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厚生年金、加入逃れ対策強化、雇用保険の情報活用2020/02/23

 厚生労働省と日本年金機構は、厚生年金の保険料支払いを逃れる企業への取り締まりを強化する。2020年度から4年間を集中対策期間として雇用保険の加入者情報を新たに使って、対象の可能性がある約34万件の事業所に適用するよう指導していく。働き手の老後の年金を増やすとともに、加入者の増加で制度の基盤強化につなげる。
 まず加入対象となる従業員らが5人以上いるか家族以外の従業員を雇う法人事業所で未加入を解消する。19年9月時点で、こうした事業所は少なくとも約5000件あり、21年度までに適用する。従業員の雇用状況が分からない事業所は訪問などで実態確認を進める。対象と判明した事業所は23年度までに厚生年金の適用を目指す。
 年金機構はこれまで国税庁から源泉徴収に関する情報提供を受け、厚生年金の適用を増やしてきた。15年3月末に適用の可能性がある事業所は97万あったが、依然として3分の1程度残っている。新たに雇用保険の加入者情報を使うことで就業状況を把握し、加入義務のある企業をあぶり出す。
 現在、厚生年金の保険料逃れをしている企業は問い合わせに応じないなど悪質の例が少なくない。年金機構はこうした接触が難しい企業への立ち入り検査に向けて専門組織を立ち上げる。指導や立ち入り検査に従わない事業所には告発も視野に対応する考えだ。
 厚生年金は従業員を常時雇う法人事業所すべてに加入を義務づけている。保険料は18.3%で労使で折半する。雇用の負担を軽く目的で加入を逃れている企業がある。資格があるのに厚生年金に加入しないと、働き手は国民年金(基礎年金)のみとなり将来もらえる年金額は少なくなってしまう。

令和2年2月21日(金曜日)日本経済新聞電子版

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パワハラ、経営リスクに=企業の防止措置6月から義務化2020/01/23

 パワーハラスメント(パワハラ)への対応が企業経営のリスクになってきた。国際労働機関(ILO)は2019年、職場でのハラスメントを全面的に禁止する国際条約を採択した。日本も6月から企業に防止措置を義務付ける。パワハラを防がないと、企業の信頼低下や顧客離れにつながる恐れがある。
 厚生労働省は6月から大企業に相談窓口の設置やパワハラ禁止の就業規則への明記、相談者のプライバシー保護の徹底などを義務付ける。対応している企業は多く、相談窓口を設けている企業は73%にのぼる。大手メーカーの人事担当者は「これ以上何をすればよいのか」と話す。
 パワハラに関する相談は増えている。18年度に全国の地方労働局などに寄せられたパワハラなどの相談件数は、前年度比14.9%増の8万2797件と過去最高を更新した。エン・ジャパンの調査では35歳以上の82%がパワハラを受け、このうち3人に1人が退職を決断した。パワハラ対策が不十分な職場では人材の流出が起きる。
 企業や上司が悩むのはどのような行為や発言がパワハラになるのかという線引きだ。厚労省は19年末、具体例などを示した指針をまとめた。
 指針は裁判でパワハラと明確に認定された事例を中心に構成した。正式決定までに実施したパブリックコメント(意見公募)には異例とも言える1139件もの意見が殺到した。多くが見直しを求める声だったという。
 例えば「労働者の能力に応じて一定程度業務内容や業務量を軽減する」ことはパワハラに該当しないとした。「能力に応じて」や「一定程度」などの解釈はあいまいだ。
 企業がリストラを進めるときに組織的なパワハラが起きやすい。「残っても仕事はないと言われた」。リストラを進める大企業の社員は明かす。
 最近では好業績のうちに退職者を募る「黒字リストラ」が増えている。東京法律事務所の笹山尚人弁護士は「退職勧奨自体は合法だが、(解釈の余地が残る)厚労省の指針に沿えば大丈夫だと誤解する可能性がある」と指摘する。
 SNSで性的被害を告発する「#MeToo」運動の盛り上がりなど企業を告発したり実態を暴露したりする事例も増えている。SNSでパワハラの実態が拡散され「炎上」すれば、企業の信頼低下につながる。
 海外は厳罰化の流れにある。米国のEEOC(雇用機会均等委員会)は1月、保険会社ジャクソン・ナショナル・ライフで、複数のアフリカ系アメリカ人に対する嫌がらせやセクハラがあったとして計22.5億円を支払うことが決まったと発表した。米グーグルでは18年、ハラスメントを理由に2年間で経営幹部を含む48人を解雇した。フランスやスウェーデンなどの諸外国では、職場でのいじめや嫌がらせを防ぐ措置を講じるよう企業に義務付けている。
 日本は問題行為がハラスメントと認定されなければ昇進することもある。個人よりもチームで働くことが多いため、ハラスメントを未然に防ぐ取り組みが急務だ。

令和2年1月22日(水曜日)日本経済新聞電子版

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