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年金改革法が成立、パートらへの適用拡大へ2020/05/31

 パートら短時間労働者への厚生年金の適用拡大を柱とする年金制度改革関連法は29日の参院本会議で、与党や立憲民主党などの賛成多数により可決、成立した。パート労働者らが将来受け取る年金額の底上げを図るとともに、制度の支え手を増やす狙いがある。関連法には高齢者就労を促す政策も盛り込まれており、少子高齢化を反映させた制度変更となる。
 パートら短時間で働く人は現在、従業員501人以上の企業で週20時間以上働くことなどが加入要件となっている。これらのうち企業規模要件を令和4年10月に「101人以上」、6年10月に「51人以上」に2段階で引き上げる。政府の試算では51人以上の企業が対象になると、新たに65万人が加入することになる。
 公的年金の受け取り開始時期については65歳が基本で、現在、60〜70歳までの間で選べる。高齢者の就労意欲を促すため、上限を75歳まで引き上げる。65歳に受け取りを開始する人に比べ、75歳からだと毎月の年金額が84%増える。4年4月から開始する。
 一定以上の収入がある高齢者の厚生年金を減らす「在職老齢年金」について、就労意欲を損なっているとの指摘があることを踏まえ、見直す。60代前半の減額基準を現行の「月収28万円超」から、4年4月に65歳以上と同じ「月収47万円超」にする。

令和2年5月29日(金曜日)産経新聞電子版

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中日新聞社に是正勧告、記者の年休取得巡り2020/05/17

 中日新聞社が女性記者(48)と雇用契約を結ばずに個人事業主扱いとし、年次有給休暇の取得を認めなかったとして、中央労働基準監督署(東京)が労働基準法に基づき同社に是正勧告したことが15日、分かった。新聞労連と東京新聞労働組合が明らかにした。
 中日新聞社は大塚浩雄・東京中日総局次長名で「既に解決済みで、特にコメントはない」との談話を出した。
 新聞労連などによると、女性は1999年から「東京中日スポーツ」で芸能担当の記者として働いてきた。女性は昨年8月に東京新聞労組に加入。労組は雇用契約を結ぶよう求めたが、中日新聞社は「業務委託に当たる」と主張。女性は今年2月に年休を1日取得しようとしたが認められず、労組が労基署に申告した。
 同社はその後、年休を認め1日分の賃金を支払った。女性は6月から限定正社員として雇用契約を結ぶことになった。〔共同〕

令和2年5月16日(土曜日)日本経済新聞電子版

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新型コロナで初の労災認定、医療とサービスの2件2020/05/16

 加藤勝信厚生労働相は15日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスに感染した労働者について、14日までに労災申請のあった39件のうち、これまで2件を認定、労災保険の給付を決定したと明らかにした。新型コロナを巡っての労災認定が明らかになるのは初めて。医療従事者らから速やかな認定を求める声が強まっていた。
 厚労省によると、1件は医療従事者で、もう1件は理容室や美容室、旅行業などの生活関連サービス業従事者。3〜4月に申請があり、労働基準監督署が調査していた。
 加藤厚労相は「患者の治療、看護などに当たっている人に安心感を持ってもらう意味で、労災保険がセーフティーネットの役割を果たすことが重要だ」と述べ、日本医師会などに対し、医師や看護師など医療従事者が感染した場合には労災申請を勧めるよう協力要請したことも明らかにした。
 厚労省は4月28日、全国の労働局に宛てた通達で医療、介護の従事者は業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則として労災保険の給付対象となると明記。
 またスーパーの店員、バスやタクシーの運転手、保育士など「顧客との近接や接触機会が多い職場」は感染リスクが高いとし、柔軟に対応する方針を示していた。
 労災保険は、雇用された労働者が仕事中や通勤中にけがをしたり、仕事に起因する病気になったりした際に補償する制度。対象には新型コロナなどの感染症も含まれ、業務との因果関係が認められると、労災保険法に基づき療養費用や休業補償、障害年金などが支払われる。
〔共同〕

令和2年5月15日(金曜日)日本経済新聞電子版

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雇調金の上限、1.5万円に=政府・与党が方針2020/05/13

