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22年の平均賃金31万円で過去最高、男女格差は最小に2023/03/18

 厚生労働省は17日、2022年の賃金構造基本統計調査を公表した。一般労働者の平均賃金は前年比1.4%増の月31万1800円で、過去最高だった。男女別では男性が34万2000円、女性が25万8900円で、男女間の賃金格差は2年連続で最少を更新した。
 一般労働者の平均賃金は統計を取り始めた1976年以降で最も高くなった。新型コロナウイルス禍で長く打撃を受けた社会経済活動が回復し、22年に賃上げの動きがみられた。
 男性賃金を100として女性の賃金を数値化した「男女間賃金格差」は75.7で、前年から0.5ポイント分差が縮まった。前年比は男性が1.4%増、女性が2.1%増で、女性の伸びが上回った。女性管理職の増加が賃金の上昇率を押し上げた。
 企業規模別では賃金の伸び率に差がみられる。大企業では対前年の伸び率が2.5%だったのに対し、中企業では1.1%、小企業では1.6%にとどまった。大企業の平均賃金は月34万8300円、中企業は月30万3千円、小企業は28万4500円だった。
 調査は22年6月分の賃金を7月に聞き取った。全国7万8589の事業所が対象で、70%あまりが回答した。

令和5年3月17日(金曜日)日本経済新聞電子版

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休業手当超の雇調金17億円、算定方法にずれ=検査院2022/10/22

 事業主が従業員に支払った休業手当を国が補塡する雇用調整助成金について、2020年度以降に支給決定を受けた138事業主の約219億円を会計検査院が抽出調査したところ、25事業主の計約17億円分が実際に支払われた休業手当よりも多かったことが22日までに分かった。
 雇調金を算定する支払率の対象賃金の範囲が定まっておらず、算定方法にずれが生じていたことが要因。検査院は助成金の趣旨に沿わない支給だとして、厚生労働省に算定方法の見直しの必要があるなどと意見を示した。
 雇調金は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、20年4月から助成率や上限額の引き上げなど特例措置が取られている。
 検査院は今回、20年度から今年5月までに16労働局が支給決定した運輸や飲食、製造業など138事業主を調査。するとバスやタクシーの運輸業37事業主のうち20のバス事業主で、約14億4140万円の超過額が生じていた。また運輸以外の101事業主では、5事業主の約2億5208万円が従業員に払った休業手当を上回っていた。
 これらの事業主では、雇調金の支給額を算定する際、固定給や賞与、超過勤務手当などを含めた賃金額に支払率を乗じていたが、実際に支払った休業手当は、固定給だけを対象として支払率を乗じるなどして、ずれが生じていた。〔共同〕

令和4年10月22日(土曜日)日本経済新聞電子版

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雇調金コロナ特例3000円縮小、10月から上限1万2000円2022/08/26

 政府は新型コロナウイルス禍で雇用調整助成金(雇調金)を手厚くしていた特例措置を縮小する。いまは最大で日額1万5000円の支給上限を10月から1万2000円に引き下げる。雇用維持の危機対応からの転換を図る一歩になる。
 雇調金は企業が従業員に払う休業手当を助成する制度だ。通常は1人1日あたり8355円の上限を特例で最大1万5000円に引き上げていた。今回、まん延防止等重点措置などの対象地域や業績の落ち込みが大きい企業に対する上限を初めて引き下げる。1万2000円の上限は11月末までとし、12月以降の支給要件は感染状況などをふまえて改めて判断する。
 雇調金の支給決定額は8月19日までで5兆9900億円に上る。危機下で失業率を抑え、企業の事業再開への備えを後押ししてきた。一方で手厚い支援の長期化が人手の必要な産業への労働移動を阻んでいるとの指摘もある。政府は6月に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で「段階的に縮減していく」との方針を示していた。

令和4年8月26日(金曜日)日本経済新聞電子版

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最低賃金、大阪1000円超え、関西2府4県上げ幅過去最大2022/08/13

 2022年度の最低賃金(時給)は関西2府4県で引き上げ幅が過去最大となる答申だった。上げ幅は30〜32円。関西で最高となる大阪府は2年連続での引き上げで、1023円と初めて1000円を超える見通し。足元の物価高を反映して大きな伸び率となった一方、新型コロナウイルス禍や原材料高の影響を受ける企業側からは負担増を懸念する声も上がる。
 2府4県の審議会が4〜10日に各地で開かれ、各府県の労働局長に新たな最低賃金額を答申した。適用は10月ごろとなる。京都府は968円で2年連続の増額。兵庫県は960円、滋賀県は927円、奈良県は896円でいずれも19年連続だった。和歌山県は889円で18年連続となる。
 兵庫県の上げ幅は32円と国の審議会が示した目安額(31円)を上回った。「全国平均に近づけ、大阪や京都などへの労働力流出を防ぐ」(兵庫労働局)ため。審議会では労使双方で折り合いがつかず、学識者らの公益代表が32円の引き上げを提案。全会一致で決定した。
 最低賃金を巡っては政府は景気浮揚のため、全国平均1000円の早期実現を目指している。ただ中小企業などでは新型コロナ禍に加えて原材料高などの影響も大きい。各府県の審議会でも賃上げのために中小企業への支援を望む声があがった。滋賀県や和歌山県などでは使用者代表の委員が引き上げに反対した。

令和4年8月12日(金曜日)日本経済新聞電子版

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雇調金特例、2022年1月から段階的縮小へ=厚労省方針2021/11/12

 厚生労働省は雇用調整助成金を増額する新型コロナウイルス対応の特例措置を2022年1月から段階的に縮小する方針だ。売り上げが大幅に減った企業など向けの手厚い支援は当面続ける。19日に決定する経済対策に盛り込む。政策の軸足を雇用維持から労働移動の支援へと徐々に移す。
 雇調金は企業が従業員に払う休業手当の費用を助成する制度。通常は1人1日約8300円の上限額を今は1万3500円に引き上げている。1月から1万1千円、3月から9千円に下げる。売り上げが急減した企業などは最大1万5千円とする特例は21年度いっぱい維持する方向で調整する。
 コロナに伴う雇調金の支給決定額は5日時点で4.8兆円に迫る。21年度の雇調金の財源は使い切り、他事業の資金を活用してまかなっている。
 雇調金は失業を防ぐ半面、過大な支援が長続きすれば労働市場の調整機能をゆがめかねない問題がある。今後は人手不足が深刻な産業への転職支援などを強化する方針だ。21年度補正予算で手当てする。

令和3年11月11日(木曜日)日本経済新聞電子版

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正社員「副業している」8%、株・FXが最多、民間調査2021/10/28

 パーソルキャリア(東京・千代田)が実施した副業の実態調査によると、「副業をしている」と答えた人は8%にとどまったことがわかった。副業の内容は「株・FX(外国為替証拠金)」が2割で最も多かった。働いている企業で副業が認められていると答えた人は約2割にとどまり、副業の浸透にはまだ時間がかかりそうだ。
 調査は全国の正社員として働く22〜59歳の男女を対象に、インターネットで8月に実施した。1万5000件の有効回答を得た。
 現在働いている企業で副業が認められているかどうかを聞くと、「認められている」が23.3%だった。一方で「禁止されている」は52.6%と半数を超えた。副業について「検討中」と答えた人は17.8%だった。
 副業の内容を複数回答で尋ねると、「株・FX」が21.1%で最も多かった。時間の制約が少なく、比較的高額な取引がしやすい点から、副業として選択する人が多いようだ。「ネットビジネス」(12.7%)や「ホームページ・CG(コンピューターグラフィックス)などの制作」(7.9%)も目立った。
 副業で得られる平均月収は約17万円だった。月平均で10万円以上稼ぐ人の割合は34.4%だった。地域別で見ると、東海が約23万円で最も高かった。次いで北海道が約21万円、関東が約20万円だった。
 副業をやってよかった点を複数回答で聞くと、「収入増」が77.5%で最も多く、「本業以外のスキルアップ」は34%だった。パーソルキャリアは今後の副業の動向について「新型コロナウイルス下のリモートワークの普及を追い風に、副業を活用する動きは広がるとみられる。企業も優秀な人材の確保や流出を防ぐ意味でも、副業を解禁し始めており、多様な目的で実施率は上がっていくのではないか」と分析する。

令和3年10月27日(水曜日)日本経済新聞電子版

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雇用調整助成金の特例措置、11月末まで延長=厚労省 2021/08/21

 緊急事態宣言が延長されたことを受け、厚生労働省は17日、雇用を維持した企業の休業手当を支援する「雇用調整助成金」(雇調金)について、特例措置の期限を9月末から11月末に延ばすと発表した。
 特例措置は、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の対象地域で、働き手1人あたりの日額上限を1万5千円、助成率を最大10割とするもの。対象地域以外では原則、日額上限が1万3500円、助成率が最大9割になっている。

令和3年8月17日(火曜日)朝日新聞デジタル

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雇調金特例6月まで延長、経営や地域の感染状況で差2021/02/12

 政府は経営難の企業と感染拡大地域の外食業などを対象に雇用調整助成金の特例水準を6月末まで維持する方向で最終調整に入った。現行の特例を一律で適用するのは4月末までとし、5月以降は企業の経営状態と地域の感染状況で差をつける。大企業の非正規労働者に対する休業支援金は2020年春の休業分について賃金の6割を支給する。
 12日にも発表する。休業手当を支払い、雇用を維持する企業を支援する雇調金は特例で上限を1万5千円、助成率を最大100%に引き上げている。一部の企業は厳しい経営環境が長引く恐れがあり、現行の支援策が当面続くことを早めに示して雇用の維持を促す。
 「直近3カ月の売上高などの指標が30%以上減少」などを基準にする見通しだ。緊急事態宣言時に近い対策をとる「まん延防止等重点措置」の対象地域の外食店なども6月末まで現行特例が続く。その他の企業は5月以降、上限額は1日1万3500円に、助成率は最大90%にする。
 大企業でシフト制や日雇いで働きながら休業手当をもらっていない人への支援金は20年4〜6月に遡って適用し、休業前の賃金水準の6割を支給する。大企業では同時期、働いていない日が休業なのかどうかを判断しにくいシフト制労働者らにも賃金の6割の休業手当を払っていた会社がある。不公平とならないよう同水準に合わせる。
 一方、自治体が独自に飲食店などへ営業時間の短縮要請をした20年秋以降と、21年1月8日以降の休業には8割を支給する。中小企業の従業員が8割を受け取れることに合わせる。厳しい経営環境が続き、20年秋以降は大企業でも手当を支払えなくなったところが増えたとみて、中小と足並みをそろえる。

令和3年2月12日(金曜日)日本経済新聞電子版

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企業で働く障害者57万人、17年連続、過去最多2021/01/18

 厚生労働省は17日までに、2020年6月1日時点の民間企業で働く障害者は57万8292人だったと発表した。前年から3.2%の増加で、17年連続で過去最多だった。対象企業の従業員に占める割合である雇用率も2.15%で過去最高を更新した。障害者雇用促進法に基づく法定雇用率の2.2%には届かなかった。
 障害種別では、身体障害者は35万6069人(前年比0.5%増)で最も多かった。知的障害者は13万4207人(同4.5%増)で、精神障害者は8万8016人(同12.7%増)。
 法定雇用率を達成した企業は全体の48.6%に当たる4万9956社。産業別では、雇用率が最も高かったのは医療・福祉の2.78%で、農林漁業と生活関連サービス業・娯楽業が2.33%で続いた。最も低かったのは教育・学習支援業の1.71%だった。
 公的機関では都道府県の場合、雇用率は前年から0.12ポイント上昇の2.73%、市町村が横ばいの2.41%だった。
 3月から民間企業の法定雇用率は2.3%に、国と自治体が2.6%に引き上がる。障害者雇用促進法は障害者の社会参加を促すため国と自治体、民間企業に一定割合以上の障害者を雇うよう義務付けている。〔共同〕

令和3年1月17日(日曜日)日本経済新聞電子版

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従業員出向に1日1.2万円、厚労省が助成、人材活用促す2021/01/04

 厚生労働省は従業員を出向させる企業と受け入れる企業の双方を対象とする新しい助成金について1人あたりの上限額を日額1万2千円にする。これとは別に契約書の作成などにかかる費用に対し、それぞれの企業に最大15万円を支給する。
 2020年度第3次補正予算案が成立した後の21年2〜3月に始める。賃金や教育訓練など出向にかかる経費の助成率は中小企業が最大90%、大企業が同4分の3にする。従業員を送り出す側の企業は新型コロナウイルス禍で事業活動が一時的に縮小を余儀なくされているところを対象にする。
 出向は苦境に陥る企業の従業員が失業せずに、別の仕事を経験する機会となる。全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)などで広がっており、受け入れ企業にとっても柔軟に人手を確保できる利点がある。
 休業者を抱える企業に資金支援する雇用調整助成金の特例は現行水準を2月末まで維持する。政府は現行の雇調金の助成率(最大100%)と日額上限(1万5千円)を3月以降、雇用情勢をにらみつつ少しずつ縮小し、5〜6月には出向者への助成金と同程度とする案を検討している。7月以降には出向支援の方が休業支援より手厚くなるように設定し、人材の有効活用を促す。

令和3年1月3日(日曜日)日本経済新聞電子版

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コロナ失業者を雇う企業に助成金、1人月4万円2020/12/09

 厚生労働省は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で失業した人を雇う企業に対し、1人あたり最大で月4万円を支給する。今年の1月下旬以降に離職し、就労経験のない職業に就く人を対象にする。新型コロナに関連して解雇や雇い止めにあった人は7万4千人を超える見込み。人手不足企業を支援し労働者の再就職を後押しする。
 助成額は週30時間以上働く人の場合は1人月4万円、週20時間以上30時間未満の短時間労働の場合は同2.5万円とする。雇用の試行期間の補助の位置づけで原則3カ月を対象にする。雇用保険から財源を手当てし2020年度中にも始める。
 コロナ禍で飲食業や宿泊、旅行といったサービス業などで離職者が増加している。一方、介護や建設、物流、IT(情報技術)などでは人手不足が続く企業も多い。厚労省は新しい助成制度の導入で事業主の負担を軽減し、コロナで失業した人を雇い入れるよう促す。
 厚労省は4月のコロナ感染拡大後、雇用調整助成金の特例措置を拡大した。従業員に休業手当を支払い雇用を維持する企業への助成を増やし、コロナ禍での支給決定額は4日までに2.3兆円を超えた。
 雇調金が安全網の機能を果たす一方、従業員の休業状態が長引くと、企業間の柔軟な労働移動が妨げられるとの指摘もある。厚労省は失業者の就労支援や、出向を活用した従業員シェアの促進など支援策の幅を広げる。

