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ほっともっと元店長、地裁が残業代支払い命令2017/02/19

 弁当店「ほっともっと」店長は権限や裁量のない「名ばかり管理職」で、残業代が支払われなかったのは違法だとして、元店長の30代女性が運営会社「プレナス」(福岡市)に未払い賃金など511万円と懲罰的付加金約200万円の支払いを求めた訴訟の判決が17日、静岡地裁であった。関口剛弘裁判長は原告の請求を認め、約160万円の支払いを命じた。
 関口裁判長は判決理由で、元店長について「勤務実態や権限から、管理監督者に当たるとはいえない」と判断した。
 労働基準法は、給与などで相応の待遇を受ける「管理監督者」は残業代の支給対象外と規定。人件費抑制の抜け穴とされ、労働基準監督署が監視を強めている。訴訟では元店長が管理監督者に該当するかが争点だった。
 運営会社は「店長は経営に責任を持つ管理監督者」と主張したが、関口裁判長は「アルバイト採用などで限定的な権限しかなく、店舗運営は本社のマニュアルに従っていた」と指摘。労働時間についても「自由裁量で決めることができたとまではいえない」と述べた。
 また原告の年収は320万円ほどで、同社の管理監督者以外の平均年収と大差がないとして「高い待遇を受けていたとは認められない」と認定。これらのことから「店長は管理監督者とする」と定めた就業規則は労基法に反し、無効と指摘した。
 一方、過労で体調を崩したとして原告側が求めていた損害賠償は「法定外労働は40〜70時間程度で、著しく多かったわけではない」と退けた。
 元店長の女性は記者会見し「悔しさを晴らせた。同じ境遇の人に勇気を与えたい」と語った。プレナスは「判決文が届いておらずコメントは差し控える」としている。
 判決によると女性は2012年7月に入社。同11月に静岡県内の店長となった。13年9月から休職し14年10月に退職した。〔共同〕

平成29年2月17日(金曜日)日本経済新聞電子版

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西濃運輸「パワハラ」2600万円支払いで和解2017/02/15

 トラック運送大手・西濃運輸(岐阜県大垣市)の元従業員の男性(51)が上司のパワーハラスメントや長時間労働でうつ病を発症したとして、同社と上司2人に約1億円の損害賠償を求めた訴訟があり、大阪地裁で和解が成立した。
 10日付。同社と上司が解決金として2600万円を支払う。
 訴状によると、摂津支店(大阪府)でトラック運転手をしていた男性は、月100時間を超える時間外労働を強いられたほか、2011年6月には、当て逃げ事故を起こしたとして上司から職場の草むしりを命じられ、その直後にうつ病を発症。男性は12年6月に労災認定を受けた。
 和解条項では、男性が当て逃げ事故を否定したにもかかわらず、十分に確認しないまま、草むしりを命じたことなどを上司2人が謝罪。同社も、長時間労働によって、うつ病を発症させた責任を認めた。
 西濃運輸は「同様の事例が起きないよう社員教育を一層強化する」としている。

平成29年2月14日(火曜日)読売新聞電子版

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労災の東北大助手の自殺、民事訴訟では請求棄却2017/02/15

 東北大の助手だった阿部幸平さん=当時(24)=が平成19年に自殺したのは、長時間労働や教授のパワーハラスメントが原因として、東京都北区の両親が東北大に約1億円の損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は14日、請求を棄却した。
 判決理由で高宮健二裁判長は「助手の日常業務は、自殺に至らしめる精神的負担を与えるほどではなかった。教授のパワハラも認められない」と指摘した。原告側は、時間外労働が100時間を超える月もあったと主張したが、判決は「長時間労働を客観的に裏付ける証拠はない」と退けた。
 判決によると阿部さんは19年6月、東北大病院薬剤部の助手になり、抗がん剤の研究をしていた同12月、病院の研究室から飛び降り自殺した。宮城労働局は24年3月、阿部さんに鬱病や長時間労働があったとして労災認定している。
 原告で父親の幸秀さん(61)は判決後「国の労災認定と司法の判断が食い違っている」として控訴の意向を示した。