 政府・与党は雇用を維持した企業に休業手当を助成する「雇用調整助成金」の上限を日額8330円から1万5千円程度に引き上げる見通しだ。新型コロナウイルスの感染拡大で休業を余儀なくされた企業の負担を減らし、雇用維持につなげる。
 安倍晋三首相は11日の参院予算委員会で「上限額見直しや一般会計からの支援も早急に具体化したい」と述べた。財源は雇用保険に加え、今国会で編成する2020年度第2次補正予算案からまかなう見通しだ。
 首相は「英国にほぼ匹敵する額になる。世界で最も高いレベルになっていく」とも強調した。自民党の岸田文雄政調会長は新型コロナで休業補償を新設した英国並みの1万5千円への引き上げを提案している。
 雇調金を巡っては政府が新型コロナ対応として制度改正を進める。4月1日から6月30日までを緊急対応期間と位置付け、助成率の引き上げなどを講じた。休業要請に応じた中小企業が平均賃金の100%の水準の休業手当を支払う場合は国が全額を補助する。
 申請手続きも簡素化した。書類に記載する項目を73から38に半減し、休業計画届の提出も不要とする。申請から支給までの期間は約2カ月から最短2週間に縮めた。オンライン申請も認め、使い勝手をよくする。

令和2年5月12日(火曜日)日本経済新聞電子版

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休業者に「失業手当」、コロナで特例、個人申請で迅速に2020/05/08

 厚生労働省は新型コロナウイルスの影響で休業を余儀なくされている人を対象に、失業した場合と同じ手当を支給する特例措置の検討に入った。企業が従業員に休業手当を払うために申請する雇用調整助成金は、複雑な手続きが壁となり利用が伸びていない。従業員が自ら申請する失業手当で早く受けとれるようにし、生活費の不足を防ぐ。
 東日本大震災の際に被災地で導入した「みなし失業」と呼ぶ仕組みを使う。失業手当は通常、事業再開後に再び働く予定の人は受け取れないが、特例で受給を認める。
 失業手当の関連法の改正案を早期に国会に提出し、法案が成立すれば5〜6月にも支給を始める見通し。失業手当の財源には5兆円規模の残高があるとみられる雇用保険の積立金を活用する。
 失業手当の額は収入や雇用保険料を払っていた年数などで異なり、上限は1日当たり8330円。厚労省は上限額などの引き上げも検討する。
 休業中の従業員の支援策では雇用調整助成金がある。国が企業に助成金を出す制度だが、手続きが煩雑な上、企業はいったん手当の資金を立て替える必要もある。企業が申請をせず、従業員が手当を受け取れないケースが問題になっている。20万件を超える相談に対し申請は5月5日時点で6292件にとどまる。
 みなし失業手当は従業員がハローワークで申請し、国が直接、従業員に支払う仕組みだ。必要な書類は雇用調整助成金より少なく、従業員に早く手当が届きやすい。
 雇用調整助成金は5月中旬にもオンライン申請を始めるほか、上限額の引き上げなども検討している。ただ企業の利用が伸び悩むなか、与野党から追加の対策を求める声があがっていた。
 休業を続ける事業者の中には、事業再開まで時間がかかると判断し、従業員に失業手当を受け取ってもらうために解雇するケースもある。休業中でも失業手当を支給できれば、こうした事態を防いで雇用を維持する効果も見込める。
 企業からみると、雇用調整助成金を国から受け取っても、助成金でカバーされない「持ち出し」の費用が発生するケースが多い。失業手当には企業が負担する費用はないため、雇用調整助成金ではなく、みなし失業を利用する企業が増える可能性がある。

令和2年5月7日(木曜日)日本経済新聞電子版

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雇用調整助成金、手続き簡素化、平均賃金の計算免除2020/05/06

 厚生労働省は6日、雇用調整助成金の申請手続きの一部を簡素化すると発表した。小規模企業には助成額を算定する際の平均賃金の計算を免除し、実際に支払った休業手当で済ませられるようにする。おおむね従業員20人以下の企業が対象だ。
 雇用調整助成金は雇用を維持しながら従業員に休業手当を支払う企業に対し、国が資金支援する。加藤勝信厚労相は6日、平均賃金の計算が申請する際の負担になっているとの認識を示し、来週から新しいルールで受け付ける方針を明らかにした。
 小規模企業より規模の大きい企業にも別途、申請手続きのルールを緩和する。1人当たりの平均賃金を計算する際に、現在は労働保険料の申告書の利用を求めているが、源泉所得税の納付書の代用を認める。
 休業手当を計算するために必要な所定労働日数は、休業実施前の任意の1カ月をもとに算定できるようにする。現行では就業規則などをもとにしなければいけない。