令和2年12月9日(水曜日)日本経済新聞電子版

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雇用不安、備え厚く、雇調金特例、年末まで延長2020/08/31

 厚生労働省は28日、雇用を維持して従業員に休業手当を支払う企業向けの雇用調整助成金について、9月末までだった特例措置の期限を12月末まで延長すると発表した。企業が従業員を抱え込みきれず、休業者が失業者に転じるのを抑えるために手厚い支援を続ける。
 特例措置で1人1日あたり助成上限額を1万5千円に引き上げ、助成率は中小企業で3分の2を最大10割にしている。6月の失業率は2.8%で欧米に比べれば低いものの休業者は236万人と高止まりしている。
 経済活動は新型コロナ前の水準には遠く、企業の採用意欲は一部の業種を除いて冷え込んだままだ。感染の再拡大で景気の「2番底」が訪れる恐れもある。
 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査部長は年末までに失業率が4%程度まで上昇すると推計する。政府は特例措置の継続で少しでも雇用不安を抑えたい狙いがある。
 加藤勝信厚労相は来年1月以降については雇用情勢が大きく悪化しない限り特例メニューを段階的に縮小すると表明した。経済危機による雇用へのショックを和らげる効果を持つ一方「休業者支援の特例が長期化すると失業率を抑える効果よりも経済への弊害が大きくなる」(斎藤氏)という側面もあるためだ。
 新型コロナ禍の後でも人手が不足する物流や介護などの産業への労働移動が進まないほか、企業が休業者の雇用維持を優先することで新卒採用が抑制される悪影響もあるとされる。
 休業手当が支払われない労働者に賃金の8割を直接補償する新制度も12月末まで実施期限を延ばす。子どもの休校で仕事を休んだ保護者や妊婦に特別有給休暇を取得させた企業への助成金も期限を同時期まで延長する。

令和2年8月28日(金曜日)日本経済新聞電子版

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有効求人5月1.20倍、0.12ポイント低下、46年ぶり下げ幅2020/06/30

 厚生労働省が30日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.20倍と、前月から0.12ポイント低下した。下げ幅は1974年1月以来、46年4カ月ぶりの大きさとなった。新型コロナウイルスの感染拡大で雇用環境が急速に悪化している。
 有効求人倍率は仕事を探す人1人に対し、企業から何件の求人があるかを示す。1.20倍の倍率は15年7月以来、4年10月ぶりの低い水準だ。5月は有効求人が前月から8.6%減り、有効求職者は0.7%増えた。
 雇用の先行指標となる新規求人(原数値)は前年同月比で32.1%減った。製造業が42.8%、卸売業・小売業が35.9%、宿泊・飲食サービス業が55.9%減った。建設業は11.3%減、医療・福祉は17.9%減で、他の産業と比べると減少幅は小さかった。
 新型コロナに関連した解雇・雇い止めにあった人数(見込みを含む)は6月26日時点で2万8173人だった。厚労省が全国の労働局やハローワークを通じて集計した。

令和2年6月30日(火曜日)日本経済新聞電子版

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雇調金の上限、1.5万円に=政府・与党が方針2020/05/13

 政府・与党は雇用を維持した企業に休業手当を助成する「雇用調整助成金」の上限を日額8330円から1万5千円程度に引き上げる見通しだ。新型コロナウイルスの感染拡大で休業を余儀なくされた企業の負担を減らし、雇用維持につなげる。
 安倍晋三首相は11日の参院予算委員会で「上限額見直しや一般会計からの支援も早急に具体化したい」と述べた。財源は雇用保険に加え、今国会で編成する2020年度第2次補正予算案からまかなう見通しだ。
 首相は「英国にほぼ匹敵する額になる。世界で最も高いレベルになっていく」とも強調した。自民党の岸田文雄政調会長は新型コロナで休業補償を新設した英国並みの1万5千円への引き上げを提案している。
 雇調金を巡っては政府が新型コロナ対応として制度改正を進める。4月1日から6月30日までを緊急対応期間と位置付け、助成率の引き上げなどを講じた。休業要請に応じた中小企業が平均賃金の100%の水準の休業手当を支払う場合は国が全額を補助する。
 申請手続きも簡素化した。書類に記載する項目を73から38に半減し、休業計画届の提出も不要とする。申請から支給までの期間は約2カ月から最短2週間に縮めた。オンライン申請も認め、使い勝手をよくする。

令和2年5月12日(火曜日)日本経済新聞電子版

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雇用調整助成金、手続き簡素化、平均賃金の計算免除2020/05/06

 厚生労働省は6日、雇用調整助成金の申請手続きの一部を簡素化すると発表した。小規模企業には助成額を算定する際の平均賃金の計算を免除し、実際に支払った休業手当で済ませられるようにする。おおむね従業員20人以下の企業が対象だ。
 雇用調整助成金は雇用を維持しながら従業員に休業手当を支払う企業に対し、国が資金支援する。加藤勝信厚労相は6日、平均賃金の計算が申請する際の負担になっているとの認識を示し、来週から新しいルールで受け付ける方針を明らかにした。
 小規模企業より規模の大きい企業にも別途、申請手続きのルールを緩和する。1人当たりの平均賃金を計算する際に、現在は労働保険料の申告書の利用を求めているが、源泉所得税の納付書の代用を認める。
 休業手当を計算するために必要な所定労働日数は、休業実施前の任意の1カ月をもとに算定できるようにする。現行では就業規則などをもとにしなければいけない。

令和2年5月6日(水曜日)日本経済新聞電子版

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雇用調整助成金、オンライン申請可能に=5月中にも2020/04/29

 厚生労働省は企業が支払う休業手当に国が資金支援する雇用調整助成金について、5月中にもオンラインでの申請を認める。申請から支給にかかる時間の目標を従来の1カ月から2週間に短縮する。雇用調整助成金は手続きが煩雑で受給までに時間がかかる課題が指摘されており、厚労省が重い腰をあげた。
 オンライン申請は5月中旬の開始を目指して準備を始めた。インターネット上のフォームに情報を書き込み、必要書類をPDFにして添付する仕組みとする。はんこの代わりに電子署名を認めるかどうかなどの詳細を詰めている。申請書類にある38の記載項目は変わらない見通しだ。
 海外ではドイツでオンライン申請が可能となっており、入金までの時間は15営業日が目安と短い。日本もドイツ並みのスピードを目指す。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、外食・サービス業などの休業が急速に広がっているにもかかわらず、雇用調整助成金の申請と支給が追いつかない状況が続いてきた。厚労省はオンライン申請の実現のめどを2022年度としていたが、支給までの時間を縮める切り札として与党から早期の実現を求める声が上がっていた。
 雇用調整助成金は中小企業への200万円の現金給付や無利子・無担保融資と並び、資金繰り支援の柱だ。自治体の休業要請に応じた中小企業が平均賃金の100%水準の休業手当を支払う場合は、国が全額を補助する。
 手続きが煩雑などの理由により、雇用調整助成金の2月中旬から4月24日までの申請件数は2541件、支給件数は282件にとどまる。厚労省は迅速な支給につなげるため、全国の労働局で担当する職員数を増やす。非常勤職員の採用などを進め、現在約1500人の体制を早期に3900人ほどに増やす。

令和2年4月28日(火曜日)日本経済新聞電子版

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休業手当100%国が補助、小規模企業向け雇用調整助成金2020/04/27

 厚生労働省は休業する小規模企業が従業員に支払う休業手当について、賃金と同じ水準を支給する場合は全額を雇用調整助成金で補助する方針だ。休業しても従業員の収入が減らないよう助成率を上げ、小規模企業に雇用維持を促す。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、外食・サービスなどの小規模企業は資金繰りが厳しい。厚労省は雇用調整助成金を通じて、企業に休業手当の一部を助成している。
 企業は休業した場合、従業員に休業手当を支払う必要があり、額は前年度の賃金額の60%以上と定められている。助成金の割合は中小企業の場合で最大9割。残りは自社負担となるため、実際の支給を60%ちょうどにとどめる企業が多い。
 今後は政府や地方自治体の休業要請に応じた小規模企業については、賃金と同じ額の100%の手当を支給すると国が全額を補助する。自社の持ち出しがなくなるため、大半の企業は100%を選択するようになる見込み。従業員の給料は休業前の水準が維持され、生活費が足りなくなる事態を防げる。
 対象の小規模企業は商業・サービスで従業員が5人以下、製造業で20人以下などが該当する。全国で300万社、従業員数は1000万人を超えるとみられる。
 雇用調整助成金は手続きの煩雑さや受給までに1カ月ほどの時間がかかるといった問題があり、申請が伸びていない。2月中旬から4月17日まででの申請は計985社にとどまっている。
 小規模企業に比べて従業員の数が多い中小企業向けも助成を拡充する。60%までの分の助成率は最大9割のままだが、60%を超える分については全額を補助する。小規模企業のように全額補助にはならないが、手当を増額しても自社負担は発生せず、手当増額に動く企業が増える見込みだ。
 自民党の雇用問題調査会は24日、加藤勝信厚労相に雇用調整助成金について緊急の提言を出した。小規模企業への助成率の引き上げや、1人当たり1日8330円とする助成額の上限引き上げなどを要請した。雇用問題調査会は上限について1万円超を念頭に置いている。

令和2年4月24日(金曜日)日本経済新聞電子版

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雇用調整助成金、申請時の記載項目半減=厚労相発表2020/04/10

 加藤勝信厚生労働相は10日の閣議後の記者会見で、企業の雇用を守るための「雇用調整助成金」の申請書類の記載項目を半減し、申請から支給までの期間も現状の2カ月を1カ月に早めると発表した。残業時間の記入を不要にするなど項目は73から38に減るという。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、手続きが煩雑で危機対応になっていないとの批判があった。
 政府は企業が従業員に支払う休業手当の一部を助成する雇用調整助成金を特例で拡充している。助成率は従業員を雇い続ける場合、中小企業で10分の9、大企業で4分の3まで高めた。ただ手続きは従来通りだった。
 休業の実績は日ごとに記載する必要をなくし、合計日数だけでよくする。資本額を確認するための証明書などの添付も省く。役所も確認作業が減るため、加藤厚労相は「申請から支給までの期間は1カ月になるよう取り組みたい」と述べた。
 休業中に従業員のスキルアップ研修を実施した場合の上乗せ部分も拡充する。中小企業は1人1日あたり2400円に倍増し、大企業は1200円から1800円に引き上げる。休業中でもオンラインなどで業務に関連する知識の習得を促す。

令和2年4月10日(金曜日)日本経済新聞電子版

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雇用調整助成金に特例措置、助成率上げ、非正規も対象2020/04/06

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、厚生労働省が雇用を維持するための支援策を急ピッチで拡充している。訪日客の受け入れ停止や外出の自粛で観光やサービス業を中心に売り上げが急減している。雇用をつなぎとめるために、従業員を休ませながら雇用を維持した企業に支給する雇用調整助成金を拡充する。助成率を上げたほか、非正規社員も対象にした。
 景気が落ち込むと、企業が雇用を維持するために従業員を休ませることがある。企業は休業手当として賃金の6割以上を支払う必要があるが、この費用を一部補助するのが雇用調整助成金だ。
 政府は4月1日から6月30日までを「緊急対応期間」とし、助成金に特例措置を導入した。
 柱の一つが助成率の引き上げだ。通常の助成率は中小企業で3分の2、大企業で2分の1。今回は従業員を解雇しない場合、中小で10分の9、大企業で4分の3まで高めた。売上高の減少など適用する条件も緩和した。
 雇用調整助成金は08年のリーマン・ショック時にも特例を設けた。助成金が対象とするのは雇用保険に6カ月以上加入している労働者とするのが大原則だが、今回は雇用保険に入っていないパートや新入社員も対象に含めた。正社員や非正規を問わず対象にし、雇用の維持を優先する。
 さらに、休業中に従業員のスキルアップ研修を実施した場合の上乗せ部分も拡充する。助成金の支給額は従業員1人あたり日額8330円が上限だが、オンライン講座を受講することなど条件を満たせば総額で1万円超を支給する方向で厚労省が調整している。外出自粛が広がる中でも、業務に関連する知識や技能の習得に充ててもらう。
 ただ、雇用調整助成金は申請してから支給までの手続きに数カ月かかる。そのため企業は支給開始までの期間、休業手当の支払い負担などが発生する。労働局には相談が殺到し、相談したくても電話もつながりにくい状況だ。
 感染者数が一時期全国最多となり、いち早く緊急事態宣言を出した北海道。観光客の減少で観光バス会社が運転手を解雇する動きが出ている。北海道労働局には1日200〜300件のペースで助成金の相談が寄せられ、3月の相談は5000件超にのぼった。3月19日時点で厚労省が把握している相談件数は全国で約2万9000件だ。
 「支給までの時間をできるだけ短くし、書類提出など大変な部分をできる限り簡素化していきたい」。5日、NHKの番組に出演した加藤勝信厚労相は支払い手続きを急ぐと強調した。だが、営業自粛で足元の資金繰りに窮する中小・零細企業は増えている。雇用のつなぎとめは経済面での最大の課題で、迅速な対応が急務だ。

令和2年4月5日(日曜日)日本経済新聞電子版

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外国人労働者の賃金、平均月22万3100円=厚労省初調査2020/03/31