平成29年2月14日(火曜日)産経ニュース

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パナソニック工場で過労死、福井、下請け従業員2017/02/11

 福井市のパナソニック森田工場に勤めていた男性が過労死と労災認定され、遺族代理人の海道宏実弁護士が9日、同市内で記者会見し、死亡する前の2カ月間、過労死ラインとされる月80時間ほどの時間外労働が続いていたと明らかにした。
 男性はパナソニックの2次下請け会社「アイエヌジー」(福井県あわら市)の契約社員の上田浩志さん(当時46)。深夜勤務後の2015年10月、くも膜下出血により死亡した。福井労働基準監督署は長時間労働による過労が原因とし、今年1月31日付で労災認定した。
 工場で上田さんは電子部品の加工を担当。午後11時から午前7時15分までの深夜勤務が固定化しており、15年3月から週の半分は2〜4時間早く出社していたという。
 パナソニックは「雇用関係がないのでコメントは差し控える」とし、アイエヌジーは「担当者がいないのでコメントできない」としている。
 上田さんの兄は「弟を突然亡くし、後を追うように父が他界した。仕事のせいで過労死することが絶対にあってはいけない」とのコメントを出した。〔共同〕

平成29年2月10日(金曜日)日本経済新聞電子版

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HIS、違法残業の疑いで書類送検へ=東京労働局2017/02/01

 旅行会社大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が、東京都内の複数の店舗で従業員に労使協定の上限を超える残業をさせたとして、東京労働局は31日、労働基準法違反の疑いで法人としての同社と労務管理をしていた複数の幹部社員を近く書類送検する方針を固めた。
 厚生労働省が2015年4月に東京と大阪の両労働局に設置した「過重労働撲滅特別対策班」(通称かとく)が昨年夏、同社に対して強制捜査に入った。押収した労務関係資料を分析するなどした結果、都内の複数の店舗で違法に残業をさせた疑いが強まったという。
 関係者によると、同社は過去に違法な残業を従業員にさせたとして、複数回の是正勧告を受けているという。是正勧告を受けながらも改善がみられないことから、東京労働局は法人としての同社に加え、労務管理担当の複数の幹部社員も書類送検する方針を固めた。
 エイチ・アイ・エスのウェブサイトによると、同社は1980年に設立。グループ全体の従業員は約1万4千人。
 労基法は労働時間を1日8時間、週40時間までと規定。これを超えて労働者を働かせるためには残業の上限時間を定めた労使協定(三六協定)を結ぶ必要がある。協定を結ばずに残業させたり、協定した時間を超えて残業させたりした場合は違法となり、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象となる。

平成29年1月31日(火曜日)日本経済新聞電子版

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病欠のバイトから「罰金」、セブンが返金を指示2017/02/01

 コンビニエンスストア「セブン―イレブン」の東京都武蔵野市内にある加盟店が、風邪で欠勤したアルバイトの女子高校生(16)から、9350円の「罰金」を受け取っていたことが31日、わかった。
 セブン―イレブン・ジャパンは「理由が不適切な上、減給額が労働基準法に違反している」として、全額返金するよう加盟店に指示した。
 親会社のセブン&アイ・ホールディングスによると、高校生は昨年12月〜今年1月、5日間(25時間)勤務し、2日間(10時間)は風邪で欠勤。給与明細には、働いた25時間分のバイト代2万3375円が記載されていたが、加盟店のオーナーは「代わりのバイトを探さなかったペナルティー」として、欠勤した10時間分の賃金に相当する9350円を差し引いたという。
 高校生の保護者からの通報を受け、事実関係を調べたところ、減給額は労基法が定める上限額を超えていたほか、減給の理由も不適切と判断した。同社広報センターは「加盟店の法令順守を徹底する」と話した。

平成29年2月1日(水曜日)読売新聞電子版

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ミスド店長過労死、経営の菓子会社に賠償命令2017/01/31