令和2年5月6日(水曜日)日本経済新聞電子版

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雇用調整助成金、オンライン申請可能に=5月中にも2020/04/29

 厚生労働省は企業が支払う休業手当に国が資金支援する雇用調整助成金について、5月中にもオンラインでの申請を認める。申請から支給にかかる時間の目標を従来の1カ月から2週間に短縮する。雇用調整助成金は手続きが煩雑で受給までに時間がかかる課題が指摘されており、厚労省が重い腰をあげた。
 オンライン申請は5月中旬の開始を目指して準備を始めた。インターネット上のフォームに情報を書き込み、必要書類をPDFにして添付する仕組みとする。はんこの代わりに電子署名を認めるかどうかなどの詳細を詰めている。申請書類にある38の記載項目は変わらない見通しだ。
 海外ではドイツでオンライン申請が可能となっており、入金までの時間は15営業日が目安と短い。日本もドイツ並みのスピードを目指す。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、外食・サービス業などの休業が急速に広がっているにもかかわらず、雇用調整助成金の申請と支給が追いつかない状況が続いてきた。厚労省はオンライン申請の実現のめどを2022年度としていたが、支給までの時間を縮める切り札として与党から早期の実現を求める声が上がっていた。
 雇用調整助成金は中小企業への200万円の現金給付や無利子・無担保融資と並び、資金繰り支援の柱だ。自治体の休業要請に応じた中小企業が平均賃金の100%水準の休業手当を支払う場合は、国が全額を補助する。
 手続きが煩雑などの理由により、雇用調整助成金の2月中旬から4月24日までの申請件数は2541件、支給件数は282件にとどまる。厚労省は迅速な支給につなげるため、全国の労働局で担当する職員数を増やす。非常勤職員の採用などを進め、現在約1500人の体制を早期に3900人ほどに増やす。

令和2年4月28日(火曜日)日本経済新聞電子版

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国民年金保険料を減免、新型コロナで収入急減なら2020/04/27

 厚生労働省は国民年金の保険料について、収入が大幅に減少した人を免除や猶予の対象にしやすくする。新型コロナウイルス感染症の影響が広がり、国内に約170万人とされるフリーランスなどで収入が急減するケースが増えているため、基準を緩めて支援する。
 国民年金は自営業者やフリーランス、非正規社員などが加入する。加入者は約1500万人で、2020年度の保険料は月1万6540円。
 どんな人が免除・猶予の対象になるかは現在、2年前の所得で判断している。この場合、新型コロナによる影響を反映できないため、2月以後の月収が急減している人も対象に加える。
 免除や猶予の目安は所得や世帯構成で異なる。単身世帯の場合は、年間の所得に換算して57万円以下なら全額免除、158万円以下で4分の1免除など。5月から申請を受け付ける。
 多様な働き方を求めてフリーランスとして仕事をする人が増えているが、コロナ禍で仕事を引き受ける相手からの発注が途絶え、収入の急減に困る人もいる。約1500万人いるパート・アルバイトも収入が減る人が多く、飲食・サービスなどの個人事業主も厳しい。
 18年度の国民年金の全額免除は205万人、一部免除が40万人だった。
 会社員らが加入する厚生年金も特例が設けられ、延滞金なしで保険料の納付猶予を受けられる。新型コロナの影響で売り上げが20%以上減少するなどした企業が対象だ。

令和2年4月25日(土曜日)日本経済新聞電子版

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休業手当100%国が補助、小規模企業向け雇用調整助成金2020/04/27