 厚生労働省が31日に発表した2019年の賃金構造基本統計調査によると、外国人労働者の平均賃金は月額22万3100円だった。日本人を含めた一般労働者(30万7700円)全体の約7割の水準となった。政府統計で外国人労働者の賃金や勤続年数などの実態を明らかにするのは初めて。
 外国人労働者は19年10月末時点で約166万人にのぼる。賃金が一般労働者全体を大きく下回るのは、勤続年数が平均3.1年と、一般労働者の12.4年との差が大きいことも影響している。
 法律や医療など高度で専門的な業務にあたる「専門的・技術的分野」の賃金は月額32万4300円だった。サンプル数は少ないものの、日本人を含む正社員全体(32万5400円)と同水準だ。ただ、勤続年数は外国人が2.7年、正社員全体は13年で、専門的な業務であれば外国人の方が賃金水準は高いと言える。
 一方、技能実習の賃金は15万6900円となり、日本人を含めた一般労働者(30万7700円)全体の半分ほどにとどまった。短時間労働者でみても1時間あたり977円で、日本人を含めた全体の1148円より15%低かった。勤続年数が浅いことが要因とみられるものの、一部で最低賃金を下回るといった違法な事例も起きており、労働環境の改善はなお課題だ。
 今回は19年4月に導入された新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者の賃金は示されなかった。調査対象は19年6月分の賃金で、当時は受け入れ人数がわずかだった。結果に反映されるのは来年以降になる。
 賃金構造基本統計は毎年、主な産業で雇われている労働者の賃金をまとめたもの。短時間労働者を除く一般労働者は男性が33万8千円で前年比0.1%の増加だった。女性は25万1千円で1.4%増となり、男女の賃金格差は過去最も小さくなった。

令和2年3月31日(火曜日)日本経済新聞電子版

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有給取得率、18年は52・4%=厚労省調べ 2019/10/30

 厚生労働省が29日発表した2019年の就労条件総合調査によると、18年の年次有給休暇の取得率は52.4%で、前年から1.3ポイント上昇した。取得した日数は平均9.4日で、大企業ほど取得率が高かった。政府は20年までに取得率70%の目標を掲げているが、依然として大きな開きがある。
 取得率は従業員数1000人以上で58.6%と最も高く、30〜99人では47.2%と最も低かった。「労働者側にも自分の仕事が大変になったり、職場に迷惑がかかったりするというためらいがあり、取得が進まない原因になっている」(厚労省)という。
 厚労省は目標達成を促すため、19年4月から企業に対し、年5日以上の有給を従業員に取らせるよう義務付けた。
 従業員が退社して翌日出社するまでに一定時間を空ける「勤務間インターバル制度」の導入状況についても調べた。導入している企業は全体の3.7%にとどまった。導入を予定・検討している企業は15.3%だった。

令和元年10月29日(火曜日)日本経済新聞電子版

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「定年まで今の会社で」は2割、今春の新入社員2019/06/14

 就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)が13日発表した調査によると、今春入社の新入社員のうち今の会社に定年まで勤めると考えているのは2割にとどまった。ずっと働きたくない理由としては「ライフステージに合わせて働き方を変えたい」が最も多かった。自らの生き方に合わせて柔軟に仕事を選びたいという気持ちが強いようだ。
 2019年卒の新入社員を対象に5月7〜8日にインターネットで調査し、800人から回答を得た。
 今の会社で何年ぐらい働くかを聞いたところ、「5年以内」という回答が37.1%と「定年まで」(21.8%)を上回った。「6〜10年」は9.8%、10年以上は7.6%で、「わからない」という答えも23.9%あった。
 長く働きたいと思わない理由としては「ライフステージに合わせて働き方を変えたい」が44.4%で最多。「転職でキャリアアップしたい」(29.7%)、「色々な会社で経験を積んでいきたい」(28.9%)が続いた。
 一方、就職した会社のイメージが変わったかどうかを聞いたところ「良い方向に変わった」が28.9%で、「悪い方向に変わった」という答えも12.4%あった。学生時代に戻れるなら就職活動をやり直したいという人も52.8%に達した。

令和元年6月13日(木曜日)日本経済新聞電子版

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基本給13カ月連続増、4月、人手不足で賃上げじわり2018/06/06

 厚生労働省が6日発表した4月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)は、基本給にあたる所定内給与が前年同月に比べ1.2%増えた。増加は13カ月連続だ。人手不足を背景に大企業中心に賃上げが進み、一定の押し上げ効果があったとみられる。
 連合が5月に発表した春季労使交渉の第5回回答集計によると、産業界全体の賃上げ率は平均2.09%。7月ごろには賃上げの効果が行き渡るとみられ、当面は基本給の増加が続きそうだ。
 主な産業で所定内給与の増加率が高かったのは運輸・郵便業だ。3.9%増えた。深刻な人手不足から賃上げが広がっている。宅配便最大手のヤマト運輸は18年の春季労使交渉でベースアップ(ベア)と定期昇給などを合わせて3.6%の賃上げを決めた。
 人手不足から正社員の採用が進んでおり、パートタイム労働者比率は全体の29.95%と約3年ぶりに3割を下回った。
 ただ、毎勤統計は確報値で速報値から下方修正されることが多い。速報値段階で正社員に比べると賃金の低いパート比率が低めに出ることが多いからだ。6月下旬に発表する4月の確報値でも基本給は下方修正される可能性がある。

平成30年6月6日(水曜日)日本経済新聞電子版

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65歳以上も雇用、企業の75%で導入=厚労省調査2017/11/06

 厚生労働省がまとめた高年齢者の雇用状況(6月1日時点)によると、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は75.6%だった。前年同期比1.5ポイント上昇した。人手不足などを背景に中小企業が大手を上回り、高齢者を積極的に活用する姿勢が明らかになった。
 従業員数31人以上の企業15万6113社の状況をまとめた。会社を辞めて再雇用などをする継続雇用制度を導入する企業は56%、65歳以上の定年を設けるのは17%、定年制の廃止は2.6%だった。また70歳以上まで働ける制度を導入する企業も22.6%あった。
 65歳以上まで働ける制度は中小企業の78%が導入しており、大企業の55.4%を上回った。厚労省は「大企業の方が給与水準が高く、人件費負担を考慮して慎重になる傾向がある」とみている。

平成29年11月5日(日曜日)日本経済新聞電子版

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生産性引き上げで助成金加算、厚労省、3年後6%以上で2017/08/17

 厚生労働省は中小企業向けの助成金について、企業の生産性が向上すれば支給額を加算するしくみをつくる。3年後に6%以上上がれば、2割程度を上乗せする。企業は金融機関の支援を受けながら生産性向上の計画を提出する。意識的に生産性を高める取り組みを促し、経済の底上げにつなげる。
 新制度の対象は、離職した労働者の早期雇い入れなど再就職支援の助成金、離職率の低下に取り組む企業向けの職場定着の助成金などを中心に選定する方向だ。2018年度にも試行し、活用状況を見ながら拡大する。
 生産性は営業利益や人件費、減価償却費などを足した数字を雇用保険の被保険者数で割って算出する。原則、助成金を申請する企業の直近の会計年度と3年後の生産性を比較する。
 金融機関との連携も促す。企業は取引先の金融機関と生産性の引き上げに向けた計画をつくる。6%以上上がらない場合でも、金融機関の事業性評価シートなどで一定の評価があれば、加算対象とすることを検討する。
 いまも生産性が向上している企業に対して助成金を加算する仕組みはあるが、申請時の過去の実績で判断している。3年後の成果で評価するやり方に切り替えることで、企業が意識的に生産性を引き上げる動機づけになるとみている。
 日本生産性本部によると、日本の生産性は経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国中で22位にとどまるなど先進国の中でも低い水準だ。生産性引き上げは日本経済の底上げに向けた重要課題になっている。

平成29年8月15日(火曜日)日本経済新聞電子版

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企業、正社員「不足」43.9%、過去10年で最高 2017/03/07

 帝国データバンクが今年1月の調査(1万社強が回答)で正社員の過不足を聞いたところ、「不足」と答えた企業が43.9%で、過去10年で最高となった。大企業は51.1%だった。非正社員も人手不足は深刻で、飲食店が8割台と断然トップだった。経済成長の足を引っ張りかねないほど人材需給は逼迫している。
 正社員は前回調査(16年7月)に比べ6.0ポイントも上昇。大企業が中小企業(42.1%)より高かった。業種を見ると放送(73.3%)、情報サービス(65.6%)、メンテナンス・警備・検査(62.9%)が続いた。
 非正社員の「不足」の割合は29.5%。前回調査より4.6ポイント高く、過去10年で最高だ。飲食店(80.5%)、娯楽サービス(64.8%)、飲食料品小売り(59.4%)と続き、消費関連が目立った。帝国データバンクの窪田剛士氏は「長い目でみて経済成長を抑制しかねない状況だ」と指摘する。

平成29年3月6日(月曜日)日本経済新聞電子版

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雇用、4年で250万人増、子育て女性働きやすく2017/01/08

 緩やかな景気回復の下で、雇用者数が伸びている。2016年11月時点で5733万人となり、直近4年で250万人増えた。特に女性が目立ち、出産や子育てのためにいったん仕事を離れる「M字カーブ」は解消されつつある。男女ともに60代以上の労働参加率も高まった。人口は減り始めており、働く意欲のある女性や高齢者を支える環境整備が課題になる。
 雇用者数は安倍政権が発足し、景気回復期にも入った12年12月以降、右肩上がりで伸びている。12年12月と16年11月を比べると、250万人増えた。内訳は男性が約80万人、女性が170万人で、女性の増加が大きな要因であることがわかる。
 40〜59歳の女性が4年間で約130万人増えており、全体をけん引した。それだけでなく、出産や子育てをすることの多い25〜39歳でも働く人の比率が高まっている。
 育児休暇を取得して職場復帰する女性が増えている。保育所に子どもを預けることができない待機児童問題は解消されていないが、国が保育所の定員を拡大したことが影響した。収入面から夫妻がともに働かなければならない世帯もあるが、00年と比べるとM字カーブは解消に向かっている。
 もう一つの要因が60代以上の働き手。男女ともに年金の支給開始年齢を65歳に引き上げ始めており、60歳以上で働く人が増加している。たとえば60〜64歳の男性の労働力率は8割に迫り、65〜69歳も5割を超えている。人数でみると、65歳以上の雇用者は4年間で男性が100万人近く増え、女性も60万人増えた。
 日本の人口は08年をピークに、15年は0.8%減の1億2700万人まで減少している。特に15〜64歳はピーク時の1990年代半ばは8700万人いた。15年は1000万人少ない7700万人まで減少している。現役世代の減少を、高齢者の労働力で補っている構図が浮かび上がる。
 失業者も含め働く意思を持った労働力人口でみると、15年は約6598万人と08年の6674万人に迫る勢いだ。
 現役世代の減少が流通業を中心に人手不足につながり、失業率の低下や有効求人倍率の上昇につながっている。当面は人手不足が続くとみられるが、男性の高齢者の労働参加率は既に相当高い。余地が大きいのは女性高齢者だ。女性は60〜64歳の労働力率が5割、65〜69歳は3割にとどまっている。
 企業はパート時給を引き上げたりして人材確保に躍起になっているが、高齢者が働きやすい短時間勤務の制度などを整えていくことが必要になる。高齢者の就労が進めば、年金の一段の支給開始年齢の引き上げなど社会保障制度の見直しも焦点になる。

平成29年1月8日(日曜日)日本経済新聞電子版

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障害者雇用率、過去最高の1.92%=6月1日時点2016/12/15

 民間企業で働く障害者の割合(障害者雇用率)は今年6月1日時点で1.92%で、前年同期より0.04ポイント上昇し過去最高となったことが14日までに、厚生労働省のまとめでわかった。雇用者数も同4.7%増の約47万4千人となり、13年連続で過去最高を更新した。
 障害者を雇わなければならない民間企業の法定雇用率は2013年4月に1.8%から2.0%に引き上げられ、対象企業も従業員56人以上から50人以上となった。
 法定雇用率を達成した企業は4万3569社。達成率は48.8%と前年同期比1.6ポイント上昇した。企業規模別にみると従業員1千人以上の企業3232社の雇用率は平均2.12%となり、大企業ほど障害者の雇用が進んでいる。
 雇用された人の障害別にみると、精神障害の雇用者数は約4万2千人となり、前年同期比21.3%上昇した。精神障害者を雇用率の算定対象とした改正障害者雇用促進法の施行(06年4月)から11年連続で増加している。

平成28年12月14日(水曜日)日本経済新聞電子版

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民間平均給与、5万円増420万円…格差広がる2016/09/29

 民間企業の会社員やパート従業員らが昨年1年間に得た平均給与は420万円で、前年を5万円(1・3%)上回ったことが国税庁の調査でわかった。
 増加は3年連続。企業の好業績などを背景にした賃上げが反映されたとみられる。
 年間を通じて企業に勤務した給与所得者は前年比38万人増の4794万人(男性2831万人、女性1963万人)で、1949年の調査開始以来、最多となった。正規社員(3142万人)の平均給与は前年比7万円増の485万円、パートや派遣などの非正規(1123万人)は1万円増の171万円で、両者の格差は広がった。

平成28年9月28日(水曜日)読売新聞電子版

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障害者の就職、最高に=15年度は9万人2016/05/30

 2015年度に全国のハローワークを通じて就職した障害者は9万191人(前年度比6.6%増)で、1970年度の調査開始以来最多となったことが28日までに、厚生労働省のまとめで分かった。18年度から精神障害者も雇用義務の対象となることから企業の採用が広がっており、6年連続で過去最多を更新した。
 就職者の内訳は精神障害者が3万8396人(同11.2%増)、身体障害者が2万8003人(同0.6%減)、知的障害者が1万9958人(同6.6%増)、発達障害者などは3834人(同21.1%増)だった。
 産業別では「医療・福祉」への就職者が最も多く3万3805人(37.5%)。2番目は「製造業」の1万1933人(13.2%)。3番目は「卸売・小売業」の1万1577人(12.8%)だった。
 障害者の新規求職申込者は18万7198人(同4.5%増)。就職者数を求職者で割った就職率は48.2%(同1.0ポイント増)となった。

平成28年5月28日(土曜日)日本経済新聞電子版

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有効求人倍率1.20倍、24年ぶりの高水準2016/01/29

 厚生労働省が29日午前に発表した2015年平均の有効求人倍率は前年比0・11ポイント増の1・20倍で、1991年以来、24年ぶりの高水準となった。
 15年12月の有効求人倍率(季節調整値)は1・27倍で、前月より0・02ポイント上昇した。仕事を探している人より求人数が多い1倍を超えるのは、26か月連続。正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0・01ポイント増の0・80倍で、統計を取り始めた2004年11月以降で最高を更新した。
 一方、総務省が29日午前に発表した労働力調査によると、2015年平均の完全失業率(速報値)は3・4%で、前年より0・2ポイント低下した。5年連続で改善し、18年ぶりの低水準となった。15年12月の完全失業率(季節調整値)は、前月と同じ3・3%。

平成28年1月29日(金曜日)読売新聞電子版

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パートの労働組合員、初の100万人超…厚労省2015/12/28