 ドーナツチェーン「ミスタードーナツ」の三重県内のフランチャイズ店で店長だった男性(当時50歳)が死亡したのは長時間労働が原因だとして、遺族が店を経営する菓子製造会社「竹屋」(三重県四日市市)と社長らを相手取り、約9500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、津地裁であった。
 岡田治裁判長は「長時間労働により心身に負荷がかかったことが主たる原因と認められる」と述べ、竹屋側に約4600万円の支払いを命じた。
 判決によると、男性は1986年、竹屋に入社。2011年7月から三重県内の2店の店長と、9店の店長不在時の代理業務などで長時間労働が続き、12年5月、出勤途中に致死性不整脈で死亡した。四日市労働基準監督署からは、13年に過労死と認定された。
 判決は、男性が少なくとも約5か月間、月平均120時間以上の時間外労働を続けていたと指摘。「労働時間が長期にわたり、長時間に及んでいるのに、上司は改善策を講じなかった」と竹屋の安全配慮義務違反を認めた。死亡する1か月前に業務時間が短縮されたことなどを考慮し、賠償額は減額した。
 男性の妻(52)は判決後、弁護士を通じて「会社には労務管理を徹底し、二度と同じようなことを起こさないでほしい」とコメントした。
 竹屋管理本部の真弓浩一部長は「判決を真摯に受け止める。社を挙げて労働環境の改善に努め、今後については弁護士と協議の上、対応したい」としている。

平成29年1月30日(月曜日)読売新聞電子版

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残業100時間超は産業医に報告、厚労省、企業に義務化2017/01/26

 厚生労働省は過労死や過労自殺を防ぐため、産業医の権限を拡大する。企業に対し、月100時間を超え残業している従業員を産業医に報告することなどを義務化。産業医が問題の多い職場を重点的に見回り、企業に是正を求めやすくする。今年度中に省令を改正、6月から運用を始める方針だ。
 電通や三菱電機を労働基準法違反容疑で書類送検するなど、同省は過重労働への監視を強めている。長時間労働などについての報告義務付けを通じ、企業が働き方を見直す効果も見込む。
 従業員50人以上の事業所は産業医を選任しなければならない。産業医は健康診断や面接指導を担い、職場を月1回は見回るよう定められている。
 企業に月100時間超の残業がある従業員の産業医への報告を義務化。健康診断で異常が見つかった従業員についても、月の残業時間や夜勤回数など産業医が求める情報を提供させる。
 産業医はこうした従業員が複数いる職場などの見回りを強化。把握できる情報が増え、労働時間の短縮や職場変更も提案しやすくなる。
 同省は産業医だけでなく、看護師や衛生管理者などとのチームでこうした取り組みを進める必要があるとみている。今後、企業の先行事例を収集し、ガイドライン作成を検討する。

平成29年1月25日(水曜日)日本経済新聞電子版

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違法残業、4割超で確認、厚労省が1万事業所調査2017/01/18

 厚生労働省は17日、2016年4〜9月に長時間労働が疑われる1万59事業所を立ち入り調査した結果、43.9%の4416カ所で労使協定を上回るなど違法な残業を確認したと発表した。従業員に労働時間を過少申告させるなど、1割超の事業所は労働時間の管理が不適切だった。
 同省によると、4416カ所の事業所では労使協定の上限を超えた残業・休日出勤や、協定を結んでいない残業が確認され、是正勧告した。うち月80時間を超す残業があったのは3450カ所(34.3%)で、月100時間超も2419カ所(24.0%)に上った。過重労働がなくならない実態が改めて浮かんだ。
 同省の労働基準監督署が立ち入り調査したのは、残業が月80時間超の従業員がいるとされた事業所。16年4月に重点監督対象を従来の月100時間超の残業から同80時間超に引き下げたため、対象事業所は前年同期(4861カ所)に比べ約2倍となった。
 また労基署が残業代を適切に支払っていないとして是正勧告をしたのは637カ所(6.3%)。月100時間超の残業をさせている従業員に、医師との面談を受けさせていないといった労働安全衛生法違反を確認したのは1043カ所(10.4%)だった。
 労働時間の管理が不適切な事業所もあった。労働時間を過少申告するよう上司が指示したり、タイムカードの打刻後も働かせたりするなど、労基署が不適切と判断したのは1189カ所(11.8%)。従業員の申告と入退館記録の食い違いが大きいとして、469カ所(4.7%)が実態調査を命じられた。
 違法残業を巡っては、労使協定を超える残業をさせていたとして電通や三菱電機が労働基準法違反容疑で書類送検された。厚労省は昨年末、是正勧告した企業名の公表基準について、月100時間超の事業所が年間3カ所で確認された場合から、月80時間超・2カ所に厳格化するなど緊急対策を公表している。