 厚生労働省は休業する小規模企業が従業員に支払う休業手当について、賃金と同じ水準を支給する場合は全額を雇用調整助成金で補助する方針だ。休業しても従業員の収入が減らないよう助成率を上げ、小規模企業に雇用維持を促す。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、外食・サービスなどの小規模企業は資金繰りが厳しい。厚労省は雇用調整助成金を通じて、企業に休業手当の一部を助成している。
 企業は休業した場合、従業員に休業手当を支払う必要があり、額は前年度の賃金額の60%以上と定められている。助成金の割合は中小企業の場合で最大9割。残りは自社負担となるため、実際の支給を60%ちょうどにとどめる企業が多い。
 今後は政府や地方自治体の休業要請に応じた小規模企業については、賃金と同じ額の100%の手当を支給すると国が全額を補助する。自社の持ち出しがなくなるため、大半の企業は100%を選択するようになる見込み。従業員の給料は休業前の水準が維持され、生活費が足りなくなる事態を防げる。
 対象の小規模企業は商業・サービスで従業員が5人以下、製造業で20人以下などが該当する。全国で300万社、従業員数は1000万人を超えるとみられる。
 雇用調整助成金は手続きの煩雑さや受給までに1カ月ほどの時間がかかるといった問題があり、申請が伸びていない。2月中旬から4月17日まででの申請は計985社にとどまっている。
 小規模企業に比べて従業員の数が多い中小企業向けも助成を拡充する。60%までの分の助成率は最大9割のままだが、60%を超える分については全額を補助する。小規模企業のように全額補助にはならないが、手当を増額しても自社負担は発生せず、手当増額に動く企業が増える見込みだ。
 自民党の雇用問題調査会は24日、加藤勝信厚労相に雇用調整助成金について緊急の提言を出した。小規模企業への助成率の引き上げや、1人当たり1日8330円とする助成額の上限引き上げなどを要請した。雇用問題調査会は上限について1万円超を念頭に置いている。

令和2年4月24日(金曜日)日本経済新聞電子版

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雇用調整助成金、申請時の記載項目半減=厚労相発表2020/04/10

 加藤勝信厚生労働相は10日の閣議後の記者会見で、企業の雇用を守るための「雇用調整助成金」の申請書類の記載項目を半減し、申請から支給までの期間も現状の2カ月を1カ月に早めると発表した。残業時間の記入を不要にするなど項目は73から38に減るという。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、手続きが煩雑で危機対応になっていないとの批判があった。
 政府は企業が従業員に支払う休業手当の一部を助成する雇用調整助成金を特例で拡充している。助成率は従業員を雇い続ける場合、中小企業で10分の9、大企業で4分の3まで高めた。ただ手続きは従来通りだった。
 休業の実績は日ごとに記載する必要をなくし、合計日数だけでよくする。資本額を確認するための証明書などの添付も省く。役所も確認作業が減るため、加藤厚労相は「申請から支給までの期間は1カ月になるよう取り組みたい」と述べた。
 休業中に従業員のスキルアップ研修を実施した場合の上乗せ部分も拡充する。中小企業は1人1日あたり2400円に倍増し、大企業は1200円から1800円に引き上げる。休業中でもオンラインなどで業務に関連する知識の習得を促す。

令和2年4月10日(金曜日)日本経済新聞電子版

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雇用調整助成金に特例措置、助成率上げ、非正規も対象2020/04/06