 労働組合に加入するパート労働者が今年6月末現在、102万5000人(前年比5.7%増)となり、厚生労働省が調査を始めた1990年以降、初めて100万人を超えたことが24日、分かった。
 全組合員に占めるパート労働者の割合も、初めて1割を超えた。連合などの労働組合は、増加する非正規労働者の加入促進に力を入れており、厚労省は「労組の取り組みが影響したのでは」とみている。
 パート労働者の加入者が多い産業は「卸売り・小売り」53万2000人(同2万1000人増)、「宿泊・飲食サービス」13万8000人(同3万人増)など。
 一方、全組合員数は988万2000人で、6年ぶりに前年を上回ったが、経済状況の好転で雇用者数が増えたため、雇用者数に占める組合員数の割合を示す組織率は、前年より0.1ポイント低い17.4%だった。

平成27年12月24日(木曜日)読売新聞電子版

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介護者・高齢者、働きやすく、厚労省が雇用保険改革案2015/12/20

 厚生労働省は18日、雇用保険制度の改革案をまとめた。介護休業を取る人への給付金を引き上げるほか、65歳以上の新規加入を認めることなどを盛り込んだ。現役世代の介護離職を防ぎ、高齢者の就業を促進するのが狙い。政府が目標に掲げる「一億総活躍社会」の実現に向けて、働きやすい環境を整える。
 労働政策審議会(厚労相の諮問機関)雇用保険部会が雇用保険制度改革の素案を大筋で了承した。厚労省は改革案を基に雇用保険法の改正案をまとめ、2016年の通常国会への提出を目指す。
 制度改革の柱である介護休業給付は現在、休業前の賃金の40%を給付する仕組み。これを育児休業給付と同水準の67%に引き上げる。
 介護休業給付は配偶者や両親などの介護が必要になり、休職した場合に支給する。通算93日が限度だ。今は介護休業は1つの症状につき1回ずつしか取れず、使い勝手が悪い。3回まで分割して取れるようにする制度改正も合わせて実施する。
 高齢化に伴い、家族の介護や看護を理由に離職や転職する人は年間で約10万人にのぼるが、介護休業給付をもらう人は14年度に9600人にとどまっている。平均受給額も月9万3918円と少額だ。より手厚い失業手当をもらうために、休職よりも仕事を辞めることを選ぶ人がいるとみられる。厚労省は介護休業時の所得保障を厚くすることで、前の職場に復帰しやすくする。
 もう1つの柱は65歳以上の高齢者に雇用保険への新規加入を認める点だ。失業した場合は勤め先にもらっていた賃金の最大50日分を一時金として払う。その場合も年金の減額はしない。
 今の制度では65歳以上で、勤め先が変わると雇用保険から外れるようになっている。勤め先が変わらない場合だけ、雇用保険の加入が続く。65歳以上で新たに仕事を探す人は増えており、制度改革で不公平感をなくす。中小企業の負担が増えないよう、当面は労使が払う雇用保険料を免除する方針だ。
 厚労省によると、65歳以上の新規求人数は14年度が46万人にのぼる。前年度に比べ11%増えており、新規求人数全体の8%を占める。
 厚労省は一連の改革にあわせて失業給付に充てる保険料率を引き下げることも決めた。いまの年収の1%から0.2ポイント引き下げ、同0.8%にする。労使合わせて3400億円の負担減になる。年収500万円の会社員が納める保険料は年5000円減る計算だ。
 雇用情勢の改善で、失業給付は減少している。積立金は6兆円を超え、過去最大規模となっており4年ぶりの引き下げを決めた。

平成27年12月19日(土曜日)日本経済新聞電子版

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65歳雇用制、企業の72.5%=採用進む−厚労省2015/10/22

 厚生労働省が21日発表した2015年の高年齢者の雇用状況の集計結果によると、希望者全員が少なくとも65歳まで働ける企業の割合は72.5%と、前年比1.5ポイント上昇した。改正高年齢者雇用安定法が2013年4月に施行されたことを受け、高齢者雇用が進んでいる。
 調査は、従業員31人以上の企業を対象に実施。14万8991社が回答した。データは6月1日時点。それによると、少なくとも65歳まで働ける企業数は10万8086社と、前年に比べ4500社増加した。
 規模別に見ると、従業員301人以上の大企業では0.8ポイント上昇の52.7%。一方、300人以下の中小企業では1.6ポイント上昇の74.8%で、中小の取り組みが進んでいる。

平成27年10月21日(水曜日)時事通信社

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雇調金が9割減、14年度、業績・雇用改善が寄与2015/08/18

 経営状態が悪化しても従業員の雇用を維持する企業に払う雇用調整助成金の支給が大きく減っている。厚生労働省によると、2014年度は約69億円で前年度から87%減った。景気回復に伴い企業業績や雇用情勢が改善したことが寄与した。
 雇用調整助成金は景気の悪化や産業構造の変化で売り上げが減った企業向けの制度で、景気悪化で失業者が急増するのを防ぐ狙いがある。従業員が休業したり教育訓練を受けたりした場合、賃金相当額の一部を助成する仕組み。14年度の支給対象者は約26万人で前年度から9割減った。
 雇用調整助成金の支給額が最も多かったのはリーマン・ショックにより雇用情勢が悪化した09年度だ。政府が雇調金の条件を緩めて企業が使いやすくした結果、支給額は6534億円に達した。当時と比べ14年度は100分の1まで減った。
 直近の完全失業率は18年ぶりの低い水準だ。現行の賃金水準で働きたい人がすべて雇用されている「完全雇用」に近い状態とされる。政府は雇用政策の軸足を雇用維持から産業構造の変化にあわせた転職支援へと移している。不採算事業の温存につながらないよう雇調金の条件を厳しくし、企業の新陳代謝を後押しする狙いだ。

平成27年8月18日(火曜日)日本経済新聞電子版

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障害者の就職、8.4万人=5年連続で最高−厚労省調査2015/05/14

 厚生労働省は13日、2014年度にハローワーク経由で就職した障害者が前年度比8.6%増の8万4602人となり、5年連続で過去最高になったと発表した。精神障害者の採用が大きく増えた。
 民間企業や官公庁に一定以上の障害者を雇うよう義務付けた障害者雇用促進法が13年度に改正され、法定雇用率が引き上げられたことが背景とみられる。厚労省は「法改正に加え、前向きに仕事を求める障害者が増えていることも理由」(障害者雇用対策課)とみている。
 内訳は、身体障害者が0.5%減の2万8175人、知的障害者が6.1%増の1万8723人、精神障害者が17.5%増の3万4538人。産業別では、医療・福祉、製造業での増加が目立った。

平成27年5月13日(水曜日)時事通信社

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労働組合組織率17.5%、6月末時点、過去最低を更新2014/12/18

 全国の労働組合の推定組織率(雇用労働者に占める組合員の割合)が今年6月末時点で17.5%となり、過去最低を更新したことが17日、厚生労働省の調査でわかった。前年同期と比べて0.2ポイント減少して、4年連続で低下した。労働組合員数も同2万6千人(0.3%)減の984万9千人だった。

平成26年12月17日(水曜日)日本経済新聞電子版

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働く障害者、43万人…11年連続で最多を更新2014/11/27

 企業で働く障害者が今年6月時点で計43万1226人と前年を5.4%上回り、11年連続で過去最多を更新したことが26日、厚生労働省の調査で分かった。
 同省は「企業の理解が広まって採用が増え、障害者の就労意欲も高まっているため」と分析している。
 調査は毎年、従業員50人以上の企業を対象に実施。従業員に占める障害者の割合を示す雇用率は1.82%で前年より0.06ポイント増加したが、法定雇用率の2%には届かなかった。
 障害別の内訳は、身体31万3315人(前年比3.1%増)、知的9万203人(同8.8%増)、精神2万7708人(同24.7%増)。精神障害者は2018年4月から雇用が義務化されるため、大幅増につながったとみられる。

平成26年11月27日(木曜日)読売新聞電子版

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長時間労働の削減を=塩崎厚労相、経団連に要請2014/10/10

 塩崎恭久厚生労働相は9日、経団連の鵜浦博夫副会長と会談し、長時間労働の削減を要請した。過労死の防止や労働生産性の向上のため、従業員の定時退社や有給休暇の取得などに取り組むよう企業に促した。
 塩崎厚労相は「働き方改革の実現は安倍内閣の成長戦略の重要な柱の一つ。それぞれの実情に応じた取り組みをお願いしたい」と述べた。鵜浦副会長は「企業にとって従業員の健康は人事管理の基本中の基本。早速、会員企業に趣旨を伝える」と応じた。

平成26年10月9日(木曜日)時事通信社

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女性法案、あいまい決着=数値目標は企業まかせ 2014/10/08

 厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)は7日、政府が臨時国会に提出予定の女性活躍法案の要綱を承認した。従業員301人以上の大企業に独自の女性登用の数値目標を公表するよう義務付ける。
 法案は2016年度から10年間、数値目標を含む行動計画の公表を大企業に義務付ける。ただどんな項目について数値目標を定めるかが完全に企業まかせになっている。数字さえ入れば、従業員の意識調査といった目標であっても「法律上は問題ない」(雇用均等政策課)。法律に実効性が伴うかどうかは不透明だ。
 法案を巡っては、労使の代表が参加する労政審の報告をくつがえす異例の展開となった。経営側委員が数値目標の義務付けに「数合わせの人事になる」と強く反発したため、報告書段階では数値目標について「望ましい」との表記にとどまっていた。
 これは「普通は法案に落とし込むと義務化につながらない表現」(厚労省幹部)だったが、首相官邸との調整を経て一転して義務付けになった。

平成26年10月8日(水曜日)日本経済新聞電子版

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給与総額17年半ぶりの高い伸び=7月2.6%増2014/09/03

 厚生労働省が2日まとめた毎月勤労統計調査(速報値)によると、7月の現金給与総額の平均は36万9846円と前年同月比2.6%増えた。伸び率は17年半ぶりの大きさ。ベースアップの広がりや正社員の増加で基本給が増えたほか、人手不足を背景に建設業などがボーナスを積み増した。
 現金給与総額は基本給や残業代、ボーナスなどの合計。所得税や社会保険料を差し引く前の支給総額で、7月は5カ月連続の増加となった。
 基本給を示す「所定内給与」は0.7%増の24万2840円となり、14年4カ月ぶりの高い伸び率となった。大企業でベアが広がったことに加え、給与水準が高い正社員などのフルタイム労働者数が1.6%増えたことで全体が押し上げられた。ファーストリテイリングなどの大手流通業を中心に「パートから正社員への転換が広がっているためではないか」(厚労省)という。
 ボーナスなど「特別に支払われた給与」は10万7517円と7.1%増えた。建設業が31.1%増えたほか、飲食サービス業が30%伸びた。製造業(9.9%増)、医療福祉(6.8%増)の増加も目立つ。いずれも人手不足が指摘される業種で、人材をつなぎとめる狙いなどから、ボーナスを増やす動きが出ているもようだ。
 残業代を示す「所定外給与」も1万9489円と3.3%増えた。製造業や情報通信業、旅行など生活関連サービス業が増えた。所定外給与の増加は16カ月連続。
 ただ物価変動分を考慮した実質ベースの水準でみると、現金給与総額は前年同月比1.4%減とマイナスが続く。賃金アップのペースは、消費増税の転嫁分を含めた物価の上昇に追いついていない。
 毎月勤労統計の速報値はパート労働者が少ないため、数字が高く出やすい。今月中旬に発表される確報値で下方修正される可能性もある。

平成26年9月2日(火曜日)日本経済新聞電子版

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正社員の残業最長、人手不足響く=1〜6月2014/08/25

 正社員の残業時間が増えている。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、1〜6月期の残業時間指数は110.8と前年同期を7%上回った。比べられる1993年以降で最長になった。景気回復で売り上げが増えているなか、人手不足で新しい人の採用が思うように進まないためだ。
 5人以上のオフィスや工場で、正社員を中心とするフルタイム労働者の残業時間を調べた。1〜6月期の残業時間は1人当たり月約14時間。業種別にみると、経済対策や復興事業で人手が足りない建設業が8%伸びた。製造業(12%増)や運輸・郵便業(11%増)、卸売・小売業(5%増)は消費増税前の駆け込み消費も残業時間を押し上げたが、4月以降も前年を上回る水準が続いている。
 正社員の残業時間が増えているのは雇用形態が変わった影響もある。働く人に占める正社員の比率は1990年の80%から2013年には63%まで下がっている。「非正規社員は残業することが少ないため、正社員が労働時間を延ばして人手不足の現場をしのいでいる」(厚労省)のが実態だ。
 残業が増えれば、受け取る残業代が増えることになる。最新の6月は正社員の平均で2万6025円と前年同月から3.6%伸びた。賃金が増えれば消費の拡大につながることが期待できる。
 ただ2012年の就業構造基本調査によると、トラック・タクシー運転手や理容師・美容師の約3割が、残業時間が過労死の認定基準となる月80時間以上を上回っている。企業は従業員の健康維持にも目配りする必要がある。

平成26年8月23日(土曜日)日本経済新聞電子版

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中小企業、65%が賃上げ=人手不足に対応2014/08/16

 中小企業で賃上げの動きが広がっている。経済産業省が15日に公表した調査では、今春に従業員の賃金を引き上げた中小・零細企業は65%と、前年度の57%から拡大した。人手不足にともない、給与水準を上げて雇用を維持したり新卒の社員を雇ったりする事例が増えている。
 全国の中小・零細企業1万380社から回答を得た。賃上げした企業のうち、毎月の給与を底上げするベースアップ(ベア)を実施したのは36%だった。5月に公表した大企業への調査(東京証券取引所の上場企業908社)では92%が賃上げし、うち47%がベアをしていた。中小企業のほうが慎重な姿勢をとっている。
 中小企業が賃上げした理由(複数回答も可能)の1位は「従業員の定着・確保」で、76%を占めた。公共工事の拡大によって建設業やサービス業などで労働力が不足し、大企業との競合も勘案して賃上げに踏み切る例が多い。一方、「業績回復の還元」と答えたのは29%にとどまった。
 今年度に「人員を増やした」と回答した中小企業は43%と、前年度より4ポイント増加した。それでも「募集をかけても採用したい人材がいない」と答えた比率が48%にのぼった。優秀な人材は企業間の取り合いが激しくなり、賃上げの圧力にもつながったようだ。
 賃上げを実施した企業の割合を業種別でみると、自動車や精密機械をふくむ加工型製造業が75%と最大だった。地域別では中部が70%と最も高く、愛知県の自動車産業などが貢献した。

