運転手の労務管理を問われ「厳密なルールの中で、(運転手の)仕事が収まっていたかどうかというと不安がある」と話した。
 労働局は事故のあった15日にも立ち入り調査をしており、同社に何らかの違反があった疑いが強いとみている。
 労基法は労働時間を1日8時間、週40時間までと規定。これを超えて働かせるには、労働者側と書面で協定を結び、労働基準監督署に届け出なくてはならない。残業代の支払いも必要となる。〔共同〕

平成28年1月21日(木曜日)日本経済新聞電子版

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外国人実習生受け入れ事業所、92%で法令違反ー岐阜労働局2016/01/22

 岐阜労働局は21日、外国人技能実習生を受け入れている岐阜県内の事業所のうち、昨年4〜12月に調査した事業所の92.8%で、賃金不払いや長時間労働の法令違反があったと発表した。過去最悪の水準で、事業主が虚偽説明や帳簿の改ざんをするなど隠蔽の手口も巧妙化しているという。
 同日、岐阜市で開いた技能実習生受け入れ適正化推進会議で報告した。監督指導した83事業所のうち77事業所で、労働基準法や最低賃金法などの違反があった。違反の内訳は労働安全衛生法が43.4%で最も多く、法定割増賃金の不払い41.0%、長時間労働37.3%と続く。昨年は悪質な6事業者を書類送検した。
 岐阜県内の技能実習生は昨年10月末時点で8355人。愛知県の1万6273人に次いで全国で2番目に多い。

平成28年1月22日(金曜日)日本経済新聞電子版

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厚生年金未加入200万人、79万事業所調査へ2016/01/14

 塩崎厚生労働相は13日の衆院予算委員会で、厚生年金に加入する資格があるのに未加入になっている人が約200万人に上るとの推計を明らかにした。
 塩崎氏は「(本来は)厚生年金に入れるのに国民年金であるならば大変な問題だ」と述べた。
 未加入者の年代別内訳は、20歳代71万人、30歳代52万人、40歳代44万人、50歳代35万人。厚生労働省が2014年10月から15年3月にかけて、自営業者や学生ら国民年金加入者約1805万4000人から抽出調査した結果をもとに推計した。厚労省によると、厚生年金の加入者は14年度末で3599万人いる。
 厚生年金は、国民年金よりも受け取る年金が多くなるが、従業員と企業側が折半して保険料を納める必要がある。未加入者問題の背景には、企業が厚生年金保険料の負担を避けるために加入逃れをしているケースが多いとみられている。
 厚労省は、厚生年金が適用される可能性がある約79万事業所を調べる方針だ。

平成28年1月14日(木曜日)読売新聞電子版

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「パワハラで自殺」職員遺族と岐阜県が和解2016/01/11

 3年前、岐阜県職員の30代の男性が自殺したのは、上司によるパワーハラスメントや長時間労働などが原因だったと遺族が訴えた裁判で、岐阜県が遺族に9600万円を支払うことで和解が成立しました。
 3年前の平成25年1月、岐阜県の職員だった当時30代の男性が自殺し、上司から厳しいことばで叱責されるといったパワーハラスメントのほか、毎月の残業が4か月連続で100時間を超えた長時間労働などが自殺の原因だったとして、男性の妻と娘が岐阜県に対し損害賠償を求めていました。
 おととし9月に、上司による不適切な発言や長時間労働と自殺との間に因果関係があるとして公務災害と認定されたことから、和解に向けた協議が進められ、その結果、岐阜県が9600万円を遺族に支払うことで、8日に和解が成立しました。
 これを受けて遺族側が記者会見し、岩井羊一弁護士は、「県の責任が認められたもので、十分に評価できる」と話しました。また、職員の妻は「和解が成立しても夫は戻ってこず、県には謝罪をしてほしかった。2度と同じ事が起きないよう職場の環境改善を改めて考えてほしい」と話しました。
 岐阜県の古田肇知事は、「亡くなられた職員とご遺族に改めて哀悼の意をささげます。再発防止策を含め、これまで以上に労務管理などに取り組んでいきます」というコメントを出しました。

平成28年1月8日(金曜日)NHK NEWSWEB

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マタハラ防止を企業に義務付け、就業規則や相談窓口2016/01/11