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、厚生労働省が雇用を維持するための支援策を急ピッチで拡充している。訪日客の受け入れ停止や外出の自粛で観光やサービス業を中心に売り上げが急減している。雇用をつなぎとめるために、従業員を休ませながら雇用を維持した企業に支給する雇用調整助成金を拡充する。助成率を上げたほか、非正規社員も対象にした。
 景気が落ち込むと、企業が雇用を維持するために従業員を休ませることがある。企業は休業手当として賃金の6割以上を支払う必要があるが、この費用を一部補助するのが雇用調整助成金だ。
 政府は4月1日から6月30日までを「緊急対応期間」とし、助成金に特例措置を導入した。
 柱の一つが助成率の引き上げだ。通常の助成率は中小企業で3分の2、大企業で2分の1。今回は従業員を解雇しない場合、中小で10分の9、大企業で4分の3まで高めた。売上高の減少など適用する条件も緩和した。
 雇用調整助成金は08年のリーマン・ショック時にも特例を設けた。助成金が対象とするのは雇用保険に6カ月以上加入している労働者とするのが大原則だが、今回は雇用保険に入っていないパートや新入社員も対象に含めた。正社員や非正規を問わず対象にし、雇用の維持を優先する。
 さらに、休業中に従業員のスキルアップ研修を実施した場合の上乗せ部分も拡充する。助成金の支給額は従業員1人あたり日額8330円が上限だが、オンライン講座を受講することなど条件を満たせば総額で1万円超を支給する方向で厚労省が調整している。外出自粛が広がる中でも、業務に関連する知識や技能の習得に充ててもらう。
 ただ、雇用調整助成金は申請してから支給までの手続きに数カ月かかる。そのため企業は支給開始までの期間、休業手当の支払い負担などが発生する。労働局には相談が殺到し、相談したくても電話もつながりにくい状況だ。
 感染者数が一時期全国最多となり、いち早く緊急事態宣言を出した北海道。観光客の減少で観光バス会社が運転手を解雇する動きが出ている。北海道労働局には1日200〜300件のペースで助成金の相談が寄せられ、3月の相談は5000件超にのぼった。3月19日時点で厚労省が把握している相談件数は全国で約2万9000件だ。
 「支給までの時間をできるだけ短くし、書類提出など大変な部分をできる限り簡素化していきたい」。5日、NHKの番組に出演した加藤勝信厚労相は支払い手続きを急ぐと強調した。だが、営業自粛で足元の資金繰りに窮する中小・零細企業は増えている。雇用のつなぎとめは経済面での最大の課題で、迅速な対応が急務だ。

令和2年4月5日(日曜日)日本経済新聞電子版

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外国人労働者の賃金、平均月22万3100円=厚労省初調査2020/03/31

 厚生労働省が31日に発表した2019年の賃金構造基本統計調査によると、外国人労働者の平均賃金は月額22万3100円だった。日本人を含めた一般労働者(30万7700円)全体の約7割の水準となった。政府統計で外国人労働者の賃金や勤続年数などの実態を明らかにするのは初めて。
 外国人労働者は19年10月末時点で約166万人にのぼる。賃金が一般労働者全体を大きく下回るのは、勤続年数が平均3.1年と、一般労働者の12.4年との差が大きいことも影響している。
 法律や医療など高度で専門的な業務にあたる「専門的・技術的分野」の賃金は月額32万4300円だった。サンプル数は少ないものの、日本人を含む正社員全体(32万5400円)と同水準だ。ただ、勤続年数は外国人が2.7年、正社員全体は13年で、専門的な業務であれば外国人の方が賃金水準は高いと言える。
 一方、技能実習の賃金は15万6900円となり、日本人を含めた一般労働者(30万7700円)全体の半分ほどにとどまった。短時間労働者でみても1時間あたり977円で、日本人を含めた全体の1148円より15%低かった。勤続年数が浅いことが要因とみられるものの、一部で最低賃金を下回るといった違法な事例も起きており、労働環境の改善はなお課題だ。
 今回は19年4月に導入された新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者の賃金は示されなかった。調査対象は19年6月分の賃金で、当時は受け入れ人数がわずかだった。結果に反映されるのは来年以降になる。
 賃金構造基本統計は毎年、主な産業で雇われている労働者の賃金をまとめたもの。短時間労働者を除く一般労働者は男性が33万8千円で前年比0.1%の増加だった。女性は25万1千円で1.4%増となり、男女の賃金格差は過去最も小さくなった。

令和2年3月31日(火曜日)日本経済新聞電子版

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未払い賃金、法の「ねじれ」解消されず、労基法改正2020/03/28