平成26年8月15日(金曜日)日本経済新聞電子版

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労災死者、2割増437人、景気回復で建設業など2014/08/07

 景気回復や増税前の駆け込み需要で経済活動が活発化したことを受け、今年上半期の労働災害による死者が437人と、昨年同期に比べ約2割増加したことが5日、厚生労働省のまとめで分かった。厚労省は業界団体に対し、安全に留意するよう緊急要請を行った。
 厚労省によると、今年1〜6月の労働災害による死者(速報値)は前年同期より71人(19・4%)増えた。業種別では、建設業159人(前年同期比28%増)▽製造業82人(同12%増)▽運送業55人(同62%増)−などが多かった。運送業は前年同期の34人から大幅増となり、積み卸し作業中にトラックから転落したり、交通事故に巻き込まれたりする例が目立った。
 また、死者も含め、けがや精神疾患などで4日以上の休業が必要となる労災も、4万7288人と前年同期比1625人(3・6%)増となった。
 厚労省は、消費税増税前の駆け込み需要で生産量や物流量が増えた▽2月の大雪で運搬中の交通事故や転倒事故が相次いだ−ことなどが原因と分析。景気回復を受け、建設業などを中心に人手不足の業界は広がっており、「今後も作業量増加や未経験者の採用で、労災事故が増える恐れがある」という。

平成26年8月5日(火曜日)MSN産経ニュース

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働く女性100万人増加可能…経済財政白書2014/07/25

 甘利経済財政相は25日午前の閣議に、2014年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。
 少子化で労働力人口が減る中、働く女性と高齢者を増やすことが日本経済の重要な課題だとした。待機児童を減らすなどの子育て対策を充実させることで、約100万人の女性が新たな労働力になると指摘した。
 甘利経財相は同日の閣議後記者会見で、白書について「日本経済の持つ潜在力を引き出し、その可能性を広げることが重要だと指摘している。幅広い議論の素材となることを期待している」と述べた。
 白書は、日本の労働力人口は30年には13年(約6600万人)より約900万人少ない約5700万人になると見込んだ。
 13年時点で女性の労働力人口は約2800万人。このほかに、子育てなどで今は仕事に就くことをあきらめているものの、可能なら働きたいと考えている女性が300万人以上いると指摘。育児と仕事を両立させられる環境が整えば、約100万人の女性が働けるようになるとした。

平成26年7月25日(金曜日)読売新聞電子版

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女性の育休取得率7.3ポイント低下、13年度、人手不足で2014/06/24

 厚生労働省が23日発表した2013年度の雇用均等基本調査によると、女性の育児休業取得率は前年度に比べ7.3ポイント低下し、76.3%となった。景気回復に伴う人手不足で休みにくくなったことや、保育所が増えて子どもの預け先を確保しやすくなったことが理由だ。
 29人以下の小さな事業所に勤める女性の取得率が14.8ポイントと大幅に低下し、58.6%となったことが響いた。中小企業庁の中小企業景況調査によると、従業員数過不足DI(過剰から不足を引いた値)は11年7〜9月期から14年1〜3月期まで連続でマイナスが続いている。
 女性の就労が多いサービス業や小売業は人手不足が深刻。周囲への遠慮から育休取得をあきらめている女性がいるとみられる。
 安倍政権発足後、保育所の整備が進んでいることも育休取得が減った一因だ。17年度末までに40万人分の保育の受け皿を確保する計画で、今年度までに20万人分を用意する方針で、育休をとらずに働きやすくなっている。
 一方、男性の取得率は0.14ポイント上昇し2.03%になった。男性の育児参加の状況は改善傾向にあることがわかった。ただ、男性の育休取得率を20年までに13%にする政府の目標は大きく下回っている。

平成26年6月23日(月曜日)日本経済新聞電子版

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建設労働環境の改善めざす、国交省が対策案2014/06/17

 国土交通省は16日開いた建設産業活性化会議で、建設業界の人材確保・育成に向けた対策案を示した。低価格での受注競争に加え、民間工事で工期の短縮を求める圧力が高まっていることが建設現場の労働環境の悪化を招いていると分析。週休2日制の普及や工期の適正化に官民連携で取り組む方針を示した。
 公共工事のダンピング対策では、入札時に最低制限価格や低入札価格の調査制度を設けない市区町村が200以上あることを問題視。全自治体が制度を導入するよう求め、未実施の自治体には個別に要請する。安値受注を改め、技能者の賃金改善につなげる。
 国の直轄工事で若手や女性の技術者の配置を入札条件にするモデル工事の実施も盛り込んだ。若手や女性が活躍できる場を増やし、就労を促すねらいだ。

平成26年6月17日(火曜日)日本経済新聞電子版

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建設業、女性の就労2倍にー国と業界で行動計画2014/04/18

 国土交通省は17日、人手不足が深刻な建設業で女性の活用を拡大する方針を決めた。今夏をメドに、日本建設業連合会など業界5団体と女性の就労促進に向けた官民合同の行動計画を策定する。2018年度までに女性の技能労働者を現状の2倍の18万人規模とする目標も共有する。
 太田昭宏国土交通相が24日、日建連の中村満義会長(鹿島社長)ら5団体のトップと会談し、行動計画をつくることで合意する。全国建設業協会や全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会、全国建設産業団体連合会も参加する。
 計画にはトイレや更衣室の整備など女性が働きやすい環境づくりや、女性向けの実技研修の充実などが盛り込まれる見通し。内装など職種ごとの就労促進策も検討する。
 政府は建設業の人手不足対策で、外国人労働者の受け入れを20年度までの期間限定で増やすことを決めている。ただ、業界内には「外国人よりも国内人材の有効活用を優先すべきだ」との意見も根強い。国交省は女性の就労促進に加え、若者の雇用や一度建設業を離れた人の再就職を促す取り組みも進める考えだ。

平成26年4月17日(木曜日)日本経済新聞電子版

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建設業で外国人活用拡大、政府決定、実習5年に延長2014/04/05

 政府は4日、人手不足が深刻な建設業で外国人労働者の受け入れを拡大する緊急措置を決めた。外国人が対象の技能実習制度を実質的に拡充し、受け入れ期間を2年延ばして最長5年間にする。過去の実習生が再入国して2〜3年間働くことも認める。東日本大震災の復興事業や2020年の東京五輪の準備で膨らむ建設需要に対応する。
 午前の関係閣僚会議で決定した。20年度までの時限措置として、15年度からの実施を目指す。菅義偉官房長官は「即戦力となる外国人を受け入れ、五輪の成功に万全を期す」と述べた。
 政府は15〜20年度の6年間で発生する一時的な建設需要に対応するため、延べ15万人程度の労働者が必要と想定。緊急措置により、同期間で延べ7万人程度の外国人の受け入れが可能とみる。
 技能実習制度は新興国への技術移転を目的に外国人を受け入れる仕組みだ。緊急措置は建設業に限定した。通常の実習生の滞在期間は最長3年間だが、法相の指定する「特定活動」という在留資格を与えて、追加で2年間働けるようにする。過去の実習生が特定活動の資格で再入国し、働くことも認める。帰国して短期間での再入国なら2年間、帰国から1年以上たっている人は3年間とする。
 緊急措置を活用できるのは「過去5年間で不正行為がない」といった条件を満たす企業や団体に限る。受け入れ企業による賃金の不払いや実習生の不法就労などの問題も指摘されてきたからだ。国土交通省は監視強化のため、企業への立ち入り検査を実施。国や建設会社などで協議会を設置し、企業の受け入れ状況の把握や不正行為の情報共有に取り組む。
 長引く不況や公共事業の削減に伴い、建設関係の技能労働者は13年に338万人とピーク時の1997年から117万人(約26%)減った。足元では復興や五輪関係の建設需要が急速に増えているが、国内の建設人材では対応しきれないことへの懸念が強まっている。
 政府は若者の建設業への就職や、離職者の再就職の支援などに取り組んでいるが、いずれも時間がかかる。「即戦力」となる外国人労働者の受け入れ拡大に踏み切った。

平成26年4月4日(金曜日)日本経済新聞電子版

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春季労使交渉、賃上げ平均6495円2014/04/02

 連合は1日、2014年の春季労使交渉の第3回の回答集計結果を発表した。3月末時点でまとめた定期昇給とベアを合わせた賃上げ額の平均は、6495円と前年の同じ時期を23%上回った。このうちベアの推定額は1434円。大企業中心で進んだ賃上げの動きは「中小企業にも一定の波及効果が出てきている」(古賀伸明会長)という。

平成26年4月1日(火曜日)日本経済新聞電子版

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13年の非正規従業員比率、最高の33.6%2014/02/01

 雇用情勢の改善が続くなかで、相対的に収入の低い非正規労働者の比率が高まっている。2013年の平均は前年より1.4ポイント高い36.6%となり、過去最高を記録した。男性では初めて2割を超えた。内需が拡大し医療・介護や小売りなどでも就業者が増加。失業率が6年ぶりの低水準に改善するのを下支えしているが、持続的な成長に向けては課題も多い。
 総務省が31日発表した13年の平均の非正規労働者数は1906万人で、労働者全体での比率は36.6%。10年以来4年続けての上昇となった。女性は55.8%と既に高いが、男性も前年に比べ1.4ポイント上がり21.1%となり、非正規活用の広がりを物語る。
 完全失業率(季節調整値)は09年7月に過去最高の5.5%を記録してから、緩やかに改善。13年12月には3.7%と、07年12月以来6年ぶりとなる水準まで下がった。原動力の一つが、パートタイマーや派遣社員、契約社員といった非正規労働者の求人の伸びだ。
 たとえば、小売りではイオンが昨年12月に開業した千葉市のショッピングセンターで、パートタイマーやアルバイトを数千人規模採用。セブン―イレブン・ジャパンなどコンビニエンスストア大手5社は14年度、計4800店を国内で出店予定で、外食チェーンとのアルバイトの奪い合いが激しさを増す。
 製造業でも非正規労働者への引き合いが強い。顕著なのは自動車関連で、消費増税前の駆け込み需要や円安による輸出増で生産台数を増やしている。トヨタ自動車やマツダなどは「期間工」と呼ばれる非正規の工場従業員を増やし、全国で募集を積極化している。
 産業別の就業者では、医療・福祉が23万人増えて735万人に、卸売業・小売業が7万人増えて1057万人となった。日銀の金融政策で円安・株高を演出し、内需をも刺激したアベノミクスの効果が、雇用の面にも表れてきた形だ。

平成26年1月31日(金曜日)日本経済新聞電子版

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「賃金上昇につなげる必要」…政労使で合意文書2013/12/21

 政府と経済界、労働組合の3者は20日、デフレ脱却に向けた政策や賃上げなどを話し合う政労使協議の会合を首相官邸で開いた。
 5回にわたった協議で「経済の好転を企業収益の拡大と、賃金上昇につなげていくことが必要」との考えを共有し、3者が取り組みを進める合意文書をまとめた。
 合意文書によると3者は、政府が従業員の給与を増やした企業の法人税を減額する「所得拡大促進税制」の拡充や、復興特別法人税を1年前倒しで廃止することを確認した。政府はどれぐらいの企業で賃上げが行われたかなどの状況について事後点検を行う。
 ただ合意文書では、焦点となっていた社員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)の明記は労使双方の反対で見送り、「労働者の将来への安心感を醸成し、賃金上昇を消費拡大につなげていくという観点から、様々な対応を検討する」という表現にとどめた。

平成25年12月20日(金曜日)読売新聞電子版

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労組加入率、17.7%=過去最低を更新−厚労省2013/12/18

 厚生労働省が17日発表した2013年の労働組合基礎調査(6月末時点)によると、雇用者に占める組合員の割合を示す組織率は17.7%で、前年から0.2ポイント低下した。2年連続で過去最低を更新した。組織率が低い非正規労働者の増加などが背景にあるとみられ、組合の存在感の低下が改めて浮き彫りとなった。
 組合員数は前年比0.2%減の987万5000人。1000万人を下回るのは3年連続で、ピークだった1994年から2割以上減少している。

平成25年12月17日(火曜日)時事通信社

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民間企業の障害者雇用が過去最高2013/11/20

 民間企業で働く障害者の割合(障害者雇用率)は今年6月1日時点で1.76%で、前年同期より0.07ポイント上昇したことが19日、厚生労働省のまとめで分かった。雇用者数は同7.0%増の約40万9千人。障害者雇用促進法が義務付ける法定雇用率の引き上げなどが奏功し、いずれも過去最高を更新した。
 民間企業の法定雇用率は今年4月に1.8%から2.0%に、対象は従業員56人以上から50人以上になった。法定雇用率の達成企業は3万6413社で、達成率は42.7%と前年比4.1ポイント下がった。
 雇用された人を障害別に見ると、精神障害者が33.8%増と伸びが目立つ。今年6月の法改正で、2018年4月から精神障害者の雇用が義務付けられることになっており、厚労省は「精神障害者の働く意欲が高まり、企業側の理解も深まってきている」と分析している。
 法定雇用率が2.3%の公的機関では、国が2.44%(前年は2.31%)、都道府県が2.52%(同2.43%)、市町村が2.34%(同2.25%)だった。

平成25年11月19日(火曜日)日本経済新聞電子版

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女性の就業率、過去最高の63%=9月2013/10/30

 総務省が29日発表した9月の労働力調査によると、15〜64歳の女性人口に占める就業率は前年同月比2.0ポイント上昇の63%となり、比較可能な1968年1月以来過去最高を更新した。新たに職探しに出る人も増えており、今後も就業率の上昇傾向は続きそうだ。
 職探しをしていない失業者にあたる女性の「非労働力人口」は9月に前月比10万人減の2932万人(季節調整値)となった。8月も12万人減るなど、ここにきて職が見つかる期待感から労働市場への参入が増えている。実際に女性の就業者数は3カ月連続で前月を上回り、失業率の改善につながった。女性の失業率は3.5%で、男性の4.3%より低い。
 雇用形態別にみると、今年1月から女性の正社員が15万人減る一方、非正規は76万人増えた。女性の雇用者(役員を除く)に占める非正規社員の比率は56%と、男女計の37%を大きく上回り、非正規での就業が先行している。厚生労働省は「本人が望んでいない非正規は減らしていく必要がある」としている。