 政府は、働く女性らが妊娠や出産を理由に不利益を被るマタニティーハラスメント(マタハラ)の防止策を企業に義務付ける。就業規則で禁じたり、相談窓口の設置や社員研修の実施などを求めたりする。派遣社員も防止策の対象とし、違反した企業名の公表も盛り込む。今国会で関連法を改正し、2017年4月からの実施を目指す。
 男女雇用機会均等法と育児・介護休業法の改正案を今国会に提出する。マタハラ対策の強化は、安倍政権が掲げる一億総活躍社会の実現に向けた政策の一環。働く女性が妊娠や出産をしやすい労働環境をつくり、出生率1.8の実現につなげたい考えだ。
 産休や育休をとる人に対する職場の上司や同僚の言動による嫌がらせを防ぐ措置を企業に義務付ける。どのような言動がマタハラにあたるかは厚生労働省令で詳細を定めるが、上司や同僚による「迷惑だ」などの嫌がらせ発言が対象となる。
 現行法でも妊娠や出産を理由に解雇や降格などの不利益を与えることは禁じている。だが上司や同僚の言動で休みを取りづらい雰囲気が作り出されている実態には対応できていないと判断した。
 男女雇用機会均等法は上司や同僚の言動によるセクハラ(性的嫌がらせ)防止措置を企業に義務付けているが、マタハラは対象外。15年に厚生労働省が実施した実態調査では上司などからの「迷惑だ」「辞めたら」など嫌がらせ発言による被害が最も多く、妊娠・出産を経験した派遣社員の48%が被害にあっていた。
 マタハラを経験した派遣社員の27%が派遣先から「妊娠を理由とした契約打ち切りや労働者の交代」を受けたと答えた。
 マタハラを巡っては、14年10月に妊娠による降格が男女雇用機会均等法に違反するという最高裁判決が出た。東北電力がマタハラ防止の社員研修を実施するなど企業の取り組みも始まっている。
 政府は昨年11月に発表した一億総活躍社会実現への緊急対策で「妊娠、出産などを理由とする不利益取り扱いを防止するため法制度を含め対応を検討する」と盛り込んだ。

平成28年1月11日(月曜日)日本経済新聞電子版

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自治体手続きに個人番号記入、マイナンバー制度開始2016/01/05

 マイナンバー制度の開始に伴い、生活保護の申請や国民健康保険の加入など、地方自治体の窓口手続きの一部で4日、12桁の個人番号の記入が必要になった。マイナンバーは個人情報を番号で管理し、公平な税の徴収や社会保障を実現するのが目的。情報流出などの懸念も残る中、実質的な運用が始まった。
 東京都武蔵野市保険課の窓口では、職員がマイナンバーのチラシを示して来庁者に説明した。無職の男性(74)は通知カードを手に「番号が必要と聞いていたので準備してきた。記入した書類は慎重に管理してほしい」と要望した。
 番号が分からないまま窓口を訪れた人もいたが、同課は申請を受理。職員が庁内システムで番号を確認する。担当者は「浸透に時間がかかるかもしれないが、しっかり対応する」と話した。
 他の自治体でも通知カードを忘れた来庁者が散見された。番号を記入する新たな書式の申請書が間に合わなかった市役所もあった。
 高市早苗総務相は4日の記者会見で「国民の利便性向上、行政の効率化、公平公正な社会の実現に資するよう尽力する」と述べた。来年7月以降、自治体間や国との連携が始まれば、専用ネットワークで照会できるようになり、申請時に提出書類が減るといったメリットが出てくるという。
 企業では個人番号を源泉徴収票に記載する必要があるため、従業員やその扶養家族、パート、アルバイトの番号の収集作業が本格化。顔写真付きで身分証にも使える「個人番号カード」も近く希望者への交付が始まる。

平成28年1月4日(月曜日)日本経済新聞電子版

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「職場いじめでうつに」 保育園に賠償請求2016/01/02

 職場でのいじめや嫌がらせにより精神疾患を発症したとして、大分市内の女性2人が働いていた小中島保育園(同市)に休業損害や治療費など計約2910万円の支払いなどを求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、大分地裁(後藤慶一郎裁判長)であった。保育園側は請求の棄却を求めた。
 訴状によると、2人は給食担当の職員として勤務。保育士らに対する給食の提供などをめぐり、原告らは元園長や保育士と意見が対立。2008年11月ごろから、意見交換会での糾弾や無視などのいじめに遭い、いずれもその後うつ病と診断された。
 原告の女性(50)は、09年12月から休職し、現在も入院中。13年7月に労災認定されたため、労災によって認められた休業補償などを除く約1370万円の支払いを求めている。もう1人の原告女性(56)は10年10月から断続的に休職し約1540万円を賠償請求。12年12月に退職発令を受けたが「精神疾患は業務が原因であり発令は無効」として、現在も職員であることの地位確認も求めている。
 原告の代理人弁護士は「大人ならではの、いじめのつらさもある。職場は生活の基盤であり、簡単に退職することもできず、責任感の強い人ほど追い込まれがち。職場にはいじめを予防し、いじめを把握した場合は改善のため対処する責任がある」としている。
 労災認定された原告女性は「うつ病は本当につらい病気。二度とこのようなことが起きないようにしてほしい」と訴えている。
 保育園側の代理人弁護士は「訴訟の中で具体的な主張をしていきたい」としている。

平成27年12月26日(土曜日)大分合同新聞電子版

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