 残業代などの未払い賃金を請求できる期間を現行の2年から当面3年に延長する改正労働基準法が27日、参院本会議で可決、成立した。4月の改正民法施行で賃金に関する債権の消滅時効が原則5年となるのに対応する。ただ労基法の方が民法よりも期間が短いという「ねじれ」は解消されないままだ。労働者保護の観点から、将来的には5年への延長も検討する。
 改正前の労基法では、労働者が過去2年にさかのぼり未払い賃金を請求できると定めていた。一方、4月施行の改正民法ではすべての債権の消滅時効が1年から原則5年に延長される。この結果、労働者保護のため優先して適用される労基法の方が民法より請求期間が短くなる。このため労基法を所管する厚生労働省の審議会では、期間延長について労使の代表や学識者で議論してきた経緯がある。
 労働側が速やかに5年に合わせるよう求めたのに対し、労務管理のシステム改修や記録保存にかかるコスト増を懸念した企業側が反発。結果的に5年への延長を原則としつつ、経過措置として「当分の間3年とする」として法改正の道筋をつけた。賃金台帳などの保管期限が3年で企業も対応しやすいためだ。
 改正法には施行後5年をメドに再検討すると明記した。将来的に民法と同じ5年にそろえる可能性を示した。連合は27日「5年後の見直しにおいては確実に本則の5年に戻すよう全力で取り組む」との談話を発表した。
 残業代の未払いは近年セブン―イレブン・ジャパンやヤマトホールディングスなど大手企業でも相次いで発覚。18年度には1768社が是正指導を受け、総額124億円4883万円が支払われた。働き方改革の流れが進むなか、企業は労務管理の厳格化など対策を推し進める必要がある。

令和2年3月27日(金曜日)日本経済新聞電子版

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長時間労働で心筋梗塞発症、元従業員、運送会社を提訴2020/03/14

 長時間労働が原因で心筋梗塞を発症したとして、兵庫県内在住の50代男性が10日、元勤務先の姫路合同貨物自動車(同県姫路市城東町清水)と同社の代表取締役2人を相手取り、約3080万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁姫路支部に起こした。
 訴状などによると、男性は同社の姫路市内の営業所に1997年から勤務。長中距離のトラック運転手として不規則な勤務を繰り返したほか、1日に複数回配送を任され、休憩がとれないこともあったという。2016年6月、仕事中に心筋梗塞を発症。時間外労働時間が月118時間を超えることもあったとする。
 以降、男性は心機能が低下した。軽い運動でも激しく息切れするといい、現在も通院を続けている。
 代理人弁護士によると、男性については18年3月、姫路労働基準監督署が業務上の災害として労災認定したが、会社側は長時間労働の実態はなく、発症との関連性もないとして交渉に応じていないという。
 提訴後の会見で男性は「労災を申請したいと申し出たら、上司から『自業自得だ』と言われた。会社に真剣に話を聞いてほしかった」と話した。
 同社の代理人弁護士は「まだ訴状を受け取っていないので、コメントは差し控える」としている。

令和2年3月10日(火曜日)神戸新聞電子版

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パートへの厚生年金、適用拡大…改革関連法案を閣議決定2020/03/03

 政府は3日午前の閣議で、パートなど短時間労働者への厚生年金のさらなる適用の拡大などを盛り込んだ年金改革関連法案を決定した。今国会に提出し、成立すれば、2022年10月から段階的に拡大を図り、計約65万人が新たに厚生年金に加入する見通しだ。
 厚生年金は現在、「フルタイムなどの従業員数501人以上」の企業で短時間労働者(週20時間以上、30時間未満)の加入が義務づけられている。22年10月に「同101人以上」、24年10月に「同51人以上」に順次引き下げ、より多くの人が老後に手厚い年金を受け取れるようにする。
 年金の受給開始時期の選択幅は現行の60〜70歳から60〜75歳に拡大する。受給開始を65歳から遅らせるほど月々の年金額は増える仕組みで、75歳で受け取り始めた場合の年金額は元の1・84倍となる。
 働いて一定の収入のある人の年金を減らす「在職老齢年金制度」は、60〜64歳の賃金と年金の合計額が47万円以下なら年金が減額されないようにする。現在は28万円を超えると減額される。

令和2年3月3日(火曜日)読売新聞電子版

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厚生年金、加入逃れ対策強化、雇用保険の情報活用2020/02/23