平成25年10月29日(火曜日)日本経済新聞電子版

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障害者雇用率、1.6%止まりー国内には740万人2013/08/26

 政府の「障害者白書」によると日本では人口の6%にあたる約740万人が障害を抱えている。企業の法定雇用率は2%だが、実際は2012年6月時点で1.69%にとどまる。未達の場合、従業員200人超の企業は不足1人あたり原則5万円を国に毎月納付する必要がある。
 ある中小企業は本業とは関係ないデータ入力業務を請け負い、その担当者として障害者を雇った。「障害者にやってもらう業務を社内で探し出すのは難しかった」と明かす。
 法改正で雇用拡大を促すだけでなく、企業が障害者を活用しやすくする仕組みが必要になる。在宅勤務で雇うアイデアなどが、雇用に慎重な企業の姿勢を変えるきっかけになる可能性がある。
 ミライロと提携する電通には「ユニバーサルデザイン領域でビジネスを開発し、(障害者の)740万人の市場をつくり出す」狙いがある。障害者が働く機会を得て、購買力を高めて消費者として一定の存在感を発揮するようになれば、経済の好循環につながる。

平成25年8月26日(月曜日)日本経済新聞電子版

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大企業の4割、女性管理職ゼロ…製造業ほど遅れ2013/08/14

 帝国データバンクが14日発表した、全国の1万395社を対象にした調査(7月19〜31日実施)によると、管理職(課長職相当以上)のうち女性社員の割合が10%に満たない企業が全体の81.1%だった。
 安倍政権が成長戦略の柱として掲げる女性社員の活用がなかなか進んでいない実態が裏付けられた。
 女性管理職の割合が10%に満たない企業を規模別でみると、大企業で88.7%、中小企業が78.8%、小規模企業71.6%となり、大企業ほど登用が遅れている。業種別では農林水産が97.3%、建設85.8%、製造85.3%などで遅れが目立った。女性の登用が比較的進んでいる小売りは67.8%だった。
 安倍政権は上場企業に対して女性役員を少なくとも1人以上は登用するように求めている。だが、大企業の40.2%は女性管理職が1人もいなかった。また、今後、女性管理職の増加を見込む企業は22.0%にとどまり、59.7%は「変わらない」と答えた。
 

平成25年8月14日(水曜日)読売新聞電子版

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賃上げに全力=「人手不足は深刻」−日建連会長2013/07/19

 大手建設会社などで構成する日本建設業連合会(日建連)の中村満義会長(鹿島社長)は18日、東京都内で記者会見し、下請け企業に対し、鉄筋工など建設現場で働く職人の賃上げを求める方針を正式表明した。中村会長は「技能労働者(職人)の不足は深刻で、このままでは建設業が立ち行かなくなる」と語った。
 賃上げ要請は、日建連の会員企業が公共工事を受注した際、仕事発注先の1次下請け企業に対して行う。直接的な契約関係のない2次以下の下請け企業にも1次下請けを通じ賃上げを求める。月内にも開始する。会員企業は、実際の職人の賃金状況も調べ、賃上げの徹底を図る。
 日建連はまた、下請けが5次や6次など何段階にも分かれている構造が低賃金の温床と問題視。簡素化に乗り出し、5年後をめどに可能な分野で2次下請けまでに整理する。

平成25年7月18日(木曜日)時事通信社

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男性の育休取得率1.89%=景気低迷で取りづらく−厚労省2013/07/05

 厚生労働省が4日発表した2012年度の雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は1.89%で、過去最高だった前年度(岩手、宮城、福島の3県は集計から除外)より0.74ポイント低下した。比較可能な1996年度以降で2番目の高水準だったものの、厚労省は「東日本大震災の影響などで景気が低迷し、育休を取りづらかった」(雇用均等政策課)とみている。
 政府は6月に閣議決定した成長戦略で、男性の育休取得率を20年までに13%に上げる目標を掲げている。現状は目標と大きな隔たりがあり、達成には職場の理解や働き方の見直し、男性自身の意識向上が不可欠となりそうだ。
 10年10月〜11年9月に妻が出産し、12年10月1日までに育休を取得した男性の割合を調べた。
 一方、女性の育休取得率は4.2ポイント低下の83.6%。このうち、雇用契約期間が決まっている有期雇用労働者は9.3ポイント低下の71.4%と下げ幅が大きかった。雇用が不安定で、正社員に比べて育休を取りにくい状況が改めて浮き彫りとなった。
 調査は12年10月、5人以上の従業員がいる全国の5862事業所を対象に実施。71.0%が回答した。

平成25年7月4日(木曜日)時事通信社

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障害者の就職、12年度は6.8万人=3年連続で最多更新2013/05/16

 2012年度にハローワークを通じて就職した障害者が6万8321人となり、1970年度の調査開始以来、最多となったことが15日、厚生労働省のまとめで分かった。前年度に比べ15.1%増で、3年連続で過去最多を更新。企業に義務付けられる障害者の雇用率(法定雇用率)が今年4月に1.8%から2.0%に引き上げられた。
 厚労省は「法定雇用率の引き上げを見据え、企業が活発に採用を進めたことが要因」とみている。
 厚労省によると、新規求職申込者は前年度比9.2%増の16万1941人。就職者数を求職者数で割った就職率は、42.2%(同2.2ポイント増)となり、3年連続で上昇した。解雇者数は、4年ぶりに増えて1539人(同22.8%増)だった。業績が厳しい企業のリストラなどが影響したとみられる。
 就職者の内訳は、身体障害者が2万6573人で最多。次いで精神障害者(2万3861人)、知的障害者(1万6030人)だった。いずれも前年度と比べて増え、精神障害者の伸び率が26.6%で最も高かった。
 現在の障害者雇用促進法は身体障害者と知的障害者の雇用義務を定めている。厚労省は18年度から精神障害者の雇用も義務化する方針。

平成25年5月15日(水曜日)日本経済新聞電子版

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パート、高い早産リスクー正社員・主婦の2.5倍2013/05/13

 パートタイムで働く女性は正社員などのフルタイムで働く女性や専業主婦と比べ、出産時に早産となるリスクが約2.5倍高いとの研究成果を厚生労働省研究班(代表研究者・斎藤滋富山大教授)がまとめた。札幌市で開かれている日本産科婦人科学会学術講演会で12日、発表した。
 早産は低体重で生まれたり呼吸障害が出たりする懸念があり、日本産科婦人科学会によると全妊婦の約5%に発生。予防が課題になっている。
 研究班は2008〜10年に妊娠、出産した1365人を調査。内訳はフルタイム勤務が560人、パートタイム192人、専業主婦が573人、不明が40人だった。
 調査では37週未満の出産となった早産率は、全体で7.5%。フルタイム勤務は6.6%、専業主婦は6.5%だったのに対し、パートタイマーは12.5%で、統計処理すると、早産のリスクが約2.54倍高いと見込まれた。
 調査した斎藤教授は「詳しい勤務実態は不明だが、パートでは立ち仕事が多かったり、休みが取りにくかったりする労働環境が影響している可能性がある。おなかの張りなどの異常を感じたときに休みを取りやすくする支援が必要だ」と話した。

平成25年5月12日(日曜日)日本経済新聞電子版

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職人賃上げ「業界一丸で」=建設業界団体に要請−国交相2013/04/18

 太田昭宏国土交通相は18日、東京都内で日本建設業連合会(日建連)をはじめとする業界団体のトップと会談し、鉄筋工などの職人の賃金を引き上げるよう要請した。東日本大震災の被災地などで恒常化している人手不足の解消が狙い。太田国交相は「若者の就職を促し、職人不足を解消する第一歩は所得の向上だ。業界一丸で取り組んでほしい」と強調した。
 国交相が建設業界に賃上げを直接要請するのは初めて。
 これに対し、日建連の中村満義副会長(鹿島社長)は「業界として適切な賃金水準の確保に取り組みたい」と述べ、要請に応じる意向を表明。また、労務費や資材価格の上昇が目立つ被災地に関して「優先的に人材・資材を振り向ける」と語った。

平成25年4月18日(木曜日)時事通信社

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建設労働者の賃金引き上げ要請=国交省2013/03/30

 国土交通省は29日、建設労働者への賃金を引き上げるようゼネコンなどの建設業者に要請すると発表した。国などが公共事業の発注額を決める際に参考にする労働者の標準賃金である「公共工事設計労務単価」も、2013年度から全国平均で前年度比約15%上げる。待遇を改善し、建設現場での職人不足を解消するのが狙いだ。
 同省は29日付で建設業界団体に通知を出す。とび職や塗装工、溶接工など職人の賃金を引き上げるよう求める。職人不足が顕著な岩手、宮城、福島県の公共工事設計労務単価は平均で約21%上げる。自治体にも労務費の上昇に応じた金額で公共事業を発注するよう求める。
 公共事業の削減を受けて、建設投資は1992年度の80兆円超から11年度には約半分に落ち込み、建設労働者数も約2割減少した。東日本大震災後には、被災地を中心に労働者が不足し、復興の障害となっていた。

平成25年3月29日(金曜日)日本経済新聞電子版

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派遣労働者の6割が正社員を希望=厚労省調査2013/03/30

 派遣労働者の6割が今後の働き方として正社員を希望していることが、厚生労働省の調査でわかった。派遣で働いている理由では、4割近くの人が「正社員として働きたいが、職が見つからなかった」と答えた。不本意ながら派遣で働くしかない人が多い実態が明らかになった。
 調査は2012年12月から13年1月にかけてインターネットを通じて実施した。対象は4000人(男性1057人、女性2943人)。
 派遣で働く理由には、男女で傾向の差があった。男性の半数が正社員での就職を希望していたがかなわなかったのに対し、女性は35%にとどまった。女性の場合「好きな勤務地、勤務期間、勤務時間を選べる」が約4割で、最も多かった。
 過去1年間に派遣で得た収入は200万円以上300万円未満の人が38%で、一番多かった。昇給は特にない人が63%もいた。待遇改善の希望では、「賃金や手当を改善してほしい」が65%、「交通費を支給してほしい」が54%だった。

平成25年3月29日(金曜日)日本経済新聞電子版

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推計より200万人多い…有期雇用1410万人2013/03/02

 総務省は1日、契約社員や派遣社員など期間を定めて働く有期雇用労働者が全体の労働者の約26%にあたる約1410万人に上ると発表した。
 同省が1月の労働力調査(速報)で初めて調べた。有期雇用労働者は一般的に雇用が不安定で、賃金も低いことが多い。厚生労働省はこれまで約1200万人と推計していたが、実態は約200万人多かったことになる。
 契約期間が定められていない「無期」の雇用労働者は約3712万人だった。
 総務省は、2008年のリーマン・ショック後に雇い止めや契約期間途中での解雇が相次いだことを受け、不安定な立場にある労働者の実態を把握する目的で今回から調査方法を変えた。
 これに関連し、田村厚生労働相は同日の閣議後記者会見で、「有期雇用を無期雇用にしていくなど待遇の改善が必要だ」と語った。

平成25年3月1日(金曜日)読売新聞電子版

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平均賃金3年連続プラス、男女格差やや縮小2013/02/21

 厚生労働省が21日発表した賃金構造基本統計調査(全国)によると、2012年のパートを除く一般労働者の平均賃金は前年比0.3%増の29万7700円で、3年連続で増えた。男女ともに前年を上回り、男女間の格差も縮小した。
 10人以上の常用労働者を雇う4万9230事業所から有効回答を得た。調査は12年6月の所定内給与が対象で、残業代や休日出勤の手当などは含まない。
 男性の平均賃金は前年比0.2%増の32万9000円、女性は0.5%増の23万3100円で、女性の方が伸び率が大きかった。男女間の差は昨年の9万6400円から9万5900円に500円縮小した。
 なかでも医療・福祉分野の女性労働者の平均賃金は24万7200円で、女性の全産業平均を約1万4000円上回った。
 雇用形態別では、正社員は前年比1.3%増えたのに対し、非正規社員は0.3%の微増にとどまり、回復の足取りには差がみられた。
 安倍政権はデフレ脱却のため経済界に賃上げを要請している。今後は平均賃金がリーマン・ショック前の水準である30万円台に回復するかが焦点になりそうだ。

平成25年2月21日(木曜日)日本経済新聞電子版

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12年の給与が過去最低、賞与減で月31万4236円 2013/01/31

 厚生労働省が31日発表した2012年の毎月勤労統計調査(速報)によると、残業代やボーナスを含む給料の総額は月平均31万4236円となり、さかのぼれる1990年以降で最低水準となった。前年比では0.6%減。賃金が安いとされるパート労働者の比率が高まったことや製造業などでボーナスが減少したことが影響した。
 調査は従業員が5人以上の約3万3千事業所が対象。ピークだった97年の37万1670円と比べると、約5万7000円減少した。
 所定内給与は0.1%減の24万2887円で、7年連続減少した。パート労働者が全体に占める比率は12年に28.75%と過去最高となった。
 ボーナスなど特別給与は3.1%減の5万2586円。厚労省は「夏季・冬季ともにボーナスが伸び悩んだ」とみている。労働時間は月147.1時間で前年比0.5%増えた。12年は平日が例年より多かったためだ。
 同時に発表した12年12月の給与総額は前年同月と比べ1.4%減の54万2075円で、4カ月連続で減った。製造業の所定外労働時間(残業)は前年同月比8.1%減で、5カ月連続で減った。

平成25年1月31日(木曜日)日本経済新聞電子版

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高齢者の労働意欲、先進7カ国で首位2013/01/22

 日本の高齢者は世界的に見ても労働意欲が高い。国際労働機関(ILO)によると、2010年での65歳以上の男性の労働力率は日本が28.8%で先進主要7カ国(G7)のなかでトップだった。2位の米国(22.1%)、3位のカナダ(16.2%)にも大差をつけている。
 背景にあるのは日本が長寿国家で元気のいいシニアが多い点だ。しかし第一生命経済研究所の永浜氏は「今後は雇用のミスマッチが目立つようになる」と指摘する。
 団塊世代が多い55〜64歳のホワイトカラーはほかの世代より事務職が多いが、企業では事務職社員の過剰感が強まっているためだ。永浜氏は「成熟産業から成長産業へ円滑な労働力移動を促す政策がこれまで以上に必要になる」と指摘し、雇用政策の充実を訴えている。

平成25年1月21日(月曜日)日本経済新聞電子版

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労組加入率、最低の17.9%=パート増加で−厚労省2012/12/19