平成29年1月18日(水曜日)日本経済新聞電子版

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労災事故を虚偽報告、和歌山市の染色会社を書類送検2017/01/16

 労災事故を虚偽報告したなどとして、和歌山労働基準監督署は6日、労働安全衛生法違反容疑で、和歌山市加納の染色会社と総務事務担当者の男性(59)ら2人を書類送検した。
 送検容疑は、平成28年7月、同社の工場内で無資格者が運転するフォークリフトと男性従業員が衝突し、従業員が左足などを骨折する重傷を負う事故が発生したにもかかわらず、同年9月に同署に提出した事故報告書には「従業員が自分で押していた台車に足をひかれ、負傷した」と記載したなどとしている。
 事故後、同署に匿名の情報提供が寄せられており、虚偽報告と判明。総務事務担当者は「無資格運転を隠蔽するためだった」と話しているという。

平成29年1月7日(土曜日)産経ニュース

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年金、来年度は0.1%減…3年ぶり減額2017/01/16

 2017年度の公的年金の支給額が、16年度から0・1%引き下げられる見通しとなった。
 国民年金(基礎年金)は満額で月額6万4941円(16年度比67円減)、厚生年金は会社員だった夫と専業主婦のモデル世帯で月22万1279円(同225円減)となる。16年の物価下落が影響した。17年4月分(受け取りは6月)から引き下げられる。
 年金額は賃金や物価の変動率に応じて毎年度改定され、引き下げとなれば14年度以来、3年ぶりとなる。厚生労働省は今月下旬に17年度の年金支給額を確定する。賃金や物価が上昇した場合に年金の支給額を抑制する「マクロ経済スライド」は、17年度は発動されないことになった。
 先の臨時国会で成立した年金改革関連法に基づく新たな改定ルールは、21年度に導入されるため、今回の引き下げには影響しない。

平成29年1月15日(日曜日)読売新聞電子版

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国民年金2年分前払い、カード・現金で可能に2017/01/15

 厚生労働省は4月から国民年金の保険料を2年分前払いする時にクレジットカードや現金を使えるようにする。これまでは口座振り替えのみだった。現金やクレジットカードで前納すれば、毎月納付するのに比べ2年間で約1万5000円割り引く。前納の利便性を高めて、納付率の向上につなげる。
 国民年金を2年前納できる制度は2014年に始まった。16年4月時点で前納した場合の保険料は37万7310円で、毎月払うよりも1万5690円割り引かれた。
 現金やクレジットカードで前納するには年金事務所で申し込みしなければならない。今月20日から受け付けを始める。
 国民年金の被保険者が納めるべき保険料のうち実際に支払われた割合を示す15年度の納付率は63.4%だった。90年代前半までは80%を超えており低い水準が続いている。

平成29年1月14日(土曜日)日本経済新聞電子版

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違法残業、ホワイトカラー捜査対象、三菱電機を書類送検2017/01/12