 厚生労働省と日本年金機構は、厚生年金の保険料支払いを逃れる企業への取り締まりを強化する。2020年度から4年間を集中対策期間として雇用保険の加入者情報を新たに使って、対象の可能性がある約34万件の事業所に適用するよう指導していく。働き手の老後の年金を増やすとともに、加入者の増加で制度の基盤強化につなげる。
 まず加入対象となる従業員らが5人以上いるか家族以外の従業員を雇う法人事業所で未加入を解消する。19年9月時点で、こうした事業所は少なくとも約5000件あり、21年度までに適用する。従業員の雇用状況が分からない事業所は訪問などで実態確認を進める。対象と判明した事業所は23年度までに厚生年金の適用を目指す。
 年金機構はこれまで国税庁から源泉徴収に関する情報提供を受け、厚生年金の適用を増やしてきた。15年3月末に適用の可能性がある事業所は97万あったが、依然として3分の1程度残っている。新たに雇用保険の加入者情報を使うことで就業状況を把握し、加入義務のある企業をあぶり出す。
 現在、厚生年金の保険料逃れをしている企業は問い合わせに応じないなど悪質の例が少なくない。年金機構はこうした接触が難しい企業への立ち入り検査に向けて専門組織を立ち上げる。指導や立ち入り検査に従わない事業所には告発も視野に対応する考えだ。
 厚生年金は従業員を常時雇う法人事業所すべてに加入を義務づけている。保険料は18.3%で労使で折半する。雇用の負担を軽く目的で加入を逃れている企業がある。資格があるのに厚生年金に加入しないと、働き手は国民年金(基礎年金)のみとなり将来もらえる年金額は少なくなってしまう。

令和2年2月21日(金曜日)日本経済新聞電子版

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パワハラ、経営リスクに=企業の防止措置6月から義務化2020/01/23

 パワーハラスメント(パワハラ)への対応が企業経営のリスクになってきた。国際労働機関(ILO)は2019年、職場でのハラスメントを全面的に禁止する国際条約を採択した。日本も6月から企業に防止措置を義務付ける。パワハラを防がないと、企業の信頼低下や顧客離れにつながる恐れがある。
 厚生労働省は6月から大企業に相談窓口の設置やパワハラ禁止の就業規則への明記、相談者のプライバシー保護の徹底などを義務付ける。対応している企業は多く、相談窓口を設けている企業は73%にのぼる。大手メーカーの人事担当者は「これ以上何をすればよいのか」と話す。
 パワハラに関する相談は増えている。18年度に全国の地方労働局などに寄せられたパワハラなどの相談件数は、前年度比14.9%増の8万2797件と過去最高を更新した。エン・ジャパンの調査では35歳以上の82%がパワハラを受け、このうち3人に1人が退職を決断した。パワハラ対策が不十分な職場では人材の流出が起きる。
 企業や上司が悩むのはどのような行為や発言がパワハラになるのかという線引きだ。厚労省は19年末、具体例などを示した指針をまとめた。
 指針は裁判でパワハラと明確に認定された事例を中心に構成した。正式決定までに実施したパブリックコメント(意見公募)には異例とも言える1139件もの意見が殺到した。多くが見直しを求める声だったという。
 例えば「労働者の能力に応じて一定程度業務内容や業務量を軽減する」ことはパワハラに該当しないとした。「能力に応じて」や「一定程度」などの解釈はあいまいだ。
 企業がリストラを進めるときに組織的なパワハラが起きやすい。「残っても仕事はないと言われた」。リストラを進める大企業の社員は明かす。
 最近では好業績のうちに退職者を募る「黒字リストラ」が増えている。東京法律事務所の笹山尚人弁護士は「退職勧奨自体は合法だが、(解釈の余地が残る)厚労省の指針に沿えば大丈夫だと誤解する可能性がある」と指摘する。
 SNSで性的被害を告発する「#MeToo」運動の盛り上がりなど企業を告発したり実態を暴露したりする事例も増えている。SNSでパワハラの実態が拡散され「炎上」すれば、企業の信頼低下につながる。
 海外は厳罰化の流れにある。米国のEEOC(雇用機会均等委員会)は1月、保険会社ジャクソン・ナショナル・ライフで、複数のアフリカ系アメリカ人に対する嫌がらせやセクハラがあったとして計22.5億円を支払うことが決まったと発表した。米グーグルでは18年、ハラスメントを理由に2年間で経営幹部を含む48人を解雇した。フランスやスウェーデンなどの諸外国では、職場でのいじめや嫌がらせを防ぐ措置を講じるよう企業に義務付けている。
 日本は問題行為がハラスメントと認定されなければ昇進することもある。個人よりもチームで働くことが多いため、ハラスメントを未然に防ぐ取り組みが急務だ。

令和2年1月22日(水曜日)日本経済新聞電子版

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