 厚生労働省が18日発表した2012年の労働組合基礎調査(6月末時点)によると、雇用者に占める組合員の割合を示す組織率は前年比0.2ポイント低下の17.9%と過去最低となった。これまでは07、08、11年の18.1%だった。厚労省は「正社員が減り、組織率の低いパートタイム労働者が増えたため」(統計情報部)とみている。
 組合員数は0.7%減の989万2000人と3年連続のマイナス。組織率の比較的高い製造業や公務員の組合員が採用抑制の影響などで減少した。
 一方、パートの組合員は7.9%増の83万7000人、全体の組合員に占める割合は0.7ポイント上昇の8.5%といずれも過去最高を更新した。卸売・小売業などで加入が進んだ。

平成24年12月18日(火曜日)時事通信社

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障害者雇用率、最高の1.69%=民間企業−厚労省調査2012/11/14

 厚生労働省が14日発表した2012年(6月1日時点)の障害者雇用状況によると、全国の民間企業(従業員56人以上)で働く障害者は前年比4.4%増の38万2363人で、全従業員に占める割合を示す障害者雇用率は0.04ポイント上昇の1.69%と、いずれも過去最高だった。
 厚労省は「企業が社会的責任やイメージ向上のため、積極的に障害者を雇用した」(障害者雇用対策課)とみている。

平成24年11月14日(水曜日)時事通信社

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有休取得率49.3%=政府目標ほど遠く−厚労省調査2012/11/02

 厚生労働省が1日発表した就労条件総合調査によると、2011年の正社員らの有給休暇取得率は49.3%だった。前年比で1.2ポイント上昇し、2年連続で伸びた。ただ、政府が掲げる「20年までに70%」の目標からはほど遠い。同省は「取得率向上を、企業に引き続き指導したい」としている。
 有給休暇取得率は、与えられた有休をどれだけ取得したかを示す。厚労省によると、11年の企業の有休は平均18.3日(前年17.9日)、実際の取得日数は9.0日(同8.6日)だった。

平成24年11月1日(木曜日)時事通信社

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65歳まで雇用、最高の48.8%=中小企業で活用進む−12年2012/10/19

 厚生労働省は18日、2012年の高年齢者雇用状況の集計結果を発表した。希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は前年比0.9ポイント上昇の48.8%で、06年の統計開始以来、過去最高となった。同省は「人手不足感の強い中小企業を中心に高年齢者の活用が進んだため」とみている。
 集計は6月1日時点の状況に関し、従業員31人以上の企業約14万社を対象に実施した。
 厚労省は公的年金の支給開始年齢の引き上げに合わせ、65歳までの雇用を確保するため、企業に(1)定年の廃止(2)定年の引き上げ(3)継続雇用制度の導入−のいずれかを義務付けている。しかし、継続雇用制度では、労使協定で定めた基準で雇用者を選別することを認めている。
 このため、従業員301人以上の大企業に限ると、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は0.5ポイント上昇の24.3%にとどまった。今年成立した改正高年齢者雇用安定法は希望者全員の65歳までの雇用を義務付けており、今後は大企業の早急な対応が求められそうだ。

平成24年10月18日(木曜日)時事通信社

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11年の離職率14.4%、前年比0.1ポイント低下=厚労省調査2012/09/12

 厚生労働省が12日発表した2011年の雇用動向調査によると、働く人全体に対する離職者の割合を示す離職率は14.4%となり、前年に比べて0.1ポイント低下した。東日本大震災などの影響で、よりよい職を求めて転職する人が減ったためだ。
 新しい仕事に就いた入職者の割合を示す入職率も0.1ポイント低下して14.2%だった。入職率と離職率の合計で、労働市場の柔軟性を示す延べ労働移動率は28.6%となり、比較可能な04年以降で最低となった。
 12年1月時点の常用労働者は4433万人で、前年に比べて11万人減った。パートで働く人は10万人増えて1078万人、正社員など一般労働者は22万人減り3354万人だった。離職した人は11年全体で641万人、新しい仕事に就いた人は630万人だった。
 離職の理由を聞くと、結婚や出産など個人的理由が67.9%で最多。勤め先の経営上の都合で仕事を離れた人は5.1%だった。転職した後の賃金が前職に比べて増えた人は28.5%で前年から0.9ポイント低下。賃金が減った人も0.3ポイント低下し32.0%だった。

平成24年9月12日(水曜日)日本経済新聞電子版

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失業率横ばい、4.3%=求人倍率は14カ月連続上昇−7月2012/08/31

 総務省が31日発表した労働力調査によると、全国の7月の完全失業率(季節調整値)は4.3%と前月比横ばいだった。一方、厚生労働省が発表した7月の有効求人倍率(同)は、前月比0.01ポイント上昇の0.83倍となり、14カ月連続で改善した。
 労働力調査の就業者(同)は3万人減の6269万人、完全失業者(同)は1万人増の282万人だった。総務省は雇用情勢について「足踏み状態になっている。景気は少し後退しており、雇用への影響を注視する必要がある」(幹部)と分析している。
 有効求人倍率は、リーマン・ショックが起きた2008年9月(0.83倍)に並び、ほぼ4年ぶりの水準まで回復した。宿泊・飲食業や医療・福祉の求人が引き続き旺盛で、改善に寄与した。

平成24年8月31日(金曜日)時事通信社

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仕事「パートで続けたい」が7割=厚労省調査2012/08/23

 厚生労働省が23日発表したパートタイム労働者調査で、「パートで仕事を続けたい」という人が71.6%に達した。正社員希望は20〜24歳で57.3%、25〜29歳では41.8%だったが、年齢が高くなるにつれて割合は下がり、全体では22%にとどまった。働き方の多様化に合わせてパートタイムで働く人の待遇改善が今後の課題となる。
 パートを選んだ理由は「自分の都合の良い時間に働きたい」が55.8%で最多。「正社員として採用されなかった」は7.4%にとどまり、自ら希望してパート労働を選ぶ人も多いことがわかった。「同じ内容の業務を行う正社員がいる」割合は48.9%。このうち「責任の重さが同じ正社員がいる」は36%いた。賃金は「正社員より低いが納得している」が42.5%で最多だった。
 正社員として働いた経験がある男性は66%、女性は79.3%だった。女性は結婚や出産で1度正社員を離れるとその後はパートで働く人が多い。働く理由については、女性は「家計の足しにするため」が70.9%だった。男性は「主に自分の収入で暮らしている」が61.4%、40代後半の男性では94.6%に上った。
 同調査は厚労省がほぼ5年おきに実施しており、今回は2011年6月時点の状況をパートタイム労働者1万235人から回答を得た。

平成24年8月23日(木曜日)日本経済新聞電子版

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新卒採用、企業の47%で増加…経団連調査2012/07/31

 経団連は30日、新卒採用について会員企業に聞いたアンケート調査の結果を発表した。
 2012年春入社の採用人数が11年入社より「増加した」と答えた企業は前年比8・5ポイント増の46・6%となり、「減少した」は6・8ポイント減の29・5%にとどまった。採用を増やした企業のうち49・4%が増加の理由として「業績の回復、事業拡大」と答えた。
 13年春の採用計画があると答えた企業のうち、採用人数を12年春より「増やす」としたのは3ポイント増の34・5%で、「減らす」(24・5%)を上回った。
 経団連は「社内の人材構成のバランスを取るため、安定的な雇用を続けようという方針の表れ」と分析している。調査は5〜6月に行い、経団連会員企業582社から回答があった。

平成24年7月30日(月曜日)読売新聞電子版

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最低賃金、全国加重平均で7円引き上げ2012/07/25

 労使の代表と有識者で構成する厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は25日、2012年度の都道府県別の最低賃金(時給)を、全国加重平均で7円引き上げる目安を示した。
 現在、最低賃金が生活保護費を下回る「逆転現象」が11都道府県で起きているが、示された目安の最高額が適用されても、北海道、宮城県では逆転現象は解消されない見込み。全国の加重平均額は、目安通りに引き上げられれば現行の737円から744円となる。
 生活保護の受給者が過去最高を更新し続け、210万人を突破したこともあって、どこまで逆転現象が解消できるかに注目が集まった。労働側は早期の解消を主張。使用者側は中小企業を中心に経営への打撃が大きいと反論し、2年以内に解消を目指すことで事実上合意した。

平成24年7月25日(水曜日)読売新聞電子版

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女性の非正規雇用54.7%過去最高=2011年女性労働白書2012/07/07

 厚生労働省は6日、「2011年版働く女性の実情(女性労働白書)」を発表した。働く女性の内訳は、正規雇用が985万人で前年比12万人減った。一方で非正規は1188万人で18万人増え、割合が54.7%(前年比0.7ポイント上昇)で過去最高となった。家計を助けるために働き始める主婦が非正規雇用に就いているとみられる。
 年齢別に見ると25〜29歳では正規雇用が63%で、非正規は少数派にとどまる。これが35〜39歳では非正規が半数を超える51.5%となった。年齢が上がるほど非正規の割合が増えており、白書では「妊娠・出産で退職した女性の再就職が非正規雇用になっている」と分析した。
 働く意欲のある人の割合を示す「労働力率」では、女性は20代と40代に比べて出産後の30代が落ち込む「M字カーブ」になっている。このカーブの底の35〜39歳の労働力率は前年比0.9ポイント上昇し、過去最高の67%となった。
 10年前との比較では、30〜34歳の労働力率が大きく伸び、8.8ポイント上昇した。未婚者は0.4ポイント上昇にとどまったが有配偶者は9.3ポイント上昇した。25〜29歳でも有配偶者は9.6ポイント上昇した。厚労省は「働きたくても働けなかった女性たちの働く環境が整いつつあることもM字カーブ改善の一因」と分析している。

平成24年7月6日(金曜日)日本経済新聞電子版

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派遣時給、19カ月連続上昇、5月三大都市圏=リクルート調べ2012/06/19

 派遣社員の時給の上昇が続いている。リクルートがまとめた5月の三大都市圏(関東、東海、関西)の募集時平均時給は前年同月比0.5%高い1472円と19カ月連続で前年を上回った。求職者の正社員志向が強く、派遣社員が集まりにくい状況が続いているためだ。
 職種別では「IT・技術系」が2.7%高い1837円。システムエンジニアやスマートフォン(高機能携帯電話)関連技術者の需要が旺盛だ。ウェブ・ゲームのデザイナーなど「クリエイティブ系」も1592円と0.4%上がった。
 エン・ジャパンがまとめた全国平均時給も1562円と前年同月比0.2%上がった。IT系、クリエイティブ系のほか「事務系」も前年を上回った。同社が広告媒体などで扱った5月の求人件数は前年同月比25%増。人集めに苦戦する中、早めに求人広告を出したり求人広告を出す期間を延ばしたりする企業が増えている。ITプログラマー職では「新規にシステム開発予算を計上する企業も増え、求人意欲が高まっている」(エン・ジャパン)。

平成24年6月19日(火曜日)日本経済新聞電子版

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雇用調整助成金の条件引き上げ・支給絞り込みへ2012/05/30

 厚生労働省は29日、従業員を解雇せず休業などにとどめた企業を支援する「雇用調整助成金」がもらえる条件を引き上げ、支給を絞り込む方針を明らかにした。
 景気の持ち直しを受け、中小企業などの利用が減少傾向にあるためだ。具体的な条件の変更や時期は、景気動向などをみて今後検討する。
 助成金の支給条件は、米リーマン・ショックや東日本大震災を受けて、「最近6か月の生産量が前年同期と比べて10%以上減少」から「最近1か月の生産量が原則5%以上減少」へと段階的に緩和させてきた。対象は生産量が減少する見込みとなった事業主まで広がっているが、元に戻す案が有力だ。
 厚労省によると、支給対象者はリーマン・ショック後の2009年度に延べ2130万人まで膨らんだが11年度は775万人まで減少している。

平成24年5月29日(火曜日)読売新聞電子版

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障害者の就職、2年連続で最高=6万人に迫る−厚労省2012/05/15

 厚生労働省は15日、ハローワークを通じて就職した障害者が、2011年度は前年度比12.2%増の5万9367人と2年連続で過去最高を更新したと発表した。厚労省は「障害者の就労意欲が高まり、企業も社会的責任として積極的に雇用しているため」(職業安定局)と分析している。
 内訳は、身体障害者が2.6%増の2万4864人、知的障害者が8.8%増の1万4327人、精神障害者が29.5%増の1万8845人だった。就職先を産業別にみると、医療・福祉が1万3751人で最も多く、製造業9282人、卸売・小売業9203人が続いた。

平成24年5月15日(火曜日)時事通信社

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男性の育休取得率、過去最高=2.63%に上昇−厚労省2012/04/27

 厚生労働省が26日まとめた2011年度雇用均等基本調査速報によると、男性の育児休業取得率が前年度比1.25ポイント上昇の2.63%と統計の比較が可能な1996年以来、過去最高となった。厚労省は「育休を促す法律の浸透や、育児に積極的な『イクメン』が認知されてきたことが大きい」と分析している。
 女性は4.1%上昇の87.8%だった。

平成24年4月26日(木曜日)時事通信社

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医療介護など有望産業で雇用1000万人増=国試算2012/04/22

 経済産業省は医療介護やヘルスケア、新エネルギーなど将来有望な産業が、2020年までに約1000万人の雇用を生み出すとの試算をまとめた。ヘルパーら介護現場の働き手のほかに、研究や技術開発で専門性の高い人材の需要が高まるためだ。経産省は人材教育や転職支援の関連企業を金融面から支援し、製造業などから成長産業への人材の移動を促す。
 経産省が23日に開く産業構造審議会(経産相の諮問機関)の新産業構造部会で試算を公表する。退職者の補充も考慮した人数で試算した。内訳をみると医療介護は269万人、新エネなど「対事業所サービス」が321万人、ヘルスケアなど「対個人サービス」が303万人増えるとした。一方で、製造業は生産拠点の海外移転の影響でほぼ横ばいとした。
 成長産業での新規雇用などで、失業率は20年に4.6%と、10年の5.0%から0.4ポイント下がると試算した。産業間の人材移動が円滑に進めば、20年の平均賃金は532万円と、10年の386万円から4割近く上昇するともみている。
 同省は人材移動を進めるには、業種間の移動だけでなく生産現場から研究開発といった高度な職種への転換を促す必要があると判断。人材教育を手掛けたり、転職を支援したりする企業が金融機関から融資を受けやすくするために公的な信用保証を拡充することなどで、人材の流動化を促す。