 厚生労働省神奈川労働局は11日、三菱電機の研究所に所属していた新入男性社員に違法な残業をさせたとして、労働基準法違反容疑で同社と当時の上司を書類送検した。従来の同種事件は工場従業員や販売店員らが主な対象だったが、昨年末に書類送検された電通に続く立件は、政府の働き方改革の方針を背景に大手企業のホワイトカラーに捜査対象を広げる厚労省の姿勢を映している。
 三菱電機の男性社員(31、昨年6月に解雇)は2013年4月に入社。神奈川県鎌倉市の同社研究所で部品開発などに携わっていた。
 書類送検容疑は14年1〜2月、労働組合との協定で定めた上限の月60時間を超える78時間9分の残業を男性にさせた疑い。同社は送検を受け「真摯に受け止める。あらためて適切な労働時間管理を徹底する」としている。男性は100時間以上残業した月もあり、これが原因で精神疾患を発症したとして16年11月に労災認定を受けていた。
 「研究所の従業員の案件で送検するのは初めて聞いた」。ベテラン労働基準監督官は驚く。
 過労などによる精神疾患の労災申請は増え、15年度は過去最多の1515件。事務職が362件で最も多く、次いで専門・技術職の325件。厚労省幹部は「月100時間以上の残業が横行しているのはホワイトカラー職場だ」とみている。
 労働局の監督指導や捜査の中心はこれまで、建設作業員や工場労働者、販売店員といったブルーカラーの色彩が濃い職場が中心。長時間労働などが原因で事故が起きると労働者の死亡やけがにつながりかねないからだ。
 ただ、建設現場などでの労働災害による死者は減っている。労働局に人的余力が生まれたこともホワイトカラー職場への監視につながっている。
 大内伸哉・神戸大教授(労働法)は「労使で合意すれば事実上『青天井』で残業が可能な現行制度を見直し、決して超えてはならない上限を設けるべきだ」と指摘する。
 一方で「現行制度を厳格に守ると、自ら自由に労働時間を設計し、創造的な成果を出していく人が働きにくくなり、企業の業績が落ち込むことも考えられる」とも説明。「長時間労働自体が悪なのではない。無意味な労働を省き、仕事に打ち込むことが大事だ」と話す。

平成29年1月11日(水曜日)日本経済新聞電子版

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長時間労働の是正、企業の7割超「最優先課題」2017/01/10

 上場企業301社の7割超が、長時間労働の是正を働き方改革の最優先課題としていることが、日本経済新聞社と日経リサーチの調査でわかった。労働時間でなく成果で賃金を決める「脱時間給制度」の導入を政府に求める意見も5割近くあり、働く時間の再設計をどう収益力につなげるかで企業は知恵を絞る。同時に実施した正社員の意識調査では、賃上げを求める声が目立った。
 上場企業301社に自社で取り組む働き方改革の優先課題を聞いたところ、73%が「長時間労働の是正」を挙げた。「女性の活用」(67%)、「子育てや介護などと仕事の両立支援」(65%)が続き、「賃金引き上げ」は14%にとどまった。
 労働時間のあり方について複数回答で聞くと、84%が「所定労働時間内の密度を高め、残業時間を短くする」を選んだ。「短時間勤務の導入」は36%、「フレックスタイム導入などで自由度を高める」は28%。政府は労働時間に上限規制を設ける方向だが、企業は規制強化だけでなく、多様な働き方を認めないと生産性も上がらないとみる。
 上場企業の回答をみると、賃上げや副業、非正規雇用の処遇改善といった課題への関心は総じて低い。どれも政府が緊急性の高い課題と位置づけているのと対照的だ。政府が昨年末にガイドライン案を示した「同一労働同一賃金」の導入にも企業は慎重。働く人の意識ともやや食い違う。
 政府に期待する政策を複数回答で挙げてもらうと、「脱時間給」が48%で最多だった。配偶者控除見直しなど「税や社会保障の制度見直し」が47%で続き、「解雇規制の緩和」も39%と高かった。いずれも政府の検討が進まず、企業も不満を募らせているとみられる。
 働き方改革は一時的に企業の負担を増やす面もあるが、回答企業の7割が改革は「経営にプラス」と答えた。「人材採用で有利」「従業員の効率的な働き方が企業の生産性を高める」といった意見が出ており、働きやすい環境を整えることが優秀な人材の確保に直結するというのが企業の共通認識になりつつある。
 一方、正社員の意識調査では、仕事で力を発揮する条件を尋ねた(複数回答)。上位は「安定した給与」(38%)と「人員の適切な配置」(37%)。給与水準の低下を警戒し、転職や離職にも慎重な姿勢が伺える。
 政府の働き方改革実現会議への期待を複数回答で聞いたところ、上場企業では「社会保障など女性や若者が活躍しやすい環境整備」(55%)がトップだったのに対し、正社員では「賃金引き上げ」(42%)が最多。政府への期待でも微妙な違いが浮かんでいる。

平成29年1月10日(火曜日)日本経済新聞電子版

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雇用、4年で250万人増、子育て女性働きやすく2017/01/08

 緩やかな景気回復の下で、雇用者数が伸びている。2016年11月時点で5733万人となり、直近4年で250万人増えた。特に女性が目立ち、出産や子育てのためにいったん仕事を離れる「M字カーブ」は解消されつつある。男女ともに60代以上の労働参加率も高まった。人口は減り始めており、働く意欲のある女性や高齢者を支える環境整備が課題になる。
 雇用者数は安倍政権が発足し、景気回復期にも入った12年12月以降、右肩上がりで伸びている。12年12月と16年11月を比べると、250万人増えた。内訳は男性が約80万人、女性が170万人で、女性の増加が大きな要因であることがわかる。
 40〜59歳の女性が4年間で約130万人増えており、全体をけん引した。それだけでなく、出産や子育てをすることの多い25〜39歳でも働く人の比率が高まっている。
 育児休暇を取得して職場復帰する女性が増えている。保育所に子どもを預けることができない待機児童問題は解消されていないが、国が保育所の定員を拡大したことが影響した。収入面から夫妻がともに働かなければならない世帯もあるが、00年と比べるとM字カーブは解消に向かっている。
 もう一つの要因が60代以上の働き手。男女ともに年金の支給開始年齢を65歳に引き上げ始めており、60歳以上で働く人が増加している。たとえば60〜64歳の男性の労働力率は8割に迫り、65〜69歳も5割を超えている。人数でみると、65歳以上の雇用者は4年間で男性が100万人近く増え、女性も60万人増えた。
 日本の人口は08年をピークに、15年は0.8%減の1億2700万人まで減少している。特に15〜64歳はピーク時の1990年代半ばは8700万人いた。15年は1000万人少ない7700万人まで減少している。現役世代の減少を、高齢者の労働力で補っている構図が浮かび上がる。
 失業者も含め働く意思を持った労働力人口でみると、15年は約6598万人と08年の6674万人に迫る勢いだ。
 現役世代の減少が流通業を中心に人手不足につながり、失業率の低下や有効求人倍率の上昇につながっている。当面は人手不足が続くとみられるが、男性の高齢者の労働参加率は既に相当高い。余地が大きいのは女性高齢者だ。女性は60〜64歳の労働力率が5割、65〜69歳は3割にとどまっている。
 企業はパート時給を引き上げたりして人材確保に躍起になっているが、高齢者が働きやすい短時間勤務の制度などを整えていくことが必要になる。高齢者の就労が進めば、年金の一段の支給開始年齢の引き上げなど社会保障制度の見直しも焦点になる。

平成29年1月8日(日曜日)日本経済新聞電子版

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トラック運転手「1日20時間労働」で鬱病、労災認定2017/01/02

 明豊物流(東京都町田市)に勤めていたトラック運転手の女性(41)が、長時間労働で鬱病を発症し、八王子労働基準監督署町田支署が労災認定していたことが27日、分かった。認定は19日付。
 女性と代理人の弁護士らが27日、厚生労働省内で記者会見した。女性は「せめて奴隷ではなく人間として働きたいと思った。人間らしく働ける会社になるべきだ」と話した。
 女性は平成21年3月に入社し、4トントラックでの配送を担当。荷量が多く渋滞も多いコースを走り、1日20時間働くこともあった。休憩時間も取れず、食事も運転しながら食べることがほとんどだったという。
 26年末ごろに運転中にめまいや動(どう)悸(き)が激しくなり、鬱病を発症した。休業中の27年7月に解雇され、今年4月に労災申請していた。
 明豊物流は「コメントはない」としている。

平成28年12月27日(火曜日)産経ニュース

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