平成24年4月22日(日曜日)日本経済新聞電子版

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ソニー、人員削減1万人を発表…2012年度に2012/04/12

 ソニーは12日、経営方針説明会を開き、事業の再編成や本社・事業子会社・販売組織の再構築を進め、2012年度にグループ全体で国内外の約1万人の人員削減を見込むと発表した。
 経営方針では、デジタルカメラやゲーム、携帯電話事業を中心に電機部門を強化し、14年度にグループ全体で売上高8兆5000億円を目指す目標を打ち出した。平井一夫社長は記者会見で「ソニーが変わるのは今しかない」と強調した。

平成24年4月12日(木曜日)読売新聞電子版

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企業、人件費負担重く=労働分配率69.4%に上昇2012/03/11

 企業の「もうけ」に比べた人件費の負担割合が高まっている。利益などからどれくらいを人件費に振り向けたかを示す労働分配率は2011年に69.4%と2年ぶりに上昇した。東日本大震災などを受けて営業利益が前年比で約1割減った半面、人件費は高齢化などを背景に2%増えた。
 財務省の法人企業統計(金融保険を除く全産業)から計算した。11年は東日本大震災で企業活動が急激に停滞。欧州債務危機による世界経済の動揺やタイの洪水なども重なり、企業のもうけが減った。企業は大規模な人員カットには走らず、社内失業を抱える形で対応したため、結果的にもうけに占める人件費の割合が高まった。
 人件費は2年連続の増加。人員数はほぼ横ばいだった半面、従業員給与が小幅に伸びた。
 08年秋のリーマン・ショック後、労働分配率は利益の急減を背景に急上昇した。リーマン前には65%程度で推移していたが、09年に73.1%となった。10年は金融が比較的安定し世界経済の成長などで利益が拡大したため、分配率は67.7%まで低下していた。
 景気が回復していけば、分配率は緩やかに低下する可能性が高い。ただ欧州危機や円高の再燃などで業績悪化が続くようなら負担割合が高まり、企業が本格的に人件費の削減を進める可能性もある。

平成24年3月11日(日曜日)日本経済新聞電子版

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非正社員最高の35%(2011年)、失業1年以上109万人2012/02/20

 総務省が20日に発表した2011年の労働力調査(詳細集計、平均)によると、雇用者のうちアルバイトや派遣などの非正規が占める割合は35.2%となり、前年に比べ0.8ポイント上昇した。非正規の比率は2年連続で過去最高を更新した。失業期間が1年以上の完全失業者も109万人と依然として高水準で、厳しい雇用環境を反映している。
 調査は東日本大震災の被災3県を除いた全国ベース。10年の数値も3県を除いて算出した。企業から雇われた雇用者(役員除く)は前年比23万人増の4918万人。非正規が1733万人で48万人増えた一方で、正規は3185万人と25万人減った。
 非正規を雇用形態別でみると、パート・アルバイトが33万人増の1181万人、派遣社員も27万人増の340万人となった。企業が人件費を減らすために、正社員の採用を抑え、パートなどに切り替える傾向が続いている。
 完全失業者の総数は284万人となり、33万人減った。ただ、失業期間別にみると、1年以上失業状態にある長期失業者は、1年未満の失業者に比べて改善は限られた。「長期失業者は08年のリーマン・ショック以降に急増し、その後も高水準で推移している」(総務省)といい、労働市場での失業者の長期滞留が深刻化している。

平成24年2月20日(月曜日)日本経済新聞電子版

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職業紹介で不適切業務=厚労省に改善勧告−総務省2012/01/31

 総務省は31日、ハローワークでの職業紹介や求人業務が適切に行われていないとして、厚生労働省に改善を勧告した。求職者の希望職種などを記録していなかったほか、相談記録の7割超で具体的な相談内容が入力されていないなど基本的業務が徹底されていなかった。総務省は厚労省に、職員の指導徹底やシステム改修などの措置を講じるよう求めた。
 ハローワークの職業紹介をめぐっては、求職者と求人の結びつく割合が毎年3割前後と低水準で推移。雇用のミスマッチが問題となっている。
 総務省は2010年12月〜11年3月の間、31カ所のハローワークを対象に求職者930人、求人1395件を抽出調査した。求職者が書く申込書がハローワークのシステムに「求職票」として入力・整理される際、29カ所67人で希望職種、29カ所117人で希望勤務地が記録されていなかった。

平成24年1月31日(火曜日)時事通信社

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外国人労働者、68万人=中国が最多−厚労省2012/01/27

 厚生労働省が27日まとめた外国人雇用状況(2011年10月末現在)によると、外国人労働者(在日韓国・朝鮮・中国人は除く)は68万6246人と前年同時期から5.6%増加した。国別では、中国が最多で、ブラジルが2番目だった。また、全体の3割近くは雇用の不安定な派遣・請負労働者として働いていた。
 東日本大震災による影響も懸念されたが、厚労省は「製造業が震災で落ち込んだ分を取り戻すため、夏場以降に増産に転じ、外国人の雇用を増やした」とみている。

平成24年1月27日(金曜日)時事通信社

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労働組合員数、1000万人割れ=47年ぶり−厚労省2011/12/22

 厚生労働省が22日発表した2011年の労働組合基礎調査(6月末時点)によると、全国の組合員数は前年比9万3033人減の996万591人と2年連続マイナスだった。1000万人を下回るのは組合員数が増加途上だった高度経済成長期の1964年以来、47年ぶり。東日本大震災の影響に加え、近年の「労組離れ」が背景にあるとみられる。
 組合員数はピークだった94年の1269万8847人から2割以上も減少したことになる。また、労働組合数も2001年から毎年減少し、11年は2万6051組合となった。
 厚労省は「製造業から非製造業への産業構造の転換や、フルタイム労働からパートタイムなどへの移行がある」と指摘。非製造業や非正規労働者は組合の組織率が低いことが、減少の要因とみている。

平成23年12月22日(木曜日)時事通信社

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給与総額1%上げを要求 連合が12年春の交渉方針2011/12/01

 連合は1日、東京都内で中央委員会を開き、2012年春の労使交渉の方針を決定した。定期昇給の維持に加え、様々な手当などを含めた給与総額の1%引き上げが柱。13年度から年金の支給開始年齢が引き上げられることに対応し、希望者全員の65歳までの雇用確保の訴えも強める。
 委員会で古賀伸明会長は「震災から8カ月強が経過したが本当の復興・再生はこれから。雇用や生活の再建を急ピッチで進めないといけない」と指摘。10年の一般労働者の賃金水準が97年のピーク時から4%下がっているとして「賃金水準の復元、底上げ、格差是正を求める基本姿勢を堅持する」と説明した。
 年金の支給開始年齢が現行の60歳から13年度以降は順次65歳まで引き上げられるため、希望する人が全員65歳まで雇用が確保されることを強く求める方針。
 賃金改善の統一要求は3年連続の見送りとなった。委員会では「産業や企業によって実態が異なることを互いに理解する必要がある」と説明した。

平成23年12月1日(木曜日)日本経済新聞電子版

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障害者雇用、最高の36万人=前年比6.8%増−民間企業2011/11/26

 厚生労働省が25日発表した2011年(6月1日時点)の障害者雇用状況によると、民間企業の雇用障害者数は36万6199人で、前年から6.8%増加し、過去最高になった。改正障害者雇用促進法が昨年7月に施行され、前年の数値と単純に比較できないものの、厚労省は「前年までのベースで計算しても4.8%増加しており、企業の障害者雇用は広がりをみせている」としている。
 全従業員に占める雇用率は1.65%で、過去最高だった前年から0.03ポイント低下した。

平成23年11月25日(金曜日)時事通信社

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TPP交渉参加、首相が外国人労働者流入を否定2011/11/21

 野田首相は21日の参院本会議で、先のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の報告を行った。
 首相は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に伴い、低賃金の外国人労働者が国内に流入する可能性について、「単純労働者は議論の対象になっておらず、外国人労働者の流入により大きな影響が生じるとは考えていない」と否定した。ただ、「産業によっては雇用調整が発生する可能性があるが、離職者が生じた場合、円滑な労働移動が行われるよう、就労支援や職業訓練を行う」と述べ、雇用対策に万全を尽くす考えを示した。
 一方、TPP交渉参加に向け政府が設置を検討している省庁横断チームの役割に関しては、「外交、(国民への)情報提供、国内調整、国内対策をやっていく」と説明した。

平成23年11月21日(月曜日)読売新聞電子版

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非正規と正社員の格差是正を…連合が闘争方針案2011/11/18

 連合は17日、2012年春闘で、仕事の内容が正社員と同じで人事異動がある非正規労働者について、時給を30円アップしたうえ、一時金や手当を含む給与総額をさらに1%上乗せすることを求める闘争方針案を公表した。
 正社員については、定期昇給の維持と給与総額の1%引き上げを求める一方、ベースアップの要求は見送る。
 非正規労働者に関する方針は、パートや契約社員などの賃金を引き上げ、正社員との格差を是正することが狙い。人事異動がなく契約期間に定めがある非正規労働者については、時給20円アップと給与総額1%引き上げを要求することも決めた。時給アップは、正社員の定期昇給制度に当たるものとして位置づけている。闘争方針案は12月の中央委員会で正式に決定される。

平成23年11月17日(木曜日)読売新聞電子版

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早期退職の人件費削減効果=住生活G、年40億円に2011/09/09

 住生活グループは早期退職支援制度に伴う人件費削減効果が、2013年3月期以降、年40億円程度になりそうだ。4月に5つの事業会社を統合したのを機に旧トステムで採用していた制度を他の事業会社出身者にも適用。グループ全体で新たに約600人の応募を想定する。
 06年に旧トステムで導入した制度の適用拡大を既に実施しており、INAXなど旧トステム以外の出身者は45歳以上を対象とする。9月中旬まで募集する。
  同社は相次ぐM&A(合併・買収)で11年3月末の連結従業員数は約4万1000人と、5年前に比べ約1万1000人増加している。今後もM&Aによる従業員数の増加が見込まれ、統合に伴い効率化できる部分などの人員をスリム化する。
 応募数が想定通りなら12年3月期の費用負担は約80億円、人件費の削減効果は10億円程度になりそうだが、今期の業績予想には織り込まれているとみられる。

平成23年9月9日(金曜日)日本経済新聞

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長期雇用確保へ総額1000億円超=被災自治体に新基金、3次補正の柱2011/09/08

 東日本大震災の被災地に安定した雇用の場を創出するため、政府が被災各県や市町村に設置する新基金の総額が、1000億円を上回る規模となることが7日、明らかになった。復興事業の柱として2011年度第3次補正予算案に盛り込む。被災各県と津波被害を受けた沿岸部などの市町村に配分し、自治体が自由な裁量で、産業政策と連動した雇用拡大や企業の新規雇用促進などに取り組めるようにする。
 政府が既に設置している自治体向けの雇用創出基金は、津波などで職を失った被災者が、復旧事業としてがれき処理など短期の仕事を行うために使われてきた。新基金では、本格的な地域復興に向けた長期雇用の確保に重点を置き、自治体を通じて被災者の生活再建を全面的に支援する。

平成23年9月7日(水曜日)23:23 時事通信社

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非正社員、最高の38.7%=人件費抑制で上昇続く−昨年10月2011/08/29

 厚生労働省が29日発表した「就業形態の多様化に関する総合実態調査」(2010年10月時点)によると、全労働者のうちパートタイムや契約社員など非正社員の割合は38.7%となり、過去最高を更新した。企業の人件費抑制が背景にあり、07年の前回調査(37.8%)から0.9ポイント上昇。厚労省は「景気の影響で非正社員の比率上昇はしばらく続くのではないか」とみている。
 調査は従業員5人以上の1万6886事業所とその従業員5万1152人を対象に実施(有効回答率は事業所61.7%、従業員64.7%)。非正社員の割合は1987年の調査開始以来、一貫して上昇を続けている。
 非正社員のうち、最も多いパートタイムは全労働者の22.9%と、前回から0.4ポイント上昇。契約社員は0.7ポイント上昇して3.5%、嘱託社員は0.6ポイント上昇して2.4%となった。派遣労働者は3.0%と、リーマン・ショック後の雇い止めの影響で1.7ポイント低下した。

平成23年8月29日(月曜日)18:00 時事通信社

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進まぬ既卒者採用「内定出した」は13/7% 民間調べ2011/08/22

 就職情報サービスのディスコ(東京・文京)がまとめた7月時点での「採用活動に関する企業調査」によると、2012年春の新卒採用枠で卒業済みの既卒者の応募を受け付けている企業のうち、「既卒者に内定を出した」と回答した企業は13.7%にとどまった。応募を受け付けている企業は全体の6割に上るものの、実際に内定に至るケースはまだ少数にとどまっていることがわかった。
 10年秋に政府が3年以内の既卒者を新卒扱いするよう企業に要請した点について対応を聞いたところ「今年度から受け付けることにした」(14.7%)を含め全体の57.1%の企業が応募を受け付けていた。
 そのうち実際に「内定を出した」という企業は13.7%。従業員1000人以上の企業は22.7%が内定を出していたが、同300人未満の企業では10.2%にとどまった。「既卒者のチャンスは増えているものの、実際の選考では新卒に比べて不利な状況が続いている」(ディスコ)とみている。
 調査は7月25日〜8月1日に全国の1万6868社を対象に実施し、1104社から回答を得た。

平成23年8月22日(月曜日)11:43 日本経済新聞 電子版

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育休取得、男女とも低下=女性有期労働者は大幅減(2010年度)2011/07/16

 厚生労働省が15日まとめた2010年度雇用均等基本調査によると、女性の育児休業取得率は前年度比1.9ポイント低下の83.7%で、2年連続のマイナスとなった。男性の取得率も同0.34ポイント低下の1.38%で、男女ともにダウンした。。
 特に女性の有期契約労働者で取得率の落ち込みが目立ち、比較可能な08年度比では14.9ポイント低下の71.7%だった。厚労省は「有期労働者の方がより景気悪化の影響を受けやすいためではないか」と分析している。
 今回は昨年10月時点の状況について調査し、従業員が5人以上いる3955事業所が回答した。政府は17年までに男性の育児休業取得率を10%に引き上げる目標を掲げている。

平成23年7月15日(金曜日)16:32 時事通信